245 / 313
高年期[二学期・前編]
イベント前に子鷹狩くんとの約束を果たそう。
しおりを挟む兄さんの事を後回しにするのは気が引けるがとにかく今やる事をすませたいと思い、やる事はやります。
まず、2年生対策の話し合いをしてその後、子鷹狩くんと一緒に車に乗りホテルへ行き音合わせてをして夕食を食べて別れた。
そして休日。
風間くんと食事兼デートも合わせてるとの事でピシッと服装をキメて髪型も整えた。一応金髪の部分を隠すよう前髪をかき分けてます。もう瞳は隠すの諦めました。
「いつも夜に来ているので昼間にくるとなんだか新鮮です。」
「そうだな。今日限定で予約制にしたから混雑する事はないだろう。常連客から新規の客がいる。」
「今日はお招きしていただき有難うございます。子鷹狩くん。私も一緒でも良かったのかい?」
「・・・ええ。薫風の恋人ですから。浮気と勘違いされて薫風が責められても困りますので。」
「ふーん・・・子鷹狩くんはまだ薫風を諦めてないんだね。」
「はい。」
おいおいおい!はっきり肯定しないでほしいな・・・そして風間くん、あまり煽らないでほしい。幻覚だろうが2人の目から火花が飛び散ってる気がするよ?うん、気のせいだよね。
「ああ、そうだ薫風、今度新しくバーを開業するんだ。そこで薫風の好きそうな楽器を準備する予定だから開業記念にそこでも歌ってほしいな。」
「そうなんですか?わかりました。開業した時には教えて下さい。」
「・・・大人げない。」
「何か言ったかい子鷹狩くん?」
「いえ。・・・ほら薫風、先に打ち合わせをしてこい。」
「あ、はい・・・わかりました。少し席を外します。」
・・・なんか二人を二人っきりにして大丈夫かな?まぁいい年齢だから取っ組み合いとかはしないだろうし、大丈夫かな?
・・・リハーサルを済ませ2人の座る席、VIP席へと行く。・・・あ、普通に話してる。大丈夫だったみた・・・ん?
「薫風は無自覚だからね~時にフワッと微笑む時があるんだけど、あれは周りを魅了して困るんだよね~」
「確かに。それに薫風は普段は澄ましてるんですが、2人になると気が抜けるのか砕けた口調でたまに甘えてくるんですよね。」
「ああ、それに抱き着くのが好きみたいだね。まぁ年相応と言っても過言ではないが本人は無自覚みたいだからね~」
「本当に自覚してもらいたいですね。自分が可愛い事を。それに」
「2人して何の話をしてるんだよー!」
「おや?」
「ん?もういいのか?」
この二人、僕の話をして盛り上がってたのか?誰が可愛いんだよ!無自覚って何?二人が険悪ムードになってなかったのはいいけど何故僕の話をしてるんだよ!おかしーだろ!
「ほらあの顔。本人は怒ってるようだが私にしたら可愛いから怒られてる気がしないんだよね。」
「それは同意します。あれで本当に怒ってるのか疑問に思う程です。」
「・・・ねぇ、2人も僕を貶してるんですか?」
「「全然。」」
「・・・」
なに意気投合しちゃってんの?てかさっきのは完璧貶してるでしょ?絶対誉めてないよね。何怒った顔が可愛いとか?君たちの目は節穴ですか?眼科行きなよ、いやマジで!
・・・と、僕が来たのに合わせて料理が運ばれてきた。もうこの二人を無視して座ってご飯食べよう。お腹空いたし。いいもん、歌で発散するし。
「あーふふ、拗ねてしまったようだ。可愛いなうちの恋人は。」
「・・・もうすぐ期限が切れますね。もう風間理事長のものではなくなりますよ。」
「どうだろう?薫風次第だからね。まだ君みたいな諦めない人がいるからね。まだ続行して薫風を諦めさせないと、ね。」
「・・・薫風はどうなんだ?まだ続けるのか?」
「・・・黙秘。」
「えーそこは即答してほしかったなぁ?薫風。」
「・・・」
「・・・ひねくれたな。」
もー好きに言ってろよ。
・・・ご飯を食べ終わり本番が始まる。今日もオーナーがいて放送を流す。すると辺りが静まってしまった・・・えー・・・普通にしてほしいんですが・・・注目度ハンパないです。
『本日はご来店誠に有難うございます。僭越ながら2曲程、ご提供させていただきます。どうぞ寛ぎながらお聞きください・・・』
はー・・・凄く注目されるのも緊張するなぁ。やっぱここにいる人たちは僕の歌を聴きに来たんだよね?・・・はぁ。
1曲目はバイオリンとピアノに合わせて歌い出す。・・・ちょっとバラードだから昼間に歌うものでもないんだけどね~・・・
「淡く~儚く~夜に~ゆら~めぇ~て~・・・ため息一つ~・・・落ちた花弁~」
あの医者のアニメの主題歌になった曲。この歌手も好きなんだよねぇ~声が。ヴィジュアル系好きです。格好も。顔は好みあるけど声が特に。高い声とかビブラートとかこぶしとか。沖縄の歌も好き。
「季節~は巡り~森は~染め~ら~れ~・・・風は~奏でて~・・・想い~溢れ~て~」
大熱唱。楽器何も持ってない、ただ歌うだけ。感情を乗せて歌います。失恋ソング?片思い?そんな感じの歌詞なんで感情移入してしまうとちょっと辛くなります。ドラムとかあれば完璧なんだけどなぁ~・・・まぁあっても扱えないけど。
歌い終わりました。始めはちらほら拍手をもらい次第に拍手喝采になりました。あれ?みなさん放心状態になってませんでしたか?
「・・・これ、続けても・・・?」
「・・・構わないかと。オーナーも拍手して満面の笑みを浮かべてますし。」
バイオリンを弾いてた一人が僕の独り言に答えてくれた。へぇ、オーナー笑っておられますか。まぁ、それなら大丈夫か。
「拍手を有難うございます。・・・それでは2曲目を歌わせていただきます。」
次はピアノと三味線で歌います。三味線を弾きます。・・・二胡があれば完璧なんだけと仕方がない。
「追憶は人の~心の・・・傷口に深く~染み入り・・・霞立つ野~辺に・・・夏草は、茂り・・・」
うん、今の季節にピッタリ。個人的には春のあの曲の方が好きですが季節に合わせてこの歌を歌いますよ。
これ、恋歌にも取れるけど、これ、確か反戦歌なんだって。全部の歌詞を読むと確かに戦の・・・って感じなんだよね。
ここはゲームの中だから、多分、戦なんて無縁だと思うけど・・・でも夏と言えばこの曲って感じで思い出すんだよねぇ。
・・・多分、ここにいる人たちに歌詞の意味はきっと言葉通りに伝わらないだろうけど、聞く分には良い曲だし、まーいいだろう。
・・・はい。歌い終わりました。・・・やっぱり切ない。あー切ない歌を2曲も歌ってしまった。・・・だ、大丈夫か?
あ、そして間が空き拍手をもらえました。有難うございます。これで終わらせてもらいますよー。はい、お辞儀して退出ぅ~。
「お疲れ様、薫風。今日はなんだか切ない歌だったね。」
「お疲れ。確かに、な。前は恋歌だったのが今日はまた違う切ない歌だったな。1曲目は俺も曲合わせに付き合ってたから何となくわかってたが2曲目は特に恋歌だが切ない歌だった。」
「あー・・・恋歌の方が良かったですか?今は昼間ですので恋歌は控えたんですが・・・」
「いや、薫風の歌いたい歌を歌えばいい。こちらがお願いしている身だからな。」
「そうだね。もし夜に恋歌聞いたら、そのままホテルへ行き愛を育む者がいるだろうが今は昼間だからな。・・・まぁ薫風はなにを歌っても全て良い歌だから不満はない。」
「そうですか。有難うございます。」
「素晴らしい歌を有難うございました八乙女様。またぜひご来店下さい。当店でいつでもおもてなしできる準備をしてお待ちしております。」
「あ、はい。では今度は家族を連れて食事にきますね。」
「はい。ではお気をつけて。ご来店有難うございました。」
歌を歌って少し一休みしてから外へと出たオーナーが送り迎えしてくれてお礼を言われた。・・・うん、お客さんの反応はどうだったか気にはなるけど、このあとは風間くんとデートです。なので挨拶をしてホテルを後にします。そしてここで子鷹狩くんともお別れです。「また学校で」と言って別れました。
風間くんは今日の為に仕事を終わらせて1日休みをもぎ取ったらしい。・・・という事でこの後は風間くんとデートです。
さぁ、何処へ行くんでしょうか。
10
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる