万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵

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第一章

第十八話 資源ダンジョンでの成果

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 ◆◇◆◇◆◇


 エリアボスである〈女王魔蟻クイーンアントベラス〉の討伐から少し経ってから、資源ダンジョン〈紅果の森〉を後にした。


── クエスト『モンスターを討伐せよ』が達成されました。
──クエスト対象モンスターの討伐数は108体です。
──エリアボスの討伐が確認されました。
──クエスト対象モンスターの巣の破壊が確認されました。
──報酬が確定します。
──達成報酬としてスキル【蟲殺し】、アイテム〈魔喰の精霊剣バアル〉を獲得しました。
──報酬アイテムを受け取ってください。
──狡猾な戦術を駆使しました。
──特別報酬:スキル【弱点看破】


 ダンジョンを出た瞬間に目の前に出現したウィンドウを見ながらその場を離れる。
 クエスト達成報酬でアイテムを手に入れるのは初めてだったが、どうやらアイテムを受け取るタイミングは任意らしい。
 人目のない場所を探していると近くにコンビニがあったので、そこのトイレに入ってから〈システム〉のウィンドウを開き、アイテム名の部分をタップする。
 すると、魔法陣に似てはいるが魔法陣ではない術式陣と呼ばれる円陣が目の前に展開され、その中から一振りの剣が姿を現した。


○魔喰の精霊剣バアル
 等級:叙事エピック級。
 とあるダンジョンで産出された長剣型マジックアイテム。
 使用者の生命力と魔力を常に活性化させる。
・【魔を喰らう刃】……倒した対象の力の一部を使用者に還元する。
・【属性錬化】……剣身に宿した属性魔力を強化し、その効力を高める。
・【精霊王の護り】……凡ゆる環境ダメージを無効化し、状態異常に対する耐性を強化する。


 おお、まさか叙事エピック級マジックアイテムが得られるとは思わなかった。
 叙事エピック級は遺物レリック級の1つ上の等級であり、文句無しの高位マジックアイテムにあたる。
 その性能は高位マジックアイテムに相応しく、前世の知識からの推測だが、この精霊剣バアルは叙事エピック級の中でも上位に属するマジックアイテムだと思われる。
 とあるダンジョンで産出されたと表記されているが、クエストが発生したのはダンジョン内だったので間違ってはいないだろう。

 黄金の刻印が彫られた紅玉ルビー色の剣身と黒い柄は非常に美しく、美術的な価値もありそうな長剣だ。
 軽く剣身を眺めてから黒い鞘に納め直し、〈宝納の指環〉の収納空間に収納した。
 もっとじっくりと見たいところだが、場所が場所なので、続きは家に帰ってからにするとしよう。

 それから帰りに買い出しをしてから自宅に戻った。
 諸々の家事を済ませてから再び精霊剣バアルの確認を行う。
 その確認が終わった後は、解体したエリアボスの素材を取り出していく。


「うーむ。置く場所がないな……」


 素材の部位ごとに並べて確認しようと思ったが、部屋が狭すぎてすぐに置き場所がなくなってしまった。
 元よりエリアボスのベラスは巨体なので、その素材も相応に大きい。
 だから当然と言えば当然なのだが、改めて自宅の狭さを痛感した。


「やはり引っ越した方がいいよな」


 探索者として活動するにあたり、今の自宅の立地は少し不便だ。
 前世でもそういった理由から多少稼ぐようになり次第引っ越したのだが、今の俺には天城コーポレーションとの契約時に貰った手付金がある。
 7桁の手付金と今後の収入を考えれば、それなりに良い家に引っ越せそうだ。
 将来的に出現するダンジョンの内、後々有名になるダンジョンの位置についてはしっかりと覚えている。
 通常のダンジョンは攻略が推奨されているため、その近くに家があっても攻略されたらダンジョンは消えてしまうので利点は薄い。
 だが、資源ダンジョンならば攻略は厳禁なので継続的に利用することができ、家が近いことは大きなメリットになるだろう。

 室内に並べていたベラスの甲殻を端に退けてからベッドに寝転がると、スマホのマップアプリを開いて引っ越し候補地を選定する。
 前世の記憶を頼りに、県内に出現するであろうダンジョンの位置にピンを立てていく。
 既に出現している資源ダンジョンを赤、出現予定の資源ダンジョンを青で示した後、それらの資源ダンジョンから等距離の地域を表示した。


「交通とか買い物の利便性が良い場所は……この辺りか」


 引っ越し候補地の選定を済ませると、ネットでこの一帯の物件について検索する。


「ううむ。資源ダンジョンがあるからか家賃が高いな……」


 考えることは皆一緒なのか、幾つかの物件の広告には探索者にオススメ的なキャッチコピーが記載されていた。
 まぁ、天城コーポレーションに委託している鑑定宝玉の開発が成功すれば、この程度は簡単に買える。
 しかし、装備代などの探索者用の金を差し引いてから考えると、鑑定宝玉が開発されるまでは厳しい生活を強いられることになりそうだ。
 高望みをせずに生活レベルを落とせば済む話だが、せっかく過去に回帰したのだから前世よりも良い暮らしがしたい。


「悩ましいところだな……ま、取り敢えず実際の物件を見てから考えるか」


 予算が厳しいならばその分だけダンジョンで稼げば済む話だしな。
 このベラスの素材だって売りに出せば、まぁまぁの稼ぎになるだろう。
 だが、今日処理した外国の工作員のことがあるので、エリアボスであるベラスの素材を市場に流すと彼らの仲間に気付かれるかもしれない。
 ベラスの素材を俺の装備の製作に使ってもかなり余ってしまうが、こればかりは仕方ないだろう。
 とはいえ、通常のアリ系モンスターの素材なら売っても大丈夫だろうから、大量にあるこの素材を少しずつ売れば金になるのでまだマシか。


「明日は素材を売却してから、装備製作とか物件探しとかかな」


 明日の予定を考えながら、室内の限られたスペースにベラスの素材を何度も出し入れして、その数と状態を把握していく。
 最後にエリアボスを倒したことで出現した宝箱を取り出すと、その中身を確認した。


 
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