僕は理不尽女神によって異世界というところへ無理やり転送され困ってます

カプ

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8話

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アンコーラちゃんのピクシーパワーが炸裂しそうな空気の中、僕たちはとりあえず村の中心にあるオーナメントツリーの広場に腰を下ろした。キョウスケたちはまだ状況を飲み込めていない様子で、シークラがアンコーラちゃんのフリフリした翼をジロジロ見ながら「これ、魔王のスパイじゃないの?」と疑いの目を向けている。ミサキさんはいつものようにお茶を淹れてくれていて、インフィアは静かに祈りを捧げている……って、女神オーラが強すぎて周りの村人たちがひれ伏しそうになってるよ!

「さて、サキ。次は何するんだ? このピンク爆弾をどうにかしないと、冒険どころじゃないぞ。」  
キョウスケが腕を組んで言った。僕も同意見だ。アンコーラちゃんは今、ツリーの枝にぶら下がって「ピクシー! ピクシー!」とブランコみたいに揺れてるけど、いつ元に戻るか分からないし……。

「そうだよ、まずはあのオーナメントウィザードの正体を突き止めるべきだ。あの魔法、ただの中二病じゃ済まないレベルだったぞ。」  
僕が提案すると、みんなが頷いた。インフィアも「ええ、彼の力は村の守護者として古くから語り継がれています。ですが、その正体を知る者は少ないのです」と付け加えた。

「じゃあ、情報集めだな。ギルドの受付嬢に聞くか、村の酒場で聞き込みするか。」  
シークラが立ち上がって提案した。よし、行動開始!

まず、僕とインフィアはギルドへ向かった。受付のミリアさん――いつもの優しいお姉さんタイプ――に、オーナメントウィザードのことを尋ねてみた。

「オーナメントウィザードですか? ふふ、あの方は村の伝説ですよ。フードを被った謎の魔法使いで、漆黒の竜を召喚して悪を浄化するんですって。でも、正体は……誰も知りません。ただ、噂では村はずれの古い塔に住んでいて、夜中に一人で『我が力よ!』とか叫んでるらしいですよ。」

「それ、中二病丸出しじゃん……。」  
僕はため息をついたけど、インフィアが「いえ、彼の力は本物です。竜の召喚は、村の聖なるオーナメントから来るもの。もしかすると、彼自身がオーナメントツリーの化身かもしれません」と真剣に言った。化身!? ますます謎が深まる。

次に、みんなで酒場へ。村人たちがビールを飲みながら、さっきの騒動を話題にしている。アンコーラちゃんも混ざって「ピクシーパーティーしよー!」と盛り上げてるけど、無視して聞き耳を立てた。

「ウィザードの正体? あれは昔、村の鍛冶屋の息子だったって話だぜ。名前は……エリックだったか? 子供の頃から魔法書にハマって、突然フード被って出てこなくなったんだ。」  
一人のおじさんがビールを煽りながら言った。  

「いや、違うよ! あれは旅の魔法使いで、魔王の呪いで中二病になったんだ! 浄化の魔法は、その呪いを逆手に取った力さ!」  
別の村人が反論。情報が錯綜してる……。

さらに深掘りしようと、酒場のマスターに直接聞いた。マスターは髭を撫でながら、ニヤリと笑った。  

「本当の正体を知りたきゃ、村はずれの塔に行ってみな。だが、警告しとくぜ。あの塔はオーナメントの迷宮だ。入ったら、中二病の幻覚に襲われるかもな。『爆炎竜ベルギアよ!』って叫びながら、影が襲ってくるんだ。」

「幻覚……マジかよ。」  
僕たちは顔を見合わせた。キョウスケが「面白そうじゃん! 行ってみようぜ!」とノリノリで、シークラが「バカ、死ぬ気か!」とツッコむいつものパターン。ミサキさんは「私はお茶持ってくわよ」と微笑んで、アンコーラちゃんは「ピクシー探検! わーい!」と飛び跳ねてる。インフィアは静かに「導きの光を」と祈りを捧げてくれた。

夕暮れ時、僕たちは村はずれの古い塔に到着した。塔はツリーの枝のように蔓が絡まり、入口にはキラキラしたオーナメントが吊るされている。なんだこれ、クリスマス仕様のダンジョンじゃん……。

「よし、入るぞ! みんな、気をつけろ!」  
僕が先頭を切って中へ。すると、すぐに暗闇が広がり、壁から声が響いた。  

「我が名はオーナメントウィザード……闇の守護者……汝、何者だ?」  

「うわっ! 早速かよ!」  
キョウスケが剣を抜く中、僕は叫んだ。  

「俺たちは冒険者だ! お前の正体を知りたい! さっきのアンコーラの浄化、ありがとう! でも、誰なんだよ、本当は!?」  

塔内が揺れ、幻影の竜が現れた。でも、これは……本物のベルギアじゃなく、ただの影絵みたいなやつ。インフィアが光を放つと、影が溶けて、奥から足音が聞こえた。  

フードを被った男――オーナメントウィザード――が現れた。  

「ふっ、よくここまで来た。だが、正体を知る資格があるか、試させてもらうぞ!」  

試練開始! 塔の中はオーナメントのトラップだらけ。キラキラした球体が転がってきたり、蔓が絡みついたり。でも、みんなで協力して突破。アンコーラちゃんのピクシーパワーが意外と役立って、球体をピンクの泡で包んで止めた時は笑ったよ。

ついに最上階。ウィザードがフードを外した。そこにいたのは……20代半ばの、眼鏡をかけた地味な青年。髪はボサボサで、手には分厚い魔法書。  

「はあ……バレちゃったか。俺はエリック。この村の元鍛冶屋の息子だよ。昔、旅の魔法使いに弟子入りして、強力な浄化魔法を学んだんだけど……その代償で、ずっとこの『中二病モード』が抜けなくてさ。」  

「代償!? それで、あの竜とか叫びとか?」  
僕が尋ねると、彼は苦笑いした。  

「うん。魔法の副作用で、普段は普通の俺だけど、戦う時は自動的にあのキャラになるんだ。村を守るために、わざと噂を盛って最強のイメージ作ってるだけさ。オーナメントツリーの力と融合して、浄化の竜を呼べるようになったんだけど……本当は、ただのオタクだよ。」  

みんなポカン。シークラが「最強で最悪って、そういう意味かよ!」と爆笑。インフィアは「あなたの心の純粋さが、村の調和を保っているのですね」と優しく微笑んだ。  

エリック――オーナメントウィザード――は照れくさそうに頭をかいた。  

「まあ、そんなところ。君たち、魔王の幹部を浄化したんだろ? 仲間に入れてくれよ。俺の力、貸すからさ。」  

こうして、僕たちのパーティーに新メンバー、エリックが加わった。中二病モードの時はカッコいいけど、普段はオタク話で盛り上がる変な奴。でも、村の守護者として本物だ。魔王の次の手は? アンコーラちゃんのピクシーパワーはいつまで続く?  

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