【モフモフは正義‼︎】親友に裏切られて国外追放された悪役令嬢は、聖女になって返り咲く

星 佑紀

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第肆譚

0045:アデル皇国へ‼︎

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 ーーパトリック殿下達が巫女寮に宿泊した次の日。ーー

 ーー巫女寮の門の前にて。ーー


「お婆様、短い間でしたがお世話になりました‼︎(謎の風呂敷包みを背負った殿下)」

「あたたかいおもてなしをしてくださり、本当にありがとうございました。(新型柴犬着ぐるみさんのお腹のポケットが、何故かとても膨らんでいるマリア嬢)」

「今度は家族総出で、ニホンに来ますので、その時は絶対に会いに来ます‼︎(密かに家族旅行を画策しているノア)」

「……お婆様、お元気で。(パトリック殿下の風呂敷包みより大きい荷物を持った大巫女ミクル)」

「うん、……みんな、気をつけてな。(旅立つ四人のアクが濃すぎて、戸惑いを隠せない老婆)」

「パトリック殿下、……私は、一度サネユキ様の下へ顔を出してから、アデルへ向かいます。(キリッとシグレ)」

「了解! じゃあ、みんな、いくよー! ……指定人物魔法転送。(瞳孔ピカッと殿下)」


 ほわわわわわわ、………シュパッ‼︎


 ーー橙色の光が四人を包み込んで、消失した‼︎ーー


「……それでは、ミノリ老婆様、私はこれで。(サッと行こうとするシグレ)」

「ちょっと待ちなさい、シグレ。(霊力でシグレを止める老婆)」

「……どうなされましたか?(きょとんシグレ)」

「……伝言を頼みたい。(神妙老婆)」

「…………?」

「アデルに到着してから、パトリックに伝えてくれ。」

「わかりました。……急ぎますか?」

「いや、……ゆっくりでいい。……についてのことだ。(複雑な表情の老婆)」

「…………?」


 ーー老婆はシグレに、とある伝言を託したのであった。ーー


 ◇  ◇  ◇


 ーーここは、アデル皇国の『レオの館』門の前ーー


 パアアアアアアア、……シャシャッ‼︎


 ーーパトリック殿下御一行は光とともに降り立った‼︎ーー


「よしっ! ……はじめての場所だから心配だったけど、なんとか無事に来れたね。(安堵する汗だくパトリック殿下)」

「パトリック様、大丈夫ですか?(心配している表情で、殿下の顔面の汗をハンカチで拭うマリア嬢)」

「ありがとう、マリア様。……えへへ、嬉しいな。マリア様のおかげで、疲れが吹っ飛んじゃったよ‼︎(マリア嬢にデレデレする殿下)」

「疲れが溜まっているときは、きちんと仰ってください。……私も、転送用の魔法陣なら発動できますから。(なんてたって、私は、アデル皇国の貴公子マーキュリー殿下の弟子ですからね‼︎ 肉球モチーフのハンカチをお腹のポケットにおさめるマリア嬢)」

「(じーっと、マリア嬢のお腹のポケットを凝視して)……マリア様、……そのポケットには、何が入っているのですか?(先程からずっと気になっていた殿下)」

「ふっふっふ、……それは秘密ですわ。(ミステリアス風の表情で誤魔化すマリア嬢)」

「……。(マリアさまー、ポケットから、昨日のあん餅を包んでた葉っぱが出てますよー! 心の中で叫んでるノア)」

「それにしても、あれがレオの館なのか。(門の向こうにそびえ立つ豪邸を見てややドン引きしてる大巫女ミクル)」

「いやー、なかなか豪勢なお屋敷ですね。流石は、魔法大国。トルネードの建物とは比べものにならないくらい、素晴らしいつくりだ。普通のお屋敷でこんなにもバカでかいってことは、宮殿やお城はもっとすごいのかな?(カルチャーショックを受けている殿下)」

「いや、アデルの宮殿は、これの百分の一くらいだぞ。(一回だけ宮殿に行ったことがある大巫女)」

「「「えええええ⁉︎」」」

「ここの持ち主は、ランドット王国のレオという魔法使いなんだが、ヤツは、無類の魔法好きでな。……増築を繰り返した結果があれだ。(ジト目大巫女)」

「やけに詳しいですね、ミクル姉さん。(大汗殿下)」

「まあな、……レオも我の弟子だからな。」

「「「ーーーーっ⁉︎」」」

「なんにせよ、あれはやりすぎだ。……少し強く言っておこう。……それではみんな、心の準備は良いな?」

「「「ラジャーー‼︎」」」

「呼び鈴を鳴らそ……。(呼び鈴に手をかける大巫女)」

 ドドドドドドドーー‼︎(誰かが走って来る音)

「「「「ーーーー⁉︎」」」」


 ーーと、そこへ、一人の女性が急いでやってきた‼︎ーー


「いらっしゃいませ! ようこそへおいでになられました‼︎ ゼェハァ……。(息を切らしてるとある女性)」

「きききみ、大丈夫かね?(困惑大巫女)」

「はい! ……ニホン帝国の大巫女様に、トルネード王国のパトリック殿下御一行様でよろしいでしょうか?」

「ああ、そうだ。……レオはいるか?」

「はい! 皆様方のご来訪を心待ちにされていらっしゃいます‼︎(大きな門を手動で開いて)……さあ皆様、どうぞお入りください‼︎」

「パトリック……。(殿下に水を向ける大巫女)」

「はい。……マリア様、ノア、準備はいいかい?(マリア嬢とノアに確認をとる殿下)」

「「ラジャーー‼︎」」

「よしっ! ……ミクル姉さん、行きましょう。」

「ああ。……君、レオのところまで案内してくれるかね?」

「はい! お任せください‼︎」

「……(殿下達の方を向いて)みんな、魔法屋敷は、いろんなカラクリが隠されている。十分気をつけてくれ。」

「「「ラジャーー‼︎」」」

「よし、……では君、案内を頼む。」

「承知致しました! 皆様、こちらです‼︎」


 ーー殿下御一行は、『レオの館』へ足を踏みいれた‼︎ーー
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