君に噛み跡を遺したい。

卵丸

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営業のエースは・・・・・。

次の日

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「はぁ・・・はぁ・・・・かなめぇ・・・・かなめぇ」

「やっ・・・やめて・・・ゆうくん・・・・かまないでぇ・・・・おねがい、ゆうくん!!」

ベッドの上で裕一郎は無理矢理、要の身体を後ろに向けさせると裕一郎は首に唇を触れさせて項をべろりと舐めて静かに噛み付いた。

***

要は目を覚ますと知っている真っ白い天井が見えて少し安心した。要は悪夢で魘されて汗だくになった身体を動揺して起き上がると要の布団の上で上半身だけ横になって爆睡している隆志を見つけて少し驚いてベッドから出て隆志の頭を優しく撫でてから自分の部屋を出た。

「・・・・・・嫌な夢を見たな・・・・・・・・・・。」

要はフラフラの足で歩いているとリビングから結衣の元気な声が聞こえたがもう一人男性の声が聞こえてきて驚いてしまった。

「これはね~土蜘蛛男爵とスノーレディだよ!セイメイジャーの敵!!」

「へ~キュビビーン以外に敵いたんだな。」

「後はねぇー四神ロボがあってね・・・・あっママ!!」

セイメイジャーの本を見ていた結衣が要に気づいて何故か居座っている絢斗に本を渡すと走って要の右足にしがみついて笑っていた。それを見て要は結衣を抱っこして頭を撫でてあげた。それを微笑まそうに見ている絢斗の視線を感じて少し抵抗したが昨日の夜の自分の失態と慰められたのとキスをしてしまったのを同時に思い出し顔を赤く染めてしまった。

「ママ、顔真っ赤だよ?」

「ううん、なんでもないから・・・結衣、冷蔵庫に缶ジュース入ってるから飲んでおいで」

「ママと友達のは?」

「後で取りに行くよ。」

要は結衣を降ろして彼女がダイニングに向かうのを確認してから要は絢斗を睨みながら一応、お礼を言った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとうございました。」

「声ちっさ!!」

「・・・・・あれは忘れていただいていいので・・・・と言うか忘れてください、忘れろ」

絢斗は昨日の事は忘れないだろうなと思いながら一応頷いた。すると要は今更だが彼がいる理由が気になり、彼の顔を穴が空くほど見つめながら聞いた。

「・・・・どうして僕の家に氷室さんが?」

「・・・あー・・・・箕輪のお兄さんに電話をかけて車で来てくれたんだけど結衣ちゃんも乗ってて結衣ちゃんが持ってた缶ジュースが俺のズボンに汚してしまって洗濯させて貰ってるんだよ。」

「・・・・なるほど・・・・・・・・。」

丁度、結衣が缶ジュースを持ってきた所で要は結衣に近づき怒った表情で結衣を見つめて低い声で言った。

「・・・・結衣、少しお話があるから缶ジュースをテーブルに置いてソファに座りなさい。」

「・・・はい」

要の低い声に気づき、結衣は缶ジュースをテーブルに置いてソファに縮こまって座った。彼女の顔は不安な表情をしていた。

「昨日の夜、車の中で結衣がジュースを飲もうとした時、信号は何色だったの?」

「・・・・青」

「ママ言ったよね?赤信号の時は飲み物を飲んでも良いけど青信号の時は動いて零れちゃうから飲まない事って。」

「・・・・・・・・。」

「それに缶ジュースは蓋が無いから車では飲まないって約束したよね?」

「うぅ~・・・・・。」

「うぅじゃない!結衣のジュースのせいでママの友達のズボン汚れちゃったんだよ?次、また同じ事をしたら来週観に行くセイメイジャーショー行かないよ。」

「それはやだ!!」

「じゃあ、車で飲む時は赤信号、車では缶ジュースを飲まない事を約束できる?」

「できる!!」

「約束だよ、指切りげんまん嘘ついたら?」

「キュビビーンに呪われる!!」

「指切った。」

指切りげんまんをしてから結衣はやっと笑顔になり要にジュースを飲んでいいか聞いてから許可を貰い美味しそうに缶ジュースを飲んだ。

「オリジナルの指切りげんまん?」

「そうです。針千本飲ますより結衣が好きなモノの方が良いと思いまして。」

すると足音が聞こえて振り向くと起きてきた隆志が絢斗のズボンと共にリビングに入ってきたが要はある事に気づいた。

『じゃあ、今、氷室さんが穿いてるのって?』

よく見たら前に結衣に強請られて買わされたセイメイジャーの柄のズボンを穿いていて今まで気づかなかったが遂に吹き出してしまった。

「ぶはぁ!!」

「なっ・・・仕方ないだろ!結衣ちゃんが持ってきてくれたんだから!!」

「あはは、似合ってますよ氷室さん。」

「絶対に思ってないだろ!!」

「・・・氷室さん、ズボン乾きましたよ・・・・。」

ギャーギャー騒いでいる光景を結衣は微笑んで見つめて皆には聞こえないような小さい声で呟いた。

「ママ、嬉しそう」
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