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元騎士は旧友の甘い執着に堕ちて
7.暴かれた肌 ※
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ちゅ、と首にたてられたリップ音で、自分を失っていたジェイミーははっとした。
「嘘だ、あなたは好きな人がいたと……!」
「ああそうだ。それからお前に惚れた」
「っそんなこと、言わなかったじゃないか!」
「聞かれなかったからな」
唇が、鎖骨をきつく吸い上げる。ちゅう、としつこい音が響いて、クリフォードが口を離したときには、白い肌にくっきりと赤い痣が浮かび上がっている。所有印をつけたクリフォードは口元を笑ませて、もう一つ新しい証を刻みつける。
「やめろ! 卑怯だ……!」
「卑怯なものか。子作りなんぞ、結婚した貴族の夫婦の義務だろうが」
(義務……)
その言葉に、腕で抵抗していたジェイミーの身体がびくんと震える。
貴族の令嬢として、生を受けた。高位の令嬢ならば、いずれどこかの貴族に嫁いて縁を結び、家を盛り立てる一助となるのが当たり前だ。だというのに、侯爵令嬢であるジェイミーは今まで散々見合いの話を断り、渋り、そうして結局、適齢とは言えない男爵の妻に納まった。その時点で侯爵令嬢が果たすべき義務を放棄しているに等しい。ならばせめて、子作りくらいはすべきだろう。
それらの令嬢としての義務は、今まで散々、乳母に言い聞かせられてきたことだ。目を逸らし続けていただけで、本当はジェイミーにだって頭ではわかっている。だが、気持ちの整理がつかない。
「義務くらい果たせ、ジェイミー」
「!」
「安心しろ。お前を乱暴に抱く気はない」
恐怖に顔がひきつったジェイミーの両手を片手で纏めると、クリフォードは彼女の頭上に縫い留めた。そうしておいて片手を胸に伸ばして、薄い生地の服の上から、するりと柔らかな膨らみを掌で包みこむ。温かな感触が柔らかに撫でてくるのが、くすぐったいのか、ぞわぞわするのかよくわからなかった。
「俺はお前が好きだ。だから……本当はお前の嫌がることなんてしたくなかったがな。お前はどうにも隙がありすぎる。誰のものにもならないならそれでいいと思っていたが、唾をつけずにいたら、今のお前は簡単に盗まれそうだ」
「何を言ってる……ぁんっ」
不意に口をついて出た高い声に、ジェイミーは目をみはる。クリフォードの指が、胸の中央の敏感な尖りを、指先で弾いたせいだ。
「これが好きか?」
わずかに固くなった尖りを、こり、こりと指先がはじく。
「あっや……っやだ! っこ、えが……あっ!」
「ああ、いい声だ。こんな調子なら、あの従兄も喜ぶだろうな」
服越しに指で弾いた次は、するっとリボンを解かれて、服がめくられた。
「やっ」
異性に見られたことのない肌が、あっけなくクリフォードの目に晒される。いやらしく充血して、尖り、つまみやすい形になった乳首がつんと上向いて、ジェイミーが声をあげるたびに震えているのが恥ずかしい。
(従兄? オリヴァーの名前が、どうして今出てくる?)
