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1章
【4話】行きたくない。
しおりを挟む「マスタァー!あそこのパフェ、行きたーい!!」
「....ギルスカが終わったらね。」
「やった!!」
アスリナ帝国...この国は他の国と比べてもずば抜けて技術や商業数、人口数までをも上回っている。
帝国の植民地となった国の特産や知識をも全て取り入れ、大陸でも最先端の発展を遂げたこの国にないものはないと言えるほどだ。
何かパフェとかコーヒー店とか、今まで見たことのない店も最近は段々と増えてきてるし...。
まぁ、俺を冒険者の中でも随一の腕を持った冒険者などと風潮する時点で、人を見る目だけは養われてはいないんだろうがね。
「はぁ...。」
「?どうしたの?マスタァー...。」
「いや...ちょっとね?」
「...ふーん。あっ、そういえばー、何で今回のギルスカ、城であるんだろうねー?」
そう、そうなのだ...。
ライナの言った通り、今回のギルスカは城の中で行われる。
何故かは知らないが...。
普通、城に野生児みたいな冒険者入れたりはしない...。
この国の王様は大丈夫だろうか?
この前も街のパレードに出てきてたらしいし...暗殺とか怖くないのかね。
「んー、何でだろうね。俺も城には入った事ないし、良い機会だね。うん。」
「マスタァー、入った事ないのー?!私も何だけどー!ちょっと緊張してきちゃったー!」
「フフッ。」
ヴェ...吐きそう。
いや、マジで吐きそう。
もう見えてきちゃったよ?
お城...。
どうする?帰るか?帰っちゃうか?!
「おっ、リークじゃないか!久しぶりだね?」
「...。」
黒髪に、金色の目、そして爽やかさ。
どこをとっても絵になってしまう男が、俺の左後方から手を振って歩いてくる。
「アインッ!!」
アイン・ルード。
冒険者の中でも唯一、俺が気兼ねなく話せる男だ。
といっても、この男も男で『赤穂の蛍』と同等の知名度と貢献度をもつ、『才華の花』なんていう洒落たギルドの頭主なのだが。
ギルド結成時が同じで、まだ2つのギルドとも底ランクにいた時は良く、魔物の討伐数なんかで競り合っていたが(主にデリルと)、どちらもギルドとして安定した頃からは、良好な関係を築けている。
「げっ...!リークも居るの?!」
「うわ...アイシャも一緒に来てたの?」
「は?何...その反応?」
「いやいや、そっちこそだよ。」
「「...。」」
アイシャ・ルーノ。
紫色の髪を紐で結んで、小柄な体格からは想像の出来ない異質な雰囲気を漂わせる顔の良い彼女は『才華の花』結成時から、アインと一緒に組んでいた魔術師だ。
正直な事をいうと、俺とは気が合わない。
俺は別に嫌いではないが、アイシャの方が俺の事を毛嫌いしている様で、出会ってから今までずっと関係が改善しない。
「まぁまぁー、それくらいにしなさい!2人共ー!」
「...あぁ。」
「ライナさん?!ご、ごめんなさい。」
こういう雰囲気になると、いつもの気怠そうな口調も飛び、ビシッとした声色になるのがライナの特徴というか...良い所だ。
(いつも感謝してます、ライナ様。)
「フフッ。ごめんね...アイン君ー。うちのマスタァーが。」
「いやいや、こちらこそ...。アイシャがいつもいつもごめんね。」
2人共大人だなー。と思いながら、アイシャに目を向ける。
ムスーッと頬を膨らめながら俺を睨みつけてきたアイシャの様子に気づいたのかアインがアイシャの後頭部に手刀を喰らわせる。
「イダッ!」
「はぁ...アイシャ。ダメだよ?そんな態度しちゃ。」
「んー、アインーッ!」
「ぷぷーッ。」
その様子を見て、少し過剰に笑って見せる。
「コラッ、マスター!大人気ない!」
「....。」
ま、まぁ?
これもノリってやつだ。
決して精神年齢がガキとか、そういう訳ではない。
「もう...!」
「ま、まぁ。ほら、早く行かないと遅れちゃうよ。」
「そうだね。ほら、行くよアイシャ。」
「...うん。」
ふぅ...やはり俺は大人だ。
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