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第1章
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しおりを挟む「フィラの白い石だ、似合ってる!」
「……ミクロの赤い石も、きれい。」
気に入ってくれたようで何よりだ。
5歳でこの容姿なら将来は美形に育つのが目に見えているから少しでも守ってくれるといい。
危害を加えそうな気配を感じたら、石が結界を張ってくれるようにしたし、悪意を持っている者が近づいてきたらそれとなく警戒心を煽るようにした。
まぁ元々ふたりは警戒心が強い方だけれど。
ふたりは夕食の手伝いもしてくれた。
といっても昨日のクリームシチューを作る前に分けておいたスープをポトフにして、肉を焼くだけだったのだけれど。
ごはんを食べ終わったあといつも通りふたりとお風呂に入る。
お風呂といえばこの国はシャワーが主流らしく、湯船に浸かる習慣はあまりないようだった。
最初ふたりも湯船に浸かってゆっくりしている俺にびっくりしていたけれど、翌日には一緒に浸かって和むようになった。
頭だけ出して気持ちよさそうにしているのがマスコットみたいでかわいい。
「ユーリ、すごい……。」
「……きれいー。」
お風呂から上がって今日はまだ寝るまでに時間があったから、作りきれなかった自分用の魔石の加工しようとしたら、見たいというので手を出さないように注意して加工していく。
赤と白はふたりの色だから惹かれたんだと思うんだけれど、なんで俺は黒に惹かれたんだろ。
俺の髪も瞳も黒ではない。
日本人は黒髪に黒い瞳が多かったから懐かしくなってなのかな?
でもこの石、黒いけど光の加減によっては青みを帯びるんだよね。
日本人の髪とは少し違うかも。
うーん、不思議だ。
この魔石はピアスにして左耳につけた。
「よしできた。」
「ユーリ、僕もできるようになりたい。」
「……ぼ、僕も……。」
術式に必要な文字はとてもきれいだし、魔法もキラキラしているから子どもは好きだろうな。
大人の俺でもきれいだと思うし、ワクワクする。
多分これは術式を組んで、組み込んだから魔術か、いやでも組み込むのに魔法を使ったから魔法か?
よくわからないな。
しかも本に書いてあるの若干いじっているし。
自分が理解しきれていないものを教えるのはなぁ。
それにまだ2人は幼いから体に何かあっては困る。
「今すぐ教えるのは難しいな。
魔法や魔術を学べる方法を探してみるから待ってくれるか?」
「「うん。」」
とりあえず明日商業ギルドに行ってみるか。
何か方法がないか尋ねてみよう。
「もう夜遅いし寝るよ。」
ふたりを抱っこして2階のふたりの部屋に連れて行こうとすれば
「ユーリ。」
「……今日もご本読んでほしい。」
と頼んできたので今日も両隣にふたりが来ることになった。
俺の部屋のベッドはクイーンサイズでよかった。
ふたりがいても余裕がある。
なんて呑気に思っていた俺だがこれから先もふたりと眠ることになるとはこのときは思っていなかったのだった。
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