「オリヴァー、は関係な、いだろ……う!」
「本当に気づいてないんだな」
つまんでこねるように虐めて、クリフォードは鼻で笑った。
「従兄がお茶会に呼びたい、と言っていただろう。結婚した女に、男が茶会を誘うのはな、不倫をしようという意味だ。俺には聞こえないように言ったつもりらしいがな」
耳元に口を寄せ、リップ音をたててわざと水音を耳に響かせ、ジェイミーの羞恥を煽りたてる。先ほどまでくすぐったかったはずが、胸の尖りをこねられ、乳房をやわやわと揉まれるたびに、なぜだかぴりぴりと身体の奥に何かを響かせてくる。
「ひぁっ……やめ、てくれ。オリヴァーと、そんな関係に、あっなるつもりなんか……っ私は……」
弱々しい抵抗の声に、クリフォードが止まってくれるわけもない。
「茶会に誘われてのこのこついていったらどうなると思う? 今みたいに、簡単に組み敷かれて犯されるだろうな?」
「そな、こと……あっあ、だめ! やめ、あ、ぁあっいやぁ……っ」
耳で囁いていた口が突然乳首をねぶり始める。ちゅくちゅくと音をたてて舌で乳首を転がされ、両の胸を同時に責め立てられた。拒絶の声は、甘い嬌声でしかない。
「わた、私は、おとこ、だから……! オリヴァー、となんか……あっ」
「男だと言うなら、俺の手で簡単によがるな。なあ、ジェイ。わかってるか? さっきからここを弄ってやるたびに、腰が揺れてるぞ」
「……っ!?」
ざっとスカートがたくしあげられて、太ももを撫でられる。
「いやだ、そんな場所……ああっ」
足を差し込まれて閉じられなくされた股を、容赦なくクリフォードの手が這う。ドロワーズを用意されていなかったせいでスカートの下はすぐに秘部だ。その茂みの奥の割れ目を、クリフォードの指が開いて、くちゃりと音が響いた。
「聞こえるか? ここ。お前の女の穴が、蜜を零してる」
指が割れ目の筋に沿って前後する。ただそれだけの動きなのに、秘部からは、ぬち、ぬち、と水音を響いて濡れているのがわかってしまう。
「言うな! やっあ、ああっ」
経験はなくとも、淑女教育の一環としてジェイミーもある程度の閨ごとは教えられている。性交において痛みをなくすためには、そこを濡らす必要があるのだと。そして、濡れているのであれば、身体が快楽を覚えているのだということも、知識としてはジェイミーは知っている。だが。
(こんなの、うそだ。うそだ……女、みたいな……!)
身体に心が追いつかない。
「感じやすいな、ジェイ。いい、そのまま感じてろ」
「……っ」
つぷ、と指が一本、誰も侵入したことのない場所にはいってくる。それを拒むどころか、蜜は滑りをよくして指を受け入れ、そうして、クリフォードの指が割れ目の間にある豆に触れた瞬間だった。
「……っんあああ……っ!?」
びりびりと、股の間から何かが走りぬける。蜜壺が痙攣して、クリフォードの指をきゅうきゅうと締めつけた。初めてのその感覚が、ジェイミーにはなんなのかわからない。
「……?」
は、は、と浅く呼吸をくりかえして、身体を襲った感覚がなんなのか考えていると、クリフォードの低く、そして愉快そうに喉を鳴らした笑い声が小さく聞こえた。
「軽くイったな」
「……そんな、わけ……」
自慰すらしたことのないジェイミーは、絶頂を味わったことだって今まで一度もない。反射的に否定しかかって、ジェイミーは絶頂がどんなものかすらわかっていない自分に気づき、口をつぐんだ。両腕を片手で拘束され、胸と秘部だけを捲られて曝け出した、そんな情けない格好で、生まれて初めての女の絶頂をジェイミーは迎えたのだ。
「……いやだ」
途端に、目に涙が浮かんだ。否定しても否定しても、この身体は自分が女なのだと伝えてくる。未だ蜜壺に差し込まれたままのクリフォードの指を、きゅっと締めつけて、異物を受け入れる場所があるのだと思い知らされる。
「まあいい。今から、たっぷり甘やかして、どろどろにして、せいぜい苦しくないようにしてやる。……抱かれれば快楽でどうでもよくなるなんて外道なことは言わねえがな。……俺を、受け入れろ」
「いやだ……は、ぁんっ」
止まっていたクリフォードの手が、再び動き始めて愛撫が再開される。もうジェイミーの口からは喘ぎ声しか出ない。とうに抵抗の力をなくした腕は解放されたが、ジェイミーが暴れようと大人しくしようと、クリフォードの口と手は容赦なく彼女の肌を暴く。
それからどれだけの時間が経ったのか、服は完全に剥ぎ取られ全身を愛撫されて、ジェイミーは数え切れないほどに絶頂を味わった。そのせいで割れ目は蜜壺から溢れた愛液でびちゃびちゃに濡れ、内腿を汚すにまでなっている。
「いあ、ああっああああ……っ」
愛撫のたびに、ジェイミーは自分の身体がよがる場所を、クリフォードに教え込まれる。触れられるだけで身体の奥に熱が灯り、ただ指で軽く圧されただけで口から嬌声が飛び出るなんて場所を、ジェイミーはそれまで全く知らなかった。だというのに今ではクリフォードの触れる全てが快楽に繋がって、わけがわからない。そうして何度絶頂したかわからないころになって、やっと、クリフォードの手がジェイミーの身体から離れた。拘束されていなくても、快楽に堕とされた身体は力が入らず、仰向けでだらしくなく股を開いたまま、ジェイミーは呼吸をくりかえすしかない。
「は……もう……許してくれ」
嬌声で掠れた声で哀願したが、クリフォードは低く笑った。
「誰にも抱かれるつもりがないなら、喘いだらだめだろう。大体、初夜に夫がきて、抱かれないと思うほうがおかしい」
(それは、普通の、女だったらの話だ)
ジェイミーの中身が男だということをわかったうえで、利害関係で結婚を承諾してくれたのではなかったのか。そんな想いを、ジェイミーは口に出せないでいる。
「ジェイ」
彼女を容赦なく快楽に落とし込んだクリフォードが、優しく甘い声を出す。そして、今まで羽織ったままだったナイトガウンを、彼は脱ぎ捨てた。現れた裸体は、いくつもの傷痕に彩られたはりのある筋肉で、長年鍛えられた体躯は彼の四十という歳を感じさせない立派なものだ。そして、それは上半身だけではない。下半身には、太く固くそそりたった男根がある。
「もういいだろう。存分にほぐしたからな」
ジェイミーの両腿を抱え上げて膝に乗せると、クリフォードはぬちゃ、と音をたてて、秘部に固いものが押しつける。
先ほどまで、秘部は指だけでほぐされていた。そうして、今からはいよいよ男根で貫かれるのだ。騎士時代だって守りぬいた操が、今、旧友の手によって散らされようとしている。
「だめだ、それだけは……!」
「いやがっても、お前は俺の妻だ」
「クリフォード! お願いだ……わ、私を……女になんか、しないで……くれ……」
(お前にだけは)
ジェイミーの懇願の声は、虚しくも無視される。
「う、あ……っ」
ぐぐっと腰を押し付けられて、太い肉棒がジェイミーの蜜壺を押し広げていく。時間をかけて解されてはいても、処女の蜜壺はあまりに小さく狭い。その女の穴をクリフォードがみちみちと埋めて侵入してきた。
「あ、あああ……」
股に伝わる痛みが、純潔を散らされたのだとジェイミーにいやでも思い知らせる。股を埋めた熱い異物が、彼女を女にしたのだと。乾いたと思った涙が再び零れて、言葉にならないうめき声が口から漏れる。だがクリフォードはそのまま、彼女の最奥まで自身を押し込んだ。
「……狭いな。ああ、泣かせてしまったか」
彼女の股を貫いたまま、クリフォードは指で彼女の涙を拭う。その手つきは酷く優しくて、それがかえってジェイミーの心を抉った。
(お前にだけは、こんなこと……されたくなかった……)
ジェイミーは両手で顔を覆って、それ以上の涙を見られまいとする。
「もう……これ以上は、勘弁してくれ……お願いだ」
言葉は固くとも、口から漏れるのは可憐な女性の声だ。自身の声だとわかっていながら、ジェイミーはそれが恨めしい。せめて低い声なら、哀願するようなこんな情けない声でなければ。そうは思っても、彼女の身体は女だ。クリフォードがわずかに身体を動かし、その振動で繋がったままの奥が揺すぶられると、痛みでうめいていたはずの蜜壺が敏感に揺れた。
身体は、快楽を求めている。
「……やっと、俺の腕の中にいるんだ。初夜くらいゆっくりさせろ」
そう告げたクリフォードは、初めて男に貫かれたジェイミーを、再び快楽の渦へと叩きこんだのだった。
「嘘だ、あなたは好きな人がいたと……!」
「ああそうだ。それからお前に惚れた」
「っそんなこと、言わなかったじゃないか!」
「聞かれなかったからな」
唇が、鎖骨をきつく吸い上げる。ちゅう、としつこい音が響いて、クリフォードが口を離したときには、白い肌にくっきりと赤い痣が浮かび上がっている。所有印をつけたクリフォードは口元を笑ませて、もう一つ新しい証を刻みつける。
「やめろ! 卑怯だ……!」
「卑怯なものか。子作りなんぞ、結婚した貴族の夫婦の義務だろうが」
(義務……)
その言葉に、腕で抵抗していたジェイミーの身体がびくんと震える。
貴族の令嬢として、生を受けた。高位の令嬢ならば、いずれどこかの貴族に嫁いて縁を結び、家を盛り立てる一助となるのが当たり前だ。だというのに、侯爵令嬢であるジェイミーは今まで散々見合いの話を断り、渋り、そうして結局、適齢とは言えない男爵の妻に納まった。その時点で侯爵令嬢が果たすべき義務を放棄しているに等しい。ならばせめて、子作りくらいはすべきだろう。
それらの令嬢としての義務は、今まで散々、乳母に言い聞かせられてきたことだ。目を逸らし続けていただけで、本当はジェイミーにだって頭ではわかっている。だが、気持ちの整理がつかない。
「義務くらい果たせ、ジェイミー」
「!」
「安心しろ。お前を乱暴に抱く気はない」
恐怖に顔がひきつったジェイミーの両手を片手で纏めると、クリフォードは彼女の頭上に縫い留めた。そうしておいて片手を胸に伸ばして、薄い生地の服の上から、するりと柔らかな膨らみを掌で包みこむ。温かな感触が柔らかに撫でてくるのが、くすぐったいのか、ぞわぞわするのかよくわからなかった。
「俺はお前が好きだ。だから……本当はお前の嫌がることなんてしたくなかったがな。お前はどうにも隙がありすぎる。誰のものにもならないならそれでいいと思っていたが、唾をつけずにいたら、今のお前は簡単に盗まれそうだ」
「何を言ってる……ぁんっ」
不意に口をついて出た高い声に、ジェイミーは目をみはる。クリフォードの指が、胸の中央の敏感な尖りを、指先で弾いたせいだ。
「これが好きか?」
わずかに固くなった尖りを、こり、こりと指先がはじく。
「あっや……っやだ! っこ、えが……あっ!」
「ああ、いい声だ。こんな調子なら、あの従兄も喜ぶだろうな」
服越しに指で弾いた次は、するっとリボンを解かれて、服がめくられた。
「やっ」
異性に見られたことのない肌が、あっけなくクリフォードの目に晒される。いやらしく充血して、尖り、つまみやすい形になった乳首がつんと上向いて、ジェイミーが声をあげるたびに震えているのが恥ずかしい。
(従兄? オリヴァーの名前が、どうして今出てくる?)
「オリヴァー、は関係な、いだろ……う!」
「本当に気づいてないんだな」
つまんでこねるように虐めて、クリフォードは鼻で笑った。
「従兄がお茶会に呼びたい、と言っていただろう。結婚した女に、男が茶会を誘うのはな、不倫をしようという意味だ。俺には聞こえないように言ったつもりらしいがな」
耳元に口を寄せ、リップ音をたててわざと水音を耳に響かせ、ジェイミーの羞恥を煽りたてる。先ほどまでくすぐったかったはずが、胸の尖りをこねられ、乳房をやわやわと揉まれるたびに、なぜだかぴりぴりと身体の奥に何かを響かせてくる。
「ひぁっ……やめ、てくれ。オリヴァーと、そんな関係に、あっなるつもりなんか……っ私は……」
弱々しい抵抗の声に、クリフォードが止まってくれるわけもない。
「茶会に誘われてのこのこついていったらどうなると思う? 今みたいに、簡単に組み敷かれて犯されるだろうな?」
「そな、こと……あっあ、だめ! やめ、あ、ぁあっいやぁ……っ」
耳で囁いていた口が突然乳首をねぶり始める。ちゅくちゅくと音をたてて舌で乳首を転がされ、両の胸を同時に責め立てられた。拒絶の声は、甘い嬌声でしかない。
「わた、私は、おとこ、だから……! オリヴァー、となんか……あっ」
「男だと言うなら、俺の手で簡単によがるな。なあ、ジェイ。わかってるか? さっきからここを弄ってやるたびに、腰が揺れてるぞ」
「……っ!?」
ざっとスカートがたくしあげられて、太ももを撫でられる。
「いやだ、そんな場所……ああっ」
足を差し込まれて閉じられなくされた股を、容赦なくクリフォードの手が這う。ドロワーズを用意されていなかったせいでスカートの下はすぐに秘部だ。その茂みの奥の割れ目を、クリフォードの指が開いて、くちゃりと音が響いた。
「聞こえるか? ここ。お前の女の穴が、蜜を零してる」
指が割れ目の筋に沿って前後する。ただそれだけの動きなのに、秘部からは、ぬち、ぬち、と水音を響いて濡れているのがわかってしまう。
「言うな! やっあ、ああっ」
経験はなくとも、淑女教育の一環としてジェイミーもある程度の閨ごとは教えられている。性交において痛みをなくすためには、そこを濡らす必要があるのだと。そして、濡れているのであれば、身体が快楽を覚えているのだということも、知識としてはジェイミーは知っている。だが。
(こんなの、うそだ。うそだ……女、みたいな……!)
身体に心が追いつかない。
「感じやすいな、ジェイ。いい、そのまま感じてろ」
「……っ」
つぷ、と指が一本、誰も侵入したことのない場所にはいってくる。それを拒むどころか、蜜は滑りをよくして指を受け入れ、そうして、クリフォードの指が割れ目の間にある豆に触れた瞬間だった。
「……っんあああ……っ!?」
びりびりと、股の間から何かが走りぬける。蜜壺が痙攣して、クリフォードの指をきゅうきゅうと締めつけた。初めてのその感覚が、ジェイミーにはなんなのかわからない。
「……?」
は、は、と浅く呼吸をくりかえして、身体を襲った感覚がなんなのか考えていると、クリフォードの低く、そして愉快そうに喉を鳴らした笑い声が小さく聞こえた。
「軽くイったな」
「……そんな、わけ……」
自慰すらしたことのないジェイミーは、絶頂を味わったことだって今まで一度もない。反射的に否定しかかって、ジェイミーは絶頂がどんなものかすらわかっていない自分に気づき、口をつぐんだ。両腕を片手で拘束され、胸と秘部だけを捲られて曝け出した、そんな情けない格好で、生まれて初めての女の絶頂をジェイミーは迎えたのだ。
「……いやだ」
途端に、目に涙が浮かんだ。否定しても否定しても、この身体は自分が女なのだと伝えてくる。未だ蜜壺に差し込まれたままのクリフォードの指を、きゅっと締めつけて、異物を受け入れる場所があるのだと思い知らされる。
「まあいい。今から、たっぷり甘やかして、どろどろにして、せいぜい苦しくないようにしてやる。……抱かれれば快楽でどうでもよくなるなんて外道なことは言わねえがな。……俺を、受け入れろ」
「いやだ……は、ぁんっ」
止まっていたクリフォードの手が、再び動き始めて愛撫が再開される。もうジェイミーの口からは喘ぎ声しか出ない。とうに抵抗の力をなくした腕は解放されたが、ジェイミーが暴れようと大人しくしようと、クリフォードの口と手は容赦なく彼女の肌を暴く。
それからどれだけの時間が経ったのか、服は完全に剥ぎ取られ全身を愛撫されて、ジェイミーは数え切れないほどに絶頂を味わった。そのせいで割れ目は蜜壺から溢れた愛液でびちゃびちゃに濡れ、内腿を汚すにまでなっている。
「いあ、ああっああああ……っ」
愛撫のたびに、ジェイミーは自分の身体がよがる場所を、クリフォードに教え込まれる。触れられるだけで身体の奥に熱が灯り、ただ指で軽く圧されただけで口から嬌声が飛び出るなんて場所を、ジェイミーはそれまで全く知らなかった。だというのに今ではクリフォードの触れる全てが快楽に繋がって、わけがわからない。そうして何度絶頂したかわからないころになって、やっと、クリフォードの手がジェイミーの身体から離れた。拘束されていなくても、快楽に堕とされた身体は力が入らず、仰向けでだらしくなく股を開いたまま、ジェイミーは呼吸をくりかえすしかない。
「は……もう……許してくれ」
嬌声で掠れた声で哀願したが、クリフォードは低く笑った。
「誰にも抱かれるつもりがないなら、喘いだらだめだろう。大体、初夜に夫がきて、抱かれないと思うほうがおかしい」
(それは、普通の、女だったらの話だ)
ジェイミーの中身が男だということをわかったうえで、利害関係で結婚を承諾してくれたのではなかったのか。そんな想いを、ジェイミーは口に出せないでいる。
「ジェイ」
彼女を容赦なく快楽に落とし込んだクリフォードが、優しく甘い声を出す。そして、今まで羽織ったままだったナイトガウンを、彼は脱ぎ捨てた。現れた裸体は、いくつもの傷痕に彩られたはりのある筋肉で、長年鍛えられた体躯は彼の四十という歳を感じさせない立派なものだ。そして、それは上半身だけではない。下半身には、太く固くそそりたった男根がある。
「もういいだろう。存分にほぐしたからな」
ジェイミーの両腿を抱え上げて膝に乗せると、クリフォードはぬちゃ、と音をたてて、秘部に固いものが押しつける。
先ほどまで、秘部は指だけでほぐされていた。そうして、今からはいよいよ男根で貫かれるのだ。騎士時代だって守りぬいた操が、今、旧友の手によって散らされようとしている。
「だめだ、それだけは……!」
「いやがっても、お前は俺の妻だ」
「クリフォード! お願いだ……わ、私を……女になんか、しないで……くれ……」
(お前にだけは)
ジェイミーの懇願の声は、虚しくも無視される。
「う、あ……っ」
ぐぐっと腰を押し付けられて、太い肉棒がジェイミーの蜜壺を押し広げていく。時間をかけて解されてはいても、処女の蜜壺はあまりに小さく狭い。その女の穴をクリフォードがみちみちと埋めて侵入してきた。
「あ、あああ……」
股に伝わる痛みが、純潔を散らされたのだとジェイミーにいやでも思い知らせる。股を埋めた熱い異物が、彼女を女にしたのだと。乾いたと思った涙が再び零れて、言葉にならないうめき声が口から漏れる。だがクリフォードはそのまま、彼女の最奥まで自身を押し込んだ。
「……狭いな。ああ、泣かせてしまったか」
彼女の股を貫いたまま、クリフォードは指で彼女の涙を拭う。その手つきは酷く優しくて、それがかえってジェイミーの心を抉った。
(お前にだけは、こんなこと……されたくなかった……)
ジェイミーは両手で顔を覆って、それ以上の涙を見られまいとする。
「もう……これ以上は、勘弁してくれ……お願いだ」
言葉は固くとも、口から漏れるのは可憐な女性の声だ。自身の声だとわかっていながら、ジェイミーはそれが恨めしい。せめて低い声なら、哀願するようなこんな情けない声でなければ。そうは思っても、彼女の身体は女だ。クリフォードがわずかに身体を動かし、その振動で繋がったままの奥が揺すぶられると、痛みでうめいていたはずの蜜壺が敏感に揺れた。
身体は、快楽を求めている。
「……やっと、俺の腕の中にいるんだ。初夜くらいゆっくりさせろ」
そう告げたクリフォードは、初めて男に貫かれたジェイミーを、再び快楽の渦へと叩きこんだのだった。
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