勇者が俺の所属ギルドから出ていってくれないんだが

アールグレイ

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序章

勇者の話 3

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「で、なんであいつに声をかけた?」


宿に戻ってすぐに聞いてきたジークに、せっかちだなあと苦笑しながら、俺はカレンとサナに目配せをする。


二人は俺が説明するように目で促してきたけど·········


「俺にも、よくわかんないんだよね······」


なんで勧誘したのか。


「「「「·······はあ?」」」」


メイとジークとサナが呆れたように、そしてカレンはイラッとしたように声を出した。


ははは·······いやぁメンゴ!


「あんたのそういう態度がめんどくさいのよこのグズ!」


「グズ⁉」


イライラとしたようにカレンがキッ!と俺を睨み、代わりに話し始める。


「あの人、アルさんが、化け物級に強いってわかったからよ。あんな魔力、今まで見たことがないわ。」


「·····そ、そんなにか?でも、そのアルって言うのは、どう見てもギルド職員だったが······」


「あら、ギルド職員は強くないのが当たり前なの?」


「·····いや、冒険者が突然喧嘩をし始めても止められるように、ある程度の人数、戦える奴はいるらしいが。でもあいつはどう見ても違うだろ。それに、何年か前に俺もこの国に来たことがあるが、あいつはそのときも居て、冒険者にいちゃもんをつけられても小さくなってただけだったぞ。」


「········でも、確かにあの人は強者のはずよ。·······まあそれにしては魔力が少なかったけど。」


カレンの呟くように言った言葉にジークがガクッとなる。


「少なかったのかよ!あんな魔力見たことないとか言ってたじゃねーか!それに、化け物級に強い、とかも言ってたろ!·······あ、でも、別に魔力がなくても、力があれば強いって事になるか。」


「ちょっと、一人で勝手に納得しないで。ちゃんと説明するわよ。·····魔力は確かに見たことがないものだったわ。でもそれは魔力量の事じゃない。·····何て言うのかしら······質?色?密度?····とにかく、そういう所が普通の人とは違ったの。それに、どうやってるのか知らないけど、魔力を箱にぎゅうぎゅう詰めにしてるみたいな印象もうけたわね。」


「魔力を?······抑え込んでるって事か?」


「そうね、多分そんな感じ。でも、もうちょっとカチコチに固めたような·······?」


うまく言えないのか、カレンがうんうんと唸る。


そこでようやくサナも会話に入り始めた。


「カレンの言ってること、的を射てる。あの人は何かを使って、自然に出る筈の魔力の放出を抑えてる。多分、魔道具。後、顔の辺りからも若干魔力を感じた。普通あの辺りからは感知できる程放出されない。」


それを聞いたメイが真剣な表情で考える。


「·····ちょっと怪しいわね、その人。魔道具は一般人には手が出せないくらい高いのよ?それを日常使いするなんて、どこかのボンボンかしら。それに、顔から魔力を感じるってことは、多分認識阻害の魔道具でも身に付けてるんでしょう。······普通はそんな微量の魔力を感知なんてできないから、油断してたんでしょうね。·······そこまでして自分を隠すなんて。危険人物かも知れないわよ。」


メイのその一言で、誰もが真剣になった。




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