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episode 9
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しおりを挟むりぃくんたちが寝るのを見届け、リビングをリュカさんとささっと片づける。
「よし、僕たちももう寝ましょうか。」
「あ、私はもう少し書斎で仕事するので先に行っていてください。」
「……え?」
家で仕事なんて滅多にしないリュカさんが今日、こんなときに限ってそんなことを言い出した。
「……僕ももう少しやることやっちゃおうかな?」
「寝れるときは早く寝たほうがいいですよ?」
「あ、ほら、りぃくんの博物館見学の準備とかしないといけないの思い出しました!」
「……それは一週間後なので今しなくても大丈夫なのでは?」
うっ。
「……明日の咲や柊のお菓子作っておこうかなって!」
「お菓子のストック置き場にはたくさんお菓子がありましたが……。」
ううっ。
「リュカさんのハンカチやワイシャツのアイロンがけを……。」
「いつもありがとうございます。
でもハンカチやワイシャツは綺麗にアイロンがけされて、収納されていましたよ?」
うううっ。
なんで家事をちょっと残しておかなかったんだお昼の僕!
その後も考えて考えて案を出すもリュカさんの正論に一刀両断された。
「まだやる予定のものありましたか?」
「……う~、リュカさん、今日は僕と一緒に寝てもらえませんか!
というより、お仕事中、傍で待っていてもいいですか!
邪魔はしないので!」
だって怖いじゃん!そうだよ!怖いよ!
目瞑って、寝れなくて目を開けたらおばけいたらどうしよう考えちゃったり、いないってわかっていても後ろになんか気配があるような気がするじゃない。
「ふっ、ふふふっ、あははははっ!
仕事はうそですよ。
柊が目立っていましたが、同じくらい怖がってたいる陽がかわいくてつい……。
すみません。」
「!?リュカさん、意地悪です!
……もう寝ます!おやすみなさい!」
リュカさんの大爆笑に心がほやん、と温かくなるのと、怖いのを隠していたのにバレバレだった恥ずかしさとちょっとの怒りに頭がパンクした僕はベッドに潜り込んだのだった。
その姿は先ほど陽が笑っていた柊そっくりで。
柊を揶揄っていた理人の姿そっくりだった。
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