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高年期[一学期編]
我が家に帰宅・・・そして家族に尋問される
しおりを挟む帰ってくるとまず親に捕まり問い詰められた。
昨日の夕食をとるために行ったホテルからオーナー直々に手紙が来たらしく何十枚とあるお食事券とホテル宿泊券を送ってきたらしい。・・・そして是非次回もステージに上がって欲しいとの事が書かれていたらしい。
あそこ、子鷹狩侯爵家の領土だよね?ちゃんと領主に断ったの?・・・あ、心配ないんだ。僕たちがもしお世話になる時に子鷹狩家もご一緒するらしい。
親は子鷹狩家との交流はあまり無く顔を合わせた事がある程度らしく、何故急にこんな親しくしてもらってるのか疑問でならないらしい。
学校のイベントの関係で昨日子鷹狩くん家にお世話になって夕食にそのホテルでおちゃらけたと素直に出来事を話した。
それに対して両親は安堵した顔を浮かべていた。・・・ん?
なんでも粗相したのかと心配していたらしい。ホテルから券をもらってどうしたらいいか戸惑ってたところへ僕が帰って来て事情が知りたかったらしい。まぁ、無料券送る時点で粗相より感謝の気持ちがとれるんだから大丈夫だろう。
余談だが、僕が歌って帰った後、空き部屋はないかと宿泊の予約が殺到して、お祭りでもない普通の日に満室御礼になったらしい。更に近くのビジホにも予約が殺到したらしい。周りにも恩恵がいったらしい。・・・ふーん。福山さんの歌はそれだけインパクトがあったんだね。どうぞ勝手に愛を育んで下さいませ。
そして親から解放された後、今度は流依兄さんに捕まる。流依兄さんの部屋へと連れて行かれソファーに座らされた。・・・なーんか黒いオーラを感じるんですが?まさか、怒ってらっしゃる?
「薫風・・・昨日は何かされなかった?」
「・・・え、あの・・・うーん・・・」
「薫風?」
「朝、朝食とって・・・歌をうたって・・・温室を眺めて・・・昼食とって・・・コンサート見て・・・夕食とって・・・終わり?」
「・・・それだけ?」
「う、うん・・・」
うん、嘘は言ってない。朝食は子鷹狩くんに食べさせたとか、夕食にお酒飲んで夜何かされたらしいが記憶にないんだから嘘は言ってない!
「はぁ・・・まさか薫風があの行事で捕まるとはね・・・」
「・・・僕の不注意かな。二階堂先輩に捕まって匿ってやると言われ安心仕切ってた所に後ろから・・・ガチャンって・・・そう、ガチャンって」
「・・・そうか。油断させられて捕まってしまったんだね。」
「・・・うぅ」
そうなんだよぉ~子鷹狩くんが後ろに立って腕を後ろに引っ張られて冷たい手錠をかけられたんだよ?・・・もう情けないどころの話じゃないんだよ!
うん、僕の心情を察知してくれたのか抱き締めて頭を撫でられました。・・・これ以上責められたら僕、泣き出しそうになってたよ兄さん。
それから僕が気になってた陽南さんと克典の話を聞いた。なんでも陽南さんは3年の生徒会でお世話になってる女性にわざと捕まったらしい。・・・計画性ですね。まぁ男性に捕まったら大事な物を失いそうだしね。女性は特に。
ゲームでのヒロインは最終的にハッピーエンドを迎えた攻略者と結婚する・・・はず?だったような。まぁ幸せになるはずだから、そこんところは大丈夫だったんだろうが今現在は状況が違うからねぇ。
貴族はやっかいで純潔での結婚が好まれるから傷物にされると貰い手がいなくなり最後には修道院、または妓楼のような春を売る店で働く事になってしまう。
・・・それでいて一妻多夫。矛盾だらけ。なんなんだこの世界は。
話がずれた。というわけで陽南さんは無事?らしい。で、克典の方は・・・なんか克典の親衛隊のかなり弱々しい男の子が手錠をかけたらしい。同じ1年らしくアンラッキー男らしい?
なんでも?克典を守ろうと近付いたら何もない所に躓き、その勢いで自分の持ってた手錠が見事に克典の手首にガチャン!とかかってしまったらしい。・・・彼からしたらアンラッキーじゃなく普通にラッキーなんじゃ?だって親衛隊にいるって事は克典が好きなんじゃないの?まぁ克典は不運だったかもしれないけど・・・
とまぁそれは明日学校で聞こうではないか。僕は残念ながら夜の記憶はないので覚えてる範囲て話すけどね。・・・身体がだるく朝は腰砕けたのは言わなくてもいい事だよね?
・・・あ、重要な事思い出した。・・・あの子鷹狩くんの執事さんの言葉。あれ本当なのかな?だとすれば僕、この家出て子鷹狩家に嫁がなきゃ・・・?
ど、どーしよ?これは、とりあえず兄さんに相談・・・あ、でも兄さんに相談するには情報が不十分・・・確かに腰砕けにはなったが本当に行為をしたのかも証拠も何もないからなぁ~・・・
・・・
この話しはしない方がいいな。うん。でもどうすれば?これも明日ハッキリ聞きに行かなきゃならないかな・・・あんま会いたくないんだけどなぁ~・・・
あ、そういえば猫屋敷先輩にお礼をしないとね。あとクラスの子たちも。僕の為に一致団結してくれたのは素直に嬉しかったしね~!
「兄さん、あの行事の時、僕の為にクラスの皆が助けてくれたんだ。で、お礼がしたいんだけと何が良いかな?」
「ん?・・・前と同じくクッキーでも作ってあげたら?」
「・・・それで、大丈夫かな?令嬢が僕が手作りしたクッキー食べてくれる?」
「大丈夫だよ。前に薫風の親衛隊の人達にも渡して受け取らなかった人はいなかっただろう?親衛隊の中にも令嬢は何人もいるだろう?」
「・・・そうだね。うん、じゃあ明日は早起きして作って渡すね。兄さんもいる?」
「あぁ。休憩時に食べられるし僕も欲しいな。」
「わかった!じゃあ作るね!」
とにかく子鷹狩くんの事は後回しだな。明日はクッキー作って持っていこう。・・・みんな受け取ってくれると嬉しいんだけどな・・・ちょっと不安だな。
「不安がらなくても絶対、確実に受けとるよ。なんせ、貴重な薫風の手作りクッキーなんだから・・・」
「・・・ん?」
なんか流依兄さんが呟いたような?聞こえなかったけど気にする必要と言わんばかりに笑顔を向けられ首を左右に振られた。・・・なんて言ったんだろう?
ま、いっか。
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