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高年期[一学期編]
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~こちらは鳥羽愛翔目線です~
________
音楽祭が終了し、代休を挟み学校へ・・・
ん?珍しく花園に八乙女さんがいる。
・・・前世の記憶が蘇ってから、愛おしいと思ってた気持ちが更に強くなり八乙女さんを見た瞬間、顔が綻んでしまった・・・
・・・単純だなぁ自分。まだ八乙女さんが花彫だとは確定してないのに、ね・・・
「おはよう八乙女さん。今日は随分早いね。」
「あ、鳥羽先輩!おはようございます!」
あ~笑うと、やっぱり面影がある・・・花彫はとても可愛らしい女の子だったが、八乙女さんは弟的ポジションの可愛らしい男の子だ。
いつも俺の姿を見ると屈託のない笑顔で近寄ってくる。・・・やっぱ可愛いな。
「昨日まで風間理事長に捕まってまして・・・」
「風間理事長?ああ、小学生の時に知り合った先輩?だったっけ。・・・ふふ、八乙女さんモテるんだね。」
「からかわないで下さい!こっちは本当に迷惑に思ってるんですから・・・」
う~ん、やっぱり風間理事長は八乙女さん狙いか?・・・まぁ話からして八乙女さんを大切にしている事がわかるから大丈夫かな?
それからいつもの日常が終わり、放課後になり庭師さんと他愛ない話をしながら色とりどりの花を眺めていた。
・・・すると
「・・・鳥羽、愛翔・・・だな。」
「え・・・」
呼ばれた方へ振り向くと・・・銀髪で後に髪を縛ってる、顔の整ってる長身の男性が立っていた。
・・・確か、五十嵐銀徹。風間理事長の秘書的存在の人が一体何の用だろう?
「・・・少し話したい事がある。着いてきてほしい。」
「あ、はい・・・わかりました。」
・・・音楽祭が終わる頃に一瞬目が合った。
ふと・・・憖哲兄さんの事を思い出した。見た目などは似ても似つかないが・・・雰囲気?花彫同様、直感が働いた・・・。理由はわからない。なんとなく。
それから八乙女さん同様、気になる人でもあったが・・・滅多に会うことのない人だったから半ば確認するのを諦めかけてたが、予想外な事に相手から俺に近付いてきてくれた。
・・・もしや?
「・・・鳥羽愛翔・・・『八王子、花彫』という人物に心当たりはないか」
「!」
ビンゴ。・・・その名前を聞いた瞬間、胸が踊った。熱があるんじゃないかと思う程頭に血が上ってるような・・・フワフワしてる心地に陥った。
「・・・知っています。・・・八王子・・・花彫は・・・おれの、いもうとです・・・」
「っ!!」
目頭が熱くなるのを感じ、声が震えてしまった・・・
涙を流さないよう俯きながら必死に堪えたが・・・次の五十嵐秘書の一言で溢れ返ってしまった。
「あい、と・・・なのか?・・・おれは・・・八王子、ぎん、てつ、だ・・・。お前はよく感情を隠す時に俯いてたな・・・はは。そこまで前世の癖は引き継がれるんだな。」
思わず顔を上げて、その瞬間涙が頬を伝うよう流れた。・・・それは自分が八王子憖哲と言った五十嵐秘書も同じく、涙を流しながら泣き笑いしていた。
「そうです・・・俺は前世は・・・八王子藍人です。・・・憖哲兄さん。」
「そうか・・・やはりあの時、目が合った時の直感・・・あれはお前も同じく感じていたんだな。」
「はい。・・・そして、1年にいる八乙女薫風はきっと・・・」
「あぁ・・・」
「「・・・花彫!」」
意見が一致した。やはり八乙女薫風は八王子花彫の生まれ変わりだ。面影があるし・・・なにより前世で家族が好きだった歌をアレンジした曲をクラスで歌った。・・・そしてそれによって蘇った記憶・・・
偶然だが薫風のお陰で思い出すことができ、さらに決定的に薫風も前世の記憶もちだともわかる。
兄だとわかった五十嵐秘書と相談して今度、花園で薫風と会った時に・・・聞いてみようと考えた。
「俺達は歌で記憶が戻った。・・・だから薫風にも歌で俺たちの事を知ってもらいたい。」
「賛成です兄さん。・・・ではよく3人で歌った湘南○風はどうですか?」
「あぁ、あのノリの良いアレか。・・・あの後半のあたりの・・・」
「えぇ・・・ゆったりした所からハモって歌う場面。花彫だったら絶対にハモってくれるでしょう。・・・もし本当に薫風が花彫だった場合は、ですが。」
「ああ、これなら家族にしかわからないからな。・・・早速・・・俺は行動にする。今は風間の秘書をしてるからな。放課後時間が取れるよう仕事を終わらせないとな。」
「ふふ・・・今度こそ、花彫が辛い目に合わないよう守りましょう・・・!」
「・・・そうだな。」
五十嵐改め銀徹さんは俺の一言で神妙な顔をしてしまった・・・
前世の妹の人生は最悪だった。不幸にも程があると言いたい程だ。25という若い年であの世に逝った。・・・やるせない気持ちで一杯になった。守ってやれなかった、と・・・
今度こそ・・・幸せになってもらえるよう力を貸そう。
俺の気持ちに兄さんも同意と意思表示するかのように肩に手を置かれた。・・・兄さんも同じだ。
さぁ・・・俺はタイムリミットがある分、やれる事はしないと、な。
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音楽祭が終了し、代休を挟み学校へ・・・
ん?珍しく花園に八乙女さんがいる。
・・・前世の記憶が蘇ってから、愛おしいと思ってた気持ちが更に強くなり八乙女さんを見た瞬間、顔が綻んでしまった・・・
・・・単純だなぁ自分。まだ八乙女さんが花彫だとは確定してないのに、ね・・・
「おはよう八乙女さん。今日は随分早いね。」
「あ、鳥羽先輩!おはようございます!」
あ~笑うと、やっぱり面影がある・・・花彫はとても可愛らしい女の子だったが、八乙女さんは弟的ポジションの可愛らしい男の子だ。
いつも俺の姿を見ると屈託のない笑顔で近寄ってくる。・・・やっぱ可愛いな。
「昨日まで風間理事長に捕まってまして・・・」
「風間理事長?ああ、小学生の時に知り合った先輩?だったっけ。・・・ふふ、八乙女さんモテるんだね。」
「からかわないで下さい!こっちは本当に迷惑に思ってるんですから・・・」
う~ん、やっぱり風間理事長は八乙女さん狙いか?・・・まぁ話からして八乙女さんを大切にしている事がわかるから大丈夫かな?
それからいつもの日常が終わり、放課後になり庭師さんと他愛ない話をしながら色とりどりの花を眺めていた。
・・・すると
「・・・鳥羽、愛翔・・・だな。」
「え・・・」
呼ばれた方へ振り向くと・・・銀髪で後に髪を縛ってる、顔の整ってる長身の男性が立っていた。
・・・確か、五十嵐銀徹。風間理事長の秘書的存在の人が一体何の用だろう?
「・・・少し話したい事がある。着いてきてほしい。」
「あ、はい・・・わかりました。」
・・・音楽祭が終わる頃に一瞬目が合った。
ふと・・・憖哲兄さんの事を思い出した。見た目などは似ても似つかないが・・・雰囲気?花彫同様、直感が働いた・・・。理由はわからない。なんとなく。
それから八乙女さん同様、気になる人でもあったが・・・滅多に会うことのない人だったから半ば確認するのを諦めかけてたが、予想外な事に相手から俺に近付いてきてくれた。
・・・もしや?
「・・・鳥羽愛翔・・・『八王子、花彫』という人物に心当たりはないか」
「!」
ビンゴ。・・・その名前を聞いた瞬間、胸が踊った。熱があるんじゃないかと思う程頭に血が上ってるような・・・フワフワしてる心地に陥った。
「・・・知っています。・・・八王子・・・花彫は・・・おれの、いもうとです・・・」
「っ!!」
目頭が熱くなるのを感じ、声が震えてしまった・・・
涙を流さないよう俯きながら必死に堪えたが・・・次の五十嵐秘書の一言で溢れ返ってしまった。
「あい、と・・・なのか?・・・おれは・・・八王子、ぎん、てつ、だ・・・。お前はよく感情を隠す時に俯いてたな・・・はは。そこまで前世の癖は引き継がれるんだな。」
思わず顔を上げて、その瞬間涙が頬を伝うよう流れた。・・・それは自分が八王子憖哲と言った五十嵐秘書も同じく、涙を流しながら泣き笑いしていた。
「そうです・・・俺は前世は・・・八王子藍人です。・・・憖哲兄さん。」
「そうか・・・やはりあの時、目が合った時の直感・・・あれはお前も同じく感じていたんだな。」
「はい。・・・そして、1年にいる八乙女薫風はきっと・・・」
「あぁ・・・」
「「・・・花彫!」」
意見が一致した。やはり八乙女薫風は八王子花彫の生まれ変わりだ。面影があるし・・・なにより前世で家族が好きだった歌をアレンジした曲をクラスで歌った。・・・そしてそれによって蘇った記憶・・・
偶然だが薫風のお陰で思い出すことができ、さらに決定的に薫風も前世の記憶もちだともわかる。
兄だとわかった五十嵐秘書と相談して今度、花園で薫風と会った時に・・・聞いてみようと考えた。
「俺達は歌で記憶が戻った。・・・だから薫風にも歌で俺たちの事を知ってもらいたい。」
「賛成です兄さん。・・・ではよく3人で歌った湘南○風はどうですか?」
「あぁ、あのノリの良いアレか。・・・あの後半のあたりの・・・」
「えぇ・・・ゆったりした所からハモって歌う場面。花彫だったら絶対にハモってくれるでしょう。・・・もし本当に薫風が花彫だった場合は、ですが。」
「ああ、これなら家族にしかわからないからな。・・・早速・・・俺は行動にする。今は風間の秘書をしてるからな。放課後時間が取れるよう仕事を終わらせないとな。」
「ふふ・・・今度こそ、花彫が辛い目に合わないよう守りましょう・・・!」
「・・・そうだな。」
五十嵐改め銀徹さんは俺の一言で神妙な顔をしてしまった・・・
前世の妹の人生は最悪だった。不幸にも程があると言いたい程だ。25という若い年であの世に逝った。・・・やるせない気持ちで一杯になった。守ってやれなかった、と・・・
今度こそ・・・幸せになってもらえるよう力を貸そう。
俺の気持ちに兄さんも同意と意思表示するかのように肩に手を置かれた。・・・兄さんも同じだ。
さぁ・・・俺はタイムリミットがある分、やれる事はしないと、な。
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