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第3章〜幻想都市グリーディア〜

昨夜はお楽しみでしたね

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「ん~っ……朝か……。」
ふかふかの暖かいベッドの中で目覚めるフューゼ。

昨日のメルメル美味しかったなぁ…。
パンみたいな物の中に
クリーム状のプリンみたいなものが
入っててすごく甘かったな。
エルフの粉とかいうよくわからないものを
使ってるらしいが……。
でも美味かったな……。

フューゼが起き上がろうとするが
何故か動くことが出来ない。

「あれ?何だ?体になにか付けられてる……?いや縛られてるのか…!?」
違和感を感じたフューゼが掛け布団をめくると
そこにはフューゼにくっついて眠るモナがいた。

「うおお!?モナ!何してるんだ!?」

「ん……、おはようフューゼ……」
目を開けずに返事をするモナ。

「おはよう……じゃなくて何でここにいるんだ!?」

「……覚えてないの?」
ゆっくりと目を開け少しこすったあと
上目遣いでフューゼを見つめるモナ。

え?俺何かしちゃった?
メルメル食べて……
その後は……そうだこの国の酒も
貰ったんだった。
レベッカがキャラットがどうのこうの言ってて…
それからお互いに競うように酒を飲んで
煽って飲ませあって……。
……その後は……ダメだ!
その後がわからないぞ……!!

「……ごめん、思い出せないから説明してもらえるか?」

「恥ずかしいから説明したくないんだけど……」
顔を紅くするモナ。

えええ!?なんだこの反応!!
嘘だろ……?
酔ってたからといえモナにまさか……!

「……マコが昨日から訓練の一環だって言って軍の寄宿舎に行っちゃって……。モ、モナは…その……1人で寝られないから……フューゼに相談した……。そしたら一緒に寝てくれるって言ったから……」
顔をフューゼの胸に埋めて顔を隠すモナ。

よ、よかった、そういうことか。
手を出したりしてなくてよかった……。
酒なんて強くないし今度から気を付けよう……。

「そ、そうだったのか!……モナ、俺は昨日今日の予定について話してたか?」

「うん。今日はお昼までに集まって次の目的地を決めるって言ってたよ……!」

「そうか、ありがとうモナ。」
モナの頭を撫でるフューゼ。

「ふぉぉぉ……!フューゼ、モナこれ好きかも」

「そうか?それならたまにしてあげよう。」
あまり撫でられたりしなかったのか?
反応が可愛いな!

「よし!じゃあ準備するか!モナ。君もくるんだろ?旅の支度整えておいてくれるか?俺は昨日の会議室みたいな所でみんなを待っておくよ。」

「…わかった。また後でね」


部屋をでるフューゼ。


会議室に向かう途中キャラットに出会う。

「あ、おはようございます、フューゼさん。よく眠れましたか?」
にこにこと挨拶をするキャラット。

「あぁ、とても気持ちがよかったよ!メルメルも美味しかったしグリーディアは最高だな!」

「ふふっ、ありがとうございます!……昨日はモナさんと寝ると仰ってましたので大きなベッドの部屋にさせて頂きましたがお楽しみ頂いたようで何よりです」
顔を紅くするキャラット。

「お、お楽しみって俺何かしてたのか?こ、声が聞こえたとか?」

「い、いえ!ドアの前からも声は聞こえませんでしたよ!ただあれだけお酒を飲まれていたのにすごくその…すっきりした表情をされていたので……!」

そういうことか……。
ドアの前って見回りでもしてたのかな?
……まぁいいか、ただキャラットがそんな事を
言ってくるならこっちも少しからかってみるか。

「本当にベッドも食事も最高だったよ。ありがとう。ただお楽しみといえばキャラット、君もお楽しみだったんじゃないか?」

「んえっ!?な、何がですか!?」
あからさまに動揺するキャラット。

「いや、何がとは言わないよ?ただ随分とお楽しみだったようだなぁと思ってな?」

顔を紅くしあたふたするキャラット。
「フュ、フューゼさんはあの時確かに寝てたはず …な、なんで?」

な、なんだこの反応は!気になるが……。
さすがにこれ以上は可愛いけど可哀想か……。
「ふふっ、冗談だよ。からかってみただけだ。」

「んぇっ!?じょ、冗談!?」

「…心当たりでもあったのか?」

「……っ!!//な、何も無いですよ!今日は話し合いでしたよね!会議室掃除終わってますよ!み、みなさんのメルメル焼かなきゃ!」
早口でそう言い終わるとぱたぱたと走り去る
キャラット。


……何だか朝からいい物ばかり見てる気がするな。
よし、何だかやる気がこみ上げてきたぞ……!!


どこぞのサキュバスより淫靡な気持ちに満たされ満足した夜王はにやにやしながら会議室へと向かった。
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