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第一章 イニティウム王国
第17話 魔銃士、山賊に拠点を案内させる
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リーダー格の、黒い鎧を纏った青髪の男が俺に近寄ってきて右手を差し出してきた。髪色より薄い色の瞳には力強さと聡明さがあり、俺は好感を持った。典型的な脳筋という訳ではなさそうだ。
「改めて礼を言う。おれはエドワードだ、気軽にエドと呼んでほしい」
「俺はソー。こっちは相棒のルチアだ、もう気付いているだろうけど、異世界人だ」
互いにほどよい力加減の握手を交わし、自己紹介をする。エドの後ろには冒険者たちが居並ぶ。男が殆どだが女も二人いる。ひとりはローブ姿で、魔法使いや聖職者など後方支援組かもな。ひとりは革製の軽鎧に身を包んでおり、前衛とも後衛とも取れるな。しかし女性たちに、女性ならではの暴行が加えられなくて良かった。見た限り衣類に損傷はないから、その手の被害はすんでの所で免れたようだ。間に合って良かった。
累々と転がる山賊どもの屍を前に、俺はエドから事情を聞く。
「旅商隊の長、ヘンリーさんの依頼を受けアラゴニアの街から第三都市トレースへの護衛をしていた。ギルドの情報ではここ最近、山賊の出没は報告されていなかったんだ。だけどトレースまであと半日というところで、想像以上に強い山賊集団に出くわして」
実力が違いすぎて、手も足も出なかったとエドは口惜しそうに唇を噛み俯いてしまった。
「なるほど、事情は判った。でも街道から少し外れているとはいえ山賊が出没したのはマズいな。まだ残党がいるかも知れないし……ルチア、そういえばその件はどうなった?」
『残念な報せだよ。この小径は山賊どものアジトへと通じている。まだアジトには留守番として十数人がいるね。Aランクのメンバーはおらず、CからBランクってところかな』
「それでも高ランクの冒険者崩れが山賊になっているのか」
ルチアからの情報をエドに伝えると、彼は残党がまだいると知り肩を落としてしまった。
「エド、旅商隊にもスケジュールがあるんだろう? 俺とルチアが山賊のアジトを潰しておくから、安心してトレースに向かってくれ。俺たちもアジトを潰したらトレースに向かうから、もし会えるならそこで」
「冒険者ギルドで山賊出没の報告をしなきゃいけないから、しばらくギルドにいる。おれはできたら、ソーたちとパーティを組んでクエストに臨みたいな」
「それもいいかな」
再会を願いながら俺たちはもう一度握手を交わす。パーティを組み直したエドは複数の荷馬車を囲み、トレースの都へと向かった。
さて、俺たちは悪党退治と行きますか。俺は空間魔法ポーチから山賊の頭を首から上だけ出す。左頬に斜めに傷が走るおっさんの生首が、俺の腰から生えているというシュールな絵面が誕生しているが気にしない。
「お、おいテメェふざけんな! 空間魔法の中にまだ生命反応のある生物を入れるなんて、非常識なコトしてんじゃねーぞ! お前、本当に魔法の知識あんのか!?」
「どういうことだルチア?」
『空間魔法ポーチの中には普通、生物は入れないんだよ。こことは切り離された異空間で、酸素は一切ない。だから動物を入れるとしたら生命反応のない状態じゃないと。まぁ腐らないから保存には向いているよ』
なんてこったい。俺は無意識に空間魔法ポーチの中で死体をこしらえるところだったか。うーん、この世界のお尋ね者って生死問わずなのかな。アメリカの賞金稼ぎは免許制で、死体は認められない。それと同じなら部下たちを燃やし尽くしてしまったのはまずかったか? まぁこの頭ひとりだけでも生け捕っているから、多分何らかの報酬は出るだろうけど……出て欲しいな。路銀はできるだけ稼がないとな。生首が騒がしいので何発か叩いてやると、大人しくなった。
「お前らの拠点はアジトはどこにある?」
「この小径を真っ直ぐです」
空間魔法ポーチの中で瀕死になったせいか、山賊の頭は素直だった。精鋭だった部下たちを巨大な炎で焼き尽くされ、自分は生け捕りにされた挙げ句に酸素もない異空間で三途の川が見えかけたんだろう。俺に逆らったら、今度こそ命はないと理解したんだろうな。このまま生首状態で案内させ、やがて寂れた集落に辿り着いた。
「中央にある一番大きな邸宅が、俺らのアジトです」
『魔法によるトラップはなさそうだよ。それにCからBランクの元冒険者くずれが五人いる。今はだらけきっているよ』
どうやら頭の情報に嘘偽りはなさそうだ。今回はランクも低いし、できるだけ生け捕る方向でいくとするか。
「ルチア、また麻痺の咆哮を頼む。今度全員生け捕るつもりだからな」
『判ったよ。運ぶときには部下たちを、ボクの毛に結びつければいいよ』
成体となったルチアなら五人の成人くらい、楽に運べるだろう。まだ商人から貰ったロープはある。手っ取り早く片付けるとするか。
「改めて礼を言う。おれはエドワードだ、気軽にエドと呼んでほしい」
「俺はソー。こっちは相棒のルチアだ、もう気付いているだろうけど、異世界人だ」
互いにほどよい力加減の握手を交わし、自己紹介をする。エドの後ろには冒険者たちが居並ぶ。男が殆どだが女も二人いる。ひとりはローブ姿で、魔法使いや聖職者など後方支援組かもな。ひとりは革製の軽鎧に身を包んでおり、前衛とも後衛とも取れるな。しかし女性たちに、女性ならではの暴行が加えられなくて良かった。見た限り衣類に損傷はないから、その手の被害はすんでの所で免れたようだ。間に合って良かった。
累々と転がる山賊どもの屍を前に、俺はエドから事情を聞く。
「旅商隊の長、ヘンリーさんの依頼を受けアラゴニアの街から第三都市トレースへの護衛をしていた。ギルドの情報ではここ最近、山賊の出没は報告されていなかったんだ。だけどトレースまであと半日というところで、想像以上に強い山賊集団に出くわして」
実力が違いすぎて、手も足も出なかったとエドは口惜しそうに唇を噛み俯いてしまった。
「なるほど、事情は判った。でも街道から少し外れているとはいえ山賊が出没したのはマズいな。まだ残党がいるかも知れないし……ルチア、そういえばその件はどうなった?」
『残念な報せだよ。この小径は山賊どものアジトへと通じている。まだアジトには留守番として十数人がいるね。Aランクのメンバーはおらず、CからBランクってところかな』
「それでも高ランクの冒険者崩れが山賊になっているのか」
ルチアからの情報をエドに伝えると、彼は残党がまだいると知り肩を落としてしまった。
「エド、旅商隊にもスケジュールがあるんだろう? 俺とルチアが山賊のアジトを潰しておくから、安心してトレースに向かってくれ。俺たちもアジトを潰したらトレースに向かうから、もし会えるならそこで」
「冒険者ギルドで山賊出没の報告をしなきゃいけないから、しばらくギルドにいる。おれはできたら、ソーたちとパーティを組んでクエストに臨みたいな」
「それもいいかな」
再会を願いながら俺たちはもう一度握手を交わす。パーティを組み直したエドは複数の荷馬車を囲み、トレースの都へと向かった。
さて、俺たちは悪党退治と行きますか。俺は空間魔法ポーチから山賊の頭を首から上だけ出す。左頬に斜めに傷が走るおっさんの生首が、俺の腰から生えているというシュールな絵面が誕生しているが気にしない。
「お、おいテメェふざけんな! 空間魔法の中にまだ生命反応のある生物を入れるなんて、非常識なコトしてんじゃねーぞ! お前、本当に魔法の知識あんのか!?」
「どういうことだルチア?」
『空間魔法ポーチの中には普通、生物は入れないんだよ。こことは切り離された異空間で、酸素は一切ない。だから動物を入れるとしたら生命反応のない状態じゃないと。まぁ腐らないから保存には向いているよ』
なんてこったい。俺は無意識に空間魔法ポーチの中で死体をこしらえるところだったか。うーん、この世界のお尋ね者って生死問わずなのかな。アメリカの賞金稼ぎは免許制で、死体は認められない。それと同じなら部下たちを燃やし尽くしてしまったのはまずかったか? まぁこの頭ひとりだけでも生け捕っているから、多分何らかの報酬は出るだろうけど……出て欲しいな。路銀はできるだけ稼がないとな。生首が騒がしいので何発か叩いてやると、大人しくなった。
「お前らの拠点はアジトはどこにある?」
「この小径を真っ直ぐです」
空間魔法ポーチの中で瀕死になったせいか、山賊の頭は素直だった。精鋭だった部下たちを巨大な炎で焼き尽くされ、自分は生け捕りにされた挙げ句に酸素もない異空間で三途の川が見えかけたんだろう。俺に逆らったら、今度こそ命はないと理解したんだろうな。このまま生首状態で案内させ、やがて寂れた集落に辿り着いた。
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