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第二章
第七十九話 摩天楼での検証
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右手に〈混幻黒銃ドライド〉、左手に〈混幻銀銃レフーラ〉を構えて引き金を引く。
ドライドの銃口からは竜属性の魔弾が、レフーラの銃口からは雷属性の魔弾がそれぞれ射出され、一撃で複数の獣系有翼モンスター達を貫いていった。
摩天楼ダンジョンのモンスターであっても容易く穿つ魔銃の攻撃力に感心しつつも、決して油断はしない。
魔弾が肉体を貫いたものの、そこは人外たるモンスターと言うべきか、急所にでも命中しない限りは一撃で倒れたりはしていない。
銃口を向けた最初の1体こそ狙って撃ったため急所に当たり死んでいたが、その初弾が貫通したことで偶々命中した後続のモンスター達は死んでいなかった。
まぁ、叙事級のマジックアイテムの一撃であることには変わりないため、手前のモンスターで威力が弱まっていても後続のモンスターは少なくないダメージを負っていた。
銃撃という性質と、竜と雷という破壊力の高い属性が合わさっただけはあるな。
「ただ魔弾をばら撒くだけでも足止めになりそうだな。リリア、予定通り普通の『魔法の矢』から順に試していこう」
「分かりました! 『魔法の矢』ッ!」
リリアが掲げた長杖〈双頭の鬼骨杖〉の先に展開された複数の魔法陣から魔法の矢が放たれた。
俺が銃撃したのとは別の獣系有翼モンスター達へと魔法の矢が直撃する。
だが、獣系有翼モンスター達の足は止まらない。
ダメージを負っていないわけではないが、大したダメージにはなっていないようだ。
「急所に当たっても大したダメージにはならないか。次だ」
「『魔法の矢』ッ!」
続けて放たれた魔法の矢は、通常の魔力ではなく特殊属性魔力である運命属性魔力によって編まれている。
運命属性魔力を魔法発動に使用した場合、高確率で致命的な一撃を引き起こす。
通常のダンジョンでは有効だった攻撃手段だが、摩天楼ダンジョンのモンスターにどれほど有効かは分からないため検証する必要があった。
「おっ。こっちは急所に当たったら死ぬ個体もいるな。俺の魔弾よりも少し低いぐらいの威力か。次がラストだ」
「【魔女の豊杖】発動。『魔法の矢』ッ!」
〈三獣領域〉のエリアボスすら倒した、一定時間の間に行使する魔法の性能を強化するクラススキルにより強化された魔法の矢が放たれる。
エリアボスの時と同様に、運命属性魔力は使わずに発動された普通の攻撃魔法だが、その威力はやはり桁違いらしく、獣系有翼モンスターは命中した箇所に関わらず爆散していた。
エリアボスを倒せる一撃だけあって、摩天楼ダンジョンであっても浅い表層にいるようなモンスター程度では一撃も耐えられないみたいだ。
「事前の予想通りの結果だったな」
検証を優先したことで撃ち漏らしたモンスター達が前衛を務める俺に飛び掛かってくる。
黒銃ドライドの【黒虎剛爪】と銀銃レフーラの【銀虎剛爪】を発動させ、その強靭な銃身でモンスター達を打ち払っていく。
銃身でモンスターを突いてから引き金を引き、その銃撃の反動を活かして身体を反転させ、遠心力を殺さずに背後のモンスター達を頑丈な銃身で薙ぎ払う。
【黒虎剛爪】と【銀虎剛爪】には、銃身による打撃と斬撃を強化する効果があるからか、時折薙ぎ払う攻撃を受けたモンスター達が斬り裂かれることがあった。
打撃と斬撃それぞれの発動条件が分からなかったので、異能【万物変換】の第5層能力【形状変換】で2梃の魔銃の銃身の下部をナイフのような刃に変化させた。
拳銃から銃剣へと変化させてからモンスターを銃身の下部の刃で斬り付けたところ、狙い通りに強化された斬撃が発生し、モンスターが真っ二つになった。
斬撃の威力が劇的に向上していることから、ちゃんとした刃の有無が決め手だったのだろう。
逆に打撃を狙うにはどうすればいいか悩んだが、次々と襲ってくるモンスター達を撃破しているうちに、銃身下部の刃以外で殴ったら確定で打撃攻撃が発生することに気付いた。
先ほどは魔銃のどの部位で攻撃してもランダムで打撃と斬撃が発生していたが、銃身下部を刃にしたことで部位によって使い分けられるようになったらしい。
思い付きで形状を変化させたが、どうやら銃剣形態がこの2梃の魔銃の最適な形状みたいだ。
── スキル【魔喰ノ精霊王】が発動します。
──対象への能力行使に成功しました。
──敏捷値が7ポイント増大します。
──魔力値が5ポイント増大します。
── スキル【魔喰ノ精霊王】が発動します。
──対象への能力行使に成功しました。
──耐久値が6ポイント増大します。
──体力値が8ポイント増大します。
── スキル【魔喰ノ精霊王】が発動します。
──対象への能力行使に成功しました。
──筋力値が5ポイント増大します。
──敏捷値が5ポイント増大します。
──スキル【集団戦闘】を獲得しました。
── スキル【魔喰ノ精霊王】が発動します。
──対象への能力行使に成功しました。
──敏捷値が5ポイント増大します。
──反応値が6ポイント増大します。
──スキル【空間機動】を獲得しました。
向かってきた浮島のモンスターの殲滅を終えると、2梃の魔銃をホルスターへと納める。
銃剣になった魔銃の形状に合わせてホルスター自体も【形状変換】で形を変化させることで、問題なく納めることができた。
「【双剣術】が発動していたな。ナイフみたいな刃が付いているからか?」
「銃の形を変えたのですか?」
「ああ。試行錯誤の末にこの形が一番良いことが分かったよ」
「銃剣の2梃拳銃スタイルとは、中々攻めてますね」
「言いたいことは分かるが、カッコいいだろ?」
「まぁ、確かに格好いいですね。魔銃で斬撃が使えるようですが、今後も刀剣も使うんですか?」
「勿論使うとも。銃剣だが、刃渡りは短いからな。時と場合に合わせてこっちの剣とも使い分けるつもりだ」
腰のベルトに佩いた〈白霊剣オルトレール〉と〈狐幻魔刀サイラ〉を軽く叩いて見せると、リリアと共に比較的綺麗な状態の獣系有翼モンスターの死体を回収していった。
このモンスター達の毛皮は高く売れるのだが、半分近くは素材がダメになっていたが、向かってきた数はそれなりにいたので、一部をマジックアイテム化しても結構な稼ぎになるだろう。
表層の獣系有翼モンスターは俺もリリアも問題なく倒せるのが確認できた。
時間的にもう少し先まで行けそうなので、次の浮島へと進むことにした。
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