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1章
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カタリーナは、翌日手紙の返事を書こうとするが中々筆が進まなかった。筆が進まないとは少し違うかもしれない。気づくと『早く会いたい』という言葉を書いており、慌ててその紙を破棄する。そこまで来るとカタリーナは自分の気持ちを自覚するしかなかった。だが、肝心のエヴァトリスがいない状況ではどうしようもなく、初めての自制の効かない感情に翻弄されるだけだった。そしてカタリーナあは手紙の返事をかけないまま1ヶ月を迎えようとしていた。
急に手紙のやり取りがなくなり、気落ちしているのを不思議に思った両親はそれとなくカタリーナに話かけるが
「大丈夫よ」
の一言で終わってしまう。話を続けようとしても、何かしらの理由をつけて話をそらしてしまうのだ。この話をしたくないという意思がありありと伝わってくるため、両親は強く話す事ができないでいた。そんな中ルルーシュだけは、カタリーナに話を聞くことはなかった。両親とのやり取りを見ていたため、聞いたところで素直に話してもらえるとは思っていなかったからだ。そんな面倒なことをするよりも、ただ待っていれば情報が入ってくるのをエヴァトリスは知っていた。
1ヶ月と7日ほどたった頃その情報はルルーシュにもたらされた。その情報が入っているであろう手紙を受け取り自室に急いで戻ると小さな声でつぶやく。
「思ったより遅かったなー」
それは聞こえるはずもない、手紙の送り主に向けた言葉だった。手紙の裏には百合の封蝋があり、それを適当に開く。そこには見慣れたエヴァトリスの文字が続いていた。そう、あれだけ頻回にあった手紙のやり取りがなくなれば、拗らせ王子は必ず聞いてくると思っていたのだ。手紙の内容はこうだった。
『急な手紙になって申し訳ない。最近カタリーナからの手紙が届かないが体調などは崩していないか?密かに付けている護衛からの定期報告でここ1ヶ月外出も減っているようだが何かあったのだろうか?手紙に辺境での滞在期間を伸ばす連絡をしたが、元々3ヶ月程度の約束を反故にした私に怒っているだろうか?それとなく聞いてみてくれ。一番大切な事だが、手紙の返事は早急に頼む。18日までに私の元にルルからの手紙が届かなければ私が馬で取りに行く』
季節の挨拶もなし、久々の連絡だと言うのに現状の報告もなければルルーシュの体調を気遣う一言もない。カタリーナに当てた手紙には少し厚みがあったがルルーシュに当てた手紙の内容は1枚の便箋の1/3程度。本当に用件しか書かれていない手紙にエヴァトリスの余裕のさなが伝わってくる。18日までに辺境に届くようにと考えるとギリギリで明後日の朝、可能であれば明日中には出さなければ間に合わないだろう。王子が辺境からここまで戻ってくると考えると護衛から何から周りに大きな迷惑がかかるのは確実だ。明らかに面倒がって手紙を出すのが遅くなるルルーシュに対する脅しであるが、エヴァトリスのことだから脅しでは済まないだろう。
「それにしても、姉上に護衛ね。とうとう拗らせ王子はストーカーまで始めちゃったんかー。」
色々とため息が止まらなくなりそうだ。エヴァトリスが辺境に行って早7ヶ月、そんな期間、仕事でストーカーまがいの事をしていたエヴァトリスの部下がかわいそうで仕方ない。だが、他人を同情している場合ではないだろう。ルルーシュもしっかりと巻き込まれているのだから。幸せがどんどん逃げていくのを予想しながらため息が止まらない。手紙を片手にルルーシュは自室を離れカタリーナの部屋を目指すのだった。
カタリーナの部屋にノック音が響き、そのまま続けて声がかかる。
「姉上、私です。少し話があるのですがよろしいですか?」
それはルルーシュの声だった。ルルーシュはここ数年カタリーナの部屋を訪れてはいない。話をする必要がある場合は応接室や庭園にお茶の準備をして話すようになったからだ。どちらが決めたわけでもない取り決めのようなものに慣れていたカタリーナは、ルルーシュの突然の訪室を不思議に思う。
