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1章
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その言葉にカタリーナは涙が溢れる。そして自身の周りには優しい人が溢れていることを思い知る。きっと国王夫妻と父はカタリーナが15歳でエヴァトリスと婚約した時の話を覚えているのだろう。カタリーナ自身が『公爵家の娘として支える』と言った言葉を覚えているからこそ、あえて国王としてではなく、父の友人として話てくれたのがカタリーナは嬉しかった。泣きながら、笑いながらの表情を崩したままカタリーナは答える。
「そんな事言ったら、国王様失格ですよ。」
幼少期でもしなかったような砕けた口調で国王に話すがそれを咎めるものはここにはいない。
「いいんだよ。ここにいるのは君の父親の友人なんだから。」
その言葉にカタリーナの胸の中に暖かいものが広がり、決意を固める。まだ瞳には涙が残っていたが、それでも意思を貫こうとするカタリーナの視線に回りの人は息を飲む。
「もし可能であれば・・・、エヴァトリス殿下がお嫌でなければ私に側妃として側にいる許可をいただけないでしょうか。聖女が現れたとは言え、彼女は異世界の人間でありこの国には慣れておりません。誰か補佐する者が必要でしょう。図々しいようではありますが、未熟であっても一通りのことは学んでおります。また、聖女様には敵わないことは重々承知ですが聖魔法に関する話も多少であればできるのではないかとも考えております。」
言い切った、カタリーナは心の中で自分を褒めた。王妃教育を受けた公爵令嬢としてこの国を支える一つの柱になると幼い頃に決めた矜持を守ることができるのだ。これからは愛するエヴァトリスを支えることができる、彼が守るこの国を支えることができる、それは昨日まで思い描いていたものとは変わってしまったがそれでも誇らしいことなのだ。
聖女様が王妃としてこの国に馴染むことができたのならば、自身は修道院で働くのも良いかもしれない、きっと治癒の魔法は重宝されるだろうから・・・。決意した事、自身で納得した事とは言え悲しくないとは言えない。カタリーナは涙を飲み込むように視線をそのまま下げた。
「ありがとう。カタリーナの決意に感謝するよ。」
「公爵家の娘として当然でございます。」
カタリーナの返事に少し寂しそうな国王の声が聞こえ退室の許可が降りる。国王の隣に座る王妃は瞳にうっすらと涙が浮かんでおり、エヴァトリスは国王を睨みつけていた。父の表情からは特に感情を読み取ることはできなかったが、握りしめて真っ白になった拳が目に入り必死に何かを我慢んしていることが伺えた。
「カタリーナ、本当に君は聡い子だよ。ありがとう。」
退室の間際に告げた国王の言葉は誰に届けるための言葉でもなく、何の感情も孕んでいなかった。そして、当然その言葉がカタリーナの耳に届くこともなかった。
カタリーナがいなくなった室内では、エヴァトリスが怒気を露わにしていた。
「貴方は、カタリーナの返答がわかっていてあの質問をされましたよね。今まで自身の感情を隠し公爵令嬢の務めと励んできた彼女がやっと最近は感情を見せてくれるようになったのに・・・」
エヴァトリスは悔しくて仕方がなかった。国王の言葉に自身の思いやエヴァトリスへの思いをぶつけてくれるのではなく、どこまでも公爵家の娘として、聖女と呼ばれる者としての答えしか出してくれなかったことで今までのエヴァトリス自身の想いを否定されたような気持ちになったのだ。
「臣下の背中を押すのも我々の役目の一つだ。」
国王の声色に感情を読み取ることはできない。
「貴方は本当に立派な国王だよ。」
吐き捨てるように告げたエヴァトリスは乱暴に扉を開けそのまま退室するとカタリーナを追いかけようとする。
「待ちなさい。」
国王の声が響き、エヴァトリスが足を止める。早く、カタリーナを追いかけたいエヴァトリスは苛立たしげに振り返った。
「カタリーナ嬢は国のために思いを固めてくれた。次はお前の番だ。」
国王の言葉に返事をすることなく、今度こそエヴァトリスは扉から出て行った。
急ぎ足で追いかけたエヴァトリスだったが、カタリーナは既に自室に戻っており廊下で彼女を捕まえることはできなかった。部屋に通してほしいと告げるため侍女に声をかけるがカタリーナからの許可が降りることはない。時間を置いて何度か部屋を訪れるエヴァトリスだったが、カタリーナからの返事は得らることがないままそのまま、夜会の当日を迎えることになるのだった。
夜会の当日、カタリーナは朝から準備に追われていた。昨夜エヴァトリスが追ってくるのを予想したカタリーナは誰も部屋に通さないよう侍女につげ早めに就寝した。その後も何度かエヴァトリスが来ているのを避けている状態だが、夜会では彼からのエスコートを受ける予定になっているため、どうやってもエヴァトリスを避けることはできない。
できればもう少し心の整理ができてから彼と話をしたかった・・・。
カタリーナがそう思っても、おそらくエヴァトリスが待ってくれない事は今までの事から容易に想像できる。そして、その想像通りエヴァトリスからの訪問の知らせが届く。カタリーナの準備が終わってまだ30分も経っていないことからすると誰かに報告するよう指示していたのだろう。今は昼食終わりぐらいの時間であり、夜会までの時間はまだまだ残っている。カタリーナは気持ちを入れ替えるように深呼吸を何回か繰り返した後エヴァトリスを部屋に通した。
「昨夜は疲れてしまい早く休んでしまいました。あの後何度も来てくださったと侍女から伺いましたが、申し訳ありませんでした。」
カタリーナの言葉がポーズであることはカタリーナ自身もエヴァトリスもわかっていたが、おおっぴらに王子の訪問を拒否したと言うことはできないので二人ともそれで話を通す。
「いいや、昨日は色々あったのだから仕方がないよ。カタリーナを残しみんなは下がってもらえるかな?」
穏やかな声色であったが、拒否を許さないエヴァトリスの視線に部屋で待機していた侍女たちが下がる。誰もいなくなったことを確認するとエヴァトリスははっきりと告げた。
「私は貴女を正妃とする。もちろん側妃を迎えることもない。」
決意もこもっているその声にカタリーナは思わず嬉しくなってしまったが、それを臣下として了承することはできず困ったような笑みを浮かべる。
「リーナが返事をできないことはわかっている。それでもこれが私の決意であることを忘れないでほしい。」
それだけ話すとエヴァトリスはカタリーナの部屋から出て行った。
それから夜会は何事もなく終わった。本来の目的は辺境の復興祝いであり、エヴァトリスとカタリーナの婚姻の話は必ずしなくてはいけないものではなかったからだ。ただ、カタリーナが王宮に住み始めたことは貴族間ではある程度知れ渡っており婚姻が近いことが噂話のように話されていた。
箝口令が敷かれている中、異世界からの聖女のことを知る者も話す者もいないが、それがいつまで続くかはわからない。今後、重鎮達との話し合いの中でお披露目のタイミングなど決まっていくのだろう。
幸せの形はそれぞれだ。大丈夫、そうカタリーナは心の中で呟やきながら、表情には笑みを浮かべる。この国唯一の王子と、その婚約者であり公爵令嬢であるカタリーナ達の近くからは人が途絶えることはない。カタリーナは笑顔で社交をこなしていく。夜会中、隣でエスコートをしているエヴァトリス以外で、カタリーナの作り笑いに気づく者はいなかった。
___________________________________________________________________________________
これで無事1章終了です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願い致します。
「そんな事言ったら、国王様失格ですよ。」
幼少期でもしなかったような砕けた口調で国王に話すがそれを咎めるものはここにはいない。
「いいんだよ。ここにいるのは君の父親の友人なんだから。」
その言葉にカタリーナの胸の中に暖かいものが広がり、決意を固める。まだ瞳には涙が残っていたが、それでも意思を貫こうとするカタリーナの視線に回りの人は息を飲む。
「もし可能であれば・・・、エヴァトリス殿下がお嫌でなければ私に側妃として側にいる許可をいただけないでしょうか。聖女が現れたとは言え、彼女は異世界の人間でありこの国には慣れておりません。誰か補佐する者が必要でしょう。図々しいようではありますが、未熟であっても一通りのことは学んでおります。また、聖女様には敵わないことは重々承知ですが聖魔法に関する話も多少であればできるのではないかとも考えております。」
言い切った、カタリーナは心の中で自分を褒めた。王妃教育を受けた公爵令嬢としてこの国を支える一つの柱になると幼い頃に決めた矜持を守ることができるのだ。これからは愛するエヴァトリスを支えることができる、彼が守るこの国を支えることができる、それは昨日まで思い描いていたものとは変わってしまったがそれでも誇らしいことなのだ。
聖女様が王妃としてこの国に馴染むことができたのならば、自身は修道院で働くのも良いかもしれない、きっと治癒の魔法は重宝されるだろうから・・・。決意した事、自身で納得した事とは言え悲しくないとは言えない。カタリーナは涙を飲み込むように視線をそのまま下げた。
「ありがとう。カタリーナの決意に感謝するよ。」
「公爵家の娘として当然でございます。」
カタリーナの返事に少し寂しそうな国王の声が聞こえ退室の許可が降りる。国王の隣に座る王妃は瞳にうっすらと涙が浮かんでおり、エヴァトリスは国王を睨みつけていた。父の表情からは特に感情を読み取ることはできなかったが、握りしめて真っ白になった拳が目に入り必死に何かを我慢んしていることが伺えた。
「カタリーナ、本当に君は聡い子だよ。ありがとう。」
退室の間際に告げた国王の言葉は誰に届けるための言葉でもなく、何の感情も孕んでいなかった。そして、当然その言葉がカタリーナの耳に届くこともなかった。
カタリーナがいなくなった室内では、エヴァトリスが怒気を露わにしていた。
「貴方は、カタリーナの返答がわかっていてあの質問をされましたよね。今まで自身の感情を隠し公爵令嬢の務めと励んできた彼女がやっと最近は感情を見せてくれるようになったのに・・・」
エヴァトリスは悔しくて仕方がなかった。国王の言葉に自身の思いやエヴァトリスへの思いをぶつけてくれるのではなく、どこまでも公爵家の娘として、聖女と呼ばれる者としての答えしか出してくれなかったことで今までのエヴァトリス自身の想いを否定されたような気持ちになったのだ。
「臣下の背中を押すのも我々の役目の一つだ。」
国王の声色に感情を読み取ることはできない。
「貴方は本当に立派な国王だよ。」
吐き捨てるように告げたエヴァトリスは乱暴に扉を開けそのまま退室するとカタリーナを追いかけようとする。
「待ちなさい。」
国王の声が響き、エヴァトリスが足を止める。早く、カタリーナを追いかけたいエヴァトリスは苛立たしげに振り返った。
「カタリーナ嬢は国のために思いを固めてくれた。次はお前の番だ。」
国王の言葉に返事をすることなく、今度こそエヴァトリスは扉から出て行った。
急ぎ足で追いかけたエヴァトリスだったが、カタリーナは既に自室に戻っており廊下で彼女を捕まえることはできなかった。部屋に通してほしいと告げるため侍女に声をかけるがカタリーナからの許可が降りることはない。時間を置いて何度か部屋を訪れるエヴァトリスだったが、カタリーナからの返事は得らることがないままそのまま、夜会の当日を迎えることになるのだった。
夜会の当日、カタリーナは朝から準備に追われていた。昨夜エヴァトリスが追ってくるのを予想したカタリーナは誰も部屋に通さないよう侍女につげ早めに就寝した。その後も何度かエヴァトリスが来ているのを避けている状態だが、夜会では彼からのエスコートを受ける予定になっているため、どうやってもエヴァトリスを避けることはできない。
できればもう少し心の整理ができてから彼と話をしたかった・・・。
カタリーナがそう思っても、おそらくエヴァトリスが待ってくれない事は今までの事から容易に想像できる。そして、その想像通りエヴァトリスからの訪問の知らせが届く。カタリーナの準備が終わってまだ30分も経っていないことからすると誰かに報告するよう指示していたのだろう。今は昼食終わりぐらいの時間であり、夜会までの時間はまだまだ残っている。カタリーナは気持ちを入れ替えるように深呼吸を何回か繰り返した後エヴァトリスを部屋に通した。
「昨夜は疲れてしまい早く休んでしまいました。あの後何度も来てくださったと侍女から伺いましたが、申し訳ありませんでした。」
カタリーナの言葉がポーズであることはカタリーナ自身もエヴァトリスもわかっていたが、おおっぴらに王子の訪問を拒否したと言うことはできないので二人ともそれで話を通す。
「いいや、昨日は色々あったのだから仕方がないよ。カタリーナを残しみんなは下がってもらえるかな?」
穏やかな声色であったが、拒否を許さないエヴァトリスの視線に部屋で待機していた侍女たちが下がる。誰もいなくなったことを確認するとエヴァトリスははっきりと告げた。
「私は貴女を正妃とする。もちろん側妃を迎えることもない。」
決意もこもっているその声にカタリーナは思わず嬉しくなってしまったが、それを臣下として了承することはできず困ったような笑みを浮かべる。
「リーナが返事をできないことはわかっている。それでもこれが私の決意であることを忘れないでほしい。」
それだけ話すとエヴァトリスはカタリーナの部屋から出て行った。
それから夜会は何事もなく終わった。本来の目的は辺境の復興祝いであり、エヴァトリスとカタリーナの婚姻の話は必ずしなくてはいけないものではなかったからだ。ただ、カタリーナが王宮に住み始めたことは貴族間ではある程度知れ渡っており婚姻が近いことが噂話のように話されていた。
箝口令が敷かれている中、異世界からの聖女のことを知る者も話す者もいないが、それがいつまで続くかはわからない。今後、重鎮達との話し合いの中でお披露目のタイミングなど決まっていくのだろう。
幸せの形はそれぞれだ。大丈夫、そうカタリーナは心の中で呟やきながら、表情には笑みを浮かべる。この国唯一の王子と、その婚約者であり公爵令嬢であるカタリーナ達の近くからは人が途絶えることはない。カタリーナは笑顔で社交をこなしていく。夜会中、隣でエスコートをしているエヴァトリス以外で、カタリーナの作り笑いに気づく者はいなかった。
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