君に噛み跡を遺したい。

卵丸

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営業のエースは・・・・・。

ヒート

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要は悩んでいた。今飲んでいる発情期ヒートの抑制剤の効き目が弱くなっていた。

「・・・どうしよう。」

今日は休みたかったが清史の約束を破るとまた、嫌味を言ってきそうなので、仕方なく前に買って副作用が酷くて飲まなくなった効き目が強力な抑制剤を飲むことにした。

「さっさと晩御飯だけ食べて帰ろう。」

要は朝御飯を食べた後に抑制剤を水と一緒に飲んでから隆志に今日の事を言った。

「今日、会社の人と晩御飯食べに行ってくるよ。」 

「そうなの、楽しんできてね・・・と言いたいとこだけど、飲みすぎ注意だよ!!」

隆志に指を刺されてぐうの音も出なくなった要は渋々頷いた。

「・・・・はい、いってきます。」

「いってらっしゃい!」

隆志はにこやかに手を振って要を見送った。

通勤の時に抑制剤の副作用で駅のトイレで今日の朝御飯を吐いてしまった。

「ぐぅ・・・お"え"・・・ゔぇぇ・・・・はぁ・・・はぁ・・・・・酸っぱい・・・・・。」

だが要はまだ、倒れていないので自分に喝を入れて会社に向かったが頭がボーッとして正直、しんどかったが我慢して作業を続けた。
休憩時間に食堂で絢斗に会って今日の事を誰にも聞こえないように恐る恐る聞いた。

「氷室さんは今日は来るんですか?」

「ああ、一応、清史さんから許可は貰ってるよ。」

「それなら良かったです。・・・馬鹿・・・齋藤さんと二人っきりはしんどいし、あの人の事は仕事仲間としては尊敬しますがそれ以外はアレなので。」

「はは、酷い言われようだな。」

「本当の事を言ったまでです。」

その時、絢斗は少し気になった。自分はカレーを食べているが要は何も食べていなかったのだ。

「休憩時間終わりそうだけど何も食べないのか?」

すると要は少し肩をピクリと動かした後、意地悪そうな顔をして言った。

「今日は馬鹿息子の金で食べるので沢山食べてヒィヒィ言わせてやりたいんです。」

まるで子供がイタズラするような表情で笑うから絢斗はドキマギしながらカレーをがっついて喉に詰まらせてしまい、要は呆れてしまった。

「何を慌ててるんですか?」

絢斗は水を一気に飲んで心の中で要に叫んだ。

『お前のせいだよ!!』

「・・・あのさ、一応電話番号聞いていい?」


絢斗の言葉に要は怪訝そうに見ていたが渋々頷いてスマホを出してくれた。

「まぁ、もしもの為に仕方ないですね。」

そして、二人は電話番号を教えあって登録した。

***

今日は定時で終わらせて絢斗は要と行きたくて彼を探したが何処にも居なかった。

「何処にいったんだろう?」

「誰を探してんの?」

絢斗の独り言は飯村に聞かれていて、珍しく肩を震わせて後ろを向いた。

「あぁ、飯村か・・・あのさ、箕輪見なかったか?」

すると、飯村は眉間に皺を寄せて少し戸惑いを見せながら小声で絢斗に聞いた。

「見た見た!だけどあの清史ボンボンと一緒に会社から出ていったけどなんかあったんかな?」

飯村の言葉に少し驚いて彼にお礼を言って急いでエレベーターに乗った。

『流石に箕輪が可哀想だよな・・・早く行かなくきゃ!!』

絢斗が会社から出て早歩きでホテルに向かう途中、誰かが絢斗にいきなり真正面から抱きついてきた。

「・・・・あっあの?」

絢斗は恐る恐る見下ろすと茶髪のショートボブの綺麗な女性が涙目で息を荒くして絢斗を見つめて、とんでもない事を叫んだ。

「はぁ・・・はぁ・・・良かった・・・・私の・・・運命のα・・・・・!!」

女性が街のど真ん中で叫んだことにより、街の人達は絢斗達をチラチラ見ていたり、歓声をあげられたり、絢斗は困惑するしか無かった。

「・・・・っえ?」

絢斗は困惑したが一応、自分が言いたいことを彼女の目の前で囁いた。

「本当に申し訳ないけど、俺は運命のαじゃないと思うんだ。」

その声は街に虚しく響いて彼女は泣きそうになりながら小さく呟いた。

「・・・・・ごめんなさい。」

***

『・・・身体が熱い・・・しんどい・・・・・吐きそう。』

要は今、頭がボーッとして仕方が無かった。身体が熱くて息を荒くしてタクシーに乗せられていた。

「ちょっと、箕輪君聞いてる?」

「へっ?」

清史の苛ついた声に気付いてゆっくり振り向くと彼はつまらなそうな顔をして要を睨んでいた。

「一応、次期社長の話なんだからさぁ、ちゃんと聞いときなよ。」

「・・・・・すみません。」

本当は絢斗と行きたかったが清史が営業室までわざわざ出迎えて来て一緒に行くはめになってしまったのだ。

『クソっ・・・頭が痛い、次に薬が飲めるのは後、一時間後か・・・・・。』

要は苛立ちを抑えながら清史の意外にも真面目な仕事の話を成る可く必死に聞いていた。

「ところでさ、箕輪君は安心した人生送りたくない?」

「えっ?・・えーと・・・それは送りたいですけど?」

「ふーん、そっか。」

『え?・・・いきなり何だコイツ?』

その後、会話が続くことは無く二人を乗せたタクシーは無の空間だった。タクシーはホテルに着くと清史は財布からお金を運転手に渡して二人はタクシーから降りたが要はふらついて遂に前に倒れそうなのを清史が慌てて抑えてくれた。

「ちょっと何してんの?」

清史の言葉が届かず要は地面に胃液を吐いてしまった。胃液はびちゃびちゃに流れていって要のスーツを汚してしまった。

「う・・・・ゔぇぇ・・・お"ぇぇ・・・・」

「うわぁ!!最悪!!」

清史は嫌そうに要を見つめていたが彼の表情を見て場違いに微笑んだ。

「・・・・箕輪君、苦しそうだね?」

微笑んでいる清史に引いたが要の身体は熱が篭っていて涙目になって清史を睨んだがヒートの身体ではどう足掻いても欲情的でαを誘ってるようにしか見えなかった。

「・・・・取り敢えず、ご飯は無理そうだから今日泊まる部屋に行こっか?」

清史は耳元で囁いて要を無理矢理、ホテルの部屋まで運んだ。その時、ホテルマンには「この人酔ってるんですよ」と嘘をついていた。

***

清史は部屋のドアを閉めるとオートロックなのでガチャと音を立てて閉めていた。
彼は要をキングサイズのベッドに乱暴に放り投げると直ぐに要の上に馬乗りになった。

「・・・・・前から君が苦手だったんだよね。」

清史はさっきまでの笑顔が無くなり能面のような瞳で要を睨んでいた。

要は顔を赤くして荒い息をたてながら負けずと嫌味を言った。

「はぁはぁ・・・・奇遇ですね・・・・僕も・・・貴方が人として・・・苦手ですよ。」

清史は鼻で笑うと要のベルトカチャカチャ外そうとして流石に暴れると右頬を思いっきりビンタをされた。

「・・・・ッ!!」

「動かないでよ・・・・まぁ、何?俺はせっかくΩに生まれたんならさぁ、大人しくガキを生んで育てて立派な後継者を作るべきだとおもうんだよね?」

「・・・・テメェ!!」

「うわぁ、αによくこんな事が言えること・・・・でも君はΩでもまだ、出来がいい方だからさ・・・完璧な俺のガキを生んだら完璧なαが生まれる可能性が高いよね?」

その言葉に要は清史が今からすることを嫌でも分かり脅えてもう一つの可能性を震えながら呟いた。

「・・・Ωが生まれるかも知れないだろ?」

「あぁ、でも俺の血が流れてるから多分、立派な子になると思うけど・・・まぁ、要するに・・・君が俺の下の立場になってほしいからガキを生んで会社を辞めてほしいんだよね?」

「・・・・このクソが!!テメェがやったことがバレたらテメェもヤバいだろ!!」

要はヒート状態で暴言を吐いたが清史は馬鹿にするように鼻で笑い、ベルトを外してズボンを脱がして要は下半身が下着と靴下だけになってしまった。

「あっ・・・・あぁ・・・。」

「俺のお父様は優しいんだよね・・・だから嫌々、隠蔽してくれるのよ。それに今回は後継を遺すんだからお互い良い関係な訳、お分かり頂けたかな?」

「やっやだぁ・・・・痛いのは・・・やぁだぁ・・・ひっ・・・はぁっ・・・たす・・・け・・・・・て・・・・。」

遂に要は涙を流して首を横に振り弱々しく抵抗したが寧ろ清史は完全に無視をして要の下着に手をかけた。
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