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第1章 出会い
1-4.初めての……
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広いベッドの上で。
身体に下坂さんの手が、唇がふれるだけで、くすぐったいような妙な気持ちになる。
思わず身体を捩ったらくすりと笑われた。
「沙也加は敏感だな。
……もうこっち、濡れてる」
誰にもふれられたことがないところをさわられて、漏れそうになった声を飲み込んだ。
まだ堅い蕾にくるくると指を這わされる。
「……ん、……あっ」
私の顔を目を細めてじっと見つめたまま、悠生は指を動かし続ける。
次第に、いままで経験したことのない感覚がせり上がってきた。
「……下坂、さん」
必死で呼んでも返事はない。
ただ黙って、私の身体を刺激しながら顔を見ている。
「……下坂、さん。
……下坂、さん。
下坂さん、下坂さん、下坂さん、……悠生!」
「ん?」
思わず口をついて出た名前に、下坂さん……悠生が手を止めた。
荒くなってる息で見上げたら、そっと髪を撫でてくれた。
「どうした?」
「……怖い」
「やっぱり怖いか?」
「それは怖いけど、その、あんまり怖くないっていうか」
うん。
悠生は凄く優しい。
確かにこの年になって初めて、ってちょっと怖いけど。
でも、不安は不思議とない。
「なら、なに?」
「……なんか変な感じ、で。
その、……怖い」
「……君は僕を殺す気か?」
赤くなった悠生が口元を手で覆い、視線を逸らした。
訳がわかんなくて首を傾げると、ちゅって口付けされた。
「……手、握ってたら大丈夫か?」
悠生が、指を絡めて右手を握ってくれる。
なんかそれで……凄く安心した。
「……うん。
大丈夫」
ちゅっ、また唇が重なる。
再び動き始めた指。
迫ってくるなにかが苦しくて、涙がぽろぽろ零れてくる。
ぎゅっと強く手を握ると、握り返してくれた。
「……いいよ、イって」
瞬間、なにかが弾けた。
目の前が真っ白になって、気付いたときには悠生の指が、そっと涙を拭っていた。
「沙也加は泣くんだな」
言われた意味がわからなくてきょとんとしていたら、ちゅってキスされた。
唇はそのまま、口付けを繰り返しながら私の身体を降りていく。
何度も何度も、指で、舌で、真っ白い世界に連れて行かれた。
苦しいのに嬉しい、変な感覚。
「……沙也加」
……ああ。
そんな顔も、するんだ。
頬にふれた手に自分の手を重ねて頷くと、ゆっくりと悠生が私の中に入ってきた。
「沙也加のなか、初めてなのに、まるで僕のために誂えたみたいで、凄い、……気持ちいい」
嬉しそうにそんなことを言われ、自分の中がぎゅっと締まるのがわかった。
両手を、指を絡めて繋ぐと悠生が気遣うようにゆっくりと動きだす。
……そっからあとは、あんまり覚えていない。
目が覚めたら、真っ暗だった。
ぼーっとしたあたまで、知らない場所。
最初は疑問符だらけだったけど、次第に思い出してきたのと、後ろから抱き枕よろしく悠生に抱きしめられていて、顔がだんだんと熱くなってくる。
「ん……。
起きたのか?」
「……うん」
悠生の唇が私の頭頂部にふれる。
なんかもう、それだけであたまから湯気が出そう。
「こっち、向かないのか?」
「……は、恥ずかしい……」
「さっきまで僕の下で、あんなに啼きまくってたのに?」
「……」
……いや、あなたもさっきまで、あんなに優しかったのに?
「……とりあえずシャワー浴びて、食事、だな。
もう作るのは面倒だし、かといってまた天神方面まで出るのも面倒だし。
でも出前だと選択肢が限られてくるからなー」
……あの。
それはいいんですが。
さっきからなにやっているんですか?
いたずらしないでください。
「一、手っ取り早く出前で我慢する。
二、面倒だけど出掛ける。
三、もうちょっと、沙也加を啼かせる」
「……はい?」
……三、ってなんですか?
いや、もうすでに、声、我慢するのが限界……。
「……んっ」
「……三で決定だな」
悠生の唇が首筋にふれて、また声が漏れる。
最初からそうするつもりでしたよね、そんな疑問はすぐに忘れさせられた。
……結局。
出前を頼める状態になった時間には、ピザ一択になっていた。
美味しそうな釜飯のチラシを恨めしく眺める。
「今度、釜飯のうまいところに連れて行ってやるから、いいだろ」
「……ここの釜飯屋さん。
うちのアパートにもチラシ入ってて。
いつも美味しそうだなーって見てたんです」
……でも、ひとりじゃ宅配できる注文金額にはならなくて。
かといって、サイドメニューなんかで贅沢する気にもなれず。
いつも見ていただけ。
「わかった。
今度頼んでやるから。
……それでいいだろ」
「はい」
笑って頷いたら、なぜかちょっと怒ってあたまを撫でられた。
……なんなんだろうね、いったい?
