78 / 145
裕翔ルート 1章
時間と距離と密度の関係 6
しおりを挟む
あの2人が、遥さんと紫綺くんがそんなことをするはずがない。
それは信じているのだけど、吸血鬼と人間のペアなんて、そんなにあるものでもない。
遥さんと紫綺くんみたいな関係ではない2人組。吸血鬼が人間を非常食として関係を結んでいる可能性がある。その場合、人間の側が隷属しているのか、心酔しているのか、思考を失っているのか。
長谷部さんがその人物とは思えなかった。けれど、とりあえず手がかりは彼しかない。
女郎蜘蛛さんに別れを告げて車へ戻った。免許証に記載されていた住所へ、透さんが車を走らせてくれる。引っ越ししていないと良いのだけど。
住居は普通の2階建てのアパートだった。お部屋に大勢で押しかけるのもご迷惑なので、裕翔くんと誠史郎さんと私と言う、お昼と同じ顔ぶれで行くことになった。
誠史郎さんがインターホンのボタンを押すと廊下を歩く音が扉の向こうから響く。
「はーい……」
ドアを開いたのは20代とおぼしき、セミロング髪の女性だった。お風呂上がりなのか髪が濡れている。かわいいけれど目のやり場に少し困ってしまうワンピースの部屋着にカーディガンを羽織って現れた。
「あれー?ピザ屋さんじゃなかった」
「はい。申し訳ありません」
誠史郎さんの優美な微笑みを、女性は頬を染めて見惚れているわ。
「何勝手に出てるんだよ!」
奥から男性の少し怒ったような声が聞こえた。
「えー、だってピザが来たと思って……」
女の人は中にいる相手に言葉を投げかけている。
どすどすと足音がして、現れたのは長谷部さんだった。
「あ……あんた」
誠史郎さんの顔を見てぎょっとしたようだけど、どこかほっとしているような空気もある。
「こんばんは。突然押し掛けて申し訳ありません。長谷部さんはどなたから真堂家への依頼を頼まれたのかお教えいただきたいと思いまして」
「えー、なになに?」
「お前は首突っ込むな! 中で待ってろ」
女性はおどけるように肩をすくめて部屋へ戻って行く。少しかわいそうな気がした。長谷部さんも、そんな言い方をしなくても良いと思う。
「何かマズイことでもあるの?」
裕翔くんは首を少し傾けて呟く。
「あ、あんたたちに関係ないだろ!」
「和服の男性に脅されましたか? 女郎蜘蛛に食い殺されるか、吸血鬼に協力するか選べと」
誠史郎さんの眼鏡の奥の両眼が鋭く光る。長谷部さんは言葉に詰まって唇を噛んだ。
女郎蜘蛛さんの言っていた懲らしめなければいけない悪い男というのは、彼のことみたいだ。
「……ど、どうして」
「こちらもプロですから、舐めていただいては困ります」
誠史郎さんの口元は穏やかに微笑んだけれど、切れ長の双眸は鋭く細められる。
「何か特徴は覚えていませんか?」
「き、傷……」
長谷部さんは怯えていた。それは誠史郎さんに対してなのか、彼を無理やり協力者にした相手に対してなのか、私にはわからなかった。
「左の手に、大きな傷痕があった……」
「左手に傷、ですか」
「もういいだろ! 俺には関係ない! 帰ってくれ!」
誠史郎さんが一歩退くと、バタンと乱暴に扉が閉められる。
「おやおや」
小さくため息をついて、誠史郎さんは私と裕翔くんの方へ振り向いた。
「珠緒さんに伺ってみましょうか。傷のある吸血種なんて珍しいでしょうから」
廊下を歩き始めた誠史郎さんの背中に私と裕翔くんはついて行く。
「あの人さー……」
「裕翔くんの言いたいことはわかります。しかし私たちも慈善事業ではありませんから、彼の心がけ次第です。吸血種の言ったことをきちんと聞いていれば、命を狙われていることは理解できるのですから」
あの様子では、脅されたので怖がってはいるけれど、本当に生命の危機にさらされているとは思っていないのだろう。
たくさんの女性の恨みが募って女郎蜘蛛が呼び出される事態なんて相当なのに。
裕翔くんの優しい気持ちに、私は彼の手を握りたくなった。誠史郎さんに気づかれないようにそっと指を絡める。裕翔くんはちらりとこちらを見て小さく微笑んだ。
「ま、とりあえずオレを悪者にしたい吸血鬼に会わないとね」
心なしか、いつも明るい裕翔くんの声が更に弾んでいるように聞こえた。
相手の目的がさっぱりわからないけれど、裕翔くんに良くない感情を抱いていることは間違いない。
穏便に済ませることができればいいけど。
家へ帰るとすぐに珠緒さんに連絡をして、左手に大きな傷痕があって人間と行動を共にしている吸血種のことを聞いた。
人間だった吸血種でもともと傷痕があったひとか、最近大ケガをしたのか。どちらにしても珠緒さんには探しやすいみたいで、特定にそれほど時間はかからないだろうと、力強い言葉をいただいた。
何だか今日は長い一日だった。もう日付が変わってしまっている。
一番最初にお風呂に入らせてもらって、部屋に戻る。ベッドにうつ伏せで倒れ込んでいると、小さくドアをノックする音が聞こえた気がした。
「はーい……」
のろのろ起き上がってドアを開くと、お風呂上がりの裕翔くんが笑顔で立っていた。
どうしたのだろうと少し首を傾げて彼を見上げるけれど答えはなく、すぐに猫のようにするりと部屋に入ってしまう。
あっけにとられているうちに、裕翔くんが私のベッドに潜り込んだ。
ニコニコと手招きをされて戸惑ったけれど眠気に負けて素直に従ってしまう。
「おじゃまします……」
布団に入るなり裕翔くんにぎゅっと抱き締められて、おでこにキスされる。
「今日はちゅーしてない」
鼻の先が触れ合う距離で、裕翔くんは唇を尖らせた。困っておろおろしてしまうと裕翔くんは頬を緩ませ、触れるだけの短いキスを唇に落とした。
「みさきは気持ち良いなー」
引き寄せられて、裕翔くんの胸に顔を埋めるような格好になる。いつも通りの彼で良かったと安心すると急に睡魔が襲ってきた。
「……みさき?」
頭上で裕翔くんが私を呼んでいるけれど、もう答える気力がない。弾むような声がどんどん遠ざかって行くと感じながら、瞼が閉じてしまった。
それは信じているのだけど、吸血鬼と人間のペアなんて、そんなにあるものでもない。
遥さんと紫綺くんみたいな関係ではない2人組。吸血鬼が人間を非常食として関係を結んでいる可能性がある。その場合、人間の側が隷属しているのか、心酔しているのか、思考を失っているのか。
長谷部さんがその人物とは思えなかった。けれど、とりあえず手がかりは彼しかない。
女郎蜘蛛さんに別れを告げて車へ戻った。免許証に記載されていた住所へ、透さんが車を走らせてくれる。引っ越ししていないと良いのだけど。
住居は普通の2階建てのアパートだった。お部屋に大勢で押しかけるのもご迷惑なので、裕翔くんと誠史郎さんと私と言う、お昼と同じ顔ぶれで行くことになった。
誠史郎さんがインターホンのボタンを押すと廊下を歩く音が扉の向こうから響く。
「はーい……」
ドアを開いたのは20代とおぼしき、セミロング髪の女性だった。お風呂上がりなのか髪が濡れている。かわいいけれど目のやり場に少し困ってしまうワンピースの部屋着にカーディガンを羽織って現れた。
「あれー?ピザ屋さんじゃなかった」
「はい。申し訳ありません」
誠史郎さんの優美な微笑みを、女性は頬を染めて見惚れているわ。
「何勝手に出てるんだよ!」
奥から男性の少し怒ったような声が聞こえた。
「えー、だってピザが来たと思って……」
女の人は中にいる相手に言葉を投げかけている。
どすどすと足音がして、現れたのは長谷部さんだった。
「あ……あんた」
誠史郎さんの顔を見てぎょっとしたようだけど、どこかほっとしているような空気もある。
「こんばんは。突然押し掛けて申し訳ありません。長谷部さんはどなたから真堂家への依頼を頼まれたのかお教えいただきたいと思いまして」
「えー、なになに?」
「お前は首突っ込むな! 中で待ってろ」
女性はおどけるように肩をすくめて部屋へ戻って行く。少しかわいそうな気がした。長谷部さんも、そんな言い方をしなくても良いと思う。
「何かマズイことでもあるの?」
裕翔くんは首を少し傾けて呟く。
「あ、あんたたちに関係ないだろ!」
「和服の男性に脅されましたか? 女郎蜘蛛に食い殺されるか、吸血鬼に協力するか選べと」
誠史郎さんの眼鏡の奥の両眼が鋭く光る。長谷部さんは言葉に詰まって唇を噛んだ。
女郎蜘蛛さんの言っていた懲らしめなければいけない悪い男というのは、彼のことみたいだ。
「……ど、どうして」
「こちらもプロですから、舐めていただいては困ります」
誠史郎さんの口元は穏やかに微笑んだけれど、切れ長の双眸は鋭く細められる。
「何か特徴は覚えていませんか?」
「き、傷……」
長谷部さんは怯えていた。それは誠史郎さんに対してなのか、彼を無理やり協力者にした相手に対してなのか、私にはわからなかった。
「左の手に、大きな傷痕があった……」
「左手に傷、ですか」
「もういいだろ! 俺には関係ない! 帰ってくれ!」
誠史郎さんが一歩退くと、バタンと乱暴に扉が閉められる。
「おやおや」
小さくため息をついて、誠史郎さんは私と裕翔くんの方へ振り向いた。
「珠緒さんに伺ってみましょうか。傷のある吸血種なんて珍しいでしょうから」
廊下を歩き始めた誠史郎さんの背中に私と裕翔くんはついて行く。
「あの人さー……」
「裕翔くんの言いたいことはわかります。しかし私たちも慈善事業ではありませんから、彼の心がけ次第です。吸血種の言ったことをきちんと聞いていれば、命を狙われていることは理解できるのですから」
あの様子では、脅されたので怖がってはいるけれど、本当に生命の危機にさらされているとは思っていないのだろう。
たくさんの女性の恨みが募って女郎蜘蛛が呼び出される事態なんて相当なのに。
裕翔くんの優しい気持ちに、私は彼の手を握りたくなった。誠史郎さんに気づかれないようにそっと指を絡める。裕翔くんはちらりとこちらを見て小さく微笑んだ。
「ま、とりあえずオレを悪者にしたい吸血鬼に会わないとね」
心なしか、いつも明るい裕翔くんの声が更に弾んでいるように聞こえた。
相手の目的がさっぱりわからないけれど、裕翔くんに良くない感情を抱いていることは間違いない。
穏便に済ませることができればいいけど。
家へ帰るとすぐに珠緒さんに連絡をして、左手に大きな傷痕があって人間と行動を共にしている吸血種のことを聞いた。
人間だった吸血種でもともと傷痕があったひとか、最近大ケガをしたのか。どちらにしても珠緒さんには探しやすいみたいで、特定にそれほど時間はかからないだろうと、力強い言葉をいただいた。
何だか今日は長い一日だった。もう日付が変わってしまっている。
一番最初にお風呂に入らせてもらって、部屋に戻る。ベッドにうつ伏せで倒れ込んでいると、小さくドアをノックする音が聞こえた気がした。
「はーい……」
のろのろ起き上がってドアを開くと、お風呂上がりの裕翔くんが笑顔で立っていた。
どうしたのだろうと少し首を傾げて彼を見上げるけれど答えはなく、すぐに猫のようにするりと部屋に入ってしまう。
あっけにとられているうちに、裕翔くんが私のベッドに潜り込んだ。
ニコニコと手招きをされて戸惑ったけれど眠気に負けて素直に従ってしまう。
「おじゃまします……」
布団に入るなり裕翔くんにぎゅっと抱き締められて、おでこにキスされる。
「今日はちゅーしてない」
鼻の先が触れ合う距離で、裕翔くんは唇を尖らせた。困っておろおろしてしまうと裕翔くんは頬を緩ませ、触れるだけの短いキスを唇に落とした。
「みさきは気持ち良いなー」
引き寄せられて、裕翔くんの胸に顔を埋めるような格好になる。いつも通りの彼で良かったと安心すると急に睡魔が襲ってきた。
「……みさき?」
頭上で裕翔くんが私を呼んでいるけれど、もう答える気力がない。弾むような声がどんどん遠ざかって行くと感じながら、瞼が閉じてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる