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【まずはバシレイオスのフラグを折ろうか】
この人怖いです
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お茶会を終えて、私はアウレウスと一緒に帰途についた。馬車がフォリーン家を出発して、屋敷が見えなくなった頃になって、沈黙を守っていたアウレウスがやっと喋る。
「いかがでしたか?」
「うん?」
「クレア様にとって、お茶会はうまくいったのかどうか気になりまして」
正面に座ったアウレウスが、そう言う。今朝言ってたことを覚えていたのかあ。
「うーん、まあ、うまく……いったかなあ。できたと思う……かな」
全然スマートじゃなかったけど、テレンシアには私がバシレイオスのこと何とも思ってないことは見せれた訳だし、運命だなんて思わないでくれただろうし……。
と考えていたら、ふ、と息を吐く音が聞こえた。見ればアウレウスがくつくつと声を殺して笑っている。
「何で笑ってるの?」
「あれで上手くいったとおっしゃるものですから……」
「へ?」
確かに大成功とは言えないかもしれないけど、フラグはきっと折れたと思うんだけど……。
「殿下に対して大層な物言いでございましたね」
ふ、と口を笑ませてアウレウスが言う。
……し、しまった。待って、社交の場としての『普通のお茶会』としてはもしかして大失敗? やばい……フラグ折りにだけ集中しすぎたかも……。
「それで? 貴女にとって『何』が上手くいったんです?」
「え、と……それは……」
自然と目が泳ぐ。どうしよう、やっぱり言った方がいいのかな。
「冗談ですよ」
にこ、と微笑んでアウレウスは言う。何が冗談なんだろう、怖いからつっこまないけど!
「それにしても今日は面白いことをおっしゃってましたね。『運命』はただのきっかけ、でしたか」
「あ、うん……」
「運命自体はあると思ってらっしゃる口ぶりでしたね」
そう指摘されて、私は唇を噛む。それはそうだ。だって、運命はある。この世界に決められた出会いがあるんだから。
「……全部が決まってるとは思ってないよ。思いたくもないし……」
「確かに運命はあるんですよ」
「え?」
びっくりして私は顔をあげる。
「聖女は、必ず貴族の家門から生まれるんです」
「……どういうこと?」
「有史以来、聖女が生まれるのは、必ず貴族の家門です。例外はありません」
「……でも、私の家はただの商家だったわ」
そう言うと、アウレウスは頷いた。
「でも、クレア様が生まれる前に、バートン家は子爵位を授かったでしょう? 前代の聖女が身罷られると、次代の聖女がどこかの女性のお腹に宿ります。その女性が平民ならば、聖女が生まれる前に何らかの形でその女性は貴族になります。……過去には、貴族の堕とし胤が聖女だった例もありますね。家族が叙勲を受ける、貴族の後妻として入るなど理由は様々ですが、聖女は漏れなく貴族として生まれるのです」
「何で……?」
「きちんとした理由は判っていませんが、生まれてから聖女が苦労をすることのないように、神の力が働いているのだとされていますね」
バートン家は、私が生まれる少し前に子爵の位をもらっている。それは、聖女としての私が生まれるから、運命でそうなったっていうこと……?
「じゃあ、うちの家門が商売の調子がいいのは、私が産まれるからだったの?」
「どうでしょう? でも、バートン家はクレア様がお産まれになるずっと前から家業が好調だった筈ですよ」
当然のように話してるけど、アウレウスってうちの家門のこと、調べてるんだな。
「どこまでが運命なのかは判りませんがね。先ほど、次代の聖女は先代が身罷られた翌年に産まれると申し上げましたでしょう? ですから、今年聖女が現れることは判っていたのです。皆、15歳で洗礼を受けますからね」
「そっか……」
こういう知識は、一般公開されていないことのはずなんだけど、私が聖女だから話してくれてるのかな。でも、今年聖女が現れるのは運命ってより、ただの順番なだけの気もするけど。
「ちなみに、私がクレア様の補佐になったのは半分以上は私の目論み通りです」
「えっ何それ」
にこりと笑ったアウレウスが怖い。
「私は補佐になりたかったので、聖女が現れそうな地区の教会を選んで神官見習いになったんですよ。今年聖女が現れるのは判っていましたから、逆算して15歳の息女がいる家庭で、偶然貴族になった家門があるところを調べてね。とは言っても、今年15歳になる息女の居る家門も少なくはありませんでしたから、一種の賭けでしたが……当たって良かったです」
綺麗に笑って見せるアウレウス。それはつまり、私が聖女になるかもしれないってのを最初から見当つけてたってこと? バートン家のことを詳しく知ってるのは聖女になってから調べたものだと勝手に思ってたけど、それよりもずっと前から調べてたってこと?
……この人、怖いです。
「ソッカー、スゴイネ……」
「補佐になれて光栄です」
この人はサポートキャラじゃなくて、腹黒策士の間違いなのでは?
「いかがでしたか?」
「うん?」
「クレア様にとって、お茶会はうまくいったのかどうか気になりまして」
正面に座ったアウレウスが、そう言う。今朝言ってたことを覚えていたのかあ。
「うーん、まあ、うまく……いったかなあ。できたと思う……かな」
全然スマートじゃなかったけど、テレンシアには私がバシレイオスのこと何とも思ってないことは見せれた訳だし、運命だなんて思わないでくれただろうし……。
と考えていたら、ふ、と息を吐く音が聞こえた。見ればアウレウスがくつくつと声を殺して笑っている。
「何で笑ってるの?」
「あれで上手くいったとおっしゃるものですから……」
「へ?」
確かに大成功とは言えないかもしれないけど、フラグはきっと折れたと思うんだけど……。
「殿下に対して大層な物言いでございましたね」
ふ、と口を笑ませてアウレウスが言う。
……し、しまった。待って、社交の場としての『普通のお茶会』としてはもしかして大失敗? やばい……フラグ折りにだけ集中しすぎたかも……。
「それで? 貴女にとって『何』が上手くいったんです?」
「え、と……それは……」
自然と目が泳ぐ。どうしよう、やっぱり言った方がいいのかな。
「冗談ですよ」
にこ、と微笑んでアウレウスは言う。何が冗談なんだろう、怖いからつっこまないけど!
「それにしても今日は面白いことをおっしゃってましたね。『運命』はただのきっかけ、でしたか」
「あ、うん……」
「運命自体はあると思ってらっしゃる口ぶりでしたね」
そう指摘されて、私は唇を噛む。それはそうだ。だって、運命はある。この世界に決められた出会いがあるんだから。
「……全部が決まってるとは思ってないよ。思いたくもないし……」
「確かに運命はあるんですよ」
「え?」
びっくりして私は顔をあげる。
「聖女は、必ず貴族の家門から生まれるんです」
「……どういうこと?」
「有史以来、聖女が生まれるのは、必ず貴族の家門です。例外はありません」
「……でも、私の家はただの商家だったわ」
そう言うと、アウレウスは頷いた。
「でも、クレア様が生まれる前に、バートン家は子爵位を授かったでしょう? 前代の聖女が身罷られると、次代の聖女がどこかの女性のお腹に宿ります。その女性が平民ならば、聖女が生まれる前に何らかの形でその女性は貴族になります。……過去には、貴族の堕とし胤が聖女だった例もありますね。家族が叙勲を受ける、貴族の後妻として入るなど理由は様々ですが、聖女は漏れなく貴族として生まれるのです」
「何で……?」
「きちんとした理由は判っていませんが、生まれてから聖女が苦労をすることのないように、神の力が働いているのだとされていますね」
バートン家は、私が生まれる少し前に子爵の位をもらっている。それは、聖女としての私が生まれるから、運命でそうなったっていうこと……?
「じゃあ、うちの家門が商売の調子がいいのは、私が産まれるからだったの?」
「どうでしょう? でも、バートン家はクレア様がお産まれになるずっと前から家業が好調だった筈ですよ」
当然のように話してるけど、アウレウスってうちの家門のこと、調べてるんだな。
「どこまでが運命なのかは判りませんがね。先ほど、次代の聖女は先代が身罷られた翌年に産まれると申し上げましたでしょう? ですから、今年聖女が現れることは判っていたのです。皆、15歳で洗礼を受けますからね」
「そっか……」
こういう知識は、一般公開されていないことのはずなんだけど、私が聖女だから話してくれてるのかな。でも、今年聖女が現れるのは運命ってより、ただの順番なだけの気もするけど。
「ちなみに、私がクレア様の補佐になったのは半分以上は私の目論み通りです」
「えっ何それ」
にこりと笑ったアウレウスが怖い。
「私は補佐になりたかったので、聖女が現れそうな地区の教会を選んで神官見習いになったんですよ。今年聖女が現れるのは判っていましたから、逆算して15歳の息女がいる家庭で、偶然貴族になった家門があるところを調べてね。とは言っても、今年15歳になる息女の居る家門も少なくはありませんでしたから、一種の賭けでしたが……当たって良かったです」
綺麗に笑って見せるアウレウス。それはつまり、私が聖女になるかもしれないってのを最初から見当つけてたってこと? バートン家のことを詳しく知ってるのは聖女になってから調べたものだと勝手に思ってたけど、それよりもずっと前から調べてたってこと?
……この人、怖いです。
「ソッカー、スゴイネ……」
「補佐になれて光栄です」
この人はサポートキャラじゃなくて、腹黒策士の間違いなのでは?
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