孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第一章 三千万の借金

1-10

「ああ、何度もイったからだいぶ緩んでるな。
もう大丈夫か」

しばらくして指を抜き去り、私の足を抱え直して海星本部長が自身の剛直を花園の入り口へと擦りつける。
ゆるゆると私の零す蜜を纏わせ、それはゆっくりと隘路を進んでいった。

「あっ、ああっ、あっ」

媚壁を擦り上げられるだけで、身体が歓喜で震える。
そのうちそれは最奥まで行き着き、すべて収まった。

「痛くないか」

私の頬に触れ、額を触れあわせてじっと彼が私を見つめる。

「……だい、じょうぶ、……です」

けれど耐えられなくなって、燃えるように熱い頬で目を逸らしていた。

「そうか」

顔を離し、海星本部長はゆっくりと身体を動かしはじめた。
太い熱杭が私の濡襞を擦る。

「んんっ、あっ、あっ、ああっ」

それは私から激しい快楽を引きずり出し、私を悩ませる。
それだけでもおかしくなりそうなのに。

「解れてきた、かな!」

「ああぁぁっ!」

ひときわ大きな悲鳴が私の口から上がる。
最奥を撞き上げられ、目から火花が飛んだ。

「ああっ!
……あっ、ああっ!
……ああっ!
……ああっ、あっ!」

緩急をつけて敏感な奥の窄まりを撞かれ、目の前が明滅する。
ずっと挿入られて胎内を撞かれるのは痛いだけだった。
それでもこれは高志の愛なんだから我慢しなければいけないと思っていた。
でも、今は。

……ダメ、これ……!
溺れそうで、怖い……!

「花音」

不意に動きを止めて海星本部長が私の名前を呼ぶ。
軽く頭から頬を撫でられ、きつく閉じていた目を開けた。

「痛いのか?」

よほど私がつらそうな顔をしていたのか、至近距離まで顔を近づけた彼は、眉間に皺が寄っている。
ああ、そうか、この人は私がつらくないか聞いてくれるんだ。
高志なんて自分さえよければ満足で、私が痛そうな顔をしようとおかまいなしだったのに。
初めて自分が、高志の性処理道具でしかなかったのを自覚した。
本当の愛のあるセックスってこういうのをいうんだ。
そう気づくとともに、これまでの私が惨めになっていく。

「うっ、ふぇっ」

「やっぱり痛いのか!?」

突然私が泣き出し、慌てて彼が出ていこうとする。

「……違うんです」

けれどそれを、手を掴んで止めた。

「きもちよくっ、て」

「気持ちいいなら、なんでそんなにつらそうに泣くんだ?」

顔を近づけて私を見ている海星本部長は完全に困惑しているが、そうなるだろう。

「違うんです、気持ちいいのが嬉しいだけです」

精一杯の顔で笑う。
子供を妊娠すればいいだけなんだから高志のように一方的にすればいいだけなのに、この人はこんなに私を気遣ってくれる。
それだけで多額の借金を背負わされて捨てられた心の傷が、少し癒えた気がした。

「だから、続けてください」

「本当に大丈夫なんだな?」

「はい」

それでほっとしたのか、彼はようやく顔を離した。
しかし。

「ん」

それまで枕を掴んでいた私の手を、彼が指を絡めて握る。

「このほうが少しは安心できるだろ」

海星本部長の大きな手は温かくて、言われるとおり安心できた。

「ありがとう、ございます」

「ん」

額に落とした口付けを皮切りに、彼は私の顔中に口付けを落としていく。
何度も唇を貪られる頃には、彼のそれはまた堅さを取り戻していた。
ゆっくりと動き出した彼が、先程のキモチイイ場所を的確に撞き上げる。

「はぁっ!
……ああっ!
……あ、ああっ!
……あっ!」

先程よりも密着しているせいで、海星本部長の熱を、吐息を、すぐ近くに感じた。

「キモチイイ、か?」

「キモチ、イイ……!」

次第に彼の動きが速くなっていく。
それとともに彼の吐息が、なにかを堪えるような切羽詰まったものへと変わっていった。
それを聞いていると彼が撞き上げているその奥が、きゅんと切なく締まる。

「もう、……ああっ、む、りっ……!」

身体は快楽の階段を駆け上がりはじめ、もう果てが近いのだとわかった。

「俺、もっ……!」

仕上げだとばかりに数度、彼は激しく撞いた後、奥の部屋へと繋がる入り口にその切っ先を押しつけた。

「あああぁぁぁっ……」

私が天辺を駆け抜けるのと同時に勢いよく彼の子胤が、それを待つ部屋へと吐き出されるのを感じる。
それがさらなる快感をもたらし、最後まで搾り取ろうと身体がびくびくと震えた。

「ほら、気持ちよかっただろ?」

ずるりと私の胎内から出ていった海星本部長が、労うようにキスしてくれる。

「はひ……」

いつも終わった後は惨めな気持ちだったのに、今は心地いい疲労が全身を支配している。

「休んでていいからな。
眠かったら寝てもいい」

終わればさっさと先に寝てしまっていた高志とは違い、海星本部長は汚れた私の身体を拭き、下着を穿かせてパジャマの代わりなのか彼のシャツを着せてくれた。

「喉渇いてないか?
なんか持ってこようか?」

本当に至れり尽くせりで、つい数日前との違いに思わず笑ってしまう。

「大丈夫です。
それより傍に、いてくれませんか」

部屋を出ていこうとする彼の腕を掴んで止める。

「いいけど」

足を止めた彼は、私と一緒にベッドに入ってくれた。

「ぎゅっと抱き締めて、『愛してる』って言ってくれませんか」

しばらくの間の後、腕が伸びてきて私を力強く抱き締めた。

「愛してる。
俺は花音を愛してるよ」

「……ありがとう、ございます」

それは本当に、心からの声に聞こえた。
けれどこれは偽りだって、わかっている。
私は海星本部長に買われた、彼が社長になるための道具に過ぎない。
でも今は。
このぬくもりに縋ってはいけないだろうか。

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