16 / 55
第1章 いざ異世界へ
1ー13 ラーヤ村復興のお手伝い⑤
しおりを挟む
復興作業3日目の朝
「おはようございます。朝は軽めに食べれる卵の粥を作りました。皆さんが揃い次第朝食をとりましょう。」
四葉はウエストバックの能力を使い放題だった。「能力は使ってなんぼです!」と独り言を言って米と塩と卵を取り出しお粥を作った。
いつも朝早く起きてしまうので草原を散歩していると雑草とは違う薬草の様な物を見付け、茹でてみたらホウレン草の様な味がしたのでお粥に投入。
『熱いが、やはりヨツバ殿の作るものは美味であるな。』
「熱いです~でも食が進みます~何杯でも食べれますね~♪」
「応龍さんにリリィさん有難うございます。さぁ、子供たちは舌を火傷しないようふぅふぅして食べてくださいね~。まだ御代わりはありますよ。」
子供たちは「あつい」だの「おいしい」だの口々に感想を言いながら美味しそうに食べていた。
食後にサークボを食べて復興作業を開始する。
「ほっほんとうにのらなければいけませんか?」
「女は度胸です。私が前に乗りますので背中に掴まってください。」
アヤンは応龍に乗る事を躊躇っていた。でもクロウも応龍に乗って大量の木材を運んできたので、乗るのが嫌とか言うことができなかった。
「高い所は苦手ですか?」
「いえ・・・応龍様の背中に乗るのが恐縮すぎて・・・」
『ええい、さっさと乗らぬか。時間が惜しいのだ。ここからアルパーヤの街までかなり距離があるのだから急がねばならぬ。』
「もっ申し訳・・・」
「さっ早く早く!」
アヤンの腕を引っ張り四葉の後に乗らせた。
『では行くぞ』
「はっはひ・・・」
「ふふふふっ。」
そして空へ飛び立ちアルパーヤの街へと向かった。
村の方は全体の6割ほど片付いたので、今日は引き続き村の解体&掃除の組と、畑を耕し新たな種を撒く組と二手に別れた。
「大丈夫ですか?ほら、周りの景色を観てください」
「・・・・・・わぁ!」
村から出て30分程経ち、アヤンはようやく周りの景色を見れる程落ち着き始めていた。
「とても綺麗です。空から見る景色はとても美しいです・・・。」
「アルパーヤの街はどんな街ですか?」
「とても賑わった街でした・・・物作りの街として有名でしたから色々な人が訪れては色々な冒険の話とか聞きました。」
「・・・街でした?」
「アルパーヤの街は今どうなってるかわかりません。成人して騎士団に入ってから帰る暇もありませんでしたから・・・」
「・・・・・・・」
少し重たい空気になりながらも街へと応龍は飛んで行く。
四葉と応龍は嫌な予感を拭いきれなかったが、とにかくいち早くアルパーヤの街に行く事だけを考えるようにした。
「・・・街人が誰もいない!?!?」
「これはどういう事でしょうか?えっと・・・とりあえず『地図』!それから『捜索』展開!」
地図を開き捜索を唱えたが、地図には何も反応がなかった。
「・・・本当に誰もいないみたいです。」
『なんということだ。建物はどこも壊れてないし、血痕も見当たらぬから争い事は起こってないように見えるのに何故街人が一人も居ぬのだ!』
「・・・考えられるのは、みんな捕虜になった可能性がありますね。」
「そんな・・・父上・・・母上・・・」
「応龍さん・・・!」
『ふむ・・・アルパーヤの近くに小さな村があるはずだ。そこへ行ってみようぞ。』
「はい。・・・アヤンさん、行きましょう。ここで立ち止まっても仕方ありません。」
アヤンは思い詰めた顔で応龍の背中に乗る。その時、ピンク色の点が4~5個こちらに近づいてきた。
「応龍さん、ちょっと待ってください。魔物が近付いてきます!」
『なにっ!ええいこの忙しい時に!』
「いえ、前に聖樹の時に集まった魔物たちみたいで、殺意はありません。」
『そうか・・・でも何故集まってくるのだ?』
「わかりません・・・応龍さんは魔物と話せますか?」
『今の我は無理だ。アルパーヤの街に全速力で来たので魔力が足りぬ・・・』
ピンク色の点は、やはり聖樹に集まってきた鳥獣のピスパロウだった。
「ピチュ、ピチュ、ピュルルルゥ~?」
「んん~何を言ってるのかサッパリ。えっと・・・他族言語?もっと簡単な・・・ん~あっ『通訳』かな?あれ?『翻訳』?」
思い付いた言葉を口々に唱える。するとザザザ~っとノイズ音が聞こえ次第にピスパロウの声が聞き取れるようになった。
「ピチュ、ピチュ、(キラキラした服をきた人間が私たちの住み家を荒らしてるの、助けて!)」
「応龍さん、ピスパロウは助けを求めてきたみたいです。ピスパロウの住み家をキラキラした服?・・・鎧を着た兵士たちが荒らしているそうです。」
『なんだと!?まずい、今から向かおうとした村は獣族と鳥獣が共存して生活している村だ。急ぐぞ!』
「聞こえましたかピスパロウさんたち。今から村へ向かいます。一緒に行きますか?」
ピスパロウはピピッと鳴き4匹は応龍の頭上に乗った。
そして疾風のごとく飛んで行く。
ピスパロウが助けを求めた村へ近づく、あちこち火柱がたっており現在進行形で争いが起こっている状況だった。
『渇いた大地に雨の恵みを『豪雨』!!そして、雷により大地に恵みを、悪しき者に天罰を『落雷』!!』
応龍が詠唱すると村の上空に黒い雲が発生し瞬く間に豪雨になる。そしてゴロゴロと嫌な音が鳴り雷が落ちる。
「ぎゃああああああー!!!!!」
「なんだ急に雨が!!落雷が!!」
「落雷に注意せよー!!そして一人でも多く獣族を捕虜せよ!!」
「そうはさせませんよ。多分イケる『飛行』!さぁアヤンさんも!」
「えっ、私は飛べません!」
『先に行けヨツバ殿!我とアヤンで獣族と鳥族を助ける。』
「了解です。」
四葉は飛行を使い応龍から離れ、下にいるだろう兵士を踏みつけ着地する。
「ウエストバックさん、薙刀をだせますか!」
思わず口にだしバックに手を入れる。バックは四葉の言葉に答え薙刀の取っ手を掴ませる。そして勢い良くバックから取り出す。
「流石です!これは私の愛用刀『岩融』ではないですか!」
両手で薙刀を持ち構える。すると周りのいた兵士たちは今の現状を理解できておらず棒立ち状態になる。
四葉は無心になり目の前の敵に集中し、一振り横へ薙ぎ払った。それから無双の如く兵士を次々と倒していく。
その光景を見た兵士は四葉に背を向け逃げ出す始末。
それを透かさず四葉は間合いをとらず攻撃する。
『あ奴は鬼神か!?!?』
「凄まじい光景ですね・・・」
「「「・・・・・・・」」」
『ハハハ・・・想像以上の強者だったか。癒しの力だけでなく悪人を倒す力も充分備わっておったな。凄いのぅ!ワッハハハ~』
檻の中に閉じ込められていた獣族を解放し、追われていた者を助け一ヶ所に集まってもらった。
軽症の獣族たちは、この光景を見て顔を青ざめながら眺めていた。
**************************
区切り所がわからずいつも長文になります。またも復興の話から脱線してしまいました・・・
お気に入り数400突破、有難うございます。
頑張りま~す!
「おはようございます。朝は軽めに食べれる卵の粥を作りました。皆さんが揃い次第朝食をとりましょう。」
四葉はウエストバックの能力を使い放題だった。「能力は使ってなんぼです!」と独り言を言って米と塩と卵を取り出しお粥を作った。
いつも朝早く起きてしまうので草原を散歩していると雑草とは違う薬草の様な物を見付け、茹でてみたらホウレン草の様な味がしたのでお粥に投入。
『熱いが、やはりヨツバ殿の作るものは美味であるな。』
「熱いです~でも食が進みます~何杯でも食べれますね~♪」
「応龍さんにリリィさん有難うございます。さぁ、子供たちは舌を火傷しないようふぅふぅして食べてくださいね~。まだ御代わりはありますよ。」
子供たちは「あつい」だの「おいしい」だの口々に感想を言いながら美味しそうに食べていた。
食後にサークボを食べて復興作業を開始する。
「ほっほんとうにのらなければいけませんか?」
「女は度胸です。私が前に乗りますので背中に掴まってください。」
アヤンは応龍に乗る事を躊躇っていた。でもクロウも応龍に乗って大量の木材を運んできたので、乗るのが嫌とか言うことができなかった。
「高い所は苦手ですか?」
「いえ・・・応龍様の背中に乗るのが恐縮すぎて・・・」
『ええい、さっさと乗らぬか。時間が惜しいのだ。ここからアルパーヤの街までかなり距離があるのだから急がねばならぬ。』
「もっ申し訳・・・」
「さっ早く早く!」
アヤンの腕を引っ張り四葉の後に乗らせた。
『では行くぞ』
「はっはひ・・・」
「ふふふふっ。」
そして空へ飛び立ちアルパーヤの街へと向かった。
村の方は全体の6割ほど片付いたので、今日は引き続き村の解体&掃除の組と、畑を耕し新たな種を撒く組と二手に別れた。
「大丈夫ですか?ほら、周りの景色を観てください」
「・・・・・・わぁ!」
村から出て30分程経ち、アヤンはようやく周りの景色を見れる程落ち着き始めていた。
「とても綺麗です。空から見る景色はとても美しいです・・・。」
「アルパーヤの街はどんな街ですか?」
「とても賑わった街でした・・・物作りの街として有名でしたから色々な人が訪れては色々な冒険の話とか聞きました。」
「・・・街でした?」
「アルパーヤの街は今どうなってるかわかりません。成人して騎士団に入ってから帰る暇もありませんでしたから・・・」
「・・・・・・・」
少し重たい空気になりながらも街へと応龍は飛んで行く。
