5 / 24
元騎士は旧友の甘い執着に堕ちて
4.旧友
しおりを挟む
転生する前のジェイミーが見習い騎士だったころ、彼はまだ身長が伸びきっていなかったせいなのか、美しい顔立ちのせいなのか、とにかく先輩騎士にちょっかいをかけられることが多かった。
とはいえ、彼も男である。腕っぷしでそれをはねのけ、腕ずくでどうにかなるものではないのだと示してきた。
今見ているのは、過去の夢である。ジェイミーが剣の手入れをしながら、親友の見習い騎士と二人で談笑しているときのことだった。
「一回くらい、付き合ってやればあんなにちょっかいかけられることもなくなるんじゃないか?」
からかい気味のジョークを言う親友を、ジェイミーは睨みつける。アッシュグレーの髪に琥珀色の瞳が印象的な彼は、背の低いジェイミーと違って、すでにかなり背が高い。だから、先輩騎士にちょっかいをかけられるよりも、その気のある見習い騎士から告白を受ける立場だった。
つまり、女っけのない集団生活の中で、見習い騎士と騎士が付き合う例は珍しくないのだ。男色の気がなくとも、一度も男と関係を持っていない騎士のほうが珍しいくらいである。
「そういうお前だって、誰ともヤってなんかないくせに。よく言う」
「ははは」
「お前にとっては笑いごとでも、私にとっては死活問題なんだよ。いいか、一度でも応じてみろ。『俺も相手してくれ』って他の先輩方がやってくるに決まってるだろう。与しやすいと思われているのだろうな。不愉快だ」
吐き捨てたジェイミーに対し、親友はまたも笑った。
「そんなに男を敬遠するのは、故郷に好きな女でもいるからか? 婚約者はいないと言っていただろう」
「そんなものはいないが……そもそも色恋なぞ私はわからない。惚れただのなんだのというのは、騎士として身をたて、妻を持てる立場になってから考えるべきだろう」
「お前はつくづく真面目だな」
笑い交じりの言葉がばかにされたように感じて、ジェイミーはむっとした。
「お前はどうなんだ。好きな女がいるから、誘いを断っているのか? ずいぶんとモテているだろう」
「好きな女ねえ。……そんなもんいねえよ」
親友は言って、手入れしていた剣を置いて次のものを手にとる。これは先輩騎士の剣だ。
「じゃあどうしてだ? 私に『一回ヤれ』というくらいだから、別に男と寝るのがいやなわけではないんだろう?」
「はは、そいつは極端な推理だな、ジェイ。そうだな、強いて言えば……お前をからかってるほうが楽しいからじゃないか?」
にやりと笑った親友に、ジェイミーはいよいよ憤慨する。
「またお前はそういうことを! ……もういい、私は休憩に入る! 仮眠を取るから邪魔するなよ!」
「なんだ、拗ねたのか。ジェイ」
「知らん」
ごろりと横になって、ジェイミーは親友の笑いを含んだ声を冷たく切り捨てる。それが面白かったようで、親友はまた笑いをこぼした。よく笑うやつだ、と呆れながら目を閉じて、ジェイミーはそのまま昼寝をしたのだった。
***
(そうだ。あの頃は簡単に、ねじ伏せられたのに)
ぼやぼやと夢の中で、ジェイミーは考える。
「……イ」
木漏れ日の落ちる木の下、うたたねをしていたジェイミーは呼び声がしたのに、眉間に皺を寄せた。
「ジェイミー」
「んん……」
「おい、起きろ」
肩を揺すられるが、瞼が重くてまだ起きられない。
「ジェイ」
「もう少し寝かせてくれ、クリフォード。私はまだ……」
身体を揺する腕を邪険に払おうとしてぼやいたところで、ジェイミーははっとした。ぱちぱちと瞬きをすれば、逆光にきらめいて、アッシュグレーの髪が眩しく映る。だがそれはつい先ほどまで見ていた夢の親友の顔とは違う。彼の顔は、夢の中より二十歳ほど老けている。
(しまった……!)
過去の夢を見ていたせいで、あの頃の呼び方でクリフォードを呼んでしまった。目の前のクリフォードは、今となっては婚約者になったが、転生前のジェイミーの親友の騎士だったのだ。
旧友とこうして剣術指南の相手として再会したのは、本当に偶然だった。剣を習いたいとねだったジェイミーに、たまたま父が用意したのが騎士を退任したクリフォードだったのだ。普通ならもっと若い騎士をあてがうところだろうが、うら若い令嬢への指南ということでクリフォードに白羽の矢が立ったわけである。十四歳の時に習い始めて、もう五年になる。
再会したばかりのころは、クリフォードと婚約する未来など想像もしなかった。
そして婚約者になった今でなお、剣術指南は続いている。今日もその約束をしていたが、クリフォードが来るまで庭の木にもたれかかっているうちに、いつの間にかうたたねしていたらしい。寝顔を見られたことも、夢の続きと勘違いしたことも、全てが恥ずかしい、。
「ウィル、ズ卿……」
気まずさに、ジェイミーは口ごもったようになる。転生前に男であったことを告白したものの、ジェイミーがかつての親友であることを、未だに打ち明けていない。だから呼び方を間違えたのをどう言い訳しようと考えるが、うまい言葉が見つからない。
「ん、なんだ? またその呼び方に戻るのか」
からかうような笑みを浮かべて、クリフォードは言う。
「すみません、寝ぼけてしまって」
「いいや、構わない。どうせお前と俺は婚約者同士だろう。いつまでも『ウィルズ卿』じゃ体裁が悪いだろうと思っていたところだ」
(でも……)
心の中では『クリフォード』と呼んでいても、面と向かって呼ぶ勇気はない。ついさっきや、先日の夜会のとき、とっさにそう呼んでしまったものの、普段から『クリフォード』と呼ぶようになれば、いつ気が緩んで彼にジェイミーの正体がバレるのではないかとヒヤヒヤしてしまう。
元男であったことは伝えられても、ジェイミーが親友であったことなど、言えるわけがない。
(……あんな、あんなに情けない死に方をした男が、おめおめと戻ってきたなんて、クリフォードに言えるわけがない)
そんなことを思っているにも関わらず、彼を婚約者にすることを選んだのは、ひとえに男は男でも、クリフォードだけはそばにいても心地良いからだろう。それは騎士時代から変わらない。
「なんだ、『婚約者』なんて肩書だけじゃあ名前は呼びづらいか? だが、対外的には親しそうにしておいたほうがよかろうよ。政略結婚だなんだと言って、こないだのブライトンのような若造が沸いて出るとも限らん。それじゃあ、俺と婚約した意味がないだろう」
返事をしないジェイミーに対して、クリフォードは畳みかける。彼の言うことはもっともだ。ただでさえ年齢差ゆえに目立っているのだから、恋愛結婚であると見せかけておいたほうがいい。理屈はわかっているのだが、それでもジェイミーは頷けない。
「……何がいやなのか知らないが……しょうがねえな。じゃあお前のことを『ジェイ』と呼ぶ。それでいいな?」
「え」
「愛称なんざ、異性は家族か恋人くらいしか呼ばせねえだろ」
「そう、ですね……わかりました」
(ここらが妥協点か……。いや全部、私のわがままに付き合わせているというのに。クリフォードも律儀なやつだ)
旧友の気遣いにありがたく思いながらもジェイミーは頷く。
(それにしても、昔と同じ呼び名か……)
「色々と気遣ってくださってありがとうございます」
「気にするな。その口調も、俺とふたりきりのときならいつも通りに戻していいんだぞ? 敬語も必要ない」
「いつも、とおっしゃいますと?」
「ほら、男言葉が飛び出ることがあるだろう。あれが素じゃないのか?」
指摘されたジェイミーの頬が赤く染まる。そういえば、時々男言葉が出ていると指摘されていたのだった。自分では淑女の仮面を完璧被れていると思っていたのに、そうではなかったと改めてつきつけられると恥ずかしい。
「…………それは……」
(言葉遣いまで戻したら、ますますあの頃のように接してしまいそうで怖いな。だけど)
苦笑したジェイミーは立ち上がって淑女の礼をとった。
「では、気兼ねなくそうさせてもらおう、ウィルズ卿」
「ははは、見た目だけは立派な礼だな」
楽しそうに笑ったクリフォードは、言いながら木剣をジェイミーに渡してよこす。
「じゃあ今日も始めるか」
「よろしくお願いします」
今度は騎士の礼を取ってからジェイミーは木剣を構える。そうして、今日もクリフォードによる剣術指南が始まった。
(……婚約する前よりも、ずっと距離が近くて困るな)
それは心の距離なのか身体の距離なのか。昔じゃれあっていたころにはどうしたって戻れないのに、ジェイミーは懐かしみながら木剣を振るのだった。
とはいえ、彼も男である。腕っぷしでそれをはねのけ、腕ずくでどうにかなるものではないのだと示してきた。
今見ているのは、過去の夢である。ジェイミーが剣の手入れをしながら、親友の見習い騎士と二人で談笑しているときのことだった。
「一回くらい、付き合ってやればあんなにちょっかいかけられることもなくなるんじゃないか?」
からかい気味のジョークを言う親友を、ジェイミーは睨みつける。アッシュグレーの髪に琥珀色の瞳が印象的な彼は、背の低いジェイミーと違って、すでにかなり背が高い。だから、先輩騎士にちょっかいをかけられるよりも、その気のある見習い騎士から告白を受ける立場だった。
つまり、女っけのない集団生活の中で、見習い騎士と騎士が付き合う例は珍しくないのだ。男色の気がなくとも、一度も男と関係を持っていない騎士のほうが珍しいくらいである。
「そういうお前だって、誰ともヤってなんかないくせに。よく言う」
「ははは」
「お前にとっては笑いごとでも、私にとっては死活問題なんだよ。いいか、一度でも応じてみろ。『俺も相手してくれ』って他の先輩方がやってくるに決まってるだろう。与しやすいと思われているのだろうな。不愉快だ」
吐き捨てたジェイミーに対し、親友はまたも笑った。
「そんなに男を敬遠するのは、故郷に好きな女でもいるからか? 婚約者はいないと言っていただろう」
「そんなものはいないが……そもそも色恋なぞ私はわからない。惚れただのなんだのというのは、騎士として身をたて、妻を持てる立場になってから考えるべきだろう」
「お前はつくづく真面目だな」
笑い交じりの言葉がばかにされたように感じて、ジェイミーはむっとした。
「お前はどうなんだ。好きな女がいるから、誘いを断っているのか? ずいぶんとモテているだろう」
「好きな女ねえ。……そんなもんいねえよ」
親友は言って、手入れしていた剣を置いて次のものを手にとる。これは先輩騎士の剣だ。
「じゃあどうしてだ? 私に『一回ヤれ』というくらいだから、別に男と寝るのがいやなわけではないんだろう?」
「はは、そいつは極端な推理だな、ジェイ。そうだな、強いて言えば……お前をからかってるほうが楽しいからじゃないか?」
にやりと笑った親友に、ジェイミーはいよいよ憤慨する。
「またお前はそういうことを! ……もういい、私は休憩に入る! 仮眠を取るから邪魔するなよ!」
「なんだ、拗ねたのか。ジェイ」
「知らん」
ごろりと横になって、ジェイミーは親友の笑いを含んだ声を冷たく切り捨てる。それが面白かったようで、親友はまた笑いをこぼした。よく笑うやつだ、と呆れながら目を閉じて、ジェイミーはそのまま昼寝をしたのだった。
***
(そうだ。あの頃は簡単に、ねじ伏せられたのに)
ぼやぼやと夢の中で、ジェイミーは考える。
「……イ」
木漏れ日の落ちる木の下、うたたねをしていたジェイミーは呼び声がしたのに、眉間に皺を寄せた。
「ジェイミー」
「んん……」
「おい、起きろ」
肩を揺すられるが、瞼が重くてまだ起きられない。
「ジェイ」
「もう少し寝かせてくれ、クリフォード。私はまだ……」
身体を揺する腕を邪険に払おうとしてぼやいたところで、ジェイミーははっとした。ぱちぱちと瞬きをすれば、逆光にきらめいて、アッシュグレーの髪が眩しく映る。だがそれはつい先ほどまで見ていた夢の親友の顔とは違う。彼の顔は、夢の中より二十歳ほど老けている。
(しまった……!)
過去の夢を見ていたせいで、あの頃の呼び方でクリフォードを呼んでしまった。目の前のクリフォードは、今となっては婚約者になったが、転生前のジェイミーの親友の騎士だったのだ。
旧友とこうして剣術指南の相手として再会したのは、本当に偶然だった。剣を習いたいとねだったジェイミーに、たまたま父が用意したのが騎士を退任したクリフォードだったのだ。普通ならもっと若い騎士をあてがうところだろうが、うら若い令嬢への指南ということでクリフォードに白羽の矢が立ったわけである。十四歳の時に習い始めて、もう五年になる。
再会したばかりのころは、クリフォードと婚約する未来など想像もしなかった。
そして婚約者になった今でなお、剣術指南は続いている。今日もその約束をしていたが、クリフォードが来るまで庭の木にもたれかかっているうちに、いつの間にかうたたねしていたらしい。寝顔を見られたことも、夢の続きと勘違いしたことも、全てが恥ずかしい、。
「ウィル、ズ卿……」
気まずさに、ジェイミーは口ごもったようになる。転生前に男であったことを告白したものの、ジェイミーがかつての親友であることを、未だに打ち明けていない。だから呼び方を間違えたのをどう言い訳しようと考えるが、うまい言葉が見つからない。
「ん、なんだ? またその呼び方に戻るのか」
からかうような笑みを浮かべて、クリフォードは言う。
「すみません、寝ぼけてしまって」
「いいや、構わない。どうせお前と俺は婚約者同士だろう。いつまでも『ウィルズ卿』じゃ体裁が悪いだろうと思っていたところだ」
(でも……)
心の中では『クリフォード』と呼んでいても、面と向かって呼ぶ勇気はない。ついさっきや、先日の夜会のとき、とっさにそう呼んでしまったものの、普段から『クリフォード』と呼ぶようになれば、いつ気が緩んで彼にジェイミーの正体がバレるのではないかとヒヤヒヤしてしまう。
元男であったことは伝えられても、ジェイミーが親友であったことなど、言えるわけがない。
(……あんな、あんなに情けない死に方をした男が、おめおめと戻ってきたなんて、クリフォードに言えるわけがない)
そんなことを思っているにも関わらず、彼を婚約者にすることを選んだのは、ひとえに男は男でも、クリフォードだけはそばにいても心地良いからだろう。それは騎士時代から変わらない。
「なんだ、『婚約者』なんて肩書だけじゃあ名前は呼びづらいか? だが、対外的には親しそうにしておいたほうがよかろうよ。政略結婚だなんだと言って、こないだのブライトンのような若造が沸いて出るとも限らん。それじゃあ、俺と婚約した意味がないだろう」
返事をしないジェイミーに対して、クリフォードは畳みかける。彼の言うことはもっともだ。ただでさえ年齢差ゆえに目立っているのだから、恋愛結婚であると見せかけておいたほうがいい。理屈はわかっているのだが、それでもジェイミーは頷けない。
「……何がいやなのか知らないが……しょうがねえな。じゃあお前のことを『ジェイ』と呼ぶ。それでいいな?」
「え」
「愛称なんざ、異性は家族か恋人くらいしか呼ばせねえだろ」
「そう、ですね……わかりました」
(ここらが妥協点か……。いや全部、私のわがままに付き合わせているというのに。クリフォードも律儀なやつだ)
旧友の気遣いにありがたく思いながらもジェイミーは頷く。
(それにしても、昔と同じ呼び名か……)
「色々と気遣ってくださってありがとうございます」
「気にするな。その口調も、俺とふたりきりのときならいつも通りに戻していいんだぞ? 敬語も必要ない」
「いつも、とおっしゃいますと?」
「ほら、男言葉が飛び出ることがあるだろう。あれが素じゃないのか?」
指摘されたジェイミーの頬が赤く染まる。そういえば、時々男言葉が出ていると指摘されていたのだった。自分では淑女の仮面を完璧被れていると思っていたのに、そうではなかったと改めてつきつけられると恥ずかしい。
「…………それは……」
(言葉遣いまで戻したら、ますますあの頃のように接してしまいそうで怖いな。だけど)
苦笑したジェイミーは立ち上がって淑女の礼をとった。
「では、気兼ねなくそうさせてもらおう、ウィルズ卿」
「ははは、見た目だけは立派な礼だな」
楽しそうに笑ったクリフォードは、言いながら木剣をジェイミーに渡してよこす。
「じゃあ今日も始めるか」
「よろしくお願いします」
今度は騎士の礼を取ってからジェイミーは木剣を構える。そうして、今日もクリフォードによる剣術指南が始まった。
(……婚約する前よりも、ずっと距離が近くて困るな)
それは心の距離なのか身体の距離なのか。昔じゃれあっていたころにはどうしたって戻れないのに、ジェイミーは懐かしみながら木剣を振るのだった。
2
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
契約妻に「愛さない」と言い放った冷酷騎士、一分後に彼女の健気さが性癖に刺さって理性が崩壊した件
水月
恋愛
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件の旦那様視点短編となります。
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました
小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」
二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。
第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。
それから二十年。
第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。
なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。
不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。
これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。
※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。
女王は若き美貌の夫に離婚を申し出る
小西あまね
恋愛
「喜べ!やっと離婚できそうだぞ!」「……は?」
政略結婚して9年目、32歳の女王陛下は22歳の王配陛下に笑顔で告げた。
9年前の約束を叶えるために……。
豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。
「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。
本作は小説家になろうにも投稿しています。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
恋は、母をやめてから始まる――正体を隠したまま、仮の婚約者になりました
あい
恋愛
両親を失ったあの日、
赤子の弟を抱いて家を出た少女がいた。
それが、アリア。
世間からは「若い母」と呼ばれながらも、
彼女は否定しなかった。
十六年間、弟を守るためだけに生きてきたから。
恋も未来も、すべて後回し。
けれど弟は成長し、ついに巣立つ。
「今度は、自分の人生を生きて」
その一言が、
止まっていた時間を動かした。
役目を終えた夜。
アリアは初めて、自分のために扉を開く。
向かった先は、婚姻仲介所。
愛を求めたわけではない。
ただ、このまま立ち止まりたくなかった。
――けれどその名前は、
結婚を急かされていた若き当主のもとへと届く。
これは、
十六年“母”だった女性が、
もう一度“ひとりの女”として歩き出す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる