癒し手は異世界の救世主

やの有麻

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第1章 いざ異世界へ

1ー23 魔鳥が大変な事になりました。

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まず、ケガをしていたオオカラスを『回復リカバリー』で治してあげる。


「・・・さて鳥獣さんたち。朝から一体どうしたんですか?」


朝から嫌な目覚めだった。
よく駅にある欅の木に大群のムクドリの騒音を思い出してしまう。まさに今、ピスパロウのチュピピに加えオオカラスのギャーという声が混ざり合ってかなりの騒音になっていた。

一羽代表らしいピスパロウが前に出た。


「ちょっと待ってください。えっと『通訳インタープレット』。はい、これで会話ができます。どうしましたか?」
「キュルル(朝早く申し訳ございません。至急助けて頂きたく参上しました。)」
「え~・・・詳しくお願いします。」


まず、詳しく話を聞かなければ先には進まないということで、とりあえずテントから鳥獣達を出す。


まず始めに鳥獣たちは応龍の守護する土地で6区間で分布され、それぞれ縄張りを持ち、それぞれルールを作り平和に暮らしてるらしい。

ところが人族が戦争を始めてから、それが鳥獣の縄張りにも被害が飛び住み家を追われてしまったらしい。実際何羽も被害にあって数が激減しているらしい。

「キュリッピー(6区間それぞれのリーダーが1つの区間に集まり会議をした。どこも被害が尋常じゃなく手が付けられない状態になってしまった。)」
「それは・・・戦争を繰り広げている人族が悪いですね。環境破壊もいい加減にしてほしいですね。」


それから会議はするものの話が手詰まりになり困り果てていた所に、ついに大魔鳥マルファスが現れ、鳥獣達を助けてくれたそうだ。


『ほう、あのマルファス爺が表に出てきたか。珍事だな。』


なんでもマルファスは主に外には出ず深い洞窟の中にひっそり身を潜めているらしい。

マルファスとはソロモン72柱の魔神の1柱だったかな。巨大なカラスの姿をしているとか。人形にもなれるとか。そこら辺は詳しくは知らないがとても頭が良く詐欺師の総統だとか聞いた事がある。


『ヨツバが想像している通りの存在ではあるな。とても知能が高い奴だぞ。』
「それにしてもマルファス爺とは・・・?」
『あ奴は不死身でな。我より何千年と生きておるぞ。』
「うわぁ・・・左様ですか。」


・・・話を戻して。ある日ついに人族の兵とマルファスと対面してしまい争いが起こったらしい。

そして運悪く、人族の兵の中に大魔術師がいたらしく、捕獲されてしまったらしい。


「プュルル~(マルファス様に助けてもらったのに、我らだけでは力不足で助けに行けないのです。どうかお力添えを~)」
「「「ピュリピー(どうかお願いします!)」」」


鳥獣たちは綺麗に整列して一同頭を下げてきた。


「ん~・・・テールの町へ行くところだったののに~・・・。」
「ピュ!?キュルルルー(本当ですか。それは好都合、マルファス様は今テールの町に捕まっていると情報が入りまして。ぜひ、テール村までお供させてください。)」
「あらぁ・・・どこでフラグがたったのかしらね~」
「ふらぐとは?とりあえず行き先は同じですし、様子をみてはどうですか。」
「そうですね。とりあえず引き受けるかは後で、テールの町へ行きましょう。」


そうして応龍は元の大きさに戻りクロウと四葉は乗り、鳥獣たちは応龍の周りに付きまとう感じについていくことになった。








それから昼時になり一旦地へ着地する。鳥獣たちも応龍に付いていくのがやっとだったらしく荒い息をしていた。


「ピスパロウたちはラズベリンでも大丈夫かな?」
「ピッ!」
「え~オオカラスたちは何を食べるのかな?カラスだから雑食?パンとか食べるのかな?」
「ギャー?」
「あらパンを知らないのかな?じゃあとりあえず私達の食べてる物を分けるわ。今作るから待っててね。」


そう言ってバック様からガスコンロと鍋をだして、献立を考える。


「やっぱ疲れた時には七草粥かな!」


そうと決まればバックからダイン(葉付き)・キャロロを出し、足りない物はバック様に頼んで蓮根・細ネギ・白子・ご飯を出してもらう。

有難い事に今すぐ食べれる様な暖かいご飯を用意してくれました。バック様々です。

まず野菜を全てイチョウ切りスライスにして、ダインの葉は食べやすいよう細かく細切りにする。そしてご飯と一緒に野菜も鍋に投入。
グツグツと煮て塩など味付けをして完成!


少し深い木の器に盛り付け、オオカラスが食べやすいようクロウに頼んで風魔法で冷ましてもらい地面に置いてみる。トコトコと歩いて突っついて食べてみる。すると一声「カァ」と鳴いて食べ始めた。どうやら食べても問題なかったらしい。


『ヨツバ、我にもくれ。』
「はい、わかりました。オオカラスさんたち、お代わりありますからね。」
「カッカッ!」
「可愛いお返事!では応龍さんどうぞ。クロウくんも。」
『これもまた熱そうだな。どれどれ・・・うっ熱いな。だが美味だ。』
「とても美味しいですヨツバ殿。食べた事のない野菜の味がするのですが・・・でも美味しいです。」
「ピチュチュ・・・」
「あらピスパロウたちも食べてみたいの?まぁ米って穀物だから大丈夫かしら。今器に入れるわね。」


ピスパロウたちが四葉の近くへきて四葉が食べてる器を嘴で突ついてきたので、新しく少し深い木の器に入れてオオカラス同様に七草粥を冷ましてから渡すと器用に嘴で食べる。問題なく食べれるようで皆で突っついて食べ始めた。


何度かお代わりをして満腹になったところで、また応龍の背中に乗って移動する。








そして日がギリギリ山に沈む頃に町に町に着いた。
・・・が予想外の事が起こっていた。


************************** 
ここで第一章は終わります。
次回からは第二章に入ります~♪


プロローグを更新した為、設定がいろいろと変わったので、少しずつ書き直しております。
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