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高年期[一学期編]
またもや追いかけっこ。そして久々の・・・
しおりを挟む明けましておめでとうございます!
できるだけ毎日更新していきますので、これからも宜しくお願いします!
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それから二階堂くんの求愛がエスカレートしてきた。いつも花塚さんに伝言をして僕に伝わり生徒会へ来るよう言われる。・・・そしてそれを無視すると次の日の朝、直接教室へ来るのだ。
二階堂くんだけならまだしも、あのメインキャラ3人で仲良く僕のクラスにくるのだ。
目立つわ目立つわ・・・最悪です。
それからというもの、いつも朝は遅刻ギリギリに登校するようにした。
先生も僕の味方をしてくれるようで多少の遅刻を見逃してくれた。
「まぁ・・・頑張れ。先生でも出きることと出来ない事があるから・・・すまんな。」
うん、いいよ先生。むしろ遅刻を帳消ししてくれて、授業始まる頃にちゃんとあの3人たちを追い払ってくれるだけでも有難いよ・・・
何かあったら二階堂くんより上の立場である僕の家が助けるからね!だから先生・・・やめないでね?
流依兄さんも事情を知ってるから僕と一緒に登下校してくれるよ。・・・甘やかしすぎじゃない?いや、有難いけどね。
そして僕の安全地帯は花園。良い匂いに癒される。そして鳥羽先輩、五十嵐先輩、そして庭師さんとは凄く仲良くなった。たまに風間先輩も混ざってくるが今の所、抱きついてくる以外何もしてこないからほっといている。それは周りの人たちも承認している。うん、ほったらかされている。
でもある日ついに二階堂くんがキレて追いかけっこが始まってしまった・・・
「薫風・・・いい加減にしろ・・・こっちへ来い。」
「いや・・・無理です!・・・って近付かないでくださいって!」
「逃げるな。無理矢理奪いたくなる」
「うわっ!?目が怖いですよ二階堂先輩っ!!!」
ただ今昼休み。何故か兄さんが迎えにくる前に二階堂くんに捕まり・・・そうになり逃げた所、追いかけられ、何故か追いかけっこが始まった。
足には自信あった。背も伸び体力もつけ体術も小さい頃からずっと続けて今では細マッチョになりましたよ!鏡見て自画自賛しましたよ~!
「ちっ、足だけは早いな。だが私も早い自信がある!絶対捕まえる・・・」
「ひぇ!?こ、怖いですよ二階堂先輩!!!ちょっと・・・マジで近寄らないでくださいって!」
「薫風!諦めて俺の物になれ!」
待て待て「私」から「俺」になってるよ!本気出さないで?怖いぃ~!!
・・・
あっ丁度いいところに踏み台に出来そうな岩と飛び越えられそうな壁ハッケーン!
とりあえず角曲がりながら撒いて・・・
岩に足かけてジャーンプ!
壁登って・・・塀を乗り越え・・・
あっヤバい・・・以外と高さがあった・・・
うん、でも飛び越えて引き返す事不可能・・・
これ、ケガじゃ済まされない高さだよね・・・打ち所悪けりゃ死・・・えっ嫌だ!
イヤァァァ!!!!!
目を閉じ痛みに耐える覚悟して降下する・・・
でも未だに痛みはこない・・・あれ?なぜ?
ゆっくり片目を開けると・・・
「なんや上から落ちてきたと思たら・・・いつかの可愛子ちゃんやないか・・・」
・・・この関西弁・・・どこかで聞いた事が?
「ずいぶん久しぶりやね。あの時はよう俺から逃げてくれたね?確か・・・薫風ちゃんやな。麻生川の大事な子やったねぇ・・・」
「・・・あの時のヤンキー?」
「ははは!そやな!あの時はヤンキーやったわ。今はこの学校の警備員や。よろしゅうな。」
あー確かに蛭間は警備員だったね。・・・しかし何故こんな所に?
「とまぁ、何故上から降ってきたん?ここかなり高いから俺いなかったらどこか骨折してたかもしれんよ?」
「えっあ・・・す、すみません助かりました!あの、降ろしてもらってもいいですか?」
「ん?ああええよ?」
塀から落ちたあと、運良く蛭間が下にいたらしくキャッチしてくれたらしい。
そして今はお姫様抱っこされている。これは助けてもらったといえ恥ずかしい・・・
そして降ろしてくれるよう腰を下ろしてくれたので僕は蛭間の首に腕を巻き付け体重をかけた。・・・すると
「なんや抱きついてくるなんて大胆やな。このまま離したくのぅなってくるわ。」
「えっいや違っ・・・」
「まぁ仕方ない、正門までこのまま連れてったるわ。有り難く思い!」
「えっあの・・・」
「なに、遠慮せんでもええよ!俺は警備員や。生徒を守るのも仕事や。」
あーこいつも話聞かない部類の奴だ。
でも今帰られると二階堂くんに見つかる可能性が・・・
「あ、あの蛭間、さん?」
「おぉ!!俺の名前覚えてたんか!いや感激やわぁ~!」
「あの、今追われてる身で!だから今帰されると困るんです!」
「そなん?・・・ん~そやなぁ・・・よし、俺の秘密の場所に案内したるわ!」
えーそんな所学校にあるの?・・・もしかしてサボり場所か?流石ヤンキー・・・そういう所よく見つけるよねぇ・・・
そして正門の方と逆の方へ歩き出し、さっきキャッチしてもらった所まできて素通りしてさらに歩く・・・
すると壁のある一部に凹みがある。
「ここはな、俺が見つけた場所でな、ここをこうやって・・・ほらな!中に入れるようになるねん。」
凹みに指を入れ中で何か操作して指を抜くと、どういう仕組みかガコンと音がして穴が空いた。人一人が入れる程の大きな穴に、僕を下ろして中に入り匍匐前進して進み始めた。僕はその後を付いていった。
すると出てきた所はバラ園だった。すると近くに庭師がいた。
「薫風ちゃん大丈夫かいな?」
「・・・ええ。それよりここは・・・バラ園?」
「何で蛭間と八乙女くんがここから出てくるんだ?」
「やぁ鬼龍院さん。なんかな、薫風ちゃん誰かに追われてるんやと。だから匿うために連れてきた」
「ああ・・・なら仕方ない。・・・八乙女くん、昼休み終わるまでここにいるといいよ。」
・・・あれ?いつも弱々しい庭師はどこえやら?
「おやぁ?薫風ちゃん知らんかったのか?鬼龍院という庭師は元ヤンや!俺の憧れの先輩なんやで。」
「!お前・・・なにも八乙女くんに言わなくても・・・まぁいいがな。八乙女くん、すまないね、これが素なんだ。庭師の時はやはり愛想良くしないといけないからな。ここにはコイツと俺だけの場所なんだ。バラ園に隠れて作った俺の憩いの場だ。」
「えっ!?あ・・・すみません僕なんかが来てしまって・・・」
「八乙女くんなら構わない。君なら軽々しく場所を言いふらしたりしないだろ?俺の事も。」
「・・・そうですね。特に聞かれる事はないと思いますし。」
「なら問題ない。」
・・・驚いた。庭師、改め鬼龍院さんは無口クールだった。僕が知ってる庭師さんは優しそうで少しオロオロする所もあるが花を丁寧に扱ってる姿を知ってるから結構好きだったんだけどなぁ。
・・・元ヤンか。確かに無表情だとイカツイかも。
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