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奪還の章
終結
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魔物たちの残骸が地平線まで累々と続く中、アリアウェットたちは竜王の背に乗り、砂漠の中心地へと向かった。
「あれだね」
ゼノスが指さした先には、巨大な魔物と、小人が陣取っている。
ただし巨大とは言っても、魔物の大きさは単眼巨人であるケンの半分程度だが。
小人の方はそいつの目の前描かれた魔法陣から魔物を呼び出しているようだ。
しかし、よくよく見ると、小人の頭には大きな魔物から伸びた管のようなものが突き刺さっている。
巨大な魔物と、新たに召喚された数体の魔物は、小人と魔法陣を守るかのように、地面へと降り立った彼らの前に立ちはだった。
ところが一行に緊張感はまるでなし。
既に彼らは誰が巨大な魔物を殺るのかで言い争いとなっているのだ。
「俺がぶっ殺す」
「さすが旦那様」
いきり立つガルバーンの背でシルフェーヌが付与魔法の準備を始めている。
「我が一瞬で処分してやろう」
「私が行くわ」
竜王とアリアウェットもどちらが倒しにに行くかで言い争っている。
化物どものやり取りにオルウェンだけが食い込めないでおろおろしている。
「まあまあ、ここは最初に研究を行った小僧に譲ってやるかいの」
「たまには花を持たせてやるか」
アドルフの提案とゼノスの同意によってディアンが一歩前に出た。
久々の嫌らしい笑みを浮かべながら。
ディアンは無造作に巨大な魔物へと歩を進めていく。
周辺の魔物どもは彼に向けて光線を放つが、それをディアンは反射楯でいとも簡単にはじいてしまう。
そうしながら再びディアンはにやりと笑った。
「じっくりと虐めてやるからな。アリア、ごみ掃除は任せたぞ」
「わかったわ」
アリアウェットはディアンに迫る魔物たちすべてを雷撃瀑布で破壊してしまった。
巨大魔物と小人だけになったところで、ディアンはこうつぶやいた。
魔法生物創造【電撃粘液体】
呪文の完成と同時に、魔物の頭上に黄色に光る粘液体が召喚される。
それはバチバチと閃光と音を立てながら、魔物に降り注いでいった。
スライムは電撃を帯びながら魔物の関節という関節、隙間と言う隙間から魔物の内部へと侵入していく。
するとその光景で何かを思い出したかのように、シルフェーヌがアリアウェットの脇を突っついた。
「スライムを使うお変態さんって、ディアン様のことでしたのね」
「ばれちゃったね」
二人は顔を見合わせて笑った。
ここが戦場であることを忘れたかのように。
その間にも、巨大な魔物はまるで意思を持つかのように悶え、内部からバチバチと音を立てながら倒れこみ、やがて動きを止めた。
同時に小人もその場にへなへなとしゃがみ込み、魔法陣は光を失っていった。
光が収まったところで、ゼノスがアリアウェットとディアンに小人の正体を明かした。
「そいつが間抜けなヤハヴじゃよ」
「こいつが?」
「この子が?」
あまりに貧相な小人の姿に、ディアンもアリアウェットも腑抜けたような返事をした。
「その小人は……」
一方でシルフェーヌは白い肌をさらに白くさせながら絶句している。
ヤハヴはシルフェーヌにとっても見覚えのある小人だった。
彼女をこの世界に召喚したのは、ほかならぬヤハヴなのだ。
「ねえゼノス、この子をぶち殺しちゃってもいい?」
シルフェーヌの話を聞いていたアリアウェットはブチ切れた。
「アリアさん、そんな怖いことを言うのはやめて!」
オルウェンはアリアウェットの勢いに押されながらも、何とか彼女を引き留めようとする。
しかしゼノスは薄笑いを浮かべたままだ。
「試しにやってみい」
アドルフもニヤニヤしている。
しかしシルフェーヌに対する仕打ちに怒っているのはアリアウェットだけでは無かった。
「じゃあ死ね」
ガルバーンが無造作にミスリルスラッシャーを小人に振り下ろした。
ところが、剣先が小人に届く前に、気を失っているはずの小人はその姿を消してしまった。
唖然としたアリアウェットたちの表情に、ゼノス、アドルフ、竜王は我慢できずに笑い転げ始めた。
「あ奴は、また利用されたのだろうな」
「召喚した連中に意識を乗っ取られるのは日常茶飯事じゃからな」
「今回も変なのに取りつかれておったのう」
一通り笑い転げたのちに、やっと落ち着いたゼノスたちは、何が起きたのかわからないといった表情のアリアウェットたちに教えてやった。
「あいつは、『死ねない呪い』に囚われているんじゃよ」
先程ガルバーンの刃から彼が消えたのも、それは彼の意思ではなく、呪いの効果によるものだという。
「ヤハヴはまた、見知らぬ土地に放り出されるのじゃろうな」
ゼノスは続けた。
「ヤハヴはな、どうも死ぬために召喚を行っている節があるのじゃ」
実はゼノスも遠い昔にヤハヴに召喚されたのだ。
しかしゼノスにはヤハヴの強制命令は通用せず、ゼノスは無礼な召喚術師をボコボコにした。
そしてトドメの一撃を入れようかとのところで、ヤハヴが目の前から消えたのだ。
その後ゼノスは、ヤハヴの呪いを知ることになる。
「ババアが呪いを解いてやればいいんじゃないか?」
ディアンの素朴な疑問に、ゼノスどころかアドルフと竜王も口をそろえた。
「何故じゃ?」
「何故じゃ?」
「何故じゃ?」
そうだった。
こいつらは自らが楽しければ他人なんか知ったこっちゃないという化物の集まりだったと、ディアンは思い出した。
「まあ、今回は俺たちの勝ちだ。次も何かあったら勝てばいいさ」
ガルバーンが場をうまくまとめあげた。
「そうね、今度見つけたら、生け捕りにしちゃいましょ」
アリアウェットの軽口で一同は笑いに包まれる。
こうしてワールフラッドの混乱は圧倒的な力によって終結した。
「あれだね」
ゼノスが指さした先には、巨大な魔物と、小人が陣取っている。
ただし巨大とは言っても、魔物の大きさは単眼巨人であるケンの半分程度だが。
小人の方はそいつの目の前描かれた魔法陣から魔物を呼び出しているようだ。
しかし、よくよく見ると、小人の頭には大きな魔物から伸びた管のようなものが突き刺さっている。
巨大な魔物と、新たに召喚された数体の魔物は、小人と魔法陣を守るかのように、地面へと降り立った彼らの前に立ちはだった。
ところが一行に緊張感はまるでなし。
既に彼らは誰が巨大な魔物を殺るのかで言い争いとなっているのだ。
「俺がぶっ殺す」
「さすが旦那様」
いきり立つガルバーンの背でシルフェーヌが付与魔法の準備を始めている。
「我が一瞬で処分してやろう」
「私が行くわ」
竜王とアリアウェットもどちらが倒しにに行くかで言い争っている。
化物どものやり取りにオルウェンだけが食い込めないでおろおろしている。
「まあまあ、ここは最初に研究を行った小僧に譲ってやるかいの」
「たまには花を持たせてやるか」
アドルフの提案とゼノスの同意によってディアンが一歩前に出た。
久々の嫌らしい笑みを浮かべながら。
ディアンは無造作に巨大な魔物へと歩を進めていく。
周辺の魔物どもは彼に向けて光線を放つが、それをディアンは反射楯でいとも簡単にはじいてしまう。
そうしながら再びディアンはにやりと笑った。
「じっくりと虐めてやるからな。アリア、ごみ掃除は任せたぞ」
「わかったわ」
アリアウェットはディアンに迫る魔物たちすべてを雷撃瀑布で破壊してしまった。
巨大魔物と小人だけになったところで、ディアンはこうつぶやいた。
魔法生物創造【電撃粘液体】
呪文の完成と同時に、魔物の頭上に黄色に光る粘液体が召喚される。