「大丈夫よ。」
それほど間を空けずに、侍女が内側からドアを開けた。カタリーナは机の椅子に腰掛けたままでルルーシュを迎える。机の上には便箋とペンが出しっ放しであり、机近くのゴミ箱には書き損じの手紙が何枚かいれてある。便箋とペンをそのままにカタリーナは声をかける。
「急にどうしたの?」
「急にすいません。今は手紙を書いている途中でしたか?」
ルルーシュの言葉を受けて、カタリーナは机の上に視線を戻すと慌ててそれを片付ける。
「大丈夫よ。何でもないわ」
カタリーナは少し焦った様に早口になるが、この部屋にそれを気にする者は居ない。
「姉上に少し見てもらいたいものがあって、これなんですが」
「あっ!」
放り投げるように渡された封筒を、落としそうになりカタリーナは思わず声が出てしまった。
渡されたのは何の変哲もない白い封筒だった。その封筒は既に開封されている。特に厚みもないため、中に入っているとしても数枚の紙だろう。そして、封筒を渡されたカタリーナか一番気になったのはその封筒の扱いの雑さ加減だった。封はそのまま手でちぎる様に開けているし、一応手渡しで渡されはしたそれは辛うじてであり、ほぼ投げ渡された形で受け取った。そんな封筒に思わず眉を寄せながら、手紙の差出人を確認しようと封筒の裏側を確認するとそこには見慣れた百合の封蝋がしてあった。
「・・・殿下。」
思わず溢れたのはとても小さな声だったが、すぐ側に居たルルーシュには聞こえていた。
「そーだよ。姉上からの返事が来ないって心配してこっちにまで手紙がきたよ」
ルルーシュの言葉にカタリーナは視線を下に向ける。
「手紙書くつもりがあるなら何でも良いから送っちゃえば?そうすればこっちにこんな手紙来ることもないし」
軽い口調ではあるが内容は咎めているようなものだ。だが、咎められても仕方のないことだろう。カタリーナは王族からの手紙を無視し続かているのだから。
「あなたにまで迷惑かけてごめんなさい」
カタリーナの小さな謝罪にルルーシュは小さく息をはく。
「殿下は姉上からの手紙なら何でも喜ぶよ。私に送られててきた手紙見なよ。これを見れば少しは殿下の気持ちが伝わるんじゃない?」
誘惑に駆られたカタリーナは封筒の中から一枚の手紙を取り出す。その手紙はしっかりと折り畳まれている。手紙を開く前に顔を上げるとルルーシュしっかりと目があった。
「この手紙を私に見せることは殿下の了承を得ているの?」
手紙を手に取り開く寸前での質問。カタリーナの生真面目さに笑みが溢れるだけでなく、思わず声を出して笑ってしまった。
「ははっ。そんな許可とる暇なんてないよ。それもらったので昨日だし。それに1週間以内に返事しないと殿下にこっちに来るって言われちゃったし」
その答えにカタリーナは目を見開く。
「殿下がこっちに・・・戻ってくる?」
無意識に、呟くように出た言葉であったがらルルーシュはしっかりとその言葉を聞いていた。
「そうだよ。返事をもらうためだけにね。予定はまだ残ってるっぽいから、返事もらったらまた辺境戻るんじゃない?」
エヴァトリスに会えると思い、カタリーナは一瞬だけ嬉しくなるが、すぐに気持ちを引き締める。一時的にエヴァトリスがこちらに戻ってくるだけでどれほどの人が関わらなくてはいけないのか考えたからだ。そんなカタリーナの気持ちの葛藤を知ってか知らずかルルーシュは続ける。
「たかが手紙が来ないだけで、何人に迷惑がかかるのか少し考えて欲しいよ。もし、衝動じゃなくこれを書いたなら、立派な脅迫だよ」
それでも、一瞬だけカタリーナは思ってしまった。ほんの少しの間でも良いから会いたいと。そして辺境よりもカタリーナ自身を優先させて欲しいと思う気持ちに気づき嫌悪した。
カタリーナの手紙を握る手に力が入った。以前までの手紙をもらって、手紙を読んで、返事を書いて・・・その全てが嬉しく幸せだった時間が夢のように感じられた。カタリーナは自嘲の笑みを浮かべながら、手紙を封筒の中に丁寧に戻した。
「殿下の許可を得ていない手紙を私が読むことはできません。」
そのまま丁寧にルルーシュに手紙を返す。ルルーシュは苦虫を噛み潰したような顔をして
「分かった。でも、手紙だけは今日中に出しておいてね」
それだけ言い残してルルーシュはあっさりと部屋を出て行った
急に手紙のやり取りがなくなり、気落ちしているのを不思議に思った両親はそれとなくカタリーナに話かけるが
「大丈夫よ」
の一言で終わってしまう。話を続けようとしても、何かしらの理由をつけて話をそらしてしまうのだ。この話をしたくないという意思がありありと伝わってくるため、両親は強く話す事ができないでいた。そんな中ルルーシュだけは、カタリーナに話を聞くことはなかった。両親とのやり取りを見ていたため、聞いたところで素直に話してもらえるとは思っていなかったからだ。そんな面倒なことをするよりも、ただ待っていれば情報が入ってくるのをエヴァトリスは知っていた。
1ヶ月と7日ほどたった頃その情報はルルーシュにもたらされた。その情報が入っているであろう手紙を受け取り自室に急いで戻ると小さな声でつぶやく。
「思ったより遅かったなー」
それは聞こえるはずもない、手紙の送り主に向けた言葉だった。手紙の裏には百合の封蝋があり、それを適当に開く。そこには見慣れたエヴァトリスの文字が続いていた。そう、あれだけ頻回にあった手紙のやり取りがなくなれば、拗らせ王子は必ず聞いてくると思っていたのだ。手紙の内容はこうだった。
『急な手紙になって申し訳ない。最近カタリーナからの手紙が届かないが体調などは崩していないか?密かに付けている護衛からの定期報告でここ1ヶ月外出も減っているようだが何かあったのだろうか?手紙に辺境での滞在期間を伸ばす連絡をしたが、元々3ヶ月程度の約束を反故にした私に怒っているだろうか?それとなく聞いてみてくれ。一番大切な事だが、手紙の返事は早急に頼む。18日までに私の元にルルからの手紙が届かなければ私が馬で取りに行く』
季節の挨拶もなし、久々の連絡だと言うのに現状の報告もなければルルーシュの体調を気遣う一言もない。カタリーナに当てた手紙には少し厚みがあったがルルーシュに当てた手紙の内容は1枚の便箋の1/3程度。本当に用件しか書かれていない手紙にエヴァトリスの余裕のさなが伝わってくる。18日までに辺境に届くようにと考えるとギリギリで明後日の朝、可能であれば明日中には出さなければ間に合わないだろう。王子が辺境からここまで戻ってくると考えると護衛から何から周りに大きな迷惑がかかるのは確実だ。明らかに面倒がって手紙を出すのが遅くなるルルーシュに対する脅しであるが、エヴァトリスのことだから脅しでは済まないだろう。
「それにしても、姉上に護衛ね。とうとう拗らせ王子はストーカーまで始めちゃったんかー。」
色々とため息が止まらなくなりそうだ。エヴァトリスが辺境に行って早7ヶ月、そんな期間、仕事でストーカーまがいの事をしていたエヴァトリスの部下がかわいそうで仕方ない。だが、他人を同情している場合ではないだろう。ルルーシュもしっかりと巻き込まれているのだから。幸せがどんどん逃げていくのを予想しながらため息が止まらない。手紙を片手にルルーシュは自室を離れカタリーナの部屋を目指すのだった。
カタリーナの部屋にノック音が響き、そのまま続けて声がかかる。
「姉上、私です。少し話があるのですがよろしいですか?」
それはルルーシュの声だった。ルルーシュはここ数年カタリーナの部屋を訪れてはいない。話をする必要がある場合は応接室や庭園にお茶の準備をして話すようになったからだ。どちらが決めたわけでもない取り決めのようなものに慣れていたカタリーナは、ルルーシュの突然の訪室を不思議に思う。
「大丈夫よ。」
それほど間を空けずに、侍女が内側からドアを開けた。カタリーナは机の椅子に腰掛けたままでルルーシュを迎える。机の上には便箋とペンが出しっ放しであり、机近くのゴミ箱には書き損じの手紙が何枚かいれてある。便箋とペンをそのままにカタリーナは声をかける。
「急にどうしたの?」
「急にすいません。今は手紙を書いている途中でしたか?」
ルルーシュの言葉を受けて、カタリーナは机の上に視線を戻すと慌ててそれを片付ける。
「大丈夫よ。何でもないわ」
カタリーナは少し焦った様に早口になるが、この部屋にそれを気にする者は居ない。
「姉上に少し見てもらいたいものがあって、これなんですが」
「あっ!」
放り投げるように渡された封筒を、落としそうになりカタリーナは思わず声が出てしまった。
渡されたのは何の変哲もない白い封筒だった。その封筒は既に開封されている。特に厚みもないため、中に入っているとしても数枚の紙だろう。そして、封筒を渡されたカタリーナか一番気になったのはその封筒の扱いの雑さ加減だった。封はそのまま手でちぎる様に開けているし、一応手渡しで渡されはしたそれは辛うじてであり、ほぼ投げ渡された形で受け取った。そんな封筒に思わず眉を寄せながら、手紙の差出人を確認しようと封筒の裏側を確認するとそこには見慣れた百合の封蝋がしてあった。
「・・・殿下。」
思わず溢れたのはとても小さな声だったが、すぐ側に居たルルーシュには聞こえていた。
「そーだよ。姉上からの返事が来ないって心配してこっちにまで手紙がきたよ」
ルルーシュの言葉にカタリーナは視線を下に向ける。
「手紙書くつもりがあるなら何でも良いから送っちゃえば?そうすればこっちにこんな手紙来ることもないし」
軽い口調ではあるが内容は咎めているようなものだ。だが、咎められても仕方のないことだろう。カタリーナは王族からの手紙を無視し続かているのだから。
「あなたにまで迷惑かけてごめんなさい」
カタリーナの小さな謝罪にルルーシュは小さく息をはく。
「殿下は姉上からの手紙なら何でも喜ぶよ。私に送られててきた手紙見なよ。これを見れば少しは殿下の気持ちが伝わるんじゃない?」
誘惑に駆られたカタリーナは封筒の中から一枚の手紙を取り出す。その手紙はしっかりと折り畳まれている。手紙を開く前に顔を上げるとルルーシュしっかりと目があった。
「この手紙を私に見せることは殿下の了承を得ているの?」
手紙を手に取り開く寸前での質問。カタリーナの生真面目さに笑みが溢れるだけでなく、思わず声を出して笑ってしまった。
「ははっ。そんな許可とる暇なんてないよ。それもらったので昨日だし。それに1週間以内に返事しないと殿下にこっちに来るって言われちゃったし」
その答えにカタリーナは目を見開く。
「殿下がこっちに・・・戻ってくる?」
無意識に、呟くように出た言葉であったがらルルーシュはしっかりとその言葉を聞いていた。
「そうだよ。返事をもらうためだけにね。予定はまだ残ってるっぽいから、返事もらったらまた辺境戻るんじゃない?」
エヴァトリスに会えると思い、カタリーナは一瞬だけ嬉しくなるが、すぐに気持ちを引き締める。一時的にエヴァトリスがこちらに戻ってくるだけでどれほどの人が関わらなくてはいけないのか考えたからだ。そんなカタリーナの気持ちの葛藤を知ってか知らずかルルーシュは続ける。
「たかが手紙が来ないだけで、何人に迷惑がかかるのか少し考えて欲しいよ。もし、衝動じゃなくこれを書いたなら、立派な脅迫だよ」
それでも、一瞬だけカタリーナは思ってしまった。ほんの少しの間でも良いから会いたいと。そして辺境よりもカタリーナ自身を優先させて欲しいと思う気持ちに気づき嫌悪した。
カタリーナの手紙を握る手に力が入った。以前までの手紙をもらって、手紙を読んで、返事を書いて・・・その全てが嬉しく幸せだった時間が夢のように感じられた。カタリーナは自嘲の笑みを浮かべながら、手紙を封筒の中に丁寧に戻した。
「殿下の許可を得ていない手紙を私が読むことはできません。」
そのまま丁寧にルルーシュに手紙を返す。ルルーシュは苦虫を噛み潰したような顔をして
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