孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第六章 身籠もり旅行

6-2

「風呂、入らないか」

ちょいちょいと海星さんが手招きした向こうには、半露天の檜風呂があった。

「そう……」

そこまで言って、止まる。
今のこれは〝一緒に〟ってことなんだろうか。

「えっと……」

「いまさら恥ずかしがらないでいいだろ」

しれっと海星さんは言ってくるが、いつもはダウンライトで薄暗い寝室で抱かれているのだ。
こんな明るい時間だと、なんというか恥ずかしさが倍増というか。

「どうせ眼鏡がないから見えない」

「そう……ですね?」

だったらいい……のか?
いやしかし、この二泊三日は爛れた生活をするためにきたのだ。
これくらい、平気じゃないと困る。

「じゃあ……」

「うん」

若干の疑問は残るが、一応は納得した。

それでも一緒に服を脱ぐのはアレで、先に海星さんに入っていてもらう。

「お待たせしました……」

ノー眼鏡ではよく見えないのでそろそろと浴室へと入る。

「気をつけろよ」

「はい……」

ぼんやりと見える視界を頼りに海星さんの隣に浸かって気づいた。

「……眼鏡」

「は?」

「なんで眼鏡、かけてるんですかー!?」

そう。
彼の顔の上には今まで見たことがない、グレー縁のプラスチック眼鏡がのっている。

「風呂用眼鏡だが?」

なに当たり前のこと聞いてんの?
とでもいう感じだが、さっき「眼鏡がないから見えない」
って言いましたよね……?

「俺はかなり目が悪いからな、眼鏡なしで知らない風呂は危ない」

それはそうだろうけれど!
なんか負けた気がするのはなんでだろう……?

「……私も眼鏡かける」

「待て」

勢いよく立ち上がり、眼鏡を取りに行こうとしたものの、海星さんに止められた。

「普通の眼鏡を風呂で使うと熱と湿気で劣化する」

「うっ」

眼鏡が壊れるのは、困る。
しかし。

「でも自分だけ眼鏡とか狡くないですか」

「言っただろ?
俺は眼鏡なしだとよく見えないから、特に初めての風呂は危ない」

確かに海星さんはかなり目が悪い。
私は眼鏡がなくても携帯の画面なんかは確認できるが、彼は顔をくっつけるようにして見ていた。

「それより」

こちらを向いた海星さんの手が、私の脇の下に入る。

「ここに来い」

「えっ、ひゃっ!」

さらに持ち上げるようにして彼の上に足を開いて座らされた。
そのまま角度を変え、浴槽の背に彼が寄りかかる。

「これだと俺の顔がよく見えるから問題ないだろ」

すかさずちゅっと彼は口付けしてきた。

「そういう問題では……」

「そういう問題。
あと、花音も眼鏡をかけているとキスしにくい」

ちゅっ、ちゅっ、と軽く重なる唇は、次第に長く、深くなっていく。
そのうちぬるりと彼の舌が入ってきた。
ぬるり、ぬるりと下が絡まり、頭の芯が痺れていく。

「んっ……」

口付けをかわしながら、海星の指が胸の突起を摘まむ。
くりくりと捏ねくりまわされ、どんどん身体の熱が上がっていった。

「はぁっ、ああ……」

与えられる刺激かもどかしくて、微妙に身体を揺らす。

「キモチイイ?」

耳もとで囁かれ、こくりと黙って頷いた。

「さっきから俺のに擦りつけてるけど、自覚あるのか」

くすりと愉悦を含んだ声で笑われ、一気に身体が熱くなる。
気づけば私は刺激を求めて、海星のモノに腫れ上がった蕾を擦りつけていた。

「そのまま続けろ」

恥ずかしくてもうやめたい気持ちと、もっと刺激を求める私が対立する。

「どうした?
続けろって言ってるだろ」

「あん」

すっかり熟れてしまった、胸の赤い実を捻られ、甘い吐息が漏れた。
海星に命令され、背筋がぞくりとする。
おそるおそる、再びゆっくりと腰を動かしだした。

「なあ。
そんなに擦りつけて恥ずかしくないのか」

促すようにまた、彼が胸の実を摘まむ。

「言わない、でっ」

気持ちよくて身体が止まらない。
腰を振る私を愉しそうに海星は見ている。
それがさらに私の身体の熱を上げた。

「気持ちよさそうだな」

「キモチ、イイのっ!」

果てを目指して身体は走り出している。
さらなる快楽を求めて、必死に身体を動かす。

「俺も、キモチイイ」

「あっ、あっ、ああーっ!」

ぐりっと胸の突起を捻り潰され、頭がスパークした。
身体を仰け反らせガクガクと震える私を海星が支えてくれる。

「はぁ、はぁ」

「滅茶苦茶可愛かった」

まだ荒い息の私に彼が口付けを落としてくる。
私は達したが、彼のそこはまだ堅いままだ。
それにまだご褒美をもらえていない私の胎内はうずうずしていた。

「かい、せい」

彼の首に腕を回し、媚びるようにレンズ越しにその妖艶に光る瞳を見る。

「これが欲しいんだろ?」

今度は海星のほうから擦りつけられ、こくんと頷いた。
彼の顔が近づいてきて、耳もとに唇が寄せられる。

「……自分で挿入れろ」

熱い声で囁いて彼が離れる。
じっと見つめるオニキスの瞳は私に命令していた。
それでもできないと首を横に振る。

「俺はいいよ?
でも花音は我慢できるのか?」

「ああぁ……」

花芽をその先端で擦りあげられ、甘い疼きがさらに増した。

「ほら、挿入れろ」

彼の手が見せつけるように自身のモノを揺らす。
恨みがましく睨んだところで彼にはまったく効いていない。
少しのあいだ逡巡したあと、意を決して腰を浮かせ、それを花筒の入り口へあてがった。

「んっ、ああぁ……」

見つめあったままゆっくりと腰を下ろし、かいせいわたしのなかへ収めていく。
いつもよりも蜜道は締まり、彼のものをはっきりと感じた。

「はいっ、た……」

満足感でにっこりと微笑みかけた途端、彼の唇が噛みつくみたいに重なった。
頭を掴み、激しく求めながら海星が奥を撞いてくる。
呼吸すらも奪うキスは息をつく隙がない。
苦しくて頭がじんじんと痺れていくが、それが――キモチイイ。

……ダメ、これ。
飛ぶ……!

「あっあっあっあっあっあっ」

意識がショートし、そこから少しのあいだ記憶がない。
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