僕は理不尽女神によって異世界というところへ無理やり転送され困ってます

カプ

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9話

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エリックがパーティーに加わったことで、僕たちの冒険はさらに賑やかになりそうな予感がした。オーナメントウィザードの正体がただのオタク青年だったなんて衝撃だったけど、彼の浄化魔法は本物だし、戦力としては心強い。……ただ、中二病モードのテンションには慣れるまで時間がかかりそう。

「よし、エリック! 歓迎するぜ! でもさ、さっきの塔のトラップ、あれ全部お前が仕掛けたの?」  
キョウスケが興味津々にエリックに詰め寄った。エリックは少し気まずそうにメガネをクイッと上げて答えた。  

「いや、まあ……半分くらいはオーナメントツリーの魔力が勝手に作ったやつだよ。俺がちょっと演出を盛っただけでさ。『試練の塔』っぽくした方が、村の伝説感が出るだろ?」  

「演出って……めっちゃ怖かったんだからな!」  
シークラがムッとした顔で言うと、アンコーラちゃんが「ピクシー! あのキラキラ楽しかったよー!」と無邪気に笑った。うん、こいつの感覚はもう信用しないでおこう。

ミサキさんがお茶を配りながら、「でも、エリック君の魔法、すごかったよね。アンコーラちゃんをこんな可愛い子に変えちゃうなんて」とニコニコ。アンコーラちゃんは「えへへ、ピクシーパワーだよ!」と胸を張るけど、僕にはあの凶悪な魔王幹部の面影がチラつく。ほんとに大丈夫かな、これ……。

インフィアが静かに口を開いた。  
「エリック様の力は、オーナメントツリーの聖なる魔力と結びついています。ですが、魔王の勢力はまだ動きを止めていません。アンコーラが浄化されたことで、魔王側に何らかの変化が起きているはずです。私たちはその動向を探る必要があります。」  

「うーん、確かに。魔王が次の幹部を送ってくるかもしれないし、ピクシーアンコーラをこのまま放っておくのも不安だな。」  
僕が言うと、エリックが急に真剣な顔になった。  

「魔王の幹部か……実は、俺も最近、変な気配を感じてるんだ。村の外れの森で、なんか暗いオーラがチラチラ見える。もしかしたら、魔王のスパイか、別の幹部が動いてるかもしれない。」  

「暗いオーラ!? それ、めっちゃヤバそうじゃん!」  
キョウスケが目を輝かせ、剣を握り直した。戦闘狂め……。  

「よし、じゃあその森を調べに行こう! エリック、お前も来るよな?」  
僕が確認すると、エリックはニヤリと笑ってフードを被り直した。  

「ふっ、当然だ。我が漆黒の竜が、闇の気配を焼き尽くしてくれる!」  
……はい、中二病モード発動。シークラが「うわ、また始まった」と顔を覆う中、僕たちは準備を整えて村の外れの森へ向かうことにした。

---

森はオーナメントツリーの光が届かないほど深く、木々の間から不気味な霧が漂っていた。アンコーラちゃんは「ピクシー! 暗いとこキライ!」と僕の背中にくっついてくる。重いよ、離れてくれ……。

「エリック、この暗いオーラってどんな感じ?」  
僕が尋ねると、彼は杖を構えながら答えた。  

「んー、なんというか……腐った果物みたいな、ドロドロした感じ? 浄化魔法で反応するから、間違いなく魔王の力だ。」  

「腐った果物って……例えが微妙だな。」  
シークラがツッコむと、ミサキさんが「でも、イメージしやすいかも」と笑った。確かに、なんか気持ち悪い雰囲気だ。

突然、インフィアが立ち止まり、女神モード全開で光を放ち始めた。  
「サキ様、気をつけてください! この先に、強力な魔力が潜んでいます!」  

「うわっ、急に何!?」  
僕が慌てて剣を構えると、森の奥から低い笑い声が響いてきた。  

「ククク……オーナメントツリーの守護者と、浄化された我が同胞を連れた冒険者たちか。面白い組み合わせだな。」  

木々の間から現れたのは、全身を黒いローブで覆った長身の男。顔は見えないけど、両手に持った杖から紫色の魔力がビリビリと溢れている。こいつ、絶対ただ者じゃない!  

「お前、魔王の幹部か!?」  
キョウスケが叫ぶと、男はフッと笑った。  

「我が名はヴェルザード、魔王の参謀だ。アンコーラの浄化、確かに見事だった。だが、その程度で我々の計画を止められるとでも?」  

「計画!? 何企んでるんだ!」  
僕が叫ぶと、ヴェルザードは杖を振り、森全体が揺れた。地面から黒い蔓が這い出し、僕たちを絡め取ろうとしてくる!  

「ピクシー! やだやだ、こわいよー!」  
アンコーラちゃんが叫びながらピンクの光を放つと、蔓が一瞬で泡に包まれて弾けた。……お、お前、めっちゃ強いじゃん!  

「ふむ、浄化されたとはいえ、アンコーラの力は健在か。だが、貴様らの力、試させてもらうぞ!」  
ヴェルザードが杖を掲げると、森の奥から巨大な影が現れた。でかい……狼!? いや、狼の形をした黒い魔獣だ! 目が赤く光って、めっちゃ怖い!  

「サキ、準備しろ! こいつ、やる気満々だぞ!」  
キョウスケが剣を構え、シークラが弓を準備。ミサキさんは後方で回復魔法の準備を始めた。  

「エリック! お前の浄化魔法、頼むぜ!」  
僕が叫ぶと、エリックがフードを翻して叫んだ。  

「我が爆炎竜ベルギアよ! 闇を焼き尽くせ!」  
黒い竜の幻影が現れ、魔獣に突進! でも、ヴェルザードがニヤリと笑う。  

「その程度の浄化で、我が魔獣を倒せるとでも? 愚かな!」  
魔獣が咆哮し、竜の幻影を一撃で吹き飛ばした。エリックが「ぐっ、マジかよ!」と焦る中、インフィアが前に出た。  

「サキ様、私の力をお使いください! この魔獣、聖なる光で弱らせます!」  
インフィアの周囲にまばゆい光が広がり、魔獣が一瞬怯んだ。すげえ、インフィア! やっぱ女神だ!  

「よし、みんな! 行くぞ!」  
僕が号令をかけ、キョウスケ、シークラ、ミサキさん、エリック、そしてピクシーアンコーラが一斉に動き出した。アンコーラちゃんのピクシーパワーが泡となって魔獣の動きを封じ、キョウスケと僕が剣で攻撃。シークラの矢が魔獣の目を狙い、ミサキさんの回復魔法が僕たちを支える。エリックは中二病全開で「闇を貫け、聖なる炎!」とか叫びながら追加の浄化魔法をぶっ放す。

ヴェルザードは「ほう、なかなかやるな」と余裕の笑みを浮かべていたけど、だんだん顔が引きつってきた。  

「この程度で終わると思うなよ!」  
彼が杖を振り上げると、魔獣がさらに巨大化! やばい、こいつ強すぎる!  

その時、アンコーラちゃんが突然前に飛び出した。  
「ピクシーパワー、フルチャージ! みんな、離れててー!」  
彼女の身体がピンクの光で包まれ、森全体がキラキラ輝き始めた。  

「な、なんだ!?」  
ヴェルザードが驚く中、アンコーラちゃんが叫んだ。  

「ピクシーブラスト! 悪いやつ、バイバーイ!」  
巨大なピンクの光球が魔獣を直撃! 爆発と共に、魔獣が消滅し、ヴェルザードが「ぐああ!」と吹き飛ばされた。  

「す、すげえ……アンコーラちゃん、めっちゃ強いじゃん!」  
僕が唖然としていると、彼女は「えへ、ピクシーパワー、最高でしょ!」とウインク。いや、ほんと何なの、この子!?

ヴェルザードは地面に倒れながら、「覚えておけ……魔王の計画は……まだ終わらん……!」と言い残し、黒い霧となって消えた。  

「逃げられたか……でも、魔獣を倒したし、ひとまず勝ちだな!」  
キョウスケがガッツポーズ。エリックも「ふっ、闇は我が炎に屈したか」とか言ってるけど、さっきのピクシーパワーの前じゃ霞むぜ。

インフィアが静かに言った。  
「魔王の参謀が動いたということは、計画が本格化している証拠です。サキ様、これからもっと大きな戦いが待っています。」  

「うん、わかった。みんな、準備しよう。魔王の野望、絶対止めるぞ!」  
僕が言うと、みんなが力強く頷いた。アンコーラちゃんは「ピクシー! まかせてー!」と飛び跳ね、エリックは「我が竜と共に、勝利を掴む!」とカッコつけてる。

これからどんな敵が現れるのか、魔王の計画とは一体何なのか。そして、ピクシーパワーはどこまで炸裂するのか!? 僕たちの冒険は、まだまだハチャメチャだ!

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