43 / 60
第9章 人間差別と獣人差別
1.バルドゥルさんと奥さんの話
しおりを挟む
「本当にすまなかった」
「……いえ。
引き留めるのを、無理矢理振り払おうとした私も悪いので」
バルドゥルさんが真摯に私へ詫びてくれる。
千切れた私の左腕は、すぐに呼んでくれた医者の治癒魔法で問題なくくっついた。
ただ、出血が多かったのでしばらくは安静が必要だけど。
「いや。
つい力が入ってしまったとはいえ、本当に申し訳ない。
君を預かった身としては、レオンにあわせる顔がない」
耳までぺたんこに倒してバルドゥルさんは私に詫び続けるが、悪いのは彼じゃない。
彼を振りほどいてまでレオンの元へ行こうとした私だ。
「なにかあったらすぐに呼んでください。
なんでもします」
申し訳なさそうに彼は部屋を出ていったが、これ以上、彼になにを求められよう?
日当たりのいいこの部屋からは、美しい庭が見える。
きっと、この城で一番いい部屋なのだろう。
さらにリラックス効果がありそうな、いい匂いのする花が飾られていた。
そのうえ、すぐ手が届く場所には、食べやすいように切られた果物まで置いてある。
「……反対に私の方が申し訳ない、です」
起き上がっているのもつらくなって、ぽふっと身を枕に預ける。
意識が戻ったときにはあれから一日がたっていた。
起き上がれるようになるまで、さらに半日。
「レオン、どうしてるんだろ……」
枕元に置いてある、ハンカチを開く。
血塗れの服と共に捨てられかけたが、バルドゥルさんが大事なものがあるといけないからと確認してくれた。
「……よかった、これが捨てられなくて」
レオンと私を繋ぐ、大事なもの。
これまでなくなったら、……死ぬ。
翌日にはずいぶんよくなっていて、ずっとハンカチに挟んだ花の指環を眺めていた。
多少の貧血程度になってあたまも回りだすと、レオンのことばかり考えてしまう。
「……私、レオンに捨てられたのかな」
そんなはずはないとわかっている。
私の身の安全を考えてのことだって。
……でも。
「……ひとりで決めないで、相談してほしかったな」
最初からそのつもりだったからあの日、結婚しようなんて言った。
ふたりだけの結婚式を挙げながら、レオンはどんな気持ちだったんだろう。
「……泣かない。
もう絶対に、泣かない」
だって私の涙を拭ってくれる、レオンはもういないんだから。
「チハルさん。
よろしいですか?」
「あっ、はい!」
ドアの外からバルドゥルさんに声をかけられ、慌ててハンカチを綴じて置く。
「ご気分はどうですか」
彼は椅子を引き寄せ、私の枕元に座った。
「おかげさまで、もうすっかり。
お医者様から許可さえ出れば、いまからでも動けそうです」
ガッツポーズなんかして笑ってみせる。
ようやくそれでほっとしたのか、私の腕を千切ってから初めてバルドゥルさんは笑ってくれた。
「それはよかった。
……それで。
チハルさんにお話ししておきたいことがあります」
「……はい」
彼が居住まいを正し、私も背筋が伸びる。
「私と、妻の話です。
チハルさんは知っておいた方がいいと思うので」
それから彼の口から語られる話を、相槌も打たずに聞いていた。
バルドゥルさんには昔、人間の奥様がいた。
もちろん周りからは反対されたが、それでもふたりは幸せに暮らしていた。
……その日、までは。
夜の方も、バルドゥルさんは強靱な理性で本能をねじ伏せ、上手くやっていた。
「捕食本能に流される奴は所詮、意志が弱いだけだ。
自分は大丈夫。
そんな奢りと過信が油断を招いたんでしょうね」
自嘲する彼は、そのときの自分を酷く憎んでいるようだった。
いつになく熱い情事だったその夜、奥様の悲鳴で我に返る。
その、牙に感じる柔らかな肉、口に流れ込む温かな血。
瞬間、その場で嘔吐していた。
嘔吐きも止まり、大怪我を負っている妻を手当てしなければと駆け寄る。
けれど彼女はバルドゥルさんが近づくだけで、悲鳴を上げて怯えた。
その、自分を拒絶する目がいまでも忘れられないのだという。
「食べられそうになったのです、私が怖いのはわかります。
でも、拒絶されたのがなによりもつらかった」
まだその傷は塞がっていないのか、語るバルドゥルさんの顔は本当に痛そうだ。
奥様が静養で使っていた部屋が、ここだという。
バルドゥルさんはもちろん、肉食獣を酷く怖がり、人間以外、傍に寄せつけなかった。
身体の傷がようやく癒えた頃、――彼女の妊娠がわかった。
『産みたくない、あんなライオンを好きなったりするから、こんなことになる……!』
その叫びと共に女の子を産み落とし、彼女の命は尽きた。
「私が彼女を、好きなったりしなければよかったのです。
そうすれば彼女を、不幸にすることはなかった」
バルドゥルさんの声は、深い後悔に染まっている。
「貴方と一緒にいればレオンも、いずれ私と同じ轍を踏むことになる。
だから彼は、貴方を私に託したのです。
……わかってやって、ください」
「……」
彼にあたまを下げられても、なにも言えなかった。
ひとりになり、ぼーっと考える。
「人間でもライオンとのあいだに子供が授かれるのはよかったけどさー」
成功例は少ないが、異種族間でも子供ができる魔法薬があるそうだ。
それは朗報ではあるけれど。
「……食べられるのはやっぱり、怖いもんね」
レオンと関係を持ったあの日、いくらレオンでもいままさに食べようと口を開けているのを見て、一気に血の気が引いた。
きっと牙を立てられた時点で彼を怖がり、避けてしまうだろう。
私を食べようとした黒豹だけじゃなく、黒豹全般が苦手になっているように。
「レオンと一緒にいるためには、並大抵の愛じゃダメってことですか……」
はぁーっ、と重いため息が落ちていく。
神様はどこまでも、私に試練を与えたいようだ。
「……いえ。
引き留めるのを、無理矢理振り払おうとした私も悪いので」
バルドゥルさんが真摯に私へ詫びてくれる。
千切れた私の左腕は、すぐに呼んでくれた医者の治癒魔法で問題なくくっついた。
ただ、出血が多かったのでしばらくは安静が必要だけど。
「いや。
つい力が入ってしまったとはいえ、本当に申し訳ない。
君を預かった身としては、レオンにあわせる顔がない」
耳までぺたんこに倒してバルドゥルさんは私に詫び続けるが、悪いのは彼じゃない。
彼を振りほどいてまでレオンの元へ行こうとした私だ。
「なにかあったらすぐに呼んでください。
なんでもします」
申し訳なさそうに彼は部屋を出ていったが、これ以上、彼になにを求められよう?
日当たりのいいこの部屋からは、美しい庭が見える。
きっと、この城で一番いい部屋なのだろう。
さらにリラックス効果がありそうな、いい匂いのする花が飾られていた。
そのうえ、すぐ手が届く場所には、食べやすいように切られた果物まで置いてある。
「……反対に私の方が申し訳ない、です」
起き上がっているのもつらくなって、ぽふっと身を枕に預ける。
意識が戻ったときにはあれから一日がたっていた。
起き上がれるようになるまで、さらに半日。
「レオン、どうしてるんだろ……」
枕元に置いてある、ハンカチを開く。
血塗れの服と共に捨てられかけたが、バルドゥルさんが大事なものがあるといけないからと確認してくれた。
「……よかった、これが捨てられなくて」
レオンと私を繋ぐ、大事なもの。
これまでなくなったら、……死ぬ。
翌日にはずいぶんよくなっていて、ずっとハンカチに挟んだ花の指環を眺めていた。
多少の貧血程度になってあたまも回りだすと、レオンのことばかり考えてしまう。
「……私、レオンに捨てられたのかな」
そんなはずはないとわかっている。
私の身の安全を考えてのことだって。
……でも。
「……ひとりで決めないで、相談してほしかったな」
最初からそのつもりだったからあの日、結婚しようなんて言った。
ふたりだけの結婚式を挙げながら、レオンはどんな気持ちだったんだろう。
「……泣かない。
もう絶対に、泣かない」
だって私の涙を拭ってくれる、レオンはもういないんだから。
「チハルさん。
よろしいですか?」
「あっ、はい!」
ドアの外からバルドゥルさんに声をかけられ、慌ててハンカチを綴じて置く。
「ご気分はどうですか」
彼は椅子を引き寄せ、私の枕元に座った。
「おかげさまで、もうすっかり。
お医者様から許可さえ出れば、いまからでも動けそうです」
ガッツポーズなんかして笑ってみせる。
ようやくそれでほっとしたのか、私の腕を千切ってから初めてバルドゥルさんは笑ってくれた。
「それはよかった。
……それで。
チハルさんにお話ししておきたいことがあります」
「……はい」
彼が居住まいを正し、私も背筋が伸びる。
「私と、妻の話です。
チハルさんは知っておいた方がいいと思うので」
それから彼の口から語られる話を、相槌も打たずに聞いていた。
バルドゥルさんには昔、人間の奥様がいた。
もちろん周りからは反対されたが、それでもふたりは幸せに暮らしていた。
……その日、までは。
夜の方も、バルドゥルさんは強靱な理性で本能をねじ伏せ、上手くやっていた。
「捕食本能に流される奴は所詮、意志が弱いだけだ。
自分は大丈夫。
そんな奢りと過信が油断を招いたんでしょうね」
自嘲する彼は、そのときの自分を酷く憎んでいるようだった。
いつになく熱い情事だったその夜、奥様の悲鳴で我に返る。
その、牙に感じる柔らかな肉、口に流れ込む温かな血。
瞬間、その場で嘔吐していた。
嘔吐きも止まり、大怪我を負っている妻を手当てしなければと駆け寄る。
けれど彼女はバルドゥルさんが近づくだけで、悲鳴を上げて怯えた。
その、自分を拒絶する目がいまでも忘れられないのだという。
「食べられそうになったのです、私が怖いのはわかります。
でも、拒絶されたのがなによりもつらかった」
まだその傷は塞がっていないのか、語るバルドゥルさんの顔は本当に痛そうだ。
奥様が静養で使っていた部屋が、ここだという。
バルドゥルさんはもちろん、肉食獣を酷く怖がり、人間以外、傍に寄せつけなかった。
身体の傷がようやく癒えた頃、――彼女の妊娠がわかった。
『産みたくない、あんなライオンを好きなったりするから、こんなことになる……!』
その叫びと共に女の子を産み落とし、彼女の命は尽きた。
「私が彼女を、好きなったりしなければよかったのです。
そうすれば彼女を、不幸にすることはなかった」
バルドゥルさんの声は、深い後悔に染まっている。
「貴方と一緒にいればレオンも、いずれ私と同じ轍を踏むことになる。
だから彼は、貴方を私に託したのです。
……わかってやって、ください」
「……」
彼にあたまを下げられても、なにも言えなかった。
ひとりになり、ぼーっと考える。
「人間でもライオンとのあいだに子供が授かれるのはよかったけどさー」
成功例は少ないが、異種族間でも子供ができる魔法薬があるそうだ。
それは朗報ではあるけれど。
「……食べられるのはやっぱり、怖いもんね」
レオンと関係を持ったあの日、いくらレオンでもいままさに食べようと口を開けているのを見て、一気に血の気が引いた。
きっと牙を立てられた時点で彼を怖がり、避けてしまうだろう。
私を食べようとした黒豹だけじゃなく、黒豹全般が苦手になっているように。
