いつかあなたに食べられる日まで~元社畜女子はもふもふに癒やされる~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第5章 病めるときも健やかなるときも *

3.深い後悔 *

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「レ、レオン……」

熱で潤んだ目で彼を見上げて懇願する。

……早く、この苦しみから解放してほしい。

しばらく見つめたあと、目尻を舐めたレオンの手が慎重に私の足へとかかる。
ゆっくりと足を開かされ、思わず顔を背けていた。

「……メスのいい匂いがする」

吐息を感じ、おそるおそる視線を向ける。
そこではレオンが、私の花園に鼻を近づけてにおいを嗅いでいた。

「嗅がないで……」

獣人たちは人間に比べて何倍も嗅覚が鋭い。
さらにここでは毎日、風呂に入るわけじゃないのだ。
昨日は入っていないし、きっと臭うはず。

「いい匂いだ。
……うまそう」

「あっ!」

れろん、と舐められて声が上がる。

「レ、レオン……?」

「……なんだ?」

蜂蜜に夢中な熊のようにレオンはぴちゃぴちゃと音を立てながら蜜口を舐めた。

「ああっ、そこ……!」

大きく舐めた彼の舌先がすっかり立ち上がった花芽に当たり、びくっ、と身体が反応する。

「ここがいいのか?」

狙いを定めたレオンが、そこばかりを舐めてくる。

「ダメ、ダメー……!」

膨れに膨れあがっていた熱は、ようやく出口に向かって走りだす。
私の反応が変わったのに気づいたのか、舌の動きが速くなった。

「あ、あ、イく……!」

パン!と突き抜けると同時に、太ももへ鋭い痛みを感じた。
気のせい、だと思ったものの。

「はぁ、はぁ」

やっと苦しめられていた熱が解放され、身体が楽なる。
それでも、半分ほどだけど。
けれどそれと同時に、ズキズキと鈍く太ももが痛む。

「レオン……?」

ようやく落ち着いてきてゆっくりと目を開けて見えたのは、……恐ろしいほど真顔のレオンだった。

「すまない、チハル」

がくりと項垂れ、彼があたまを抱える。
そーっと痛み続ける太ももを見てその理由を知った。
そこは食い込んだであろう爪で傷つけられ、血を流していた。

「あの、その、……レオンが気にすることじゃない、ので」

触れようとした途端に、さっと逃げられる。

「俺はチハルを傷つけた」

俯いたまま、レオンの顔は上がらない。

「仕方ないですよ。
気にしないでください」

きっと、興奮して力加減を間違えた、といったところだろう。
痛みよりも、――それだけ興奮してくれていた方が嬉しい。

「俺はチハルを傷つけた。
絶対に傷をつけないと誓ったのに」

「レオン……」

ベッドの隅に座り、あたまを抱えたまま彼は動かない。
深い後悔からは慟哭すら聞こえてきそうで、なんと声をかけていいのかわからなかった。

「すまない、チハル。
早く傷の手当てをしないとな。
アプリコットを呼んでくる」

「あ……」

止めるまもなく、レオンは部屋を出ていった。
全裸のままいるのもあれなので、もそもそとパジャマ用の服を着る。

「チハルー?
入るわよ?」

「あ、はい」

程なくしてノックの音が聞こえ、アプリコットさんが入ってきた。

「レオンがチハルに怪我を負わせてしまったから、って」

「……はい」

少し迷って服の裾を捲り、恥ずかしながら足を開く。

「あー、これはよくあることだから」

やりにくい、とばかりにさらに大きく足を開かせ、アプリコットさんは手際よく薬を塗ってくれた。

「ごめん。
事前に言っておくべきだった。
大型肉食獣とスる危険について」

珍しく反省しているのか、彼女の髭はしょぼんと垂れている。

「危険、ですか……?」

「そう。
大型肉食獣との関係は、草食獣、特に小型の草食獣にとって危険がつきものなの。
ちょっと興奮して先走って、その話をしなかった私が悪い」

なぜかするすると彼女が服を脱いでいく。
全部脱いで現れた身体を見て、――思わず息を、飲んだ。

「ちゃんと説明するわ。
大型肉食獣と付き合ううえでの危険を」

彼女の身体は胸が大きく抉れており、毛も生えない醜い傷になっていた。
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