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第1章 いざ異世界へ
1ー5 大根ならぬダインを発見!
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「ちょっと待ってくたさいクロウさん?」
「なんでしょうか。」
四葉は目を閉じ自分の眉間に人差し指をあてる。何故こうなったのかと悩む。クロウの方は耳がピンッと立っており尻尾ブンブン左右に揺らしていた。
「話が突拍子すぎませんか?まず何故そんな重たい事を言うのですか?」
「重たい事とは?」
「一生貴女に命を捧げますとか。重いです。」
「いいえ、俺、いや私はヨツバ様に命を助けて頂きましたのでーーー」
「はいちょっと待って下さい!」
「はい!」
どう説明、いやこの忠犬らしきクロウさんにどう説得しましょうか・・・
「え~・・・私は感謝の気持ちは受け取ります。ですが命を捧げられても困ります。そもそも命を捧げてもらいたくて助けたわけでもありません。忠誠を誓ってほしいとも思いません。なので感謝の気持ちだけで結構です。どうしてもと言うのであればこの村の復興に命をかけて手伝ってください。」
「はい了解しました!」
本当にわかってるのかしらね。てか急に立ち上がり村の方へ行こうとしてるのですが・・・
「ちょっと待ってください。明日にしましょうね。もう皆さんお疲れですからね。」
「私は大丈夫です!」
「ダメです。」
「はっはい・・・」
あっ耳がしょげた・・・(笑)
なんとも忠犬を想像してしまうのですが。
『話はついたのか。もうそろそろ休みたいのだが?』
「あぁそうですね。私たちもテントへ行きましょう。」
四葉とクロウのやりとりをずっと待っていた村人たちは疲れた顔をしていた。傷は癒えても精神的な面は疲労が溜まってるはず。更に2人の痴話喧嘩?に付き合わされ尚疲れただろう。
今更ながら助かった村人2人はどちらも女性で2人とも20代の若い女性だった。
では寝ましょうと言った瞬間、何故か応龍は身体が小さく(出会った頃の大きさ)なり四葉の首に巻き付いてきた。何故と聞いたら居心地がいいからと言われた。私は抱き枕ではないのだけれどと突っ込みたくなった。
とりあえずテントは男性はクロウ1人なのでテント1つ使わせ、アヤン含む女性4人は新しくバックから大きめのテントを取りだし中へ入らせ一人ずつ毛布にくるまって就寝した。
四葉は応龍の寝相の悪さに何度も起こされる羽目になった事は言うまでもなく・・・(チーン)
翌朝
誰よりも早く起きたのは四葉だった。
パチッと目を開き、始めは昨日の事は夢じゃないかと期待して目を開けたが、第一に目にしたのは・・・応龍のお腹でした。目隠しされてるのかと思ったが、たまに痙攣したようにピクッピクッと動くので一瞬にして応龍が自分の顔にいるのだなと確信できた。
龍は寝相が悪いのかと思う程の寝返りっぷりに四葉は寝不足気味。
時には尻尾で顔面を叩かれたり、時には腹部に丸まられ重苦しくて起こされたり、時には腕を噛まれたり・・・散々な目に合いました。
そして身体を起こし立ち上がる頃には定位置である首回りに巻き付かれる始末・・・もうぶん投げてやりたい気持ちで一杯になりました。
嫌な目覚めをしながらテントから外に出ると丁度日が登り始めていた。時間からして朝5時って所かな。
まず辺りを見回す。すると小さな池を見つけた。
浅く水が透き通っていたので、まずは少し水を口に含む。変な味もせず普通の水と判断し、まず喉の乾きを潤し、池の水で顔を洗った。
改めて回りを見渡す。辺り一面草原で何ヵ所か畑が作られていた。大木が所々にあり、中には小さな木の実が成っていた。
このラーヤの村は自給自足で村人たち全員で支えあって生活していたのがよくわかる。
不幸中の幸いな事に畑の方は無傷のようで、村の建物を立て直せば何とか生活できるだろう。
とりあえず朝食を準備しましょうか。
まず畑の様子を見る。どれも葉っぱだけが植えられていた。土を掘り起こせば何かでてくるかもしれないが、実際何が植えられてるのか検討がつかない。
するとそこへ小さな女の子が四葉のカーディガンの端を引っ張ってきた。
助けた子供の中では特に大きかった子で人族で年齢は10歳くらいの大きさだった。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「・・・おはよ」
四葉は女の子に向き直し目線を合わせてしゃがむ。女の子は小声だったが挨拶をしたら返してくれた。
「もっとゆっくり寝てて大丈夫ですよ?」
女の子は首を左右に振る。もう目が覚めてしまったのだろう。
女の子は未だにカーディガンの端を掴んだまま四葉の顔を覗いていた。
「お名前聞いても良いですか。」
「・・・サナサ」
「サナサちゃんね。私はヨツバです。」
自己紹介をするとサナサはニコッと軽く微笑んだ。あまり自己主張しない控え目の子みたいだ。
「これから朝食を作ろうと思うんですが、サナサちゃんはいつも何を食べてますか?」
「木の実」
サナサは木の実が成ってる木を指差した。
「そうですか・・・あっ、ここに成っているのは何ですか?」
「・・・ダイン。白くて、からい。そのままじゃ食べれない。」
「ダイン?ん~想像できない・・・サナサちゃん、一つ畑から採っても良いですか。」
「今、しゅうかくどき。大丈夫。」
「有難うございます。一つ頂きます。」
よく観察すると葉っぱの形からして何となく想像できた。葉っぱを掴み引っこ抜くと、白い野菜、つまり大根だった。確かに生で食べると辛いね。
「うん。大根ね。」
「・・・だいこん?」
「私の住んでる所では、これは大根と言うのです。少し味見をさせてもらいますね。」
「・・・からいよ」
サナサは眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をした。
四葉は池の方へ行きダインを水で洗い流す。そして皮を剥かず丸かじりする。
・・・やっぱり大根と同じ味がした。でもこれがあれば何種類か料理ができる。
**************************
明らか題名と内容が噛み合ってなかったので、題名を変えました。本格的に復興の話になったら前に使ってた題名を付けたいと思います。
「なんでしょうか。」
四葉は目を閉じ自分の眉間に人差し指をあてる。何故こうなったのかと悩む。クロウの方は耳がピンッと立っており尻尾ブンブン左右に揺らしていた。
「話が突拍子すぎませんか?まず何故そんな重たい事を言うのですか?」
「重たい事とは?」
「一生貴女に命を捧げますとか。重いです。」
「いいえ、俺、いや私はヨツバ様に命を助けて頂きましたのでーーー」
「はいちょっと待って下さい!」
「はい!」
どう説明、いやこの忠犬らしきクロウさんにどう説得しましょうか・・・
「え~・・・私は感謝の気持ちは受け取ります。ですが命を捧げられても困ります。そもそも命を捧げてもらいたくて助けたわけでもありません。忠誠を誓ってほしいとも思いません。なので感謝の気持ちだけで結構です。どうしてもと言うのであればこの村の復興に命をかけて手伝ってください。」
「はい了解しました!」
本当にわかってるのかしらね。てか急に立ち上がり村の方へ行こうとしてるのですが・・・
「ちょっと待ってください。明日にしましょうね。もう皆さんお疲れですからね。」
「私は大丈夫です!」
「ダメです。」
「はっはい・・・」
あっ耳がしょげた・・・(笑)
なんとも忠犬を想像してしまうのですが。
『話はついたのか。もうそろそろ休みたいのだが?』
「あぁそうですね。私たちもテントへ行きましょう。」
四葉とクロウのやりとりをずっと待っていた村人たちは疲れた顔をしていた。傷は癒えても精神的な面は疲労が溜まってるはず。更に2人の痴話喧嘩?に付き合わされ尚疲れただろう。
今更ながら助かった村人2人はどちらも女性で2人とも20代の若い女性だった。
では寝ましょうと言った瞬間、何故か応龍は身体が小さく(出会った頃の大きさ)なり四葉の首に巻き付いてきた。何故と聞いたら居心地がいいからと言われた。私は抱き枕ではないのだけれどと突っ込みたくなった。
とりあえずテントは男性はクロウ1人なのでテント1つ使わせ、アヤン含む女性4人は新しくバックから大きめのテントを取りだし中へ入らせ一人ずつ毛布にくるまって就寝した。
四葉は応龍の寝相の悪さに何度も起こされる羽目になった事は言うまでもなく・・・(チーン)
翌朝
誰よりも早く起きたのは四葉だった。
パチッと目を開き、始めは昨日の事は夢じゃないかと期待して目を開けたが、第一に目にしたのは・・・応龍のお腹でした。目隠しされてるのかと思ったが、たまに痙攣したようにピクッピクッと動くので一瞬にして応龍が自分の顔にいるのだなと確信できた。
龍は寝相が悪いのかと思う程の寝返りっぷりに四葉は寝不足気味。
時には尻尾で顔面を叩かれたり、時には腹部に丸まられ重苦しくて起こされたり、時には腕を噛まれたり・・・散々な目に合いました。
そして身体を起こし立ち上がる頃には定位置である首回りに巻き付かれる始末・・・もうぶん投げてやりたい気持ちで一杯になりました。
嫌な目覚めをしながらテントから外に出ると丁度日が登り始めていた。時間からして朝5時って所かな。
まず辺りを見回す。すると小さな池を見つけた。
浅く水が透き通っていたので、まずは少し水を口に含む。変な味もせず普通の水と判断し、まず喉の乾きを潤し、池の水で顔を洗った。
改めて回りを見渡す。辺り一面草原で何ヵ所か畑が作られていた。大木が所々にあり、中には小さな木の実が成っていた。
このラーヤの村は自給自足で村人たち全員で支えあって生活していたのがよくわかる。
不幸中の幸いな事に畑の方は無傷のようで、村の建物を立て直せば何とか生活できるだろう。
とりあえず朝食を準備しましょうか。
まず畑の様子を見る。どれも葉っぱだけが植えられていた。土を掘り起こせば何かでてくるかもしれないが、実際何が植えられてるのか検討がつかない。
するとそこへ小さな女の子が四葉のカーディガンの端を引っ張ってきた。
助けた子供の中では特に大きかった子で人族で年齢は10歳くらいの大きさだった。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「・・・おはよ」
四葉は女の子に向き直し目線を合わせてしゃがむ。女の子は小声だったが挨拶をしたら返してくれた。
「もっとゆっくり寝てて大丈夫ですよ?」
女の子は首を左右に振る。もう目が覚めてしまったのだろう。
女の子は未だにカーディガンの端を掴んだまま四葉の顔を覗いていた。
「お名前聞いても良いですか。」
「・・・サナサ」
「サナサちゃんね。私はヨツバです。」
自己紹介をするとサナサはニコッと軽く微笑んだ。あまり自己主張しない控え目の子みたいだ。
「これから朝食を作ろうと思うんですが、サナサちゃんはいつも何を食べてますか?」
「木の実」
サナサは木の実が成ってる木を指差した。
「そうですか・・・あっ、ここに成っているのは何ですか?」
「・・・ダイン。白くて、からい。そのままじゃ食べれない。」
「ダイン?ん~想像できない・・・サナサちゃん、一つ畑から採っても良いですか。」
「今、しゅうかくどき。大丈夫。」
「有難うございます。一つ頂きます。」
よく観察すると葉っぱの形からして何となく想像できた。葉っぱを掴み引っこ抜くと、白い野菜、つまり大根だった。確かに生で食べると辛いね。
「うん。大根ね。」
「・・・だいこん?」
「私の住んでる所では、これは大根と言うのです。少し味見をさせてもらいますね。」
「・・・からいよ」
サナサは眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をした。
四葉は池の方へ行きダインを水で洗い流す。そして皮を剥かず丸かじりする。
・・・やっぱり大根と同じ味がした。でもこれがあれば何種類か料理ができる。
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明らか題名と内容が噛み合ってなかったので、題名を変えました。本格的に復興の話になったら前に使ってた題名を付けたいと思います。
応援ありがとうございます!
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