21 / 47
main story
21
しおりを挟むside 縞
Ωで容姿は平凡、たいした取り柄も才能もない。
俺自身に魅力がないのに他の子を見るなという方が難しいだろう。
実際に運命でさえ他の子を選んだのだから。
でももう5年も経った。
あれから一度も運命には会っていない。
時々ふと自分の意識とは裏腹に蘇って来て胸がツキンと痛むけれど、それだけだ。
青砥くんを抜いて何やら話し込んでいた梅北様と南條様に呼ばれてそちらへ向かう。
「バラライカをいただけますか?」
「ギブソン。」
青砥くんがお酒が強いことはわかっていたけれど、この2人も相当強いようだ。
本当にアルコールを摂取したのかってくらい来たときと変わらない表情と口調。
バラライカとギブソンを作り、ナッツやフルーツだけじゃ飽きるだろうとチーズを生ハムで挟んだものやスモークサーモンなど違うおつまみも出す。
「碓氷さん、でしたっけ?」
いやに俺の顔を見てくるなと思ったら梅北様から声がかかった。
「はい、何かございましたか?」
「京ちゃん、迷惑じゃないですか?
貴方に結構な頻度で連絡を取っているようなので。」
「迷惑なようならはっきり言った方がいい。」
あぁ、青砥くんが心配なんだなぁ。
やっぱり青砥くんのようないい子の周りにはいい子が集まるのだ。
「迷惑ではないですよ。
とても楽しいです。
青砥くんは素直でとてもいい子ですから。
ただ貴重な学生の時間をこんなおじさんに使うのが勿体無いと思ってしまって……。」
問うて来たのは梅北様なのに目を見開いてこちらを凝視していたのは南條様だった。
「縞さーん。
そろそろ戻って来てくださいよー。」
「……まったく……。」
何か口を開きかけていた南條様だったが、俺が青砥くんに呼ばれてしまい、南條様は口を噤んでしまったから断って青砥くんの元へ向かった。
「ねぇ、陸、京ちゃんってどれくらいチャット送っていたかわかる?」
「たぶん余裕で100は超えていると思う。」
「それを以上に思っていない碓氷さんも相当「やめとけ。」」
「俺らは京に言われたときに協力すればいい。
京が安定する方が大事だろ。」
「……そうだね。」
2人はカクテルに口をつけそっとテーブルに置く。
白と透明のカクテルが凪いだ海のように2人の会話を聞いていた。
477
あなたにおすすめの小説
Ωの不幸は蜜の味
grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。
Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。
そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。
何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。
6千文字程度のショートショート。
思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。
クローゼットは宝箱
織緒こん
BL
てんつぶさん主催、オメガの巣作りアンソロジー参加作品です。
初めてのオメガバースです。
前後編8000文字強のSS。
◇ ◇ ◇
番であるオメガの穣太郎のヒートに合わせて休暇をもぎ取ったアルファの将臣。ほんの少し帰宅が遅れた彼を出迎えたのは、溢れかえるフェロモンの香気とクローゼットに籠城する番だった。狭いクローゼットに隠れるように巣作りする穣太郎を見つけて、出会ってから想いを通じ合わせるまでの数年間を思い出す。
美しく有能で、努力によってアルファと同等の能力を得た穣太郎。正気のときは決して甘えない彼が、ヒート期間中は将臣だけにぐずぐずに溺れる……。
年下わんこアルファ×年上美人オメガ。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
この噛み痕は、無効。
ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋
α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。
いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。
千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。
そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。
その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。
「やっと見つけた」
男は誰もが見惚れる顔でそう言った。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
【本編完結】偽物の番
麻路なぎ
BL
α×β、オメガバース。
大学に入ったら世界は広がると思っていた。
なのに、友達がアルファとオメガでしかも運命の番であることが分かったことから、俺の生活は一変してしまう。
「お前が身代わりになれよ?」
俺はオメガの身代わりに、病んだアルファの友達に抱かれることになる。
卒業まで限定の、偽物の番として。
※フジョッシー、ムーンライトにも投稿
イラストはBEEBARさん
※DLsiteがるまにより「偽物の番 上巻・中巻・下巻」配信中
※フジョッシー小説大賞一次選考通過したよ
二人のアルファは変異Ωを逃さない!
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
★お気に入り1200⇧(new❤️)ありがとうございます♡とても励みになります!
表紙絵、イラストレーターかな様にお願いしました♡イメージぴったりでびっくりです♡
途中変異の男らしいツンデレΩと溺愛アルファたちの因縁めいた恋の物語。
修験道で有名な白路山の麓に住む岳は市内の高校へ通っているβの新高校3年生。優等生でクールな岳の悩みは高校に入ってから周囲と比べて成長が止まった様に感じる事だった。最近は身体までだるく感じて山伏の修行もままならない。
βの自分に執着する友人のアルファの叶斗にも、妙な対応をされる様になって気が重い。本人も知らない秘密を抱えたβの岳と、東京の中高一貫校から転校してきたもう一人の謎めいたアルファの高井も岳と距離を詰めてくる。叶斗も高井も、なぜΩでもない岳から目が離せないのか、自分でも不思議でならない。
そんな岳がΩへの変異を開始して…。岳を取り巻く周囲の騒動は収まるどころか増すばかりで、それでも岳はいつもの様に、冷めた態度でマイペースで生きていく!そんな岳にすっかり振り回されていく2人のアルファの困惑と溺愛♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる