玉響から久遠へ

朝比奈和花

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side 縞


Ωで容姿は平凡、たいした取り柄も才能もない。
俺自身に魅力がないのに他の子を見るなという方が難しいだろう。

実際に運命でさえ他の子を選んだのだから。

でももう5年も経った。
あれから一度も運命には会っていない。

時々ふと自分の意識とは裏腹に蘇って来て胸がツキンと痛むけれど、それだけだ。




青砥くんを抜いて何やら話し込んでいた梅北様と南條様に呼ばれてそちらへ向かう。

「バラライカをいただけますか?」

「ギブソン。」

青砥くんがお酒が強いことはわかっていたけれど、この2人も相当強いようだ。
本当にアルコールを摂取したのかってくらい来たときと変わらない表情と口調。

バラライカとギブソンを作り、ナッツやフルーツだけじゃ飽きるだろうとチーズを生ハムで挟んだものやスモークサーモンなど違うおつまみも出す。


「碓氷さん、でしたっけ?」

いやに俺の顔を見てくるなと思ったら梅北様から声がかかった。

「はい、何かございましたか?」

「京ちゃん、迷惑じゃないですか?

貴方に結構な頻度で連絡を取っているようなので。」

「迷惑なようならはっきり言った方がいい。」

あぁ、青砥くんが心配なんだなぁ。
やっぱり青砥くんのようないい子の周りにはいい子が集まるのだ。

「迷惑ではないですよ。
とても楽しいです。

青砥くんは素直でとてもいい子ですから。

ただ貴重な学生の時間をこんなおじさんに使うのが勿体無いと思ってしまって……。」

問うて来たのは梅北様なのに目を見開いてこちらを凝視していたのは南條様だった。

「縞さーん。
そろそろ戻って来てくださいよー。」

「……まったく……。」

何か口を開きかけていた南條様だったが、俺が青砥くんに呼ばれてしまい、南條様は口を噤んでしまったから断って青砥くんの元へ向かった。
















「ねぇ、陸、京ちゃんってどれくらいチャット送っていたかわかる?」

「たぶん余裕で100は超えていると思う。」

「それを以上に思っていない碓氷さんも相当「やめとけ。」」

「俺らは京に言われたときに協力すればいい。
京が安定する方が大事だろ。」

「……そうだね。」

2人はカクテルに口をつけそっとテーブルに置く。




白と透明のカクテルが凪いだ海のように2人の会話を聞いていた。
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