身体に下坂さんの手が、唇がふれるだけで、くすぐったいような妙な気持ちになる。
思わず身体を捩ったらくすりと笑われた。
「沙也加は敏感だな。
……もうこっち、濡れてる」
誰にもふれられたことがないところをさわられて、漏れそうになった声を飲み込んだ。
まだ堅い蕾にくるくると指を這わされる。
「……ん、……あっ」
私の顔を目を細めてじっと見つめたまま、悠生は指を動かし続ける。
次第に、いままで経験したことのない感覚がせり上がってきた。
「……下坂、さん」
必死で呼んでも返事はない。
ただ黙って、私の身体を刺激しながら顔を見ている。
「……下坂、さん。
……下坂、さん。
下坂さん、下坂さん、下坂さん、……悠生!」
「ん?」
思わず口をついて出た名前に、下坂さん……悠生が手を止めた。
荒くなってる息で見上げたら、そっと髪を撫でてくれた。
「どうした?」
「……怖い」
「やっぱり怖いか?」
「それは怖いけど、その、あんまり怖くないっていうか」
うん。
悠生は凄く優しい。
確かにこの年になって初めて、ってちょっと怖いけど。
でも、不安は不思議とない。
「なら、なに?」
「……なんか変な感じ、で。
その、……怖い」
「……君は僕を殺す気か?」
赤くなった悠生が口元を手で覆い、視線を逸らした。
訳がわかんなくて首を傾げると、ちゅって口付けされた。
「……手、握ってたら大丈夫か?」
悠生が、指を絡めて右手を握ってくれる。
なんかそれで……凄く安心した。
「……うん。
大丈夫」
ちゅっ、また唇が重なる。
再び動き始めた指。
迫ってくるなにかが苦しくて、涙がぽろぽろ零れてくる。
ぎゅっと強く手を握ると、握り返してくれた。
「……いいよ、イって」
瞬間、なにかが弾けた。
目の前が真っ白になって、気付いたときには悠生の指が、そっと涙を拭っていた。
「沙也加は泣くんだな」
言われた意味がわからなくてきょとんとしていたら、ちゅってキスされた。
唇はそのまま、口付けを繰り返しながら私の身体を降りていく。
何度も何度も、指で、舌で、真っ白い世界に連れて行かれた。
苦しいのに嬉しい、変な感覚。
「……沙也加」
……ああ。
そんな顔も、するんだ。
頬にふれた手に自分の手を重ねて頷くと、ゆっくりと悠生が私の中に入ってきた。
「沙也加のなか、初めてなのに、まるで僕のために誂えたみたいで、凄い、……気持ちいい」
嬉しそうにそんなことを言われ、自分の中がぎゅっと締まるのがわかった。
両手を、指を絡めて繋ぐと悠生が気遣うようにゆっくりと動きだす。
……そっからあとは、あんまり覚えていない。
目が覚めたら、真っ暗だった。
ぼーっとしたあたまで、知らない場所。
最初は疑問符だらけだったけど、次第に思い出してきたのと、後ろから抱き枕よろしく悠生に抱きしめられていて、顔がだんだんと熱くなってくる。
「ん……。
起きたのか?」
「……うん」
悠生の唇が私の頭頂部にふれる。
なんかもう、それだけであたまから湯気が出そう。
「こっち、向かないのか?」
「……は、恥ずかしい……」
「さっきまで僕の下で、あんなに啼きまくってたのに?」
「……」
……いや、あなたもさっきまで、あんなに優しかったのに?
「……とりあえずシャワー浴びて、食事、だな。
もう作るのは面倒だし、かといってまた天神方面まで出るのも面倒だし。
でも出前だと選択肢が限られてくるからなー」
……あの。
それはいいんですが。
さっきからなにやっているんですか?
いたずらしないでください。
「一、手っ取り早く出前で我慢する。
二、面倒だけど出掛ける。
三、もうちょっと、沙也加を啼かせる」
「……はい?」
……三、ってなんですか?
いや、もうすでに、声、我慢するのが限界……。
「……んっ」
「……三で決定だな」
悠生の唇が首筋にふれて、また声が漏れる。
最初からそうするつもりでしたよね、そんな疑問はすぐに忘れさせられた。
……結局。
出前を頼める状態になった時間には、ピザ一択になっていた。
美味しそうな釜飯のチラシを恨めしく眺める。
「今度、釜飯のうまいところに連れて行ってやるから、いいだろ」
「……ここの釜飯屋さん。
うちのアパートにもチラシ入ってて。
いつも美味しそうだなーって見てたんです」
……でも、ひとりじゃ宅配できる注文金額にはならなくて。
かといって、サイドメニューなんかで贅沢する気にもなれず。
いつも見ていただけ。
「わかった。
今度頼んでやるから。
……それでいいだろ」
「はい」
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……なんなんだろうね、いったい?
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