50 / 59
第七章 嫉妬と愛と
7-4
エレベーターの中で海星は右肩を壁に預け、組んだ腕の上で指をせわしなくとんとんしている。
なにか言わなきゃとは思うが、なにを言っていいのかわからない。
そのうちエレベーターが止まったのは、スイートルームがある階だった。
無言で私の手を引いて歩き、入った部屋で海星が私をベッドに放り投げる。
「きゃっ!」
起き上がろうとしたが、そんな隙さえ与えずに彼は私を押さえつけ唇を重ねてきた。
無理矢理、舌を捻じ込んで私を蹂躙するキスは呼吸すら許してくれない。
頭がぼぅとなり、意識が遠くなっていく。
余裕なく眼鏡同士のぶつかるガチガチという激しい音がした。
「……消毒」
私から顔を離し、自身が濡らした自分の唇を彼がねっとりと舐め上げる。
ぼんやりとした頭で、それを見ていた。
「誰が他の男にこの唇を許していいと言った?」
海星の手が私の頬をぎりぎりと握りつぶす。
「ご、ごめんなさい」
私の意志じゃなかったとはいえ、右田課長にキスを許したのは間違いない。
「男どもから熱い視線を送られているだけでも嫉妬で狂いそうなのに、他の男とキス?
どれだけ危機感が薄いんだ?」
「ご、ごめんなさい」
レンズの向こう、そこからは嫉妬の焔で燃え上がる石炭のような瞳が見ていて、恐怖で身体が震える。
「オマエには今一度、自分が誰のものかわからせないといけないな」
薄らと笑う海星は怖いくらいに妖艶で綺麗だった。
外したネクタイを彼が手に取る。
……今からなにをされるのだろう。
ぞくりと背筋が逆立つのを感じる。
怖いはずなのに私の身体は、蜜を零していた。
「はぁっ、あっ、はぁっ」
薄暗い部屋の中に、荒い吐息が響く。
「ごめん、ごめんな、さいっ!」
カチカチと激しく、海星の動きにあわせてベルトの金具が音を立てる。
「それはなんに対する謝罪だ?」
「ああーっ!」
反省を促すように奥を思いっきり撞かれ、悲鳴が漏れた。
ネクタイで縛られ、自由にならない腕がもどかしい。
あれから海星は自由を奪い、なんの準備もできていない私の身体の中へと強引に押し入ってきた。
謝っても許してもらえない、ただ嫉妬をぶつけるだけの乱暴な行為。
つらくてつらくて堪らないはずなのに、私の心は歓喜で震えていた。
……こんなに狂うほど、海星は私を想ってくれている。
それは無上の喜びだった。
「お願いっ、もう無理、無理だからっ!」
何度も達せさせられた身体がつらくて懇願する。
「なら、反省したのか?
反省するまでやめないからな」
「ごめんなさい、私が悪かった、からぁっ!」
もう何度目かの謝罪の言葉を口にしたものの。
「それはなんに対する謝罪だ?」
会話は堂々巡りし、海星がやめる様子はない。
きっと彼は、終わらせるつもりなどないのだ。
「あっ、あっ、ああーっ!」
もう何度目かわからない絶頂を迎え身体をガクガクと震わせるが、海星はかまわずに私の奥を撞き続ける。
……このままじゃ私、壊れる。
しかしそれはそれでいい気がしていた。
「ごめん……ごめんな……さい」
次第に私の声は絶え絶えになっていく。
もうとっくに限界を超えていた。
「だからそれはなんに対する謝罪だ?」
「それ……は……」
意識ももう、切れ切れになっていた。
気を失うまでもうさほど時間はないだろう。
最後に私の気持ちを、海星に伝えなければ。
「私……が……愛……して……いるの……は……かい、……せい、……だけ……」
精一杯の気持ちを込めて、彼に微笑みかける。
「ああっ!」
悪態をつくように声を上げると同時に海星が果てる。
そこで意識はぷっつりと切れた。
なにか言わなきゃとは思うが、なにを言っていいのかわからない。
そのうちエレベーターが止まったのは、スイートルームがある階だった。
無言で私の手を引いて歩き、入った部屋で海星が私をベッドに放り投げる。
「きゃっ!」
起き上がろうとしたが、そんな隙さえ与えずに彼は私を押さえつけ唇を重ねてきた。
無理矢理、舌を捻じ込んで私を蹂躙するキスは呼吸すら許してくれない。
頭がぼぅとなり、意識が遠くなっていく。
余裕なく眼鏡同士のぶつかるガチガチという激しい音がした。
「……消毒」
私から顔を離し、自身が濡らした自分の唇を彼がねっとりと舐め上げる。
ぼんやりとした頭で、それを見ていた。
「誰が他の男にこの唇を許していいと言った?」
海星の手が私の頬をぎりぎりと握りつぶす。
「ご、ごめんなさい」
私の意志じゃなかったとはいえ、右田課長にキスを許したのは間違いない。
「男どもから熱い視線を送られているだけでも嫉妬で狂いそうなのに、他の男とキス?
どれだけ危機感が薄いんだ?」
「ご、ごめんなさい」
レンズの向こう、そこからは嫉妬の焔で燃え上がる石炭のような瞳が見ていて、恐怖で身体が震える。
「オマエには今一度、自分が誰のものかわからせないといけないな」
薄らと笑う海星は怖いくらいに妖艶で綺麗だった。
外したネクタイを彼が手に取る。
……今からなにをされるのだろう。
ぞくりと背筋が逆立つのを感じる。
怖いはずなのに私の身体は、蜜を零していた。
「はぁっ、あっ、はぁっ」
薄暗い部屋の中に、荒い吐息が響く。
「ごめん、ごめんな、さいっ!」
カチカチと激しく、海星の動きにあわせてベルトの金具が音を立てる。
「それはなんに対する謝罪だ?」
「ああーっ!」
反省を促すように奥を思いっきり撞かれ、悲鳴が漏れた。
ネクタイで縛られ、自由にならない腕がもどかしい。
あれから海星は自由を奪い、なんの準備もできていない私の身体の中へと強引に押し入ってきた。
謝っても許してもらえない、ただ嫉妬をぶつけるだけの乱暴な行為。
つらくてつらくて堪らないはずなのに、私の心は歓喜で震えていた。
……こんなに狂うほど、海星は私を想ってくれている。
それは無上の喜びだった。
「お願いっ、もう無理、無理だからっ!」
何度も達せさせられた身体がつらくて懇願する。
「なら、反省したのか?
反省するまでやめないからな」
「ごめんなさい、私が悪かった、からぁっ!」
もう何度目かの謝罪の言葉を口にしたものの。
「それはなんに対する謝罪だ?」
会話は堂々巡りし、海星がやめる様子はない。
きっと彼は、終わらせるつもりなどないのだ。
「あっ、あっ、ああーっ!」
もう何度目かわからない絶頂を迎え身体をガクガクと震わせるが、海星はかまわずに私の奥を撞き続ける。
……このままじゃ私、壊れる。
しかしそれはそれでいい気がしていた。
「ごめん……ごめんな……さい」
次第に私の声は絶え絶えになっていく。
もうとっくに限界を超えていた。
「だからそれはなんに対する謝罪だ?」
「それ……は……」
意識ももう、切れ切れになっていた。
気を失うまでもうさほど時間はないだろう。
最後に私の気持ちを、海星に伝えなければ。
「私……が……愛……して……いるの……は……かい、……せい、……だけ……」
精一杯の気持ちを込めて、彼に微笑みかける。
「ああっ!」
悪態をつくように声を上げると同時に海星が果てる。
そこで意識はぷっつりと切れた。
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
俺様上司に今宵も激しく求められる。
藤白ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
✽全28話完結
✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
✽他誌にも掲載中です。
✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。
→表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。
契約書は婚姻届
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「契約続行はお嬢さんと私の結婚が、条件です」
突然、降って湧いた結婚の話。
しかも、父親の工場と引き替えに。
「この条件がのめない場合は当初の予定通り、契約は打ち切りということで」
突きつけられる契約書という名の婚姻届。
父親の工場を救えるのは自分ひとり。
「わかりました。
あなたと結婚します」
はじまった契約結婚生活があまー……いはずがない!?
若園朋香、26歳
ごくごく普通の、町工場の社長の娘
×
押部尚一郎、36歳
日本屈指の医療グループ、オシベの御曹司
さらに
自分もグループ会社のひとつの社長
さらに
ドイツ人ハーフの金髪碧眼銀縁眼鏡
そして
極度の溺愛体質??
******
表紙は瀬木尚史@相沢蒼依さん(Twitter@tonaoto4)から。
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始