前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第一章 新しい生活の始まり

001-2

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 家族も将来の方向性が決まらない僕をどうしたものかと、持て余しているようにも見える。
二つ上の兄はのスキルを与えられて、今では隣村との交易を任せてもらえるぐらいまで成長してる。

 三年の間に僕が出来た事と言えば、家畜をテイムしたぐらいで。
鶏のコッコと、牛のモッズから毎日卵とミルクをもらっては売ってお小遣い稼ぎをしているような状況。

 僕の住むロニタの村は、グリマ王国とナギーノ王国の境にあって、たまにどちらかの王都に向かおうとする旅人が立ち寄るような、何の変哲もない、これといった特産のない村だ。
みんな優しくていい人達だけど。

 頼まれていたミルクを村の酒場に配達に行ったら、見た事ない人がいた。
金髪碧眼で、キラキラ輝く鎧に真っ赤なマントを羽織った騎士と、銀髪に赤い目をして、ローブをまとった魔法使いのような人の二人組だった。

 村に他所から来た人がいたら、いつも質問していた。
ダンジョンメーカーというスキルをご存知ですか?って。
でも、あの二人には何というか質問しにくい。
何というか話しかけるなオーラって言うのかな、そう言うのが漂っていて、とてもじゃないけど、そんな勇気ない。

「アシュリー、こっちだよ」

 カウンターにいた女将さんが僕の名前を呼ぶ。

「こんにちは、女将さん。これ、頼まれていた物です」

 モッズから採れたミルクが入ったミルク缶をカウンターまで運ぶ。

「ありがとうね! アシュリーのとこのミルクは美味しいから本当助かるよ!」

 ありがとうございます、と女将さんにお礼を言う。

 僕のモッズから採れるミルクを買ってくれるのは女将さんだけだ。
普通はみんな自分の家の牛から採取する。だからわざわざ人から買ったりはしない。
でも、女将さんはご主人が亡くなってからお店を一人で切り盛りしなくちゃいけなくて、子供も別の街に出ていなかったから、牛の世話まで手が回らと、僕からミルクを買ってくれるのだ。
本当に、ありがたい。


「そう言えば、あの二人にはいつもの質問をしないのかい?」

 女将さんが、さっきの二人組をあごでしゃくって指す。
僕は慌てて首を横に振った。

「忙しそうだし、いいよ」

「ははぁ、まぁ、話しかけづらい雰囲気ではあるけどね」

 理解してくれたと思った瞬間、女将さんが二人に声をかけた。

「お二人さん、ちょっとこの子が質問があるって言うんだけど、良いかい?」

「?! おっ、女将さん?!」

 良くない!良くないってば!

 二人組はのっそりと立ち上がると、カウンターまでやって来た。
あぁ、明らかに面倒くさそうな顔してる!
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