社内で秘め事はお断り!?【R18】

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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2.酔ったあとは……

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「……?」

目を開けて見えた天井は、見覚えのないところだった。

「水、飲むか?」

「……はい」

聞こえた声に惰性で返事をすると、苦笑いの大室課長がペットボトルを渡してくれた。
冷たい水を飲むと、次第にあたまがはっきりしてくる。

……ワインで酔って、それで。

「これくらいでこんなに酔うなら、泉はもう、酒を飲まない方がいいな」

「すみませんでした。
……それでここって」

「ん?
部屋取っといて正解だったな」

そっと、大室課長の手が頬にふれ、びくりと身体が震える。
そんな私にくすりとおかしそうに笑うと、大室課長は唇を重ねてきた。

「あの、大室課長?」

困惑している私にかまわず、ちゅっ、再びふれる唇。

「泉を食事に誘う口実にするために、このあいだ案内頼んだの」

ちゅっ、ちゅっ、ふれ続ける唇にあたまは大混乱している。

「意味、わかるだろ?」

ふるふるとあたまを振ると、はぁーっとため息を落とされた。

「じゃあ、これなら?」

顎にふれた手が、軽く唇を開かせる。

また重なった唇はさっきまでと違って深く、私の唇を割って舌が進入してくる。

身体を思いっきり引こうとしたが、いつの間にか腰に回された手に拒まれてしまう。

ちろちろと上顎の裏を舐められ、思わず大室課長の腕を掴んでいた。

必死で逃げ回っても容易に舌は捕らえられ、くちゅり、くちゅりと水音が響き出す。

息継ぎの度に自分の口から落ちるのは、信じられないほど熱を帯びた吐息。

「……はぁーっ」

唇が離れ、深い吐息を落とすと、ぐったりと大室課長の肩にもたれ掛かった。

「泉は俺のことが好きだろ?」

びくり、肩が跳ねる。

……気付かれてた。
ずっと、大室課長を想っていたこと。

大室課長の下で働くようになったときから、好きだった。
仕事ができて、気遣いもうまくて。
真剣な顔も好きだし、笑ったときは少し子供っぽくなるギャップも好き。
でも、私からしたら、大室課長は手の届かない存在だと思ってた。

「知らないと思ってたのか?
すぐに気付く。
それくらい、俺は泉を見ていたから」

ぎゅっと強く抱きしめられると涙が落ちた。
ぽろり、ぽろり、続いてそれは落ちていく。

「毎日、朝一に来て受付の花の水を換えてくれてるのも知ってる。
率先して、シュレッダーの掃除をしてくれてるのも。
そういう小さな、気遣いのできる泉が好きだ」

私を肩から引き離すと、大室課長は両手で私の顔を挟んだ。

レンズの向こうと視線が合うと照れたように笑うから、私も嬉しくて笑うと、最後の涙がぽろりと落ちた。

そっと、大室課長の親指がそれを拭ってくれる。

再び重なった唇に、大室課長の首に手を回した。

いつの間にか大室課長の手が後ろあたまに回り、私の髪をぐちゃぐちゃにかき乱していく。

部屋の中に響くのは舌を絡ませる水音と、熱い吐息。

「……泉」

気が付けばベッドに押し倒されていた。

レンズの奥の熱で潤んだ瞳。
艶を含んだ大室課長の声。

「まだ気持ち、聞いてない」

分かり切っていることなのに。
不安そうに聞いてくる大室課長がたまらなく愛おしい。

「好き、です。
大室課長」

笑い返すと、また唇が重なった。
そして――。
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