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第一章 新しい生活の始まり
003-2
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トキア様とラズロさんが隣合わせに座り、何故か正面の席に僕を挟むようにしてクリフさんとノエルさんが座る。
みんなの前にはラズロさんが淹れてくれた、コウチャという、赤い色の液体が入ったコップが置かれた。
「たまたま寄った村でアシュリーと出会って、アシュリーがダンジョンメーカーのスキルを持っている事が分かって、保護する事にしたんだ」
ノエルさんの説明にクリフさんが頷く。
「アシュリーが他に持つ能力は、料理、テイマー、魔法なんだけど、テイマーとしての能力も、魔法もそれ程強くないんだよ」
そのようだ、とトキア様が言った。
ノエルさんが初めて会った時に僕の能力をあっさり見抜いたように、トキア様も見抜いたみたい。凄い。
「それで、アシュリーは料理は結構出来るから、王城の厨房で働いてもらえば、一石二鳥かなと思って」
「理に適っている」と、トキア様は頷いた。
「こっちも人手が足りねぇからな、正直助かる」
そこからはトントン拍子に話が進んでいって、誓約書に僕はサインをした。
調理人が立て続けに辞めてしまったので、空いてる部屋があるとの事で、相部屋にならず、僕だけの部屋をもらってしまった。勿論、人数が増えたら相部屋になるみたいだけど。
鞄の中に閉じ込めっぱなしだったコッコは、鞄から出てくるなり怒って僕の頰を突いた。
「いたっ、いたたっ、コッコ、ごめん!ごめんってば!」
扉をノックする音がして、入るぞー、の言葉と共にラズロさんが入って来た。
僕が抱えているコッコを見て、笑う。
「おまえ、それ鶏じゃねぇか? 食材にでもすんのか?」
食材?!
「ち、違います! コッコは僕と契約をしている鶏で、毎日卵を産んでくれる賢いコなんですっ」
ラズロさんは僕の横まで来て、マジマジとコッコを見る。
コッコは、命を狙われてると思ったのか、小さくコケ、とだけ鳴いた。
「テイマーの能力ありでも、テイマー出来るのが鶏か。まぁ、料理人になるなら悪くはねぇと思うけどな」
「前は牛もテイムしていたんですけど、さすがに王都には連れて来れないので、置いてきました」
「牛もか!」
ぶはっ、とラズロさんは笑うと、立ち上がってベッドに腰掛けた。
「さすがに牛は部屋の中で飼わせられねぇからな、飼うんなら裏庭だな」
「えっ! 飼っていいんですか?」
「クリフとノエルに言えば大概の許可は下りんだろ。
そもそも、王室の都合で生まれ故郷から連れ出されてんだから、それぐらい言ってもバチあたんねぇよ」
そ、そういうものなのかな。
でも、僕、ミルクが大好きだから、出来たら牛を飼いたいなぁ。
「そうそう、その鶏、ネズミに齧られねぇように気をつけろよ?」
ネズミ?!
気の所為か、コッコが大きく目を見開いたような。
「何処だか見つけきれねぇんだけど、棲みつきやがってな。食材を齧られて困ってんだよ」
はぁ、とラズロさんはため息を吐く。
貴重な食材をネズミに食べられるなんて、大変だ。
「お、そうだ、ここに来た用事をすっかり忘れてたぜ」
ほら、と言ってラズロさんは僕に銀貨を三枚渡してきた。
「やるよ」
「えっ!?」
銀貨三枚を?! ありえない! こんな大金!
「だ、駄目です! こんな大金もらえないです!」
ラズロさんはにやりと笑った。
「いいんだよ。今、厨房にはオレとおまえしかいねぇんだから」
え……? あの大きな食堂で、僕とラズロさんだけ?!
このお城の大きさからして、かなりの人数が食堂に来るよね?!
「本当なら十人で切り盛りする厨房を、当面の間二人で切り盛りすんだから、これぐらいもらってもバチ当たんねぇよ。もらっとけもらっとけ」
むしろ返したくなった僕の手に、銀貨を強引に握りしめさせると、じゃあな、と言ってラズロさんは部屋を出て行った。
みんなの前にはラズロさんが淹れてくれた、コウチャという、赤い色の液体が入ったコップが置かれた。
「たまたま寄った村でアシュリーと出会って、アシュリーがダンジョンメーカーのスキルを持っている事が分かって、保護する事にしたんだ」
ノエルさんの説明にクリフさんが頷く。
「アシュリーが他に持つ能力は、料理、テイマー、魔法なんだけど、テイマーとしての能力も、魔法もそれ程強くないんだよ」
そのようだ、とトキア様が言った。
ノエルさんが初めて会った時に僕の能力をあっさり見抜いたように、トキア様も見抜いたみたい。凄い。
「それで、アシュリーは料理は結構出来るから、王城の厨房で働いてもらえば、一石二鳥かなと思って」
「理に適っている」と、トキア様は頷いた。
「こっちも人手が足りねぇからな、正直助かる」
そこからはトントン拍子に話が進んでいって、誓約書に僕はサインをした。
調理人が立て続けに辞めてしまったので、空いてる部屋があるとの事で、相部屋にならず、僕だけの部屋をもらってしまった。勿論、人数が増えたら相部屋になるみたいだけど。
鞄の中に閉じ込めっぱなしだったコッコは、鞄から出てくるなり怒って僕の頰を突いた。
「いたっ、いたたっ、コッコ、ごめん!ごめんってば!」
扉をノックする音がして、入るぞー、の言葉と共にラズロさんが入って来た。
僕が抱えているコッコを見て、笑う。
「おまえ、それ鶏じゃねぇか? 食材にでもすんのか?」
食材?!
「ち、違います! コッコは僕と契約をしている鶏で、毎日卵を産んでくれる賢いコなんですっ」
ラズロさんは僕の横まで来て、マジマジとコッコを見る。
コッコは、命を狙われてると思ったのか、小さくコケ、とだけ鳴いた。
「テイマーの能力ありでも、テイマー出来るのが鶏か。まぁ、料理人になるなら悪くはねぇと思うけどな」
「前は牛もテイムしていたんですけど、さすがに王都には連れて来れないので、置いてきました」
「牛もか!」
ぶはっ、とラズロさんは笑うと、立ち上がってベッドに腰掛けた。
「さすがに牛は部屋の中で飼わせられねぇからな、飼うんなら裏庭だな」
「えっ! 飼っていいんですか?」
「クリフとノエルに言えば大概の許可は下りんだろ。
そもそも、王室の都合で生まれ故郷から連れ出されてんだから、それぐらい言ってもバチあたんねぇよ」
そ、そういうものなのかな。
でも、僕、ミルクが大好きだから、出来たら牛を飼いたいなぁ。
「そうそう、その鶏、ネズミに齧られねぇように気をつけろよ?」
ネズミ?!
気の所為か、コッコが大きく目を見開いたような。
「何処だか見つけきれねぇんだけど、棲みつきやがってな。食材を齧られて困ってんだよ」
はぁ、とラズロさんはため息を吐く。
貴重な食材をネズミに食べられるなんて、大変だ。
「お、そうだ、ここに来た用事をすっかり忘れてたぜ」
ほら、と言ってラズロさんは僕に銀貨を三枚渡してきた。
「やるよ」
「えっ!?」
銀貨三枚を?! ありえない! こんな大金!
「だ、駄目です! こんな大金もらえないです!」
ラズロさんはにやりと笑った。
「いいんだよ。今、厨房にはオレとおまえしかいねぇんだから」
え……? あの大きな食堂で、僕とラズロさんだけ?!
このお城の大きさからして、かなりの人数が食堂に来るよね?!
「本当なら十人で切り盛りする厨房を、当面の間二人で切り盛りすんだから、これぐらいもらってもバチ当たんねぇよ。もらっとけもらっとけ」
むしろ返したくなった僕の手に、銀貨を強引に握りしめさせると、じゃあな、と言ってラズロさんは部屋を出て行った。
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