四葉と応龍は嫌な予感を拭いきれなかったが、とにかくいち早くアルパーヤの街に行く事だけを考えるようにした。
「・・・街人が誰もいない!?!?」
「これはどういう事でしょうか?えっと・・・とりあえず『地図』!それから『捜索』展開!」
地図を開き捜索を唱えたが、地図には何も反応がなかった。
「・・・本当に誰もいないみたいです。」
『なんということだ。建物はどこも壊れてないし、血痕も見当たらぬから争い事は起こってないように見えるのに何故街人が一人も居ぬのだ!』
「・・・考えられるのは、みんな捕虜になった可能性がありますね。」
「そんな・・・父上・・・母上・・・」
「応龍さん・・・!」
『ふむ・・・アルパーヤの近くに小さな村があるはずだ。そこへ行ってみようぞ。』
「はい。・・・アヤンさん、行きましょう。ここで立ち止まっても仕方ありません。」
アヤンは思い詰めた顔で応龍の背中に乗る。その時、ピンク色の点が4~5個こちらに近づいてきた。
「応龍さん、ちょっと待ってください。魔物が近付いてきます!」
『なにっ!ええいこの忙しい時に!』
「いえ、前に聖樹の時に集まった魔物たちみたいで、殺意はありません。」
『そうか・・・でも何故集まってくるのだ?』
「わかりません・・・応龍さんは魔物と話せますか?」
『今の我は無理だ。アルパーヤの街に全速力で来たので魔力が足りぬ・・・』
ピンク色の点は、やはり聖樹に集まってきた鳥獣のピスパロウだった。
「ピチュ、ピチュ、ピュルルルゥ~?」
「んん~何を言ってるのかサッパリ。えっと・・・他族言語?もっと簡単な・・・ん~あっ『通訳』かな?あれ?『翻訳』?」
思い付いた言葉を口々に唱える。するとザザザ~っとノイズ音が聞こえ次第にピスパロウの声が聞き取れるようになった。
「ピチュ、ピチュ、(キラキラした服をきた人間が私たちの住み家を荒らしてるの、助けて!)」
「応龍さん、ピスパロウは助けを求めてきたみたいです。ピスパロウの住み家をキラキラした服?・・・鎧を着た兵士たちが荒らしているそうです。」
『なんだと!?まずい、今から向かおうとした村は獣族と鳥獣が共存して生活している村だ。急ぐぞ!』
「聞こえましたかピスパロウさんたち。今から村へ向かいます。一緒に行きますか?」
ピスパロウはピピッと鳴き4匹は応龍の頭上に乗った。
そして疾風のごとく飛んで行く。
ピスパロウが助けを求めた村へ近づく、あちこち火柱がたっており現在進行形で争いが起こっている状況だった。
『渇いた大地に雨の恵みを『豪雨』!!そして、雷により大地に恵みを、悪しき者に天罰を『落雷』!!』
応龍が詠唱すると村の上空に黒い雲が発生し瞬く間に豪雨になる。そしてゴロゴロと嫌な音が鳴り雷が落ちる。
「ぎゃああああああー!!!!!」
「なんだ急に雨が!!落雷が!!」
「落雷に注意せよー!!そして一人でも多く獣族を捕虜せよ!!」
「そうはさせませんよ。多分イケる『飛行』!さぁアヤンさんも!」
「えっ、私は飛べません!」
『先に行けヨツバ殿!我とアヤンで獣族と鳥族を助ける。』
「了解です。」
四葉は飛行を使い応龍から離れ、下にいるだろう兵士を踏みつけ着地する。
「ウエストバックさん、薙刀をだせますか!」
思わず口にだしバックに手を入れる。バックは四葉の言葉に答え薙刀の取っ手を掴ませる。そして勢い良くバックから取り出す。
「流石です!これは私の愛用刀『岩融』ではないですか!」
両手で薙刀を持ち構える。すると周りのいた兵士たちは今の現状を理解できておらず棒立ち状態になる。
四葉は無心になり目の前の敵に集中し、一振り横へ薙ぎ払った。それから無双の如く兵士を次々と倒していく。
その光景を見た兵士は四葉に背を向け逃げ出す始末。
それを透かさず四葉は間合いをとらず攻撃する。
『あ奴は鬼神か!?!?』
「凄まじい光景ですね・・・」
「「「・・・・・・・」」」
『ハハハ・・・想像以上の強者だったか。癒しの力だけでなく悪人を倒す力も充分備わっておったな。凄いのぅ!ワッハハハ~』
檻の中に閉じ込められていた獣族を解放し、追われていた者を助け一ヶ所に集まってもらった。
軽症の獣族たちは、この光景を見て顔を青ざめながら眺めていた。
**************************
区切り所がわからずいつも長文になります。またも復興の話から脱線してしまいました・・・
お気に入り数400突破、有難うございます。
頑張りま~す!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,268
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる