灰かぶり姫と月の魔法使い

星 佑紀

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第弐譚

0006:魔法陣

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「お屋敷の外へ出られましたが、これからどうするおつもりなのですか?」


「勿論、移動魔法でお城に転移するよ!」




 皆様どうも、お屋敷から無事脱出できました灰かぶりです。

 現在、魔法使いツクヨミさんが、地べたに魔法陣(?)のような図式をチョークで描いているところです。



「……へぇ、こうやって魔法使いさん達は移動されるのですね。(まじまじ)」


「えへへ、すごいでしょ?(誇らしげ)」


「……魔法ってなんだか面白そうですね。」


「灰かぶり姫も練習したらできるよ! ……今度時間があるときに教えてあげるね‼」


「そのときはよろしくお願いします。」



 そうこうしているうちに、魔法陣が完成したようです。

 上機嫌なツクヨミさんは、チョークをポイっと消して、私の方に手を差し出してきました。



「ほら、僕の手を取って。」


「はい。」



 グイッと魔法陣の中へ引き寄せられた私は、ツクヨミさんのローブの中へすっぽりと収まってしまいます。



「ごめんね。ちゃんと密着しておかないと、移動中に離れ離れになっちゃうからさ!」


「お願いします。」


「(素直だなー。)(嬉)」



 地面に描かれた魔法陣は、ほんのりと青白く光っていました。



「灰かぶり姫、しっかり掴まっててね‼」



「はい! ツクヨミさん‼」



 ――煌々と輝く一筋の光が、二人を乗せて、トルネード王国へと突き進む‼――
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