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第四話 突入
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生成プラント跡改め薬物プラントの屋内へと突入してから10分後。
内部の敵を5、6人始末したあたりで相手側が襲撃されていることに気付いた。
通路の奥から放たれる銃撃の雨を隠れてやり過ごしながら、突入後に得た戦利品の突撃銃タイプの魔導機巧銃に魔力をチャージしていく。
同時に、これまた建物内で得た戦利品の榴弾銃へ片手で榴弾を装填する。
【索敵】と【看破】の2つの特殊技能の合わせ技で敵集団の動きを読み、攻撃の密度が下がったタイミングで突撃銃の銃口を通路に向けて乱射した。
向こうの銃撃が止んだのを確認すると、突撃銃の引き金を引きつつ、榴弾銃の引き金も引いた。
榴弾が突撃銃の射線上に入る前に引き金から指を離す。
銃撃止んですぐ敵が顔を出して銃を構えるが、彼らの目の前には着弾間近の榴弾があった。
驚愕に染まる彼らの顔が爆炎に呑まれるのを確認すると、両手に持っていた銃器を投げ捨てて通路を駆け出す。
強化された肉体による疾走は、10メートル以上の距離を数秒で走破し、爆煙の中で負傷している彼らの元へと辿り着いた。
「ヒャッハー!」
「ギャッ!?」
「ゴペッ!?」
「ガハッ!?」
戦闘でハイになったテンションのまま、疾走中に抜いた二振りの刀剣武器による二刀流で乱舞する。
片方は液体金属製刀剣の風月、もう片方は戦利品の魔導刀剣〈光牙〉だ。
風月の伸縮自在の刀身と、テンモク社のベストセラー商品である光牙のレーザーブレードを駆使して、敵集団を瞬く間に殲滅していった。
銃撃戦開始から1分、距離を詰めてから3秒ほどで戦闘は終わった。
視界に頼らず気配頼りで刀を振るったため、爆煙が晴れた後には肉体だけでなく装備までバラバラになった敵の死体が足元に転がっていた。
「フゥ。ま、弾倉ぐらいは使えそうだな」
息を吐いて昂る気持ちを落ち着かせ せながら風月と光牙を鞘に納めると、手早くまだ使える物を掻き集める。
その中から適当な銃器を2挺選んで両手に持って先に進む。
突入前に探知した屋内の敵の数は25人で、ここまでで15人倒している。
その中には薬物プラントを稼働させる技術者もいたので、これだけでも致命的な痛手だろう。
再び行なった索敵で感じられる残敵が10人であることからも、隠し通路などで逃げた輩はいないようだ。
「1、2、っと。これで残り8人」
物陰から飛び出してきた2人の敵に銃弾をばら撒いて瞬殺する。
光学迷彩系の装備で姿を隠していたが、気配を読む索敵技能が使える相手には無力だ。
こういった装備を使うなら気配を消す【隠密】を習得していなければ意味はない。
俺も気配を消すレベルでは隠密技能は修めていないが、修復すればまだ使えそうなので光学迷彩装備は確保しておくことにした。
残りの8人がいる場所はすぐそこにある大きな部屋だ。
気配の動きから俺を待ち構えていることが分かったため、装備を剥ぎ取ったばかりの敵の死体を1つ片手で担ぎ上げて歩いていく。
壁に触れて問題ないことを確認してから、部屋の出入り口から死体を勢いよく投げ込む。
死体に向かって大量の銃弾が吸い込まれていくと同時に、入り口近くの壁を蹴り破る。
強化服を装着した今の俺の脚力ならば、老朽化した壁を破壊することが可能だ。
破壊した壁の破片が室内へと飛散する。
敵が怯んだ隙に部屋に飛び込み、ベルベットの引き金を引いていく。
部屋の奥に見えるのは、この薬物プラントの動力源であるエネルギー炉だろう。
下手な攻撃をするとエネルギー炉が爆発してしまうため火力の高い武器は使えない。
それを見越してエネルギー炉を背にして待ち構えていたんだろうな。
「ギャッ!?」
「ガッ!?」
「クッ、何してやがる! 早く撃ち殺せッ!!」
実体盾で銃撃を防いだ敵の1人が声を荒げる。
他の者達に指示を出していることからアイツがリーダーだろう。
ハンドガン型であるベルベットの火力ではあの実体盾を破壊出来そうにない。
「盾持ちが1人だけなら周りから片付けるか」
待ち伏せしていたことで敵同士の距離は近く、比較的狙い撃ちしやすい。
耐久性の高い強化服や機械化施術を受けたサイボーグは、急所に当たらない限り致命傷にならないため一撃では倒せなかったが、それでも敵の数は半分まで減らせた。
走りながらの銃撃を止めると、ベルベットの代わりに風月と光牙を両手に構える。
予め口内に含んでいた強化薬──自宅にあった物──を噛み砕いて身体能力を一時的に引き上げると、加速して敵との距離を一気に詰めた。
光牙のレーザーブレードで耐久型強化服を着た男を袈裟懸けに斬り裂き、風月の伸縮自在の刃で身体の一部をサイボーグ化した女の生身の部分を狙って両断していく。
その間隙を狙って振り下ろされてきた刀剣武器を躱しつつ、相手の首を刎ね飛ばした。
「ち、畜生がッ!!」
残る敵は盾持ちのリーダーのみ。
盾を構えたままエネルギー炉の方へとジリジリと退がるリーダーに向かって歩いていく。
すると、リーダーは懐から何かを取り出した。
「こうなったら、テメェも道連れだ、ギャッ!?」
取り出した爆弾をエネルギー炉へ投げようとしていたのを、短剣サイズにした風月を投げて阻止する。
爆弾を持っていた手の腕に風月が刺さり、爆弾が床に向かって落ちていく。
既に起動状態にある爆弾が床に落ちる前に駆け寄ると、そのまま足で掬い上げるようにして衝撃を殺してから壁へと蹴り飛ばした。
「うぉッ!?」
壁へと衝突した爆弾が床に落ちて大爆発する。
想像以上に爆発の規模は大きく、エネルギー炉までは被害は及ばなかったものの、そのまわりの床には大きな亀裂が入った。
強化服を着ているとはいえ、ただの蹴りで壁が壊れるほどなのだから、床の耐久性もお察しのレベルだったようだ。
マズイ、と思った次の瞬間には床の一部が崩落した。
その一部には俺や敵のリーダーが立っていた床も含まれており、そのまま地下へと落ちていった。
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