それはバチバチと閃光と音を立てながら、魔物に降り注いでいった。
スライムは電撃を帯びながら魔物の関節という関節、隙間と言う隙間から魔物の内部へと侵入していく。
するとその光景で何かを思い出したかのように、シルフェーヌがアリアウェットの脇を突っついた。
「スライムを使うお変態さんって、ディアン様のことでしたのね」
「ばれちゃったね」
二人は顔を見合わせて笑った。
ここが戦場であることを忘れたかのように。
その間にも、巨大な魔物はまるで意思を持つかのように悶え、内部からバチバチと音を立てながら倒れこみ、やがて動きを止めた。
同時に小人もその場にへなへなとしゃがみ込み、魔法陣は光を失っていった。
光が収まったところで、ゼノスがアリアウェットとディアンに小人の正体を明かした。
「そいつが間抜けなヤハヴじゃよ」
「こいつが?」
「この子が?」
あまりに貧相な小人の姿に、ディアンもアリアウェットも腑抜けたような返事をした。
「その小人は……」
一方でシルフェーヌは白い肌をさらに白くさせながら絶句している。
ヤハヴはシルフェーヌにとっても見覚えのある小人だった。
彼女をこの世界に召喚したのは、ほかならぬヤハヴなのだ。
「ねえゼノス、この子をぶち殺しちゃってもいい?」
シルフェーヌの話を聞いていたアリアウェットはブチ切れた。
「アリアさん、そんな怖いことを言うのはやめて!」
オルウェンはアリアウェットの勢いに押されながらも、何とか彼女を引き留めようとする。
しかしゼノスは薄笑いを浮かべたままだ。
「試しにやってみい」
アドルフもニヤニヤしている。
しかしシルフェーヌに対する仕打ちに怒っているのはアリアウェットだけでは無かった。
「じゃあ死ね」
ガルバーンが無造作にミスリルスラッシャーを小人に振り下ろした。
ところが、剣先が小人に届く前に、気を失っているはずの小人はその姿を消してしまった。
唖然としたアリアウェットたちの表情に、ゼノス、アドルフ、竜王は我慢できずに笑い転げ始めた。
「あ奴は、また利用されたのだろうな」
「召喚した連中に意識を乗っ取られるのは日常茶飯事じゃからな」
「今回も変なのに取りつかれておったのう」
一通り笑い転げたのちに、やっと落ち着いたゼノスたちは、何が起きたのかわからないといった表情のアリアウェットたちに教えてやった。
「あいつは、『死ねない呪い』に囚われているんじゃよ」
先程ガルバーンの刃から彼が消えたのも、それは彼の意思ではなく、呪いの効果によるものだという。
「ヤハヴはまた、見知らぬ土地に放り出されるのじゃろうな」
ゼノスは続けた。
「ヤハヴはな、どうも死ぬために召喚を行っている節があるのじゃ」
実はゼノスも遠い昔にヤハヴに召喚されたのだ。
しかしゼノスにはヤハヴの強制命令は通用せず、ゼノスは無礼な召喚術師をボコボコにした。
そしてトドメの一撃を入れようかとのところで、ヤハヴが目の前から消えたのだ。
その後ゼノスは、ヤハヴの呪いを知ることになる。
「ババアが呪いを解いてやればいいんじゃないか?」
ディアンの素朴な疑問に、ゼノスどころかアドルフと竜王も口をそろえた。
「何故じゃ?」
「何故じゃ?」
「何故じゃ?」
そうだった。
こいつらは自らが楽しければ他人なんか知ったこっちゃないという化物の集まりだったと、ディアンは思い出した。
「まあ、今回は俺たちの勝ちだ。次も何かあったら勝てばいいさ」
ガルバーンが場をうまくまとめあげた。
「そうね、今度見つけたら、生け捕りにしちゃいましょ」
アリアウェットの軽口で一同は笑いに包まれる。
こうしてワールフラッドの混乱は圧倒的な力によって終結した。
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