最弱冒険者なんですが...周りから最強冒険者と勘違いされている様です。

蜂乃巣

文字の大きさ
3 / 7
1章

【3話】ギルスカ....?!

しおりを挟む

「私を貴方のギルドに入れてください!!」

「は??」

金色に輝く髪に、ラピスラズリの様な紫色を帯びた深い青色の目、絶世の美貌と豊満...とは言い難い身体つきをした少女...いや皇太妃が言う。

「私にこの者の力量を試させて頂きたい。」

「は?」

姫様の騎士と呼ばれる爽やか系イケメン騎士が言う。

何だ、何なんだこのカオスすぎる展開は...。
帰りたい。
マジで帰って、ベッドの上で1日中寝ていたい。

何故こんなことになってしまったのか...時は1週間前に遡る。

--------------------

「マスタァー。この依頼なんだけど~。」

そう言って、俺が適当にサインしてギルド総括会...いわゆるギルドを束ねる組合的な所に送った依頼書を左手でゆらゆら揺らしながら、ギルド頭主室にノックもせずに、顰めっ面で入ってきた少女。

「あのね?ライナ?ノックしないとダメだから、てか、無断で入っちゃダメだから、この部屋。」

「えー、別に良くない?私とマスターの仲なんだし。」

「良くありません。」

この、紫色の髪にまるで誰も彼をも虜にする様な輝く金色の眼を持ち、ギルド内でも上位の顔立ちをしていると...思う(自分的に)少女、ライナ・アルスティン。

彼女は、俺とデリルがギルドを結成して1人目にできたギルドメンバーだ。

今では、このアスリナ帝国でも、頭角を表し冒険者ギルドの中でも様々な功績を挙げ、『赤穂の蛍』だが、最初の頃はこのライナとデリルとの戦闘的な相性の悪さから、1つランクを上げるまでに半年もかかってしまうという失速をしてしまった。

まぁ、この相性の悪さは時間が解決していき、仲間を増やして俺たちは強くなっていった...。
いや、俺たちではなく、俺以外は...だが。

ていうか、俺の能力的にD...いやEランク冒険者にもマトモにタイマンで戦ったら勝てる気がしない。

「まっ、そんな事は置いといてぇ...。」

「いや、置いたらダメだから。」

「はーい。それでー、なーんで私がギルスカに行かなきゃいけないの??」

「...??ギルスカ?」

「そー。なんか絶対行かなきゃいけない?的なの書いてるけどー。」

「...。」

ヤバい。
見た記憶がない。
てか、依頼書なんてヤバそうなの以外は、適当に流し読みしてサインしてるんだから、正直何が何か分からないのだ。
それに、書類にライナの名前を書いた記憶すらないんだが...。

「あぁー!それね。それは、あれだ。今回のギルスカに、面白い子が来るんだよ。」

「えぇ?ほんとー??」

「ほんと、ほんと!」

まぁ、知らんが...。

ギルスカ...それは正式名称をギルド総合スカウト合議というもので、様々なギルドが、総括会の設けた場所で新人やギルドに属していない冒険者をスカウトする場だ。

1年に1度しかないイベント?のため帝国に属するギルドは必ず参加が義務付けられている。
去年は頭主のデリルと、頭主代理の俺が行ったが、俺たちのギルドが、まぁそこそこ名前の売れたギルドだった為、チャレンジ精神の強い中堅冒険者やら活きの良い新人冒険者やらに喧嘩を売られ、それをデリルが買ってしまいメチャクチャにしてしまった。

その負目からも今回は...ん??今このギルドの頭主って俺だよね?って事は...。

「それってさ、俺の名前も書いてない?」 

「えー?んー、と...えっ?書いてるじゃーん。やった!デートだね?マスタァー。」

「...えっ。」

「...?」

やっぱり書いてますよね...。
うん、とてつもなく行きたくない。

ここは、代わりにデリルに行ってもらった方が良いな。
うん...。

「あー、ごめんごめん。その日予定あるんだよねー、俺。」

「えー?そうなのー?!折角デートだってテンション上がってたとこなのにー。」

「ハハッ。ごめんごめん。」

「でも、この日、お姫様が来るって書いてたけど...行かないんだぁー。」

「ん??お姫様って?」

「第2皇太子妃が来るってよ?」

第2皇女?!
ま、まずいッ!!

この前のギルスカで、デリルがやらかした際に助け舟を出してくれたのが、第2皇女、セシリア・バーンヒルデ。
何故か、来年のギルスカに来ることを条件に許してくれた。

うーん。
今頃思い出してしまった...。
ギルスカが終わった後に思い出したのなら、罪悪感も何もなかったというのに。

まぁ、忘れたまんまにしておいても良いが...後から何かと面倒事になりそうだ。

「あー、やっぱり予定空いてたから、俺も行こっかなぁ。」

「えぇ?!何それー、皇女様がいるからぁー?」

「違う違う、ライナと行きたかったんだよ。」

「えっ?!本当ー?!もー、マスターったら!」

まぁ、ライナがいれば、色々と安心できるし大丈夫でしょ。

うん...。

殺されたりはしないはず...でも冒険者って気性が荒いのが多いからなぁ。

はぁ...時間戻ったりしないかな?
できれば、ギルド創設前がいーんですけど...。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。

夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。 もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。 純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく! 最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...