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第4章〜同盟国を求めて〜
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フューゼが会議室に入るとそこには
1人で何か作業をしているシルビアがいた。
「おはようシルビア。何してるんだ?」
ハッ、と気付くシルビア。
「おはようございますヴァンドラ様! お迎えに向かわせて頂く予定だったのですが申し訳ございません!」
「いや、大丈夫だよ。気にしないでくれ。それより今何してたんだ?」
「はい。今後の予定を考えておりました。どこに今から向かうのが得策か。等ですね」
「そうか!いつも悪いなシルビア。俺はここに座ってみんなが集まるのを待つよ。」
「いえ、ヴァンドラ様がいらっしゃったのであればすぐにみなを集めます。少々お待ちください」
「いや、大丈夫だよ。昼には集まるんだろ?」
「ヴァンドラ様を待たせるなど言語道断です。すぐに集めます」
「あ、おいシルビア!」
フューゼの制止も聞かず部屋を飛び出したシルビア。
……まぁ待っておくか。
それから1時間ほどして
アリス、シルビア、モナ。
そしてレベッカとキャラット、クタールが集まった。
「おはよう!フュゼ様!」
「あぁ!おはようアリス!……シルビアにしては随分とかかったな。それに全員まとめて連れてきたんだな?」
「はぁ……はぁ……申し訳…ございません……。一番手間がかかると思った…アリスのとこに…最初に向かって合流したのですが……他の方々が……どこにいるのか……そしてどの部屋が何なのか全くわからなくて……。食堂のような場所にいたキャラットに会うまで迷ってました……」
「手間がかかるってひどいよシルビー!」
「本当のことじゃない!」
「まぁまぁ、とりあえずみんな座ってくれ。」
そして昨日のように座る一同。
「じゃあこれからの事なんだが……俺は正直どうしたらいいか…というよりはここ周辺に何があるかすらわからない。シルビア!話し合いの進行は任せていいか?」
「…!お任せ下さい!!では今後の動向について話し合います。グリーディアの方々も意見のほうよろしくお願いしますね」
「はーい!まず私から言っていいー?」
手を上げるアリス。
「……ちゃんと考えてるんでしょうね?」
「もちろんだよ!私はスノーフィスに行くのがいいと思う!!」
スノーフィス……?
前ヘルシャフトさんが
話してた気がするな。
たしか共存派の筆頭とか何とか
言ってた気が……。
「スノーフィスって……アンタ何言ってんの…?共存派からしたら私達敵なのよ?」
「でも一番近いし……綺麗だよ!スノーフィス!」
「綺麗って……アリスに聞いたのが間違いだったわ……」
「むーっ。ならシルビーはどこがいいの?」
「私はギルドランドね!!永遠の中立国って明言してるしお金を払えば確実に戦力も増やせる!距離も近いしね!」
「ギルドランド……?」
「あっ……申し訳ございませんでしたヴァンドラ様!ギルドランドとは戦鬼ガラハッドを王とする傭兵国家です。大きな戦争には必ず彼等の姿があり強大な力をもっております。彼等は報酬を多く支払う者に従いますので容易に協力体制を築けるかと思います」
「……でもそれだと帝国に多くの報酬を渡されたら裏切られるってことじゃないか?」
「帝国はギルドランドに対し武力行使を行ったので今は敵対中かと……」
「でも永遠の中立国なんだろ?」
「そ、そうですが……。うーん……」
今回は目的地を決めるの難しいみたいだな……。
「……グリーディアの意見を聞いてもいいか?」
「そうですね……ギルドランドですかね……。スノーフィスはやはり共存派ですし海を渡らねばいけません」
「キャラットの言うことももっともだがあたしはスノーフィスがいいと思うぞ。海を渡ると言ってもせいぜい3日ほどで着く距離だ。ギルドランドは徒歩だとどのくらいかかるかわからんぞ?」
「ギルドランドに行くのはそんなに時間かかるのか?」
「全て徒歩だと1ヶ月はみたほうがいいんじゃないか?前は途中から船に乗ることによってかなりの短縮もできたんだが今はもうできなくてな」
「できなくなったってのはどういうことだ?」
「数年くらい前からそこの海に大渦ができてな。スノーフィスの化物、海神竜リヴィアのせいなんだが…。我等とギルドランドの交易を透明化するだかなんだかでスノーフィスを挟めと無理矢理決められてな」
…数年もの間全く通れないほどの大渦をだす
リヴィアってのがいるのか……すごいな。
スノーフィス…共存派って響きから
あまり障害にならないかと思ってたが
考え直す必要があるな。
「……空からのルートは何かないのか?」
「スキルで飛べるものはまだ何とかなるだろうが今の時代飛行船なんかに乗っていたら狙い撃ちされるぞ?それでも乗りたければ探すしかないな。グリーディアはかなり前に飛行船は全て破棄しているからな」
「フューゼ……少しいいかな?」
ゆっくり口を開くクタール。
「あぁ、どうした?」
「僕もスノーフィスがいいと思うよ。ボルシエオン帝国がある方に向かうにしてもスノーフィス経由でギルドランドに向かうにしても海を渡る必要がある。だが王様の仰る通り、ここらの海はスノーフィスが管理してるからね。スノーフィスに話を通さず動いていると恐らく海で沈められると思うよ。」
「そんなに攻撃的なのか?スノーフィスは。」
「世界を全として全のためなら個の犠牲を一切厭わないからね、彼等は。ただ話し合いに来た者をすぐにどうにかすることはないよ。まぁ少なくともギルドランドには交易船に乗り込めば向かえるからね。スノーフィスがいいんじゃないかな?」
「……なるほどな。よし、まずはスノーフィスに向かうぞ。これで決定だ!」
「ならばフューゼよ、グリーディアからは船をやろう。今はこのくらいしか協力出来ないからな……」
申し訳なさそうにするレベッカ。
「いや、助かるよ。今すぐ使えるのか?」
「使えはするが問題ないか点検をしっかりさせたい。明日の朝まで待ってもらえるか?」
「あぁ!本当に助かるよ。ありがとうレベッカ。……そうと決まれば明日までに各々出発の準備をしてくれ。あとシルビアには1つ頼みたい事がある。」
「…!!何でしょうかヴァンドラ様!」
「モナのスキルを時間が空いた時に調べてくれないか?何か身についているのか。まぁ簡単に言うと名付けで何か出来るようになったのか調べてほしい。」
「モナのスキル……ですか」
「無理なら断わってくれて構わない。……できるか?」
シルビアを真っ直ぐ見るフューゼ。
「……できます!!やらせてください」
「よし、任せたぞシルビア。…後はレベッカ、ここにもう一泊してもいいのか?どこか探した方がいいなら探すが……。」
「好きに使ってくれて構わない。我等のヴァンドラに対する信用の証だと思ってくれ」
「ありがとう、グリーディアは本当にいいとこだな。メルメルも本当に美味しかったし。」
その言葉に反応し嬉しそうに笑みを零すキャラット。
「本当ですか?宜しければ今からまたお持ちしますよ!」
「ありがとうキャラット。ならお願いするよ!君のメルメルは最高だからね!」
「あ、ありがとうございます!//すぐに持ってきますね!」
ぱたぱたと走り部屋を出たキャラット。
「……フューゼ、船はやるし協力もするがキャラットだけは渡さんぞ……?」
「ん?何言ってるんだレベッカ?」
「ぐ……こちらの話だ。クタール!ちょっと来い」
クタールを連れ部屋を出るレベッカ。
「何でしょう王様。」
「フューゼに渡したい物がある。それを貴様に作って欲しい。それを渡してキャラットを納得させないと着いていくとでも言い出しそうだからな」
「キャラットさんが離れることは無いと思いますが……本日合成生物作製に力を入れたいのですが本当に必要な物ですか?それは。」
「クタール……貴様のフューゼに対する感情にあたしは気付いているぞ…?それを作れば貴様にもかなりの利益があるし、いつでも使わせてやる」
「…………僕のテントでゆっくりお話しさせて頂きたいのですが。」
「うむ、今から向かうとするか。キャラットのメルメルを受け取ってからな」
「…………はい」
1人で何か作業をしているシルビアがいた。
「おはようシルビア。何してるんだ?」
ハッ、と気付くシルビア。
「おはようございますヴァンドラ様! お迎えに向かわせて頂く予定だったのですが申し訳ございません!」
「いや、大丈夫だよ。気にしないでくれ。それより今何してたんだ?」
「はい。今後の予定を考えておりました。どこに今から向かうのが得策か。等ですね」
「そうか!いつも悪いなシルビア。俺はここに座ってみんなが集まるのを待つよ。」
「いえ、ヴァンドラ様がいらっしゃったのであればすぐにみなを集めます。少々お待ちください」
「いや、大丈夫だよ。昼には集まるんだろ?」
「ヴァンドラ様を待たせるなど言語道断です。すぐに集めます」
「あ、おいシルビア!」
フューゼの制止も聞かず部屋を飛び出したシルビア。
……まぁ待っておくか。
それから1時間ほどして
アリス、シルビア、モナ。
そしてレベッカとキャラット、クタールが集まった。
「おはよう!フュゼ様!」
「あぁ!おはようアリス!……シルビアにしては随分とかかったな。それに全員まとめて連れてきたんだな?」
「はぁ……はぁ……申し訳…ございません……。一番手間がかかると思った…アリスのとこに…最初に向かって合流したのですが……他の方々が……どこにいるのか……そしてどの部屋が何なのか全くわからなくて……。食堂のような場所にいたキャラットに会うまで迷ってました……」
「手間がかかるってひどいよシルビー!」
「本当のことじゃない!」
「まぁまぁ、とりあえずみんな座ってくれ。」
そして昨日のように座る一同。
「じゃあこれからの事なんだが……俺は正直どうしたらいいか…というよりはここ周辺に何があるかすらわからない。シルビア!話し合いの進行は任せていいか?」
「…!お任せ下さい!!では今後の動向について話し合います。グリーディアの方々も意見のほうよろしくお願いしますね」
「はーい!まず私から言っていいー?」
手を上げるアリス。
「……ちゃんと考えてるんでしょうね?」
「もちろんだよ!私はスノーフィスに行くのがいいと思う!!」
スノーフィス……?
前ヘルシャフトさんが
話してた気がするな。
たしか共存派の筆頭とか何とか
言ってた気が……。
「スノーフィスって……アンタ何言ってんの…?共存派からしたら私達敵なのよ?」
「でも一番近いし……綺麗だよ!スノーフィス!」
「綺麗って……アリスに聞いたのが間違いだったわ……」
「むーっ。ならシルビーはどこがいいの?」
「私はギルドランドね!!永遠の中立国って明言してるしお金を払えば確実に戦力も増やせる!距離も近いしね!」
「ギルドランド……?」
「あっ……申し訳ございませんでしたヴァンドラ様!ギルドランドとは戦鬼ガラハッドを王とする傭兵国家です。大きな戦争には必ず彼等の姿があり強大な力をもっております。彼等は報酬を多く支払う者に従いますので容易に協力体制を築けるかと思います」
「……でもそれだと帝国に多くの報酬を渡されたら裏切られるってことじゃないか?」
「帝国はギルドランドに対し武力行使を行ったので今は敵対中かと……」
「でも永遠の中立国なんだろ?」
「そ、そうですが……。うーん……」
今回は目的地を決めるの難しいみたいだな……。
「……グリーディアの意見を聞いてもいいか?」
「そうですね……ギルドランドですかね……。スノーフィスはやはり共存派ですし海を渡らねばいけません」
「キャラットの言うことももっともだがあたしはスノーフィスがいいと思うぞ。海を渡ると言ってもせいぜい3日ほどで着く距離だ。ギルドランドは徒歩だとどのくらいかかるかわからんぞ?」
「ギルドランドに行くのはそんなに時間かかるのか?」
「全て徒歩だと1ヶ月はみたほうがいいんじゃないか?前は途中から船に乗ることによってかなりの短縮もできたんだが今はもうできなくてな」
「できなくなったってのはどういうことだ?」
「数年くらい前からそこの海に大渦ができてな。スノーフィスの化物、海神竜リヴィアのせいなんだが…。我等とギルドランドの交易を透明化するだかなんだかでスノーフィスを挟めと無理矢理決められてな」
…数年もの間全く通れないほどの大渦をだす
リヴィアってのがいるのか……すごいな。
スノーフィス…共存派って響きから
あまり障害にならないかと思ってたが
考え直す必要があるな。
「……空からのルートは何かないのか?」
「スキルで飛べるものはまだ何とかなるだろうが今の時代飛行船なんかに乗っていたら狙い撃ちされるぞ?それでも乗りたければ探すしかないな。グリーディアはかなり前に飛行船は全て破棄しているからな」
「フューゼ……少しいいかな?」
ゆっくり口を開くクタール。
「あぁ、どうした?」
「僕もスノーフィスがいいと思うよ。ボルシエオン帝国がある方に向かうにしてもスノーフィス経由でギルドランドに向かうにしても海を渡る必要がある。だが王様の仰る通り、ここらの海はスノーフィスが管理してるからね。スノーフィスに話を通さず動いていると恐らく海で沈められると思うよ。」
「そんなに攻撃的なのか?スノーフィスは。」
「世界を全として全のためなら個の犠牲を一切厭わないからね、彼等は。ただ話し合いに来た者をすぐにどうにかすることはないよ。まぁ少なくともギルドランドには交易船に乗り込めば向かえるからね。スノーフィスがいいんじゃないかな?」
「……なるほどな。よし、まずはスノーフィスに向かうぞ。これで決定だ!」
「ならばフューゼよ、グリーディアからは船をやろう。今はこのくらいしか協力出来ないからな……」
申し訳なさそうにするレベッカ。
「いや、助かるよ。今すぐ使えるのか?」
「使えはするが問題ないか点検をしっかりさせたい。明日の朝まで待ってもらえるか?」
「あぁ!本当に助かるよ。ありがとうレベッカ。……そうと決まれば明日までに各々出発の準備をしてくれ。あとシルビアには1つ頼みたい事がある。」
「…!!何でしょうかヴァンドラ様!」
「モナのスキルを時間が空いた時に調べてくれないか?何か身についているのか。まぁ簡単に言うと名付けで何か出来るようになったのか調べてほしい。」
「モナのスキル……ですか」
「無理なら断わってくれて構わない。……できるか?」
シルビアを真っ直ぐ見るフューゼ。
「……できます!!やらせてください」
「よし、任せたぞシルビア。…後はレベッカ、ここにもう一泊してもいいのか?どこか探した方がいいなら探すが……。」
「好きに使ってくれて構わない。我等のヴァンドラに対する信用の証だと思ってくれ」
「ありがとう、グリーディアは本当にいいとこだな。メルメルも本当に美味しかったし。」
その言葉に反応し嬉しそうに笑みを零すキャラット。
「本当ですか?宜しければ今からまたお持ちしますよ!」
「ありがとうキャラット。ならお願いするよ!君のメルメルは最高だからね!」
「あ、ありがとうございます!//すぐに持ってきますね!」
ぱたぱたと走り部屋を出たキャラット。
「……フューゼ、船はやるし協力もするがキャラットだけは渡さんぞ……?」
「ん?何言ってるんだレベッカ?」
「ぐ……こちらの話だ。クタール!ちょっと来い」
クタールを連れ部屋を出るレベッカ。
「何でしょう王様。」
「フューゼに渡したい物がある。それを貴様に作って欲しい。それを渡してキャラットを納得させないと着いていくとでも言い出しそうだからな」
「キャラットさんが離れることは無いと思いますが……本日合成生物作製に力を入れたいのですが本当に必要な物ですか?それは。」
「クタール……貴様のフューゼに対する感情にあたしは気付いているぞ…?それを作れば貴様にもかなりの利益があるし、いつでも使わせてやる」
「…………僕のテントでゆっくりお話しさせて頂きたいのですが。」
「うむ、今から向かうとするか。キャラットのメルメルを受け取ってからな」
「…………はい」
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