「レオンと一緒にいるためには、並大抵の愛じゃダメってことですか……」
はぁーっ、と重いため息が落ちていく。
神様はどこまでも、私に試練を与えたいようだ。
0
あなたにおすすめの小説
お嫁さんを探しに来たぼくは、シロクマ獣人の隊長さんと暮らすことになりました!
能登原あめ
恋愛
※ 本編完結後よりR18、ラブコメです。NLです。
ジョゼフはばあちゃんが亡くなってからの四年の間、一人で山奥に暮らしていた。
話し相手は時々やってくる行商人のじいちゃんだけ。
『ばあちゃんと、約束したんだ。十八歳になって成人したら街へ行くって。可愛いお嫁さんをみつけたい。それまではここで過ごすよ』
そうしてとうとう誕生日を迎えた。
『ぼく、大丈夫! だって男の子だから。大人になったら自己責任で冒険していいってばあちゃんが言ってた』
リュックを背負い山を降りたが、さっそくトラブルに巻き込まれる。
そこに現れたのがシロクマ獣人の警備隊長ロイクだった。
人里離れた山奥で男として育てられ、祖母が打ち明ける前に先立ってしまい、そのまま男だと思い込んでいる女の子が主役です。
そのためヒーローが振り回されます。
* 20話位+R(5話程度、R回は※つき)
* コメント欄はネタバレ配慮していないのでお気をつけ下さい。
* 表紙はCanva様で作成した画像を使用しております。
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
DEEP FRENCH KISS
名古屋ゆりあ
恋愛
一夜を過ごしたそのお相手は、
「君を食べちゃいたいよ」
就職先の社長でした
「私は食べ物じゃありません!」
再会したその日から、
社長の猛攻撃が止まりません!
皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる
若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ!
数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。
跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。
両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。
――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう!
エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。
彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。
――結婚の約束、しただろう?
昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。
(わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?)
記憶がない。記憶にない。
姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない!
都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。
若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。
後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。
(そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?)
ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。
エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。
だから。
この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し?
弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに?
ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。
【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました!
※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)
狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。
突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。
だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。
そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。
共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?
自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる