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高年期[二学期・後編]

☆閑話休題…甘えて補充

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~こちらは風間和彦の視点です。~



前回の続きになります。後半は風間がリセット後の記憶について苦悩します。





*************





ゆっくりと意識が浮上していく感覚がする。・・・ん?なんか気持ちいい。あ、頭撫でられてる感じがする。ふふ、薫風かな。





こんなに夜ゆっくり過ごすの久しぶりだなぁ。特に最近は辛かった。やってもやっても処理しきれず睡眠削って書類とずっと睨めっこをしていた。足利と五十嵐がいなければ空腹と疲労で倒れていたかもしれない。






体育祭が開催される少し前に使えない親から連絡があった。体育祭に理事長として表に出るつもりだったようだが、切羽詰まってた状態だったせいで今この現状を事細かく書いて返事をしてしまった。




・・・失敗した。何も言わず引き継いでおけば1ヶ月持たないうちに根を上げて私に快く領土譲ってくれてたかもしれなかったものの・・・情けない、そこまで頭が回らなかった。失態だ。





「目~が覚~めればいつ~も~・・・変~わ~らない~景~色の~中にいて~・・・」





未だに私の頭を撫でながら歌?を歌い始めた。まだ私が眠ってると思ってるのか小声だ。




「わたしは強く迷~わず、あな~たを~愛し~続け~るよ~・・・どん~なと~きも~・・・そば~にい~るよ~・・・」




心地の良い歌声だ。・・・そう言えば薫風は今までこんなに長く接した事があったか・・・?




・・・




私の記憶の中では抱いた記憶はあるが、こうして薫風と一緒に寝たのは・・・初めて?いやでも・・・




「・・・あ、すみません。起こしましたか?」

「・・・」




頭がモヤモヤと霧がかった記憶を辿ってると、どうやら眉間に皺を寄せてしまい私が目が覚めてるのが知れてしまった。・・・ん~気づかれてしまった以上、寝たフリするのも微妙だな。





「いつ起きたんだい?」

「少し前ですよ。二度寝しようとも思ったのですが寝付けなかったので・・・」

「ふ~ん・・・そうか、まだ薫風は余裕があるんだね?」

「っ!?え、あ、いや・・・もう十分睡眠を取ったので寝付けないというだけでっ・・・か、身体は疲れてますっ!」

「ふふ・・・私の髪は好きかい?」

「あ・・・」




目が覚めたのにも関わらず薫風の手は私の頭を撫でたままだった。指摘したら手を引かれてしまった。まぁいいか。それより・・・よいしょっと。




ギシッ・・・




「ひっ!」

「薫風・・・まだ余裕そうだね?もう一回私の相手をしてもらえないかな。」

「き、拒否権は・・・」

「ん?・・・ないね。」

「ンンッ!」




上半身を起こしている薫風に私も身体を起こし押し倒すよう覆い被さり反論される前に口を塞ぐ。舌を中に忍ばせ薫風の口の中を堪能する。





「んぅ、ん・・・ふぁ」

「薫風はキスが好きなようだね。好きなだけしてあげるよ。」

「や、苦し・・・ふ、んんっ!」




薫風は甘くて柔らかくて良い匂いがする。うむ、私も薫風ならずっと口付けしてても問題ないな。





_______





まだ中は柔らかく、滑潤液を付け足して一気に奥まで貫く。はぁ、この締め付け・・・たまらん。




・・・





「あぅ!あっ、あっ、んああ!」

「はっ・・・薫風、薫風・・・」

「あ、和彦さん・・・ああっ!」




薫風の締め付けに堪えきれず中に出す。・・・はぁ、なんなんだろうな、この気持ちよさは。これまで私は淡白だと思ってたのに薫風と出会ってからは考え直さなければならない。まだまだ自分自身を把握しきれてないようだな。





「はっ・・・はっ、あぅぅ」

「まだだよ薫風。まだ足りない・・・」

「ま、まだ・・・?」

「このまま止めてしまったら薫風、落ちてしまいそうだからね・・・このままヤるよ。」

「ぅ、ぁああー!」




もう体に力が入らないようだが構わず腰を打ち付ける。可哀想、と少しは思うが如何せん・・・私のモノが未だに収まる気配がない。本当にこれは私の一部なのか?




・・・





くったりしている薫風を抱き抱え風呂場へと行く。足利に悪いが寝室の後始末は任せておく。






紫色の湯船に薫風を溺れさせないよう抱き抱え入浴する。・・・ラベンダーの薫りが疲労感に染みていく。



「・・・」





何故、私は今、薫風と風呂に入ってるんだ?いつもならヤったらヤりっぱなしにして全て足利に任せていたのに・・・雰囲気か?いつもは我が家でしていたが、今日はマンションだ。



・・・だからなのか?今日は何故か薫風と一時も離れたくない、何でもしてやりたくなる。事後処理なんてしたことがないはず。なのにやり方を熟知してるようにすんなりと済ませる。・・・私はこんな所まで器用な奴だったのか?不愉快も感じず、むしろ薫風の下から自分が出したモノが流れ出てくる姿に満足感を覚える・・・




それに学校が2学期が始まった頃から薫風の雰囲気が変わった。いつも私に媚を売って私に依存していた薫風が・・・急に恋人を解約したいと言い出した。もうその頃から雰囲気が全く変わったようだった。




・・・なんだろう?私は逃げる者を追いかける趣味でもあるのか?いや、今まで自分のモノだった物が勝手に離れるのが気に入らないのか?・・・薫風だからか?他の者ならこんな気持ちにはならないのか・・・?





わからない・・・自分がわからない。何故だ?足利も五十嵐も幼い頃から傍にいて何でも理解できる。・・・だがあの2人は昔から馴染みの様な接し方だ。私だけ・・・






「・・・」





考えても考えても頭が靄がかかってスッキリしない。・・・とりあえず風呂から上がり水分を拭き取り寝室へと行く。





「薫風・・・水分を取れ」

「ん・・・」




口移しで水を飲ませる。これも今まで好き好んでやってなかったが今は長い間相手をさせてしまったからの気遣いなのか進んで水分を取らせたことはない。いつも薫風にせがまれて一晩に一度だけやって終わる。こんなにも何度もしたことはない。




頭を軽く上げ飲みやすいようにしてから口移しをする。薫風は素直に目を閉じたまま水を飲み込む。・・・ああ、何故かこの行為ですら満足感を覚える。満たされる・・・何故か安心する。癒される。今、薫風は、私の中にいる。その実感だけで安らぐ。





「疲れただろう。眠りなさい。」

「ん・・・」




薫風は軽く返事をして小さく吐息を吐き本格的に眠りについた。・・・私は薫風を抱き締めて目を閉じる。




恋人破棄してから私はおかしい・・・だが、おかしいと思いながらも今以上に充実した日々を送った事がないと思える程、今は充実している。




目が覚めると薫風が傍にいる。それだけで安心できる。私は薫風に恋をしているようだ。いなくなって気付くなんて情けないが・・・今度は薫風から断られないよう精神を強くしなければならないな。





人の体温は眠気を誘うと誰かに聞いたような気がするが・・・まさに今体験しているようだ。瞼が重くなり目を閉じる。



ああ・・・薫風からとても良い匂いがする・・・また歌を歌ってほしいな・・・



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