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高年期[一学期編]

閑話休題…残る1人に鉄槌を。

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~こちらも流依視点です。~

少し長めです。薫風くんが体調を崩して休んだ日の学校での出来事です。



_____________




薫風に学校を休めと伝え僕は学校へ行く。



自分のクラス3ーBへ行く。すると鳥羽くんが話しかけてきた。


「おはよう八乙女くん。弟さんは大丈夫だったかい?」

「おはよう鳥羽くん。朝様子みに行ったらまだ体調が優れないみたいで休ませたよ。」

「そっか・・・そんなに辛い思いをしたんだね。」




この鳥羽くんはよく薫風と花園で話をしているのを目にしている。弟を構うような態度だったので特に警戒しない。むしろ薫風を構ってくれて有難い。庭師も同様、薫風に優しいので放課後は2人に任せている。




昨日、ちょうど鳥羽くんも保健室に用があったらしく、薫風を担いで出ていく時にバッタリ出会したのだ。

軽く事情を話しすぐに別れた。・・・鳥羽くんなりに心配してくれたのだろう。




「今度、庭師さんに頼んで見舞い用に花束を作ってもらうよ。」

「有難う。凄く喜ぶと思うよ。薫風、凄く花好きだからね。将来庭師になるんじゃないかな。」

「あーそっか、八乙女家は流依くんが継ぐ形なんだよね。」




そう、僕は長男だからそのつもりだ。だから薫風は高校卒業したら好きに生きて欲しい。


鳥羽くんと少し話して席に着き授業を受ける。


あっ忘れてた。紫音さんに薫風が休みの間のノート頼まなきゃならなかった・・・






次の休みに急いで1ーAに行く。すると紫音さんが直ぐに僕を見つけ駆け寄ってきた。



「ごきげんよう流依様!あの、薫風さんは・・・?」

「おはよう紫音さん。薫風は体調が悪くて今日はお休みだよ。それでね、紫音さんに薫風の分も授業のノートを録ってもらえないかなと思って来たんだけど。」

「もちろん構いませんわ!丁寧に書かせてもらいます!」

「うん、お願いね。帰りは僕と一緒に帰るかい?」

「!い、いえ・・・一旦家に帰って身支度して向かいますわ。」

「そう?・・・うん、女性は大変だね。姉や妹を見てていつも思うよ。・・・じゃあ宜しくね。」

「はい!わかりましたわ。」
















ゾワッ








「っ!?(何だ?何か気持ち悪い視線を感じだが・・・?)」

「どうか致しましたか流依様? 」

「・・・ここのクラスに、何か嫌な感情を持ってる奴がいるな・・・」

「・・・えっ!?」




辺りを見回したが背筋が凍るような気持ち悪い視線は消えていた。



「・・・紫音さん、くれぐれも薫風が学校にいる間、側にいてあげて・・・嫌な感じがこのクラスから感じるから・・・」

「・・・わかりましたわ。」





そう言って1ーAを後にする。



・・・そしてもう1つ、やり残した事がある。

まぁそれは昼休みにでも向かおうか・・・











そして昼休み。



おやおや、僕の標的人物からわざわざお越しくださいましたよ。





「こんにちは八乙女くん。・・・ちょっと話があんだけど。生徒会室へきてくれないか。」

「・・・やあ二階堂くん。うん、僕も話したい事があるんだ。わかったよ。行くよ。」





そう言って2人で生徒会室へ行く。


中には副会長の子鷹狩、会計の天野、書記で薫風と同じクラスの花塚さんの3人が中にいた。





「・・・花塚、お前は教室へ戻ってろと言ったはずだが?」

「いえ・・・なにかただならぬ感じがしたので、私もここに残ります。」

「・・・ちっ。政美。」

「はぁー~~・・・仕方ないなぁ。花塚さん、ちょっと僕に付いてきて。」

「えっ!?・・・あ、あの、ちょっと天野先輩!?」




無理矢理嫌がる花塚の腕を引っ張って生徒会室から出ていった。



そして二階堂は短めに溜め息を吐き僕に振り向いた。




「流依、お前の言いたい事は昨日の事だな?」

「・・・そうだよ。単刀直入に言うよ。もう薫風を諦めなよ。薫風を狙ってる人は沢山いるんだ。いくらなんでも追いかけ回すのはよくないと思うよ?」

「・・・それは、すまなかった。」





ほう、一応反省は・・・




「だが、薫風を諦めるのは無理だ。」






・・・反省は?イライラするなぁ・・・





「薫風はね、昨日襲われたの。先生に、ね。」

「・・・は?誰にだよ?」

「・・・俺も初耳だ。」




ん?珍しく子鷹狩が口を開いたな。あぁ・・・こいつも薫風にゾッコンだったな。あー薫風は何故こんなにも人に好かれるんだ!!!




「言っても良いが、聞いてもその人物に殴りかかるなよ?」

「・・・何故だ?私の愛おしい薫風が襲われたんだろ?1発殴りてぇ・・・」

「・・・はぁ、君たちさぁ、僕が言わなきゃ気付かなかった事実だよ?それを知ってるのは僕と本人と先生しか知らないわけ。それを知って二階堂たちが襲いかかったら僕に火の粉が降りかかってくるわけ。わかる?・・・それにもう僕がフルボコにしたし、先生は謝ると言ってるから、それで謝罪を受けとるかは薫風次第だよ。」

「お前・・・そいつが誰か知ってて言わねぇのかよ・・・」

「・・・新、口が悪い・・・」

「そうだね。元平民であっても今は伯爵だろ?少しは自覚持ちなよ。それに未だに処女は守られてるからね。」

「・・・じゃあ何されたんだよ。」

「前触れ?・・・ていうかね、その襲われた原因は君にあるんだよ二階堂。それを言いにわざわざ生徒会室へ赴いたの。もう薫風に近付くなと言いに、ね。」

「チッ・・・何故俺が原因なんだよ。」

「君が薫風を追いかけた。必死で逃げて汗をかいた薫風はブラウスを脱ぎジャージで授業を受けた。その汗で濡れたブラウスは保健室で乾かしてもらったらしい。・・・そして保健室に行きブラウスを取りに行った所で襲われたの。」

「・・・だから何故俺がーーー」

「君が薫風を追いかけ回さなければ薫風は汗をかいて保健室に行かずに済み襲われる事はなかったんだよ。・・・よく聞いてよ。」

「・・・それ、自分勝手に捉えてるだけじゃねぇか・・・それに薫風が悪い。私の誘いを断るから・・・」

「はぁ・・・一発殴っていい?」

「はっ?・・・っぐ!・・・お前、返事を待つ前にやってんじゃねぇかよ・・・」




返事を待つ時間も惜しい・・・鳩尾に一発入れたが反射的に腹に力を入れたらしく、あまりダメージを与えられなかった・・・



「・・・もうこれに懲りたら薫風を追いかけ回すのは辞めろよ。言っとくけど、僕より恐ろしい奴が薫風に溺愛してるからな。」

「・・・お前より恐ろしい奴?」

「!・・・あぁ・・・お出ましだよ?」





そう言ってドアの向こうを指差す。するとノックが2回鳴らされ許可される前にドアが開く。するとそこにいたのは・・・





「風間・・・理事長・・・」

「やあ生徒会諸君。精が出るね。」



風間先輩を見て2人が驚き固まった。子鷹狩は今まで座ってた椅子をひっくり返し立ち上がって固まってた。



「流依くん、今日は薫風がいないようだけど・・・どうしたの?」

「・・・体調を崩して今日は家で養生中です。」

「ふむ・・・そっか。・・・じゃあ・・・お見舞いに行かなきゃね。生徒会長たちは行くのかい?・・・行かないよね?」



「行かないよね?」って・・・圧力かけてるよね?あー怖い・・・この人は小学校の頃から苦手なんだよね・・・しかも薫風が学校に入ると同時に理事長に就任・・・・・・・・・・・・・・・・・・するなんてねぇ・・・偶然にしちゃあ出来すぎだよね。


まぁ牽制程度になったかな。タイミング良く現れたな・・・もしかして監視カメラから見てたか?



ジッと風間先輩を睨み付けてたらニコッと笑い返された・・・あぁ確信犯ですか。




それから生徒会3人はお見舞いに来れず凹んでいた。僕は二階堂に一発殴ったから気が済んだし。これで良しだな。




しかし次の日に風間先輩に拐われて僕はイライラして二階堂に八つ当たりしたのは言うまでもなく・・・




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