222 / 313
高年期[二学期・前編]
いつもの日常
しおりを挟む兄さんと寝たのち一緒に学校へ行く。
そしていつものように授業が始まりお昼になる。
「薫風とお昼ご飯なんて初めてだね。」
「・・・はぁ、スケジュール調整するの大変だから今度から早めに言えよ。」
「もう~五十嵐がいなければ最高なんだけどなぁ。」
「銀徹さんにも弁当もってきてますよ。」
「さすが我が妹だな。久々だな、お前のご飯食べれるのは。」
「味は保証できないよ?久々にやったから。お菓子は作った事あるけど・・・」
「薫風は器用だから大丈夫だろう。」
「・・・なぁ、2人ばかり喋らないで私もいれてくれる?薫風は私の恋人だよ?」
こいびと・・・
聞きなれない事を聞いて無図痒い気分になる。前世では恋人はつくれなかったからなぁ~・・・
てか、恋人って何するの?
「ねぇ銀徹お兄・・・恋人って、何すればいいの?」
「「は?」」
え、何故風間くんまで反応するわけ?
「なぁ五十嵐、薫風は前世でも恋人はいなかったのか?」
「・・・そういえばそうだな。奴にトラウマ植え付けられて家に引きこもってたからな。徐々に回復して仕事をしだしたが・・・浮いた話は聞いた事がないな。」
「そうなんだ。・・・じゃあ私が初めての恋人・・・ふふ、そっかぁ。」
「「・・・」」
風間くん、そのニヤニヤ顔はやめてほしい。銀徹さんも思ったらしくひきつった顔してるよ。
「おい風間、そのだらしない顔なんとかしろ。」
「この幸せを噛み締めてるんだから仕方ない。・・・ふふふ、そういえば薫風の初めても私だしね。優越感しか感じないよ。」
「・・・薫風、本当にこいつと付き合うのか?今からでも破棄すべきじゃないか?」
「あぁ、奇遇だねお兄。たった今僕もそう思ったよ。なんかヤバいよねこの人・・・」
「無駄だよ薫風。もう先生方には報告済みだよ。」
「「は?」」
今度は銀徹さんと声がハモった。・・・この人、勝手に何しちゃってんの?期間終了したらどうするの?
「・・・そういえば風間、そのピアスは?」
「ん?これは勿論、薫風の色のピアスだよ。薫風には私の色のピアスを付けてるから。」
「あ?・・・薫風、本当か?」
「っ、あ、うん・・・右耳に。」
「ちょっと見せてみろ・・・チッ、取り外しできないよう金具曲げやがったな。」
ぎ、銀徹さぁん・・・地が出てるよ。ちょっとドス黒いオーラが・・・あ、風間くんも少し後退してる。やっぱり銀徹さんの怒りは少しは怖いと思うんだ。
「五十嵐さんっ!?ちょっと落ち着こうか?あ、ねぇお弁当食べる時間がないからね?食べようか。」
「・・・お前、わかってんのか?右耳に付ける意味。右耳は良い意味でも悪い意味でも捉えられるんだぞ?」
「知ってるよ。薫風に聞いたからね。でも付けちゃったもんは取れないよ?」
「薫風に承諾を得て取り付けたんだろうなぁ~?」
「おあっ!?か、薫風、何とかしてくれないかい?」
「あ~・・・銀徹お兄、取り敢えずご飯食べよう?もうピアスはいつか取り外せるようにするよ。」
「・・・ふぅ~・・・わかったよ。薫風の作った物だ。味わって食べたいしな。」
あ、なんとか機嫌を元に戻せたかな?てか風間くんが原因なんだから自分で何とかしろよ。まぁ・・・僕は執事さんに許可もらって一発お見舞いしたからもう何とも思ってないんだよね。
「あ、お兄、僕先に和彦さんに一発殴っちゃったんだ。だから僕はもうなんとも思ってないんだよね。だからそんな怒らなくても良いんだよ。」
「ほぅ・・・それは足利さんの許可をもらえたって事か?・・・なら俺も一発ーーー」
「何物騒な事を言ってるの2人とも!?」
「顔以外なら良いって言ってた。だから僕は鳩尾にした。」
「そうか。・・・なら俺も鳩尾にするか。」
「い、五十嵐くん?そんな物騒な事を言わないでくれる?それに五十嵐の本気で殴られたら私は暫く寝込むからね?」
「なんだだらしないな。まぁ忘れた頃にやってやるよ。」
「怖っ!薫風~この兄怖いなぁ!前世でもこうだったのか?」
「ん~僕にはわかりません。いつも優しかったので。愛翔さんに聞いてみればわかりますよ。」
「まぁそんな事したら愛翔も風間を殴る可能性があるがな。愛翔も薫風に甘やかしてたからな。」
「・・・過保護だな。」
「お前に言われたくないな。」
あ~なんかほのぼのする。・・・え?そんな事ない?いやぁ現実逃避なんかしてませんよ?ただ銀徹さんは銀徹さんだなぁと。・・・まぁ少し風間くんが可哀想に思えたかな?まぁ自業自得だよね。
取り敢えずお弁当を食べる。2人ともあっという間に食べ終った。・・・銀徹さん味わって食べるんじゃないの?まぁでも2人とも「美味しい」と言ってくれて良かったよ。不味いとは言われないとは自負していたけど料理長の手を使わず初めて作ったものだから緊張はするよね~。
あ、今日は流依兄さんは自室で食べるらしい。もちろん兄さんのも僕が作りました。あとで味の感想聞きたいな。
昼食は週2くらいで理事長室で食べる事になった。これは恋人になったから親睦を深める為だとか何とか・・・始めは毎日と言われたけど僕は万純くん達と食べたいと思うから週2に減らしてもらった。代わりに手作りを食べさせてほしいと言われたけどね。まぁ作るのは苦にはならないから了承したけどね。
あ、てかさっき言ったんだけど・・・恋人って何するの?
20
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 1000 Thank_You!!
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる