174 / 271
第三章 ダンジョンメーカーのお仕事
042-4
しおりを挟む
第五層の水晶は随分大きくなってきた。コッコの卵ぐらいはある。卵のようにだ円の形をしている訳ではなく、表面はデコボコしてる。
ふわふわと空中に浮かんで、キラ、キラと、光るのが、まるで息をしてるみたいに見える。
「パフィ、核ってどのぐらいまでを言うの?」
魔力を注ぎ終えて、気になっていたことをパフィに聞いてみた。
出来上がりがどんなものなのか分からないから、この作業をいつまで続けるのか気になる。
この作業を始めてから、魔力が空っぽになるからと沢山食べるようになってしまった。
ラズロさんたちは良いことだ、って言うけど。
『核はとっくに出来ている』
そうなんだ。
よく分からないけど、順調に大きくなってるってことだと思う。
「この水晶がどうすごいのかがよく分からないんだけど」
『おまえには暇さえあれば魔力を注がせ続けたからな、大分育った。
今の大きさでそうだな……この国なら一瞬で消し飛ぶ』
……これ、育てて良い奴なのかな?
北の国とかが知ったら欲しがるんじゃないのかな?
不安になった僕はそのことを尋ねた。
『魔力水晶は魔法使いには御し難いものだ。魔力の純度が高すぎて制御出来まい。
魔法使いはな、己の中の魔力を使う事には慣れているが、外から魔力を取り込む事や、水晶のような外にある魔力を使う事には不慣れだ。
よしんば使えたとして、何処かの国もろとも使用者が滅ぶだけだ』
そう言ってにやりと笑う猫。
今、さらりととんでもないことを言われてしまった。
「関係ない人を滅ぼすのは駄目だよ……」
パフィは魔女だからなのか、そう言った所が僕達とは違う。
僕をからかうのにあんな言い方をしているんだろうけど、嘘は吐かないから、そうなんだろう。
「アマーリアーナ様は一体どれぐらい大きくなったのを欲しがってるんだろう?」
この大きさで一つの国を滅ぼせるぐらいに大きいなら十分なんじゃないかって思ってしまうけど、ヴィヴィアンナ様が予言をするには足りないのかな?
『予言はな、己が精神だけを未来に飛ばすものだ。
垣間見るだけでも魔力を大きく消耗する。
だが、ヴィヴィアンナならば水晶を必要とせずとも未来は見える筈だ』
毎日魔力を注いでいるうちに愛着みたいなものがわいてきて、僕は勝手に水晶に名前を付けて呼んでいる。
名前はトラス。
「またね、トラス」
振り向いて水晶に向かって手を振る。
そんな僕をパフィは呆れ顔で見る。
第五層を後にして、階段を登る。
僕の前をパフィがトトトトッ、と軽い音をさせて登っていく。
登りながらパフィが話す。
『それなのに水晶を必要とすると言う事は、見れていないと言う事だ』
「ごめん、よく分からない」
見れていないから水晶が必要?
『未来視を邪魔されているんだろう』
パフィは進むのを止めると、振り返って言った。
『魔女の邪魔が出来るのは魔女だ』
また進み出したパフィの後を追いかけながら考える。
魔女の邪魔を出来るのは魔女。
焦熱の魔女様か、氷花の魔女様が、予言の魔女ヴィヴィアンナ様の未来視の邪魔をしてる?
だから相手の魔女を上回る力を使って、未来を見ようとしてる?
「パフィはどれぐらい分かってるの?」
本当はもう少し分かってるんじゃないかって思う。
でも、魔女の言葉には力があるから言わないだけで。
『秘密だ』
ふわふわと空中に浮かんで、キラ、キラと、光るのが、まるで息をしてるみたいに見える。
「パフィ、核ってどのぐらいまでを言うの?」
魔力を注ぎ終えて、気になっていたことをパフィに聞いてみた。
出来上がりがどんなものなのか分からないから、この作業をいつまで続けるのか気になる。
この作業を始めてから、魔力が空っぽになるからと沢山食べるようになってしまった。
ラズロさんたちは良いことだ、って言うけど。
『核はとっくに出来ている』
そうなんだ。
よく分からないけど、順調に大きくなってるってことだと思う。
「この水晶がどうすごいのかがよく分からないんだけど」
『おまえには暇さえあれば魔力を注がせ続けたからな、大分育った。
今の大きさでそうだな……この国なら一瞬で消し飛ぶ』
……これ、育てて良い奴なのかな?
北の国とかが知ったら欲しがるんじゃないのかな?
不安になった僕はそのことを尋ねた。
『魔力水晶は魔法使いには御し難いものだ。魔力の純度が高すぎて制御出来まい。
魔法使いはな、己の中の魔力を使う事には慣れているが、外から魔力を取り込む事や、水晶のような外にある魔力を使う事には不慣れだ。
よしんば使えたとして、何処かの国もろとも使用者が滅ぶだけだ』
そう言ってにやりと笑う猫。
今、さらりととんでもないことを言われてしまった。
「関係ない人を滅ぼすのは駄目だよ……」
パフィは魔女だからなのか、そう言った所が僕達とは違う。
僕をからかうのにあんな言い方をしているんだろうけど、嘘は吐かないから、そうなんだろう。
「アマーリアーナ様は一体どれぐらい大きくなったのを欲しがってるんだろう?」
この大きさで一つの国を滅ぼせるぐらいに大きいなら十分なんじゃないかって思ってしまうけど、ヴィヴィアンナ様が予言をするには足りないのかな?
『予言はな、己が精神だけを未来に飛ばすものだ。
垣間見るだけでも魔力を大きく消耗する。
だが、ヴィヴィアンナならば水晶を必要とせずとも未来は見える筈だ』
毎日魔力を注いでいるうちに愛着みたいなものがわいてきて、僕は勝手に水晶に名前を付けて呼んでいる。
名前はトラス。
「またね、トラス」
振り向いて水晶に向かって手を振る。
そんな僕をパフィは呆れ顔で見る。
第五層を後にして、階段を登る。
僕の前をパフィがトトトトッ、と軽い音をさせて登っていく。
登りながらパフィが話す。
『それなのに水晶を必要とすると言う事は、見れていないと言う事だ』
「ごめん、よく分からない」
見れていないから水晶が必要?
『未来視を邪魔されているんだろう』
パフィは進むのを止めると、振り返って言った。
『魔女の邪魔が出来るのは魔女だ』
また進み出したパフィの後を追いかけながら考える。
魔女の邪魔を出来るのは魔女。
焦熱の魔女様か、氷花の魔女様が、予言の魔女ヴィヴィアンナ様の未来視の邪魔をしてる?
だから相手の魔女を上回る力を使って、未来を見ようとしてる?
「パフィはどれぐらい分かってるの?」
本当はもう少し分かってるんじゃないかって思う。
でも、魔女の言葉には力があるから言わないだけで。
『秘密だ』
18
あなたにおすすめの小説
あの子を甘やかして幸せにスローライフする為の、はずれスキル7回の使い方
tea
ファンタジー
はずれスキル持ちなので、十八になったら田舎でスローライフしようと都落ちの日を心待ちにしていた。
しかし、何故かギルマスのゴリ押しで問答無用とばかりに女勇者のパーティーに組み込まれてしまった。
追放(解放)してもらうため、はずれスキルの無駄遣いをしながら過去に心の傷を負っていた女勇者を無責任に甘やかしていたら、女勇者から慕われ懐かれ、かえって放してもらえなくなってしまったのだが?
どうなる俺の田舎でのスローライフ???
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる