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第3章 私の時間、あなたの時間
3.……ヤンデレ?
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行きたい場所を思い浮かべればそこへ出られると教えてもらい、朔哉の屋敷を思い出しながら鳥居をくぐる。
「おかえり」
出口ではすでに、朔哉が待っていた。
「ただいま!」
さっき感じた不安なんて振り払うように朔哉に抱きつく。
「そんなに私と離れて淋しかったのかい?」
「うん」
人の生は神様に比べたらずっと短い。
それは朔哉と結婚しても変わらないのだと言われた。
朔哉はこの先も長い長い時を生きていくが、私はそのときいないのだ。
――ならば。
一緒にいられる時間、目一杯朔哉を愛そう。
お昼ごはんを食べたあと、朔哉に断って書庫に籠もった。
「……崩し文字の読み方、崩し文字の読み方……」
このままではきっと、入力は遅々として進まない。
それにあれは比較的最近のものだったのにこれだけ手間取ったのだ。
年代が下がれば下がるほど、解読不能に陥るに決まっている。
「なんでまんがは滅茶苦茶揃ってるのに、肝心な本はないのー!?」
「心桜、どうかした?」
つい口に出た叫びがあまりにも大きかったのか、ひょこっと朔哉が顔を出した。
「あー、えと。
……欲しい本がなくて」
この書庫は朔哉の趣味なんだろうか。
普通の神社とかにありそうな、古文書の類いとか全然ないけど。
「なにを探してるの?」
「……崩し文字の読み方」
面の奥で朔哉が、二、三度まばたきする。
「なんでそんなもの、探してるの?」
「実は……」
うか様のところでの、仕事を説明した。
だから、崩し文字の読み方を勉強したいのだと。
「そんなことだろうと思ったんだよね」
はぁーっ、朔哉の口から重いため息が落ちた。
「ようするに心桜を虐めたいんだろ、あの人。
私から言ってあげるから……」
「ダメ」
「え?」
朔哉の目が、面の穴よりも大きく見開かれる。
「これは、私がうか様に試されていることだから。
受けて立つよ?
それで、ちゃんとやり遂げて、認めさせてやる」
きっと私が人間だから気にくわないんだろうけど。
そんなの知らない。
だいたい、こんな幼稚な虐めをしてくるなんて、本当に一番偉い、稲荷神様?
見た目と同じで、そこらの女子高生と変わらない。
「わかった。
でも無理はしないこと。
いい?」
はぁっ、と小さく朔哉がため息をついた。
私、そんなに呆れられるようなこと、言っている?
「わかった」
「じゃ、指切りね」
「え……」
朔哉に小指を差し出されたものの、躊躇した。
神様との約束は絶対だって言われた。
破ったら罰が本当に下るって。
だから今度はさすがに、そんな気軽な気分で指切りなんてできない。
「それはちょっと……」
逃げるようにじりじりと少しずつ後ろに下がる。
けれどすぐに朔哉から手を掴まれた。
「ダーメ。
ほら」
私の手を取り、勝手に小指を絡めてしまう。
「指切りげんまん、嘘ついたら……そうだな、檻に閉じ込めて私の世話無しじゃ生きられないようにしてあげる」
朔哉の形の良い唇が、にっこりと三日月型になる。
言っている内容とそぐわないほどに。
「それで、崩し文字の読み方、だっけ?
ここにいるもので文字が読めるものはみんなわかるから、そんなものないんだよ。
お遣いを頼むしかないんだけど、……そうだ。
私が教えてあげよう」
いいことを思いついたとばかりに、朔哉がぽんと手を打った。
「いいの?」
「もちろん」
朔哉に手を引かれてパソコンルーム兼書斎へ移動する。
とりあえず問題は解決しそうで良かったんだけど。
さっき指切りといい、昨日の指切りといい、朔哉ってもしかして……ヤンデレ、なんだろうか。
翌日ももちろん、うか様のところへ行く。
「なにかあったらすぐに呼ぶんだよ」
「わかった」
「無理は絶対、しないこと」
「うん」
「あとは……」
「もうわかったから」
今日も同じことを繰り返す心配性の朔哉に、苦笑いしかできない。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
私の手を取って甲にちゅっと口付けを落とす。
本当は唇にしたいんだろうししてほしいけれど、面が邪魔だから仕方ない。
鳥居を抜けたところで陽華さんが待っていた。
「おはようございます」
「では、こちらへ」
事前に人払いしてあるのか、通り道に気配はない。
それはちょっと、安心した。
「じゃあ今日もよろしくー」
「はい」
ひらひらと手を振って、うか様はすぐに出ていった。
なんとなく、昨日よりもさらに箱が増えている気がするのは、気のせいですか。
ため息が出そうになって、慌てて飲み込んだ。
ダメダメ、そんな弱気じゃ。
パソコンを立ち上げ、今日も入力作業を続ける。
朔哉から崩し文字のレクチャーを受けたおかげか、昨日よりはすんなり読めた。
「これなら、スピードアップできるかも」
ひたすら無心に、文字を打ち込んでいく。
集中しているせいで、時間経過すらわからなかった。
「おっつかれー。
もうお昼よー」
「えっ!?」
うか様の登場で、ようやく手を止める。
「今日はどのくらい進んだ?」
「えーっと……」
済みの紙を貼った箱を見る。
昨日の分とあわせて二箱になっていた。
「ふーん。
でもまだまだねー」
「はぁ……」
まだまだって。
これ以上のスピードなんて、ロボットじゃないと無理じゃないのかな……。
今日もやっぱり、陽華さんに鳥居まで送ってもらう。
「ありがとうございました」
「お気をつけて」
そして鳥居を抜けるとやっぱり、朔哉が待っている。
「おかえり」
「ただいまー」
ただいまのキスの代わりに、朔哉にハグ。
うん、これもいいんじゃないかな。
「今日はどうだった?」
「えっとね……」
話をしながらお昼ごはんを食べ、朔哉から崩し文字の読み方を習う。
夜は夜で……。
「心桜、いい?」
「……うん」
相変わらずの目隠しプレイ。
そんな変わりのあまりない日々が続いていく。
宜生さんも環生さんもいまだに私を穢らわしいもののように見ている。
うか様の虐めも変わらない。
でも朔哉はいっぱい大事にして、愛してくれた。
だからそんな環境でも、私はとっても幸せだった。
「おかえり」
出口ではすでに、朔哉が待っていた。
「ただいま!」
さっき感じた不安なんて振り払うように朔哉に抱きつく。
「そんなに私と離れて淋しかったのかい?」
「うん」
人の生は神様に比べたらずっと短い。
それは朔哉と結婚しても変わらないのだと言われた。
朔哉はこの先も長い長い時を生きていくが、私はそのときいないのだ。
――ならば。
一緒にいられる時間、目一杯朔哉を愛そう。
お昼ごはんを食べたあと、朔哉に断って書庫に籠もった。
「……崩し文字の読み方、崩し文字の読み方……」
このままではきっと、入力は遅々として進まない。
それにあれは比較的最近のものだったのにこれだけ手間取ったのだ。
年代が下がれば下がるほど、解読不能に陥るに決まっている。
「なんでまんがは滅茶苦茶揃ってるのに、肝心な本はないのー!?」
「心桜、どうかした?」
つい口に出た叫びがあまりにも大きかったのか、ひょこっと朔哉が顔を出した。
「あー、えと。
……欲しい本がなくて」
この書庫は朔哉の趣味なんだろうか。
普通の神社とかにありそうな、古文書の類いとか全然ないけど。
「なにを探してるの?」
「……崩し文字の読み方」
面の奥で朔哉が、二、三度まばたきする。
「なんでそんなもの、探してるの?」
「実は……」
うか様のところでの、仕事を説明した。
だから、崩し文字の読み方を勉強したいのだと。
「そんなことだろうと思ったんだよね」
はぁーっ、朔哉の口から重いため息が落ちた。
「ようするに心桜を虐めたいんだろ、あの人。
私から言ってあげるから……」
「ダメ」
「え?」
朔哉の目が、面の穴よりも大きく見開かれる。
「これは、私がうか様に試されていることだから。
受けて立つよ?
それで、ちゃんとやり遂げて、認めさせてやる」
きっと私が人間だから気にくわないんだろうけど。
そんなの知らない。
だいたい、こんな幼稚な虐めをしてくるなんて、本当に一番偉い、稲荷神様?
見た目と同じで、そこらの女子高生と変わらない。
「わかった。
でも無理はしないこと。
いい?」
はぁっ、と小さく朔哉がため息をついた。
私、そんなに呆れられるようなこと、言っている?
「わかった」
「じゃ、指切りね」
「え……」
朔哉に小指を差し出されたものの、躊躇した。
神様との約束は絶対だって言われた。
破ったら罰が本当に下るって。
だから今度はさすがに、そんな気軽な気分で指切りなんてできない。
「それはちょっと……」
逃げるようにじりじりと少しずつ後ろに下がる。
けれどすぐに朔哉から手を掴まれた。
「ダーメ。
ほら」
私の手を取り、勝手に小指を絡めてしまう。
「指切りげんまん、嘘ついたら……そうだな、檻に閉じ込めて私の世話無しじゃ生きられないようにしてあげる」
朔哉の形の良い唇が、にっこりと三日月型になる。
言っている内容とそぐわないほどに。
「それで、崩し文字の読み方、だっけ?
ここにいるもので文字が読めるものはみんなわかるから、そんなものないんだよ。
お遣いを頼むしかないんだけど、……そうだ。
私が教えてあげよう」
いいことを思いついたとばかりに、朔哉がぽんと手を打った。
「いいの?」
「もちろん」
朔哉に手を引かれてパソコンルーム兼書斎へ移動する。
とりあえず問題は解決しそうで良かったんだけど。
さっき指切りといい、昨日の指切りといい、朔哉ってもしかして……ヤンデレ、なんだろうか。
翌日ももちろん、うか様のところへ行く。
「なにかあったらすぐに呼ぶんだよ」
「わかった」
「無理は絶対、しないこと」
「うん」
「あとは……」
「もうわかったから」
今日も同じことを繰り返す心配性の朔哉に、苦笑いしかできない。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
私の手を取って甲にちゅっと口付けを落とす。
本当は唇にしたいんだろうししてほしいけれど、面が邪魔だから仕方ない。
鳥居を抜けたところで陽華さんが待っていた。
「おはようございます」
「では、こちらへ」
事前に人払いしてあるのか、通り道に気配はない。
それはちょっと、安心した。
「じゃあ今日もよろしくー」
「はい」
ひらひらと手を振って、うか様はすぐに出ていった。
なんとなく、昨日よりもさらに箱が増えている気がするのは、気のせいですか。
ため息が出そうになって、慌てて飲み込んだ。
ダメダメ、そんな弱気じゃ。
パソコンを立ち上げ、今日も入力作業を続ける。
朔哉から崩し文字のレクチャーを受けたおかげか、昨日よりはすんなり読めた。
「これなら、スピードアップできるかも」
ひたすら無心に、文字を打ち込んでいく。
集中しているせいで、時間経過すらわからなかった。
「おっつかれー。
もうお昼よー」
「えっ!?」
うか様の登場で、ようやく手を止める。
「今日はどのくらい進んだ?」
「えーっと……」
済みの紙を貼った箱を見る。
昨日の分とあわせて二箱になっていた。
「ふーん。
でもまだまだねー」
「はぁ……」
まだまだって。
これ以上のスピードなんて、ロボットじゃないと無理じゃないのかな……。
今日もやっぱり、陽華さんに鳥居まで送ってもらう。
「ありがとうございました」
「お気をつけて」
そして鳥居を抜けるとやっぱり、朔哉が待っている。
「おかえり」
「ただいまー」
ただいまのキスの代わりに、朔哉にハグ。
うん、これもいいんじゃないかな。
「今日はどうだった?」
「えっとね……」
話をしながらお昼ごはんを食べ、朔哉から崩し文字の読み方を習う。
夜は夜で……。
「心桜、いい?」
「……うん」
相変わらずの目隠しプレイ。
そんな変わりのあまりない日々が続いていく。
宜生さんも環生さんもいまだに私を穢らわしいもののように見ている。
うか様の虐めも変わらない。
でも朔哉はいっぱい大事にして、愛してくれた。
だからそんな環境でも、私はとっても幸せだった。
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