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高年期[二学期・前編]
さあさあ作戦を練ろう!
しおりを挟むそうそう、攻略に成功した人への褒美。
沢山ハチマキを取った人、そして一つでも王族の腕輪を取った人に褒美がもらえる。・・・それは前回同様、今回は攻略対象の学年の中限定で誰でも指名できて1日お付き合いが出来る特権がもらえる。
指名された者は勿論、拒否権はない。どーしても拒否する場合・・・
「・・・は?屋上で全生徒の前で際どい質問に答える?黙秘権なし?・・・それ、大丈夫なの?」
「あーそれ兄さんに聞いたー・・・エグいよねぇ~。」
「・・・際どい質問って?一体どんな質問があったんだい?」
「・・・まず簡単な質問から『婚約者はいるか』から始まり、『好きな人はいるか』、『経験人数は』、『相手に何を求めるか』、『自分のスリーサイズは』などなど・・・みたいですわ。」
「それ、際どいどころじゃないんじゃないかな?」
「そーだねー・・・俺なら薫風に『奥の何処が気持ちいいか』を聞きたいな~・・・って!」
「克典・・・いい加減にしろよ。そんな質問答える筋合いはない。」
・・・おい陽南さん、いや陽南!そこでニヤニヤするな!万純くんのようにスルーするところだぞ。
グーで手加減なしに克典の頭を叩いた。・・・痛かったのか痛くなかったのか苦笑いされた。そして何故か腕に力を込められギュ~っと抱き締められた。
「・・・まぁそんな辱しめを受けるなら1日付き合う方がマシだと言う人が大多数ですので、拒否した方は手で数えて余る程の人数しかいませんわ。」
「それは僕もお断りだなぁ~。ま、僕を指名する物好きな奴はいないと思うけどねぇ~。」
「いや負けたら万純くんも指名される可能性あると思うよ。幸か不幸か、僕といるせいか万純くんの認知度高いよ?」
「えっ?そうなの?」
「そうですわよぉ~?八乙女の唯一の親友として好感度が高いんですのよ。きっと八乙女が認めらる良い奴なんだって感じですわねぇ~。」
「うわぁ~それは嬉しいなぁ!こんな所でも薫風くんの恩恵をもらえるとはね~!」
うん、間違いないよ万純くん。君は良い奴だよ。周りへの配慮も抜群だし話しやすいし、とにかく一緒にいて疲れないよね!・・・なぜ万純くんが入学早々僕に構ってきたのかわからないけどね。なにがきっかけだったんだろうねぇ~?
それから空がオレンジ色に染まるまで4人で話し合った。・・・うん、学生の醍醐味だよね。楽しいよぉ~!
それからイベント開始まで余り無い猶予の中、ちゃくちゃくと各クラスに対策の話をして準備を進めていく。
「あ~・・・僕も騎士になりたかったなぁ。」
「それも良かったんだけどね、薫風くん以外、適任がいなかったんだよ。それは諦めなよ。」
「はぁ・・・まぁ宰相は無敵だからやりたいようにするよ。とにかくハチマキを取ればいいんだよね。」
「そうですわね!頑張りましょう!修学旅行の為に!」
「俺は~・・・まぁ薫風に守ってもらえるだけでいいかなぁ~?」
「・・・呑気な。」
王族はまぁ形だけでもいいだろう。王妃様はあまり前へでてきてほしくないから僕たちでガードするしかないよね。
「王は一番奥の教室で待機してもらって・・・隣の教室で・・・」
「(ねぇ薫風くん、物語的に勝つはずですが・・・たしか裏切り者がいるんでしたわよね?)」
「(あぁ・・・確か二階堂くんを密かに想ってるインテリ眼鏡が・・・)」
「(ええ・・・でも残念な事に私、顔を覚えてないんですの。モブキャラですので詳しく載ってませんの。簡単な説明文しかなくて・・・どうしましょうか?)」
「(うーん・・・)」
「ねぇ2人とも聞いてるかい?さっきから2人で内緒話かい?」
「あ、ああ・・・いや、ちゃんと聞いてるよ。とにかく階段のバリケードをしっかりしないと速攻で没落しちゃうからね。」
「そうだね。色々と準備しないとね。・・・次の休みに買い物へ行かないかい?必要最低限の物は実費で用意可能なんだよね?」
「そうですわね。・・・ええ、次の休み・・・ですわね。」
「うん?花塚さんは用があるのかい?」
「っ!あ、いいえ・・・大丈夫ですわ!話を進めましょう。」
「・・・」
・・・そう、このイベントの垣間にルートが存在する。買い物へ行くによって出会う攻略対象者によって勝敗が別れやすいのだ。・・・まぁ、大丈夫かな?そんな偶然・・・
「・・・どうかしら?」
「そこ!僕の考えてる事を読まないでくれるっ!?」
「ふふ・・・私も同じ事を考えてましたの。でも今回はイベント通り事が進んでますので・・・どうなるかわかりませんわ。」
「・・・だよね。」
そう、イベント通りに進んでいる。つまりヒロインが攻略対象者の好感度に関係があるという事になる。
今の陽南さんの状況は複雑。というか陽南さん攻略する気持ちがないと言っていい程進んでないのだ。
そうなると・・・、・・・?・・・どうなる?
僕基準に話が進む?ん~・・・僕の場合、ほぼ対象者が好感度100%な気がするんだけど?
イベント準備中、買い物へ行くと攻略対象者の誰かと出会う。そこで助言をもらえるのだ。その内容によって流れが変わる。
となると、あの生徒会3人と出会い助言を貰うってのが無難かなぁ?それか先生とか?ん~・・・
とりあえず流れに身を任せるしかないね。考えても無駄だし、助言をそのまま聞かなくても大丈夫だろうからね。こちらはもう内容バッチリ覚えてるからね!
まぁそこで補正が入りトラブルが起こらない限り勝てるだろう。
_____
「陽南さん、買い物リストはあるのかい?」
「ええ、ありますわよ。・・・では買い物開始ですわ!」
休みの日、ホームセンターのような場所で皆と待ち合わせ、各自買う物を分担し、執事と一緒に買い物を開始する。
「・・・柔らかいボール・・・瞬間接着剤・・・石鹸?・・・ああ、液体の衣類洗剤でいいかな。」
「・・・薫風様、これは一体・・・?」
「学校行事に使うものなんだよ。探そうか。」
「承りました。効率よく順番に買いましょう。どこにあるか把握しておりますので案内致します。」
「頼もしいね鞍馬!じゃあ、お願いね。」
「はい薫風様。・・・では。」
僕はいつも世話になってる執事・鞍馬を呼んで買い物にきている。やはり執事はなんでも知ってるねー。
・・・でも洗剤、使って大丈夫なのかな?あれでしょ?・・・床にばら蒔いてツルツルにするかんじ。令嬢とか大丈夫なのか?・・・ああ!アンラッキー狙い?いやいや!侵略妨害目的です!
・・・うん、この時、保健室の先生は大変だろうね。怪我人多数でるだろうし。まぁ酷い怪我は負わせないよ?まぁでも体育祭同様、怪我をしようが自己責任となっている。
まぁ、流石に大怪我しそうな仕掛けをした場合は先生がストップをかける。・・・大抵は黙認するけど(笑)
さあさあ買い物を済ませてまた作戦会議ですよー!
・・・ん?あの後ろ姿は?
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