54 / 60
最終章 いつかあなたに食べられる日まで *
1.ひさしぶりの街
しおりを挟む
その日、私はバルドゥルさんと一緒に街へ向かっていた。
「緊張していますか」
「それは……まあ」
馬車で向かいにあって座る彼に、ぎこちなく笑い返す。
獣人たちの前で人間の私が話すのだ。
緊張するなという方が無理だ。
しかも、私のスピーチにバルドゥルさんの選挙結果がかかっているとなると……昨晩は、ほとんど眠れなかった。
「その、本当に首輪をしなくていいんですか」
村を出る、というのに私は首輪をしていない。
「はい。
チハルさんは奴隷ではないので、首輪は必要ありません」
静かに、バルドゥルさんは頷くけれど。
人間の首輪は誰かの所有物であるという証明と共に、第三者に襲われない安全の保証でもあるのだ。
首輪なしで街へ行くのに、不安がないわけじゃない。
「信頼のおけるものたちに、チハルさんの護衛をお願いしてあります。
チハルさんの身の安全は私が保証しますよ」
「……わかりました」
私が安心するようにか、バルドゥルさんは微笑んでいる。
彼がそういうのなら間違いないのだろう。
「チハルさんが会いたいといった方々も宿に呼んであります。
スピーチのお礼、ではないですが、今晩はゆっくりされてください」
「ありがとうございます」
ひさしぶりに街へ行くのだからと、バルドゥルさんはアプリコットさんたちを呼んでくれた。
お別れも言わないまま村へ移ったので、心配……されていなかったらどうしよう、と不安だったが、バルドゥルさんの話ではそれなりに気にしてくれていたらしい。
よかった。
「……でも。
レオンには会えないんですよね……」
膝の上の布包みをそっと撫でる。
「……すみません」
すまなそうにバルドゥルさんが詫びてくれるが、悪いのは彼ではない。
「……どうしても外せない用事があるから、と」
「用事があるなら仕方ないです」
努めて、明るく笑ってみせる。
用事なんてきっと嘘だ。
ただ単に、私と会いたくないだけ。
会えば、また別れるのがつらくなる。
だから、会いたくない。
きっと、そんなところだろう。
「……直接、渡したかったんだけどな」
できあがった肖像画をレオンに渡しに行けたらと思っていた。
でも、それは叶わないらしい。
街は相変わらず、獣人の天下だった。
人間が過半数の村に住んでいると、なんだかこれが異常に見えてくる。
この世界ではこれが普通なのに。
先に、宿へ入った。
「今日、チハルさんの護衛を任せている獣たちを紹介しますね」
「……はい」
バルドゥルさんが紹介してくれたのは、同じライオンが二匹と、トラが一匹だった。
「……よろしくお願いします」
「はい。
我々もバルドゥルさんの考えに賛同する身です。
チハルさんをもちろん、お守りします」
代表するように、一番年嵩のライオンが胸を叩く。
それはとても頼もしいけれど。
「まだ早いですからね。
先に、食事にしましょう」
バルドゥルさんの合図で、料理が並びはじめる。
しかしながら目の前のバルドゥルさんはもちろんライオンで、さらに私の両脇にはライオン、さらにさらにその後ろにはトラだ。
こう、……圧が半端ない。
いや、守っていただいているのに申し訳ないけれど。
「……いただきます」
バルドゥルさんが定宿にしているところだ、程度はそれなりに上で不躾な視線を送ってくる失礼なものはいないが、それでもやはり注目を集めていた。
「どうかしましたか?」
不思議そうにバルドゥルさんの首が僅かに傾く。
「ええっと、……なんでもない、です」
曖昧に笑って誤魔化した。
圧は凄いが、これならよっぽどのことがない限り誰も手を出してこないだろう。
食後、支援者の方々が集まってくる。
ライオンの種族長選挙だからライオンばかりかと思ったら、肉食獣はもちろん、草食獣の皆さんもかなりいる。
それだけ、この選挙は注目されているということなんだろう。
あらかた揃い、打ち合わせがはじまる。
「紹介します。
私の村の学校で勉強を教えてもらっている、チハルさんです」
「初めまして」
支援者の方々が一気にどよめきだす。
こんな綺麗な人間は見たことがない、なんて声も聞こえるが……それはそうだよね。
奴隷は満足に身体も洗えないうえに、あの格好だもの。
「今日は打ち合わせどおり、チハルさんに演説をしてもらいます。
それで、皆さんにお願いがあります」
一度、バルドゥルさんが言葉を切る。
それで皆、静かになった。
「彼女の護衛は今日、彼らに任せてあります」
私の周りで、三匹が頷く。
「けれど、演説場所ではなにがあるかわかりません。
見てのとおり、彼女は人間で、首輪もしてません。
誰に襲われても、文句は言えない状態です。
しかし、私は彼女に首輪はしたくない」
――でも、危ないよな。
――安全のためなら、首輪をした方がいいんじゃないか。
そんな声が皆の間から上がってきた。
それをバルドゥルさんが手で沈め、また静かになる。
「彼女は私たちと対等な、一匹の獣です。
たとえ安全のため、しかもそれが一時でも、彼女に奴隷の証である首輪なんてしていいはずがない。
それにそれは、私の信条に反する。
なので、わかってほしい」
集まっている獣たちは、ばつが悪そうにバルドゥルさんから視線を外した。
「それで、皆さんへのお願いなんですが。
不測の事態に備え、皆さんにも演説場所では周囲に目を配ってほしいんです。
もちろん、彼らは優秀です。
それでも、なにがあるのかわかりませんので」
「わかりました、バルドゥルさんがそういうのなら!」
一匹の声を皮切りに、我も我もと賛同の声が上がる。
彼のカリスマ性と人望、といったところか。
「その。
よろしくお願いします!」
私も皆の前で勢いよくあたまを下げた。
「おう、任せとけ!
絶対にあんたを、襲わせたりしねぇ!」
猫のおじさんが一番に声を上げてくれた。
その声に皆、同意して頷く。
警備の面は彼らに任せておけば安心だ。
あとは私が、心を震わせられるような演説ができるか、だ。
「緊張していますか」
「それは……まあ」
馬車で向かいにあって座る彼に、ぎこちなく笑い返す。
獣人たちの前で人間の私が話すのだ。
緊張するなという方が無理だ。
しかも、私のスピーチにバルドゥルさんの選挙結果がかかっているとなると……昨晩は、ほとんど眠れなかった。
「その、本当に首輪をしなくていいんですか」
村を出る、というのに私は首輪をしていない。
「はい。
チハルさんは奴隷ではないので、首輪は必要ありません」
静かに、バルドゥルさんは頷くけれど。
人間の首輪は誰かの所有物であるという証明と共に、第三者に襲われない安全の保証でもあるのだ。
首輪なしで街へ行くのに、不安がないわけじゃない。
「信頼のおけるものたちに、チハルさんの護衛をお願いしてあります。
チハルさんの身の安全は私が保証しますよ」
「……わかりました」
私が安心するようにか、バルドゥルさんは微笑んでいる。
彼がそういうのなら間違いないのだろう。
「チハルさんが会いたいといった方々も宿に呼んであります。
スピーチのお礼、ではないですが、今晩はゆっくりされてください」
「ありがとうございます」
ひさしぶりに街へ行くのだからと、バルドゥルさんはアプリコットさんたちを呼んでくれた。
お別れも言わないまま村へ移ったので、心配……されていなかったらどうしよう、と不安だったが、バルドゥルさんの話ではそれなりに気にしてくれていたらしい。
よかった。
「……でも。
レオンには会えないんですよね……」
膝の上の布包みをそっと撫でる。
「……すみません」
すまなそうにバルドゥルさんが詫びてくれるが、悪いのは彼ではない。
「……どうしても外せない用事があるから、と」
「用事があるなら仕方ないです」
努めて、明るく笑ってみせる。
用事なんてきっと嘘だ。
ただ単に、私と会いたくないだけ。
会えば、また別れるのがつらくなる。
だから、会いたくない。
きっと、そんなところだろう。
「……直接、渡したかったんだけどな」
できあがった肖像画をレオンに渡しに行けたらと思っていた。
でも、それは叶わないらしい。
街は相変わらず、獣人の天下だった。
人間が過半数の村に住んでいると、なんだかこれが異常に見えてくる。
この世界ではこれが普通なのに。
先に、宿へ入った。
「今日、チハルさんの護衛を任せている獣たちを紹介しますね」
「……はい」
バルドゥルさんが紹介してくれたのは、同じライオンが二匹と、トラが一匹だった。
「……よろしくお願いします」
「はい。
我々もバルドゥルさんの考えに賛同する身です。
チハルさんをもちろん、お守りします」
代表するように、一番年嵩のライオンが胸を叩く。
それはとても頼もしいけれど。
「まだ早いですからね。
先に、食事にしましょう」
バルドゥルさんの合図で、料理が並びはじめる。
しかしながら目の前のバルドゥルさんはもちろんライオンで、さらに私の両脇にはライオン、さらにさらにその後ろにはトラだ。
こう、……圧が半端ない。
いや、守っていただいているのに申し訳ないけれど。
「……いただきます」
バルドゥルさんが定宿にしているところだ、程度はそれなりに上で不躾な視線を送ってくる失礼なものはいないが、それでもやはり注目を集めていた。
「どうかしましたか?」
不思議そうにバルドゥルさんの首が僅かに傾く。
「ええっと、……なんでもない、です」
曖昧に笑って誤魔化した。
圧は凄いが、これならよっぽどのことがない限り誰も手を出してこないだろう。
食後、支援者の方々が集まってくる。
ライオンの種族長選挙だからライオンばかりかと思ったら、肉食獣はもちろん、草食獣の皆さんもかなりいる。
それだけ、この選挙は注目されているということなんだろう。
あらかた揃い、打ち合わせがはじまる。
「紹介します。
私の村の学校で勉強を教えてもらっている、チハルさんです」
「初めまして」
支援者の方々が一気にどよめきだす。
こんな綺麗な人間は見たことがない、なんて声も聞こえるが……それはそうだよね。
奴隷は満足に身体も洗えないうえに、あの格好だもの。
「今日は打ち合わせどおり、チハルさんに演説をしてもらいます。
それで、皆さんにお願いがあります」
一度、バルドゥルさんが言葉を切る。
それで皆、静かになった。
「彼女の護衛は今日、彼らに任せてあります」
私の周りで、三匹が頷く。
「けれど、演説場所ではなにがあるかわかりません。
見てのとおり、彼女は人間で、首輪もしてません。
誰に襲われても、文句は言えない状態です。
しかし、私は彼女に首輪はしたくない」
――でも、危ないよな。
――安全のためなら、首輪をした方がいいんじゃないか。
そんな声が皆の間から上がってきた。
それをバルドゥルさんが手で沈め、また静かになる。
「彼女は私たちと対等な、一匹の獣です。
たとえ安全のため、しかもそれが一時でも、彼女に奴隷の証である首輪なんてしていいはずがない。
それにそれは、私の信条に反する。
なので、わかってほしい」
集まっている獣たちは、ばつが悪そうにバルドゥルさんから視線を外した。
「それで、皆さんへのお願いなんですが。
不測の事態に備え、皆さんにも演説場所では周囲に目を配ってほしいんです。
もちろん、彼らは優秀です。
それでも、なにがあるのかわかりませんので」
「わかりました、バルドゥルさんがそういうのなら!」
一匹の声を皮切りに、我も我もと賛同の声が上がる。
彼のカリスマ性と人望、といったところか。
「その。
よろしくお願いします!」
私も皆の前で勢いよくあたまを下げた。
「おう、任せとけ!
絶対にあんたを、襲わせたりしねぇ!」
猫のおじさんが一番に声を上げてくれた。
その声に皆、同意して頷く。
警備の面は彼らに任せておけば安心だ。
あとは私が、心を震わせられるような演説ができるか、だ。
0
あなたにおすすめの小説
お嫁さんを探しに来たぼくは、シロクマ獣人の隊長さんと暮らすことになりました!
能登原あめ
恋愛
※ 本編完結後よりR18、ラブコメです。NLです。
ジョゼフはばあちゃんが亡くなってからの四年の間、一人で山奥に暮らしていた。
話し相手は時々やってくる行商人のじいちゃんだけ。
『ばあちゃんと、約束したんだ。十八歳になって成人したら街へ行くって。可愛いお嫁さんをみつけたい。それまではここで過ごすよ』
そうしてとうとう誕生日を迎えた。
『ぼく、大丈夫! だって男の子だから。大人になったら自己責任で冒険していいってばあちゃんが言ってた』
リュックを背負い山を降りたが、さっそくトラブルに巻き込まれる。
そこに現れたのがシロクマ獣人の警備隊長ロイクだった。
人里離れた山奥で男として育てられ、祖母が打ち明ける前に先立ってしまい、そのまま男だと思い込んでいる女の子が主役です。
そのためヒーローが振り回されます。
* 20話位+R(5話程度、R回は※つき)
* コメント欄はネタバレ配慮していないのでお気をつけ下さい。
* 表紙はCanva様で作成した画像を使用しております。
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
DEEP FRENCH KISS
名古屋ゆりあ
恋愛
一夜を過ごしたそのお相手は、
「君を食べちゃいたいよ」
就職先の社長でした
「私は食べ物じゃありません!」
再会したその日から、
社長の猛攻撃が止まりません!
皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる
若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ!
数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。
跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。
両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。
――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう!
エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。
彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。
――結婚の約束、しただろう?
昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。
(わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?)
記憶がない。記憶にない。
姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない!
都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。
若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。
後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。
(そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?)
ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。
エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。
だから。
この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し?
弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに?
ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。
【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました!
※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)
狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。
突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。
だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。
そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。
共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?
自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる