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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事
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ガラゴロ、と音をさせながら馬車は進んで行く。
ちょっと大きめの石の上を通るときにちょっと大きく揺れるぐらい。
「あと数時間もすれば到着するから」
ティール様は持ってきたという本を読んでいる。クリフさんは剣を磨いていて、ノエルさんは報告書を書き始めた。馬車での移動だと道中暇になるだろうからと持って来たもの。
一応僕も持ってきてる。せっかくだからと薬研を持ってきた。時間のあるときじゃないと出来ないから。
「薬を作るんですか?」
ティール様の質問にはい、と答えて頷く。
最近食堂を利用する人が増えて、前は作れていた軟膏やおなかが痛いとき用の薬を作る時間がとれなかったから。
持ち歩き用の小さなまな板に、薬草を置いて包丁で切る。フルールが鼻を近付けてくる。
「これは食べちゃ駄目だよ」
「何が出来るの?」
「おなかが痛いとき用の薬です」
必要なものを全部薬研の中に入れて、薬研車で混ぜていく。
「アシュリーはよくレンレンから逃げきれているなって思うんだよね」
「パフィが助けてくれてるので」
「以前口に紙が貼り付けられていた時には驚いたよ」
「静かだったな、あの時は」
ノエルさんの言葉にクリフさんが頷く。
「走って来た後もあの早口で、凄いですよね」
僕の感想に、みんな苦笑いを浮かべる。
「うんざりするけどね、僕なんか」
「鬱陶しい」
ははは、と笑うティール様。
目的のダンジョンに到着したときには、僕は薬を作り終えていて、クリフさんも剣を磨き終えていた。ノエルさんは報告書を書き終えてしまって暇になり、途中から僕の薬作りを手伝ってくれた。ティール様は黙々と本を読み続けていた。
「これは、本気で暇つぶしを考えた方が良さそう」
僕の手伝いをしていたノエルさんが言った。
「そうだな。剣も磨き終えてしまって、帰りに何をすれば良いか……」
「魔術書読みますか?」
笑顔でティール様が手元の本を指差すと、二人とも首を横に振った。
御者役の騎士様に見送られながらダンジョンに下りて行く。
真っ暗なダンジョン。目がまだ慣れていないから、先が全然見えない。
ノエルさんが呪文らしきものを唱えると、ダンジョン全体が明るくなった。
そんなに広くないダンジョンで、奥にいるモンスターが大きな目をギョロリとさせてこっちを見た。詳しくはないけど、ゴブリンと言うモンスターかな?
僕は到底敵わないけど、クリフさんたちには問題ない……と思うんだけど、とにかく数が多い。それから、臭い。
一番大きな身体のゴブリンが棍棒を振り上げて、奇声を上げると、他のゴブリンたちも倣って棍棒を振り上げ、叫んだ。
「よろしくお願いしますね、二人とも」
そう言ってティール様は術符を取り出し、足元に置く。
術符を中心として青い光が広がって、僕とティール様の周りを取り囲む。
ティール様の大きな手が僕の頭を撫でて、「この輪の中にいれば大丈夫ですよ」と教えてくれた。
「手加減して下さいねー。二人が本気でやったら素材になる部分がなくなってしまいますので」
「本音を取り繕うことを止めてきたよ」
呆れ顔のノエルさんの肩をクリフさんが叩く。
「ティールはレンレン程ではないが、本能に忠実な方だ」
はぁ、とため息を吐いてるけどノエルさん、ゴブリンがもうすぐそばまで来ちゃってます!
「ノエルさん!」
にっこり微笑んで、ノエルさんはゴブリンに向き直って手を差し出す。ノエルさんの手から小さな炎が放たれて、ゴブリンに命中していった。その後もいくつもの炎が手から飛び出していく。
クリフさんも剣でゴブリンを撫でるように切っていく。
炎がゴブリンに当たる音、切られていく音、ゴブリンの悲鳴。
二人の足元にどんどん積み上がっていくゴブリンの山。
「あの二人、頼りになりますよねぇ」
「そうですね」
「あー、移動式結界にすべきでしたかねぇ」
ティール様を見上げると、ソワソワしていた。
「ほら、移動式結界なら、絶命したゴブリンから素材部分を頂戴出来るかと思いまして」
ティール様、本当に素材欲しいんだね……。
ちょっと大きめの石の上を通るときにちょっと大きく揺れるぐらい。
「あと数時間もすれば到着するから」
ティール様は持ってきたという本を読んでいる。クリフさんは剣を磨いていて、ノエルさんは報告書を書き始めた。馬車での移動だと道中暇になるだろうからと持って来たもの。
一応僕も持ってきてる。せっかくだからと薬研を持ってきた。時間のあるときじゃないと出来ないから。
「薬を作るんですか?」
ティール様の質問にはい、と答えて頷く。
最近食堂を利用する人が増えて、前は作れていた軟膏やおなかが痛いとき用の薬を作る時間がとれなかったから。
持ち歩き用の小さなまな板に、薬草を置いて包丁で切る。フルールが鼻を近付けてくる。
「これは食べちゃ駄目だよ」
「何が出来るの?」
「おなかが痛いとき用の薬です」
必要なものを全部薬研の中に入れて、薬研車で混ぜていく。
「アシュリーはよくレンレンから逃げきれているなって思うんだよね」
「パフィが助けてくれてるので」
「以前口に紙が貼り付けられていた時には驚いたよ」
「静かだったな、あの時は」
ノエルさんの言葉にクリフさんが頷く。
「走って来た後もあの早口で、凄いですよね」
僕の感想に、みんな苦笑いを浮かべる。
「うんざりするけどね、僕なんか」
「鬱陶しい」
ははは、と笑うティール様。
目的のダンジョンに到着したときには、僕は薬を作り終えていて、クリフさんも剣を磨き終えていた。ノエルさんは報告書を書き終えてしまって暇になり、途中から僕の薬作りを手伝ってくれた。ティール様は黙々と本を読み続けていた。
「これは、本気で暇つぶしを考えた方が良さそう」
僕の手伝いをしていたノエルさんが言った。
「そうだな。剣も磨き終えてしまって、帰りに何をすれば良いか……」
「魔術書読みますか?」
笑顔でティール様が手元の本を指差すと、二人とも首を横に振った。
御者役の騎士様に見送られながらダンジョンに下りて行く。
真っ暗なダンジョン。目がまだ慣れていないから、先が全然見えない。
ノエルさんが呪文らしきものを唱えると、ダンジョン全体が明るくなった。
そんなに広くないダンジョンで、奥にいるモンスターが大きな目をギョロリとさせてこっちを見た。詳しくはないけど、ゴブリンと言うモンスターかな?
僕は到底敵わないけど、クリフさんたちには問題ない……と思うんだけど、とにかく数が多い。それから、臭い。
一番大きな身体のゴブリンが棍棒を振り上げて、奇声を上げると、他のゴブリンたちも倣って棍棒を振り上げ、叫んだ。
「よろしくお願いしますね、二人とも」
そう言ってティール様は術符を取り出し、足元に置く。
術符を中心として青い光が広がって、僕とティール様の周りを取り囲む。
ティール様の大きな手が僕の頭を撫でて、「この輪の中にいれば大丈夫ですよ」と教えてくれた。
「手加減して下さいねー。二人が本気でやったら素材になる部分がなくなってしまいますので」
「本音を取り繕うことを止めてきたよ」
呆れ顔のノエルさんの肩をクリフさんが叩く。
「ティールはレンレン程ではないが、本能に忠実な方だ」
はぁ、とため息を吐いてるけどノエルさん、ゴブリンがもうすぐそばまで来ちゃってます!
「ノエルさん!」
にっこり微笑んで、ノエルさんはゴブリンに向き直って手を差し出す。ノエルさんの手から小さな炎が放たれて、ゴブリンに命中していった。その後もいくつもの炎が手から飛び出していく。
クリフさんも剣でゴブリンを撫でるように切っていく。
炎がゴブリンに当たる音、切られていく音、ゴブリンの悲鳴。
二人の足元にどんどん積み上がっていくゴブリンの山。
「あの二人、頼りになりますよねぇ」
「そうですね」
「あー、移動式結界にすべきでしたかねぇ」
ティール様を見上げると、ソワソワしていた。
「ほら、移動式結界なら、絶命したゴブリンから素材部分を頂戴出来るかと思いまして」
ティール様、本当に素材欲しいんだね……。
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