R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[二学期・前編]

イベント前に子鷹狩くんとの約束を果たそう。

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兄さんの事を後回しにするのは気が引けるがとにかく今やる事をすませたいと思い、やる事はやります。





まず、2年生対策の話し合いをしてその後、子鷹狩くんと一緒に車に乗りホテルへ行き音合わせてをして夕食を食べて別れた。





そして休日。




風間くんと食事兼デートも合わせてるとの事でピシッと服装をキメて髪型も整えた。一応金髪の部分を隠すよう前髪をかき分けてます。もう瞳は隠すの諦めました。





「いつも夜に来ているので昼間にくるとなんだか新鮮です。」

「そうだな。今日限定で予約制にしたから混雑する事はないだろう。常連客から新規の客がいる。」

「今日はお招きしていただき有難うございます。子鷹狩くん。私も一緒でも良かったのかい?」

「・・・ええ。薫風の恋人ですから。浮気と勘違いされて薫風が責められても困りますので。」

「ふーん・・・子鷹狩くんはまだ薫風を諦めてないんだね。」

「はい。」




おいおいおい!はっきり肯定しないでほしいな・・・そして風間くん、あまり煽らないでほしい。幻覚だろうが2人の目から火花が飛び散ってる気がするよ?うん、気のせいだよね。





「ああ、そうだ薫風、今度新しくバーを開業するんだ。そこで薫風の好きそうな楽器を準備する予定だから開業記念にそこでも歌ってほしいな。」

「そうなんですか?わかりました。開業した時には教えて下さい。」

「・・・大人げない。」

「何か言ったかい子鷹狩くん?」

「いえ。・・・ほら薫風、先に打ち合わせをしてこい。」

「あ、はい・・・わかりました。少し席を外します。」





・・・なんか二人を二人っきりにして大丈夫かな?まぁいい年齢だから取っ組み合いとかはしないだろうし、大丈夫かな?





・・・リハーサルを済ませ2人の座る席、VIP席へと行く。・・・あ、普通に話してる。大丈夫だったみた・・・ん?





「薫風は無自覚だからね~時にフワッと微笑む時があるんだけど、あれは周りを魅了して困るんだよね~」

「確かに。それに薫風は普段は澄ましてるんですが、2人になると気が抜けるのか砕けた口調でたまに甘えてくるんですよね。」

「ああ、それに抱き着くのが好きみたいだね。まぁ年相応と言っても過言ではないが本人は無自覚みたいだからね~」

「本当に自覚してもらいたいですね。自分が可愛い事を。それに」

「2人して何の話をしてるんだよー!」

「おや?」

「ん?もういいのか?」





この二人、僕の話をして盛り上がってたのか?誰が可愛いんだよ!無自覚って何?二人が険悪ムードになってなかったのはいいけど何故僕の話をしてるんだよ!おかしーだろ!





「ほらあの顔。本人は怒ってるようだが私にしたら可愛いから怒られてる気がしないんだよね。」

「それは同意します。あれで本当に怒ってるのか疑問に思う程です。」

「・・・ねぇ、2人も僕を貶してるんですか?」

「「全然。」」

「・・・」





なに意気投合しちゃってんの?てかさっきのは完璧貶してるでしょ?絶対誉めてないよね。何怒った顔が可愛いとか?君たちの目は節穴ですか?眼科行きなよ、いやマジで!




・・・と、僕が来たのに合わせて料理が運ばれてきた。もうこの二人を無視して座ってご飯食べよう。お腹空いたし。いいもん、歌で発散するし。




「あーふふ、拗ねてしまったようだ。可愛いなうちの恋人は。」

「・・・もうすぐ期限が切れますね。もう風間理事長のものではなくなりますよ。」

「どうだろう?薫風次第だからね。まだ君みたいな諦めない人がいるからね。まだ続行して薫風を諦めさせないと、ね。」

「・・・薫風はどうなんだ?まだ続けるのか?」

「・・・黙秘。」

「えーそこは即答してほしかったなぁ?薫風。」

「・・・」

「・・・ひねくれたな。」





もー好きに言ってろよ。





・・・ご飯を食べ終わり本番が始まる。今日もオーナーがいて放送を流す。すると辺りが静まってしまった・・・えー・・・普通にしてほしいんですが・・・注目度ハンパないです。





『本日はご来店誠に有難うございます。僭越ながら2曲程、ご提供させていただきます。どうぞ寛ぎながらお聞きください・・・』




はー・・・凄く注目されるのも緊張するなぁ。やっぱここにいる人たちは僕の歌を聴きに来たんだよね?・・・はぁ。





1曲目はバイオリンとピアノに合わせて歌い出す。・・・ちょっとバラードだから昼間に歌うものでもないんだけどね~・・・





「淡く~儚く~夜に~ゆら~めぇ~て~・・・ため息一つ~・・・落ちた花弁~」




あの医者のアニメの主題歌になった曲。この歌手も好きなんだよねぇ~声が。ヴィジュアル系好きです。格好も。顔は好みあるけど声が特に。高い声とかビブラートとかこぶしとか。沖縄の歌も好き。





「季節~は巡り~森は~染め~ら~れ~・・・風は~奏でて~・・・想い~溢れ~て~」




大熱唱。楽器何も持ってない、ただ歌うだけ。感情を乗せて歌います。失恋ソング?片思い?そんな感じの歌詞なんで感情移入してしまうとちょっと辛くなります。ドラムとかあれば完璧なんだけどなぁ~・・・まぁあっても扱えないけど。





歌い終わりました。始めはちらほら拍手をもらい次第に拍手喝采になりました。あれ?みなさん放心状態になってませんでしたか?





「・・・これ、続けても・・・?」

「・・・構わないかと。オーナーも拍手して満面の笑みを浮かべてますし。」





バイオリンを弾いてた一人が僕の独り言に答えてくれた。へぇ、オーナー笑っておられますか。まぁ、それなら大丈夫か。





「拍手を有難うございます。・・・それでは2曲目を歌わせていただきます。」






次はピアノと三味線で歌います。三味線を弾きます。・・・二胡があれば完璧なんだけと仕方がない。





「追憶は人の~心の・・・傷口に深く~染み入り・・・霞立つ野~辺に・・・夏草は、茂り・・・」




うん、今の季節にピッタリ。個人的には春のあの曲の方が好きですが季節に合わせてこの歌を歌いますよ。



これ、恋歌にも取れるけど、これ、確か反戦歌なんだって。全部の歌詞を読むと確かに戦の・・・って感じなんだよね。


ここはゲームの中だから、多分、戦なんて無縁だと思うけど・・・でも夏と言えばこの曲って感じで思い出すんだよねぇ。





・・・多分、ここにいる人たちに歌詞の意味はきっと言葉通りに伝わらないだろうけど、聞く分には良い曲だし、まーいいだろう。






・・・はい。歌い終わりました。・・・やっぱり切ない。あー切ない歌を2曲も歌ってしまった。・・・だ、大丈夫か?





あ、そして間が空き拍手をもらえました。有難うございます。これで終わらせてもらいますよー。はい、お辞儀して退出ぅ~。






「お疲れ様、薫風。今日はなんだか切ない歌だったね。」

「お疲れ。確かに、な。前は恋歌だったのが今日はまた違う切ない歌だったな。1曲目は俺も曲合わせに付き合ってたから何となくわかってたが2曲目は特に恋歌だが切ない歌だった。」

「あー・・・恋歌の方が良かったですか?今は昼間ですので恋歌は控えたんですが・・・」

「いや、薫風の歌いたい歌を歌えばいい。こちらがお願いしている身だからな。」

「そうだね。もし夜に恋歌聞いたら、そのままホテルへ行き愛を育む者がいるだろうが今は昼間だからな。・・・まぁ薫風はなにを歌っても全て良い歌だから不満はない。」

「そうですか。有難うございます。」








「素晴らしい歌を有難うございました八乙女様。またぜひご来店下さい。当店でいつでもおもてなしできる準備をしてお待ちしております。」

「あ、はい。では今度は家族を連れて食事にきますね。」

「はい。ではお気をつけて。ご来店有難うございました。」





歌を歌って少し一休みしてから外へと出たオーナーが送り迎えしてくれてお礼を言われた。・・・うん、お客さんの反応はどうだったか気にはなるけど、このあとは風間くんとデートです。なので挨拶をしてホテルを後にします。そしてここで子鷹狩くんともお別れです。「また学校で」と言って別れました。




風間くんは今日の為に仕事を終わらせて1日休みをもぎ取ったらしい。・・・という事でこの後は風間くんとデートです。


さぁ、何処へ行くんでしょうか。


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