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営業のエースは・・・・・。
不平等
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「私達は第二の性を平等に接している会社で特に彼、箕輪要は第二の性はΩですが私達の会社では売り上げが高い社員でございます。」
要は社長と取引先の女社長に交渉のメリットを説明していた。
「つまり、貴女方の会社はΩを大切に扱い、私達の会社の目的に相応しいと言う事で宜しいでしょうか?」
取引先の会社はΩの性でも気軽に働けるようにαは採用されて無くてΩとβが多い会社でその女社長もΩの性で任されたエリートだった。
「はい、ですので、橘様の案件を受け入れる可能性が高いです。」
すると橘は要の全身を睨むと要に質問をした。
「箕輪さんでしたよね?仕事は捗ってますか?」
要は手汗をかきながら成る可く冷静に答えた。
「はい、捗ってます。」
「じゃあ、αは貴女を見下しますか?」
その質問は少し戸惑ったが要は成る可く真実を話した。
「確かに、下に見られてると思いますが大体は平等に接して頂いております。」
橘は少し、考えてから二人に冷たく言い放った。
「余り、期待出来ませんが少し時間をくれませんか?」
***
「すみません社長、私が余計な事を言ったばかりに・・・。」
「いや、良いんだよ。寧ろ、箕輪君の場合は正直に言った方が良かったと思うんだ。ボロが出て信頼を失うよりも最初から抵抗があった方があちら側も考えやすいしね。」
今、二人は昭和に有りそうな喫茶店に来ていて社長と要はホットコーヒーを頼んで飲んでいた。
「取引先、どうなるんでしょうね。」
「ああ、後は橘様次第だね。」
二人は会話も無くホットコーヒーを啜っていたが社長から要に話しかけた。
「箕輪君の娘さん可愛らしいね。いくつぐらいなの?」
その質問に少し嬉しくなりながら社長に言った。
「今年の10月に5歳になります。」
「そうか、清史もあの時は可愛かったんだけどな・・・。」
「ははは・・・ですが清史様は会社を支えてるのは事実ですし、完璧にこなせる素晴らしい方だとは思います。彼の頭の回転には頭が下がりません。」
「そう言って貰えると助かるね・・・。」
社長は苦笑いをして後のホットコーヒーを飲み干して椅子から立ち上がった。
「箕輪君、ゆっくり飲んでいいからね。私は少し、席を外すよ。」
「あっ・・・はい、すみません。」
社長は御手洗に行き、要はゆっくりホットコーヒーを飲んでいたが今日の事を反省していた。
『やっぱりあの時、見下ろしていないと言っとけば良かったな・・・。』
***
取引先の交渉から一週間後、要は社長室に呼び出されていた。
「失礼します、箕輪です。」
「ああ、おはよう箕輪君、取引先の件だけど・・・・」
社長に呼ばれた次の日、要は知っていたが全社員が集まる集会で社長は取引先の件を話した。
「株式会社の「タチバナ」さんの交渉ですが、案件の時は必ずβかΩを含む事を条件で交渉を致しました。」
その言葉に驚きと不満とざわめきが混ざりあった。特に絢斗以外のαは社長を睨んで不満を叫んだ。
「それって不平等じゃないですか!!」
「Ωは論外としてβだけだと不安ですけど!?」
「「タチバナ」は私達、αを何だと思ってるんですか!!」
社長は冷静に言葉を続けた。
「皆さんの不満はよく分かっております。ですが、この会社を大きくする為には「タチバナ」さんが必要ですのでαの皆さんには大変申し訳ありませんがどうか受け止めて下さい。」
社長の深いお辞儀に社員達は渋々諦めるしかなく集会は解散になったがα社員はβとΩをチラチラ睨みつけていた。
『・・・不平等か・・・・・。』
要はαの社員の文句を思い出しながら廊下を歩いていると清史が肩を叩いてきた。
「やぁ、箕輪君、お父様から聞いたんだけど君の実績のあるリストを向こうの社長さんに見せたらΩも大した事をしていると褒められて取引先の交渉に成功したんだってね。」
『それは知らなかったな。』
「そうなんですね。」
すると機嫌が良い清史はズボンのポケットからスマホを取り出して画面を見せながら要の耳元で囁いた。
「君の事を見下してしまったお詫びに今週の金曜日にここのホテルでディナーどうかな?」
まさかの言葉に驚いたが嫌なんて言えるはずも無く渋々頷いた。
「・・・わかりました。」
「うん、楽しみにしているよ。」
清史はにこやかに手を振って行ってしまった。要はただただ呆然とするしか無かった。
要は嫌そうに誰も居ないのを確認してボソッと呟いた。
「あの馬鹿息子とか・・・。」
「清史さんの事か?」
肩を震わせて振り向くと苦笑いをしている絢斗が居た。
「ひっ氷室さんいつの間に・・・」
「どうかしたのか?」
「・・・息子さんにディナーを誘われたんです。」
「えっどうして!?」
「なんか、見下した詫びがしたいみたいです。・・・普通に余計なお世話ですけどね」
要は苛立ちを隠さないで舌打ちをした。
「・・・もし、良かったら清史さんに俺もついて行って良いか聞いてみようか?」
絢斗の発言に要は驚いたが冷静に考えたら清史と二人はキツいと思い、一応頷いた。
「・・・確認お願いします。」
「ああ、聞いてみるよ。」
***
絢斗は清史を見つけて要に聞いたと話して自分も言っていいか聞いたら質問返しをされた。
「今回の件に氷室君は関係ないのに行きたいの?」
「はい、箕輪は齋藤さんと余り話したことは有りませんし、少し心配ですので・・・その・・・自分のは払いますので付き添いとして着いてきても大丈夫でしょうか?」
清史は少し嫌そうな顔をしたが絢斗には聞こえないように「αだしな」と呟いて絢斗の方を爽やかな笑顔で許可をした。
「しょうがないなぁ、確かに僕はαだしΩと一緒にディナーをしていたら嫌な目で見られそうだしね、良いよ金曜日、君もディナーに誘ってあげる!ここのホテルに来てね。」
清史はスマホを見せて「じゃあ」と手を振って去った後に絢斗は清史の背中を睨んでいた。
「まだ、Ωを見下してそうだな・・・。」
***
清史は社長室の机のファイルから一枚のプリントを取り出した。そこに書いてあったのは要の自己紹介が書かれていた。
「やっぱり、金曜日にヒートの日と被ってるね。・・・まぁ、箕輪要は顔が良いし、抱けなくもないかな・・・後は氷室は・・・アイツは変に真面目だから改めて邪魔されそうだな・・・・・ああ、もう良い返事するんじゃなかった!!・・・仕方ないΩだけどアイツに頼むか。」
清史は舌打ちをしながら電話をかけた。
「もしもし、俺だけど手伝い料、十万円で手伝って欲しいんだけど・・・。」
『俺ってΩに接するなんて気が利くαだな。』
清史はスマホの画面を切ってプリントをファイルに入れて何時もの机の場所に置いて社長室から出ていった。
要は社長と取引先の女社長に交渉のメリットを説明していた。
「つまり、貴女方の会社はΩを大切に扱い、私達の会社の目的に相応しいと言う事で宜しいでしょうか?」
取引先の会社はΩの性でも気軽に働けるようにαは採用されて無くてΩとβが多い会社でその女社長もΩの性で任されたエリートだった。
「はい、ですので、橘様の案件を受け入れる可能性が高いです。」
すると橘は要の全身を睨むと要に質問をした。
「箕輪さんでしたよね?仕事は捗ってますか?」
要は手汗をかきながら成る可く冷静に答えた。
「はい、捗ってます。」
「じゃあ、αは貴女を見下しますか?」
その質問は少し戸惑ったが要は成る可く真実を話した。
「確かに、下に見られてると思いますが大体は平等に接して頂いております。」
橘は少し、考えてから二人に冷たく言い放った。
「余り、期待出来ませんが少し時間をくれませんか?」
***
「すみません社長、私が余計な事を言ったばかりに・・・。」
「いや、良いんだよ。寧ろ、箕輪君の場合は正直に言った方が良かったと思うんだ。ボロが出て信頼を失うよりも最初から抵抗があった方があちら側も考えやすいしね。」
今、二人は昭和に有りそうな喫茶店に来ていて社長と要はホットコーヒーを頼んで飲んでいた。
「取引先、どうなるんでしょうね。」
「ああ、後は橘様次第だね。」
二人は会話も無くホットコーヒーを啜っていたが社長から要に話しかけた。
「箕輪君の娘さん可愛らしいね。いくつぐらいなの?」
その質問に少し嬉しくなりながら社長に言った。
「今年の10月に5歳になります。」
「そうか、清史もあの時は可愛かったんだけどな・・・。」
「ははは・・・ですが清史様は会社を支えてるのは事実ですし、完璧にこなせる素晴らしい方だとは思います。彼の頭の回転には頭が下がりません。」
「そう言って貰えると助かるね・・・。」
社長は苦笑いをして後のホットコーヒーを飲み干して椅子から立ち上がった。
「箕輪君、ゆっくり飲んでいいからね。私は少し、席を外すよ。」
「あっ・・・はい、すみません。」
社長は御手洗に行き、要はゆっくりホットコーヒーを飲んでいたが今日の事を反省していた。
『やっぱりあの時、見下ろしていないと言っとけば良かったな・・・。』
***
取引先の交渉から一週間後、要は社長室に呼び出されていた。
「失礼します、箕輪です。」
「ああ、おはよう箕輪君、取引先の件だけど・・・・」
社長に呼ばれた次の日、要は知っていたが全社員が集まる集会で社長は取引先の件を話した。
「株式会社の「タチバナ」さんの交渉ですが、案件の時は必ずβかΩを含む事を条件で交渉を致しました。」
その言葉に驚きと不満とざわめきが混ざりあった。特に絢斗以外のαは社長を睨んで不満を叫んだ。
「それって不平等じゃないですか!!」
「Ωは論外としてβだけだと不安ですけど!?」
「「タチバナ」は私達、αを何だと思ってるんですか!!」
社長は冷静に言葉を続けた。
「皆さんの不満はよく分かっております。ですが、この会社を大きくする為には「タチバナ」さんが必要ですのでαの皆さんには大変申し訳ありませんがどうか受け止めて下さい。」
社長の深いお辞儀に社員達は渋々諦めるしかなく集会は解散になったがα社員はβとΩをチラチラ睨みつけていた。
『・・・不平等か・・・・・。』
要はαの社員の文句を思い出しながら廊下を歩いていると清史が肩を叩いてきた。
「やぁ、箕輪君、お父様から聞いたんだけど君の実績のあるリストを向こうの社長さんに見せたらΩも大した事をしていると褒められて取引先の交渉に成功したんだってね。」
『それは知らなかったな。』
「そうなんですね。」
すると機嫌が良い清史はズボンのポケットからスマホを取り出して画面を見せながら要の耳元で囁いた。
「君の事を見下してしまったお詫びに今週の金曜日にここのホテルでディナーどうかな?」
まさかの言葉に驚いたが嫌なんて言えるはずも無く渋々頷いた。
「・・・わかりました。」
「うん、楽しみにしているよ。」
清史はにこやかに手を振って行ってしまった。要はただただ呆然とするしか無かった。
要は嫌そうに誰も居ないのを確認してボソッと呟いた。
「あの馬鹿息子とか・・・。」
「清史さんの事か?」
肩を震わせて振り向くと苦笑いをしている絢斗が居た。
「ひっ氷室さんいつの間に・・・」
「どうかしたのか?」
「・・・息子さんにディナーを誘われたんです。」
「えっどうして!?」
「なんか、見下した詫びがしたいみたいです。・・・普通に余計なお世話ですけどね」
要は苛立ちを隠さないで舌打ちをした。
「・・・もし、良かったら清史さんに俺もついて行って良いか聞いてみようか?」
絢斗の発言に要は驚いたが冷静に考えたら清史と二人はキツいと思い、一応頷いた。
「・・・確認お願いします。」
「ああ、聞いてみるよ。」
***
絢斗は清史を見つけて要に聞いたと話して自分も言っていいか聞いたら質問返しをされた。
「今回の件に氷室君は関係ないのに行きたいの?」
「はい、箕輪は齋藤さんと余り話したことは有りませんし、少し心配ですので・・・その・・・自分のは払いますので付き添いとして着いてきても大丈夫でしょうか?」
清史は少し嫌そうな顔をしたが絢斗には聞こえないように「αだしな」と呟いて絢斗の方を爽やかな笑顔で許可をした。
「しょうがないなぁ、確かに僕はαだしΩと一緒にディナーをしていたら嫌な目で見られそうだしね、良いよ金曜日、君もディナーに誘ってあげる!ここのホテルに来てね。」
清史はスマホを見せて「じゃあ」と手を振って去った後に絢斗は清史の背中を睨んでいた。
「まだ、Ωを見下してそうだな・・・。」
***
清史は社長室の机のファイルから一枚のプリントを取り出した。そこに書いてあったのは要の自己紹介が書かれていた。
「やっぱり、金曜日にヒートの日と被ってるね。・・・まぁ、箕輪要は顔が良いし、抱けなくもないかな・・・後は氷室は・・・アイツは変に真面目だから改めて邪魔されそうだな・・・・・ああ、もう良い返事するんじゃなかった!!・・・仕方ないΩだけどアイツに頼むか。」
清史は舌打ちをしながら電話をかけた。
「もしもし、俺だけど手伝い料、十万円で手伝って欲しいんだけど・・